JP2607245B2 - 犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器用高強度A▲l▼合金製複合薄肉フイン材 - Google Patents
犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器用高強度A▲l▼合金製複合薄肉フイン材Info
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- JP2607245B2 JP2607245B2 JP62044199A JP4419987A JP2607245B2 JP 2607245 B2 JP2607245 B2 JP 2607245B2 JP 62044199 A JP62044199 A JP 62044199A JP 4419987 A JP4419987 A JP 4419987A JP 2607245 B2 JP2607245 B2 JP 2607245B2
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- heat exchangers
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、フィン材と管材とをろう付けすることに
より熱交換器を製造するに際して、ろう付け時の加熱に
対してすぐれた耐垂下性を示す高温強度と、ろう付け後
も容易に変形しない室温強度を有し、かつろう付け後の
管材に対してすぐれた犠牲陽極効果を発揮する熱交換器
用Al合金製複合薄肉フィン材に関するものである。
より熱交換器を製造するに際して、ろう付け時の加熱に
対してすぐれた耐垂下性を示す高温強度と、ろう付け後
も容易に変形しない室温強度を有し、かつろう付け後の
管材に対してすぐれた犠牲陽極効果を発揮する熱交換器
用Al合金製複合薄肉フィン材に関するものである。
一般に、Al合金は軽くて熱伝導性にもすぐれ、かつ耐
食性も良好であることから、例えば自動車のラジエータ
などの熱交換器の製造に広く用いられている。
食性も良好であることから、例えば自動車のラジエータ
などの熱交換器の製造に広く用いられている。
この熱交換器は、例えばAl−Mn系合金を芯材とし、こ
の芯材の片面にAl−Si系合金のろう材をクラッドしたも
のからなるブレージングシートで構成された管材と、Al
−Mn系合金のフィン材とを組合せ、この組合せ体を、真
空中でフラックスなしでろう付けするか、不活性ガスあ
るいは大気中でフラックスを用いてろう付けすることに
よって製造されている。
の芯材の片面にAl−Si系合金のろう材をクラッドしたも
のからなるブレージングシートで構成された管材と、Al
−Mn系合金のフィン材とを組合せ、この組合せ体を、真
空中でフラックスなしでろう付けするか、不活性ガスあ
るいは大気中でフラックスを用いてろう付けすることに
よって製造されている。
したがって、熱交換器用Al合金製フィン材には、ろう
付け時におけるろう材の溶融温度以上の加熱に対して変
形しない十分な耐垂下性、すなわち高温強度が要求され
ることは勿論のこと、ろう付け後の熱交換器使用時の風
圧などに対して容易に変形、破断しないことに加えて、
管材に対して十分満足するすぐれた犠牲陽極効果を発揮
することが要求されるものである。
付け時におけるろう材の溶融温度以上の加熱に対して変
形しない十分な耐垂下性、すなわち高温強度が要求され
ることは勿論のこと、ろう付け後の熱交換器使用時の風
圧などに対して容易に変形、破断しないことに加えて、
管材に対して十分満足するすぐれた犠牲陽極効果を発揮
することが要求されるものである。
しかし、上記のAl−Mn系合金製フィン材においては、
これがAl−Mn−Sn系合金製のものであれば、真空中での
ろう付け後でもすぐれた犠牲陽極効果を発揮するが、高
温強度の劣るものであり、またAl−Mn−Zn系合金製のも
のは、不活性ガス雰囲気中、あるいは大気中でろう付け
を行なった場合には、ろう付け後もすぐれた犠牲陽極効
果を示すが、真空ろう付けを適用した場合は、Znは蒸気
圧が高いために、ろう付け中にフィン材中のZnが多く蒸
発してしまい、特に厚さが0.1mm以下の薄肉フィン材で
は、ろう付け後のZn残留量がほとんど零になってしま
い、管材に対する犠牲陽極効果を発揮しないばかりでな
く、Znの蒸発による炉の汚染などの問題があるものであ
り、さらに、上記のいずれのAl−Mn系合金製のものも、
ろう付け後の室温強度が比較的低く、熱交換器使用時に
フィンの変形や破断が起り易く、熱交換性能低下の原因
となっている。
これがAl−Mn−Sn系合金製のものであれば、真空中での
ろう付け後でもすぐれた犠牲陽極効果を発揮するが、高
温強度の劣るものであり、またAl−Mn−Zn系合金製のも
のは、不活性ガス雰囲気中、あるいは大気中でろう付け
を行なった場合には、ろう付け後もすぐれた犠牲陽極効
果を示すが、真空ろう付けを適用した場合は、Znは蒸気
圧が高いために、ろう付け中にフィン材中のZnが多く蒸
発してしまい、特に厚さが0.1mm以下の薄肉フィン材で
は、ろう付け後のZn残留量がほとんど零になってしま
い、管材に対する犠牲陽極効果を発揮しないばかりでな
く、Znの蒸発による炉の汚染などの問題があるものであ
り、さらに、上記のいずれのAl−Mn系合金製のものも、
ろう付け後の室温強度が比較的低く、熱交換器使用時に
フィンの変形や破断が起り易く、熱交換性能低下の原因
となっている。
また、一方で熱交換器に対する軽量化およびコスト低
減の要求が強く、フィン材の薄肉化が急務になっている
のが現状である。
減の要求が強く、フィン材の薄肉化が急務になっている
のが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、単一
材にて高温および室温強度と犠牲陽極効果を具備したフ
ィン材を製造することはきわめて困難であるとの認識に
立ち、これらの特性を具備したフィン材を複合材にて製
造すべく研究を行なった結果、熱交換器用Al合金製フィ
ン材を、重量%で(以下%は重量%を示す)、 Mn:0.9〜1.5%、Si:1%超〜1.3%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Zr:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜0.2%、 V:0.01〜0.2%、Mg:0.1〜1%、 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがAlと不可
避不純物からなるAl合金製芯材の両面に、 Sn:0.03〜0.15%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有す
るAl合金製皮材をクラッドした複合材で構成すると、フ
ィン材の厚さを0.1mm以下の薄肉にしたとしても、上記
芯材によってすぐれた高温強度(耐垂下性)とろう付け
後の室温強度が確保され、かつ上記皮材はSnの含有によ
って電気化学的に十分卑になることから、この皮材によ
ってすぐれた犠牲陽極効果が確保されるようになるとい
う知見を得たのである。
材にて高温および室温強度と犠牲陽極効果を具備したフ
ィン材を製造することはきわめて困難であるとの認識に
立ち、これらの特性を具備したフィン材を複合材にて製
造すべく研究を行なった結果、熱交換器用Al合金製フィ
ン材を、重量%で(以下%は重量%を示す)、 Mn:0.9〜1.5%、Si:1%超〜1.3%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Zr:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜0.2%、 V:0.01〜0.2%、Mg:0.1〜1%、 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがAlと不可
避不純物からなるAl合金製芯材の両面に、 Sn:0.03〜0.15%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有す
るAl合金製皮材をクラッドした複合材で構成すると、フ
ィン材の厚さを0.1mm以下の薄肉にしたとしても、上記
芯材によってすぐれた高温強度(耐垂下性)とろう付け
後の室温強度が確保され、かつ上記皮材はSnの含有によ
って電気化学的に十分卑になることから、この皮材によ
ってすぐれた犠牲陽極効果が確保されるようになるとい
う知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、以下に芯材および皮材の成分組成を上記の通りに
限定した理由を説明する。
って、以下に芯材および皮材の成分組成を上記の通りに
限定した理由を説明する。
A.芯材 (a) MnおよびSi MnとSi成分は、Alと結合してAl−Mn−Si系化合物を形
成し、これが素地中に微細に分散析出することから、高
温および室温での変形抵抗が上がり、もってろう付け時
の耐垂下性(高温強度)および室温強度を向上させる作
用をもつが、その含有量がMn:0.9%未満およびSi:1%以
下では前記作用に所望のすぐれた効果が得られず、一方
Mn:1.5%およびSi:1.3%をそれぞれ越えて含有させても
より一層の向上効果が得られないばかりでなく、溶解鋳
造時に巨大晶を形成して加工性が損なわれるようになる
ことから、その含有量を、それぞれMn:0.9〜1.5%、Si:
1%超〜1.3%と定めた。
成し、これが素地中に微細に分散析出することから、高
温および室温での変形抵抗が上がり、もってろう付け時
の耐垂下性(高温強度)および室温強度を向上させる作
用をもつが、その含有量がMn:0.9%未満およびSi:1%以
下では前記作用に所望のすぐれた効果が得られず、一方
Mn:1.5%およびSi:1.3%をそれぞれ越えて含有させても
より一層の向上効果が得られないばかりでなく、溶解鋳
造時に巨大晶を形成して加工性が損なわれるようになる
ことから、その含有量を、それぞれMn:0.9〜1.5%、Si:
1%超〜1.3%と定めた。
(b) Zr,Cr、およびV これらの成分には、Alと結合して化合物を形成し、こ
れが素地中に微細に分散析出して芯材の再結晶温度を上
昇させ、もってろう付け加熱時に再結晶粒の粗大化をも
たらし、これによって耐垂下性が向上するようになるの
で、特により一層の耐垂下性が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量が、それぞれZr:0.01
%未満、Cr:0.01%未満、およびV:0.01%未満では所望
の耐垂下性向上効果が得られず、一方その含有量が、そ
れぞれZr:0.15%、Cr:0.2%、およびV:0.2%を越える
と、溶解鋳造時に巨大晶を形成し易くなって加工性が低
下するようになり、かつ耐垂下性により一層の向上効果
も現われないことから、その含有量を、それぞれZr:0.0
1〜0.15%、Cr:0.01〜0.2%、およびV:0.01〜0.2%と定
めた。
れが素地中に微細に分散析出して芯材の再結晶温度を上
昇させ、もってろう付け加熱時に再結晶粒の粗大化をも
たらし、これによって耐垂下性が向上するようになるの
で、特により一層の耐垂下性が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量が、それぞれZr:0.01
%未満、Cr:0.01%未満、およびV:0.01%未満では所望
の耐垂下性向上効果が得られず、一方その含有量が、そ
れぞれZr:0.15%、Cr:0.2%、およびV:0.2%を越える
と、溶解鋳造時に巨大晶を形成し易くなって加工性が低
下するようになり、かつ耐垂下性により一層の向上効果
も現われないことから、その含有量を、それぞれZr:0.0
1〜0.15%、Cr:0.01〜0.2%、およびV:0.01〜0.2%と定
めた。
(c) Mg Mg成分には、素地に固溶して、電気化学的性質をほと
んど変えない状態で、室温強度を一段と向上させる作用
があるので、特に室温強度が要求される場合に必要に応
じて含有されるが、その含有量が0.1%未満では所望の
室温強度向上効果が得られず、一方その含有量が1%を
越えると、再結晶粒の粗大化が阻止され、この結果耐垂
下性の著しい低下を招くようになることから、その含有
量を0.1〜1%と定めた。
んど変えない状態で、室温強度を一段と向上させる作用
があるので、特に室温強度が要求される場合に必要に応
じて含有されるが、その含有量が0.1%未満では所望の
室温強度向上効果が得られず、一方その含有量が1%を
越えると、再結晶粒の粗大化が阻止され、この結果耐垂
下性の著しい低下を招くようになることから、その含有
量を0.1〜1%と定めた。
B.皮材のSn Sn成分には、皮材を電気化学的に卑にし、もってすぐ
れた犠牲陽極効果を付与せしめる作用があるが、その含
有量が0.03%未満では所望のすぐれた犠牲陽極効果を確
保することができず、一方その含有量が0.15%を越えて
もより前記作用により一層の向上効果が現われないばか
りでなく、Sn成分は低融点金属であることから、高温強
度の低下を招くようになることから、その含有量を0.03
〜0.15%と定めた。
れた犠牲陽極効果を付与せしめる作用があるが、その含
有量が0.03%未満では所望のすぐれた犠牲陽極効果を確
保することができず、一方その含有量が0.15%を越えて
もより前記作用により一層の向上効果が現われないばか
りでなく、Sn成分は低融点金属であることから、高温強
度の低下を招くようになることから、その含有量を0.03
〜0.15%と定めた。
つぎに、この発明の複合薄肉フィン材を実施例により
具体的に説明する。
具体的に説明する。
通常の溶解法によりそれぞれ第1表に示される最終成
分組成をもった本発明芯材用Al合金a〜kおよび本発明
皮材用Al合金イ、ロを溶製し、鋳造して鋳塊とした後、
通常の条件で均質化処理を施し、ついでこれらのAl合金
鋳塊のうち、本発明芯材用Al合金a〜kについては、通
常の条件で熱間圧延を施して板厚:8mmの熱延板とし、さ
らに本発明皮材用Al合金イ、ロには、同様に通常の条件
で熱間圧延を施して板厚:5mmの熱延板とした後、冷間圧
延を施して板厚:1mmの冷延板とし、つぎにこのようにし
て成形した板厚:8mmの本発明芯材用Al合金熱延板と、板
厚:1mmの本発明皮材用Al合金冷延板とを第2表に示され
る組 合せにおいて、前記熱延板の両面に前記冷延板を重ね合
わせ、この重ね合せ体に通常の条件で熱間圧延を施して
クラッドして板厚:3mmとし、引続いてこれに適宜中間焼
鈍を加えながら冷間圧延(最終冷間加工率:30%)を施
して板厚:0.08mmの本発明複合フィン材1〜22をそれぞ
れ製造した。
分組成をもった本発明芯材用Al合金a〜kおよび本発明
皮材用Al合金イ、ロを溶製し、鋳造して鋳塊とした後、
通常の条件で均質化処理を施し、ついでこれらのAl合金
鋳塊のうち、本発明芯材用Al合金a〜kについては、通
常の条件で熱間圧延を施して板厚:8mmの熱延板とし、さ
らに本発明皮材用Al合金イ、ロには、同様に通常の条件
で熱間圧延を施して板厚:5mmの熱延板とした後、冷間圧
延を施して板厚:1mmの冷延板とし、つぎにこのようにし
て成形した板厚:8mmの本発明芯材用Al合金熱延板と、板
厚:1mmの本発明皮材用Al合金冷延板とを第2表に示され
る組 合せにおいて、前記熱延板の両面に前記冷延板を重ね合
わせ、この重ね合せ体に通常の条件で熱間圧延を施して
クラッドして板厚:3mmとし、引続いてこれに適宜中間焼
鈍を加えながら冷間圧延(最終冷間加工率:30%)を施
して板厚:0.08mmの本発明複合フィン材1〜22をそれぞ
れ製造した。
また、比較の目的で、同じく第1表に示される最終成
分組成をもった従来フィン材用Al合金1,2を溶製し、鋳
造し、均質化処理した後、これに通常の条件で熱間圧延
を施して板厚:5mmの熱延板とし、引続いて適宜中間焼鈍
を加えながら冷間圧延(最終冷間加工率:30%)を施す
ことによって板厚:0.08mmの従来単一フィン材1,2を製造
した。
分組成をもった従来フィン材用Al合金1,2を溶製し、鋳
造し、均質化処理した後、これに通常の条件で熱間圧延
を施して板厚:5mmの熱延板とし、引続いて適宜中間焼鈍
を加えながら冷間圧延(最終冷間加工率:30%)を施す
ことによって板厚:0.08mmの従来単一フィン材1,2を製造
した。
つぎに、この結果得られた各種のフィン材について、
高温強度を評価する目的で耐垂下性試験、ろう付け後の
室温強度を評価する目的で加熱後引張試験、および犠牲
陽極効果を評価する目的で酸性海水噴霧試験をそれぞれ
行なった。
高温強度を評価する目的で耐垂下性試験、ろう付け後の
室温強度を評価する目的で加熱後引張試験、および犠牲
陽極効果を評価する目的で酸性海水噴霧試験をそれぞれ
行なった。
なお、耐垂下性試験は、幅:30mm×長さ:140mm×厚さ:
0.08mmの寸法をもった試片を用い、この試片の長さ方向
の一端から30mmの部分を水平保持した状態で、約10-4to
rrの真空中、温度:620℃に5分間保持の条件で行ない、
長さ:110mmの自由端の垂下高さを測定した。
0.08mmの寸法をもった試片を用い、この試片の長さ方向
の一端から30mmの部分を水平保持した状態で、約10-4to
rrの真空中、温度:620℃に5分間保持の条件で行ない、
長さ:110mmの自由端の垂下高さを測定した。
また、この場合の耐垂下性試験後の試片を用い、犠牲
陽極効果を評価する目的で、1規定の食塩水中での孔食
電位(飽和カロメル電極基準)を測定した。
陽極効果を評価する目的で、1規定の食塩水中での孔食
電位(飽和カロメル電極基準)を測定した。
また、加熱後引張試験では、試片を、10-4torrの真空
中、温度:620℃に5分間保持の条件で加熱した後の引張
強さを測定した。
中、温度:620℃に5分間保持の条件で加熱した後の引張
強さを測定した。
さらに、酸性海水噴霧試験は、第1図に斜視図で示さ
れるように、Mn:1.05%、Cu:0.1%を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成を有する厚さ:0.36mmの芯
材の片面に、Si:9.5%、Mg:1.53%を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成を有する厚さ:0.04mmのろ
う材をクラッドしてなる幅:20mm×長さ50mm×厚さ:0.4m
mの管材用複合材1上に、コルゲート加工した幅:20mm×
長さ:50mmの試片2を載置し、この状態で真空中、温度:
620℃に5分間保持の条件でろう付け処理を施し、この
結果のろう付け後の組立て体に対して30日間の酸性海水
噴霧を行ない、試験後の管材用複合材1における孔食発
生数および最大孔食深さを測定することによって行なっ
た。これらの結果を第2表に示した。
れるように、Mn:1.05%、Cu:0.1%を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成を有する厚さ:0.36mmの芯
材の片面に、Si:9.5%、Mg:1.53%を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成を有する厚さ:0.04mmのろ
う材をクラッドしてなる幅:20mm×長さ50mm×厚さ:0.4m
mの管材用複合材1上に、コルゲート加工した幅:20mm×
長さ:50mmの試片2を載置し、この状態で真空中、温度:
620℃に5分間保持の条件でろう付け処理を施し、この
結果のろう付け後の組立て体に対して30日間の酸性海水
噴霧を行ない、試験後の管材用複合材1における孔食発
生数および最大孔食深さを測定することによって行なっ
た。これらの結果を第2表に示した。
第2表に示される結果から、本発明複合フィン材1〜
22は、いずれも従来単一フィン材1,2に比して耐垂下性
(高温強度)およびろう付け後の室温強度にすぐれ、か
つすぐれた犠牲陽極効果を示すことが明らかである。
22は、いずれも従来単一フィン材1,2に比して耐垂下性
(高温強度)およびろう付け後の室温強度にすぐれ、か
つすぐれた犠牲陽極効果を示すことが明らかである。
上述のように、この発明のAl合金製複合薄肉フィン材
は、すぐれた耐垂下性(高温強度)を有しているので、
熱交換器の製造に際して適用されるろう付け処理におい
て“へたり”などの発生がなく、したがって良好なろう
付けを行なうことができるばかりでなく、ろう付け後も
高い室温強度を示し、さらにろう付けされる管材に対し
て電気化学的に十分卑な特性を示すことから、管材に対
して十分な犠牲陽極効果を発揮し、かつ自体がすぐれた
耐食性を具備することと合まって、熱交換器の著しい延
命化を可能にするなどの工業上有用な特性を有するので
ある。
は、すぐれた耐垂下性(高温強度)を有しているので、
熱交換器の製造に際して適用されるろう付け処理におい
て“へたり”などの発生がなく、したがって良好なろう
付けを行なうことができるばかりでなく、ろう付け後も
高い室温強度を示し、さらにろう付けされる管材に対し
て電気化学的に十分卑な特性を示すことから、管材に対
して十分な犠牲陽極効果を発揮し、かつ自体がすぐれた
耐食性を具備することと合まって、熱交換器の著しい延
命化を可能にするなどの工業上有用な特性を有するので
ある。
第1図は酸性海水噴霧試験に用いられる組立て体の斜視
図である。 1……管材用複合材、2……試片。
図である。 1……管材用複合材、2……試片。
Claims (4)
- 【請求項1】Mn:0.9〜1.5%、Si:1%超〜1.3%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有す
るAl合金製芯材の両面に、 Sn:0.03〜0.15%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有するAl合金製皮材をクラッドしてなり、か
つ0.1mm以下の厚さを有することを特徴とする犠牲陽極
効果のすぐれた熱交換器用高強度Al合金製複合薄肉フィ
ン材。 - 【請求項2】Mn:0.9〜1.5%、Si:1%超〜1.3%、 を含有し、さらに、 Zr:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜0.2%、 V:0.01〜0.2%、 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがAlと不可
避不純物からなる組成を有するAl合金製芯材の両面に、 Sn:0.03〜0.15%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有するAl合金製皮材をクラッドしてなり、か
つ0.1mm以下の厚さを有することを特徴とする犠牲陽極
効果のすぐれた熱交換器用高強度Al合金製複合薄肉フィ
ン材。 - 【請求項3】Mn:0.9〜1.5%、Si:1%超〜1.3%、 を含有し、さらに、 Mg:0.1〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有す
るAl合金製芯材の両面に、 Sn:0.03〜0.15%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有するAl合金製皮材をクラッドしてなり、か
つ0.1mm以下の厚さを有することを特徴とする犠牲陽極
効果のすぐれた熱交換器用高強度Al合金製複合薄肉フィ
ン材。 - 【請求項4】Mn:0.9〜1.5%、Si:1%超〜1.3%、 を含有し、 Zr:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜0.2%、 V:0.01〜0.2%、 のうちの1種または2種以上を含有し、さらに、 Mg:0.1〜1%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有す
るAl合金製芯材の両面に、 Sn:0.03〜0.15%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以上
重量%)を有するAl合金製皮材をクラッドしてなり、か
つ0.1mm以下の厚さを有することを特徴とする犠牲陽極
効果のすぐれた熱交換器用高強度Al合金製複合薄肉フィ
ン材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62044199A JP2607245B2 (ja) | 1987-02-27 | 1987-02-27 | 犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器用高強度A▲l▼合金製複合薄肉フイン材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62044199A JP2607245B2 (ja) | 1987-02-27 | 1987-02-27 | 犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器用高強度A▲l▼合金製複合薄肉フイン材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63213646A JPS63213646A (ja) | 1988-09-06 |
JP2607245B2 true JP2607245B2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=12684900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62044199A Expired - Lifetime JP2607245B2 (ja) | 1987-02-27 | 1987-02-27 | 犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器用高強度A▲l▼合金製複合薄肉フイン材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2607245B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112021003472T5 (de) | 2020-06-30 | 2023-04-13 | Denso Corporation | Mit einer Aluminiumlegierung plattiertes Material |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55119146A (en) * | 1979-03-09 | 1980-09-12 | Furukawa Alum Co Ltd | Aluminum fin material for heat exchanger |
JPS57203742A (en) * | 1981-06-08 | 1982-12-14 | Mitsubishi Alum Co Ltd | High strength al alloy with superior thermal deformation resistance and heat conductivity |
JPS5887245A (ja) * | 1981-11-20 | 1983-05-25 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 耐垂下性にすぐれた熱交換器フイン材用Al合金薄板 |
JPS6033346A (ja) * | 1983-08-04 | 1985-02-20 | Sukai Alum Kk | 熱交換器用フィン材もしくはブレ−ジングシ−トの製造方法 |
-
1987
- 1987-02-27 JP JP62044199A patent/JP2607245B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112021003472T5 (de) | 2020-06-30 | 2023-04-13 | Denso Corporation | Mit einer Aluminiumlegierung plattiertes Material |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS63213646A (ja) | 1988-09-06 |
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