JP2606966B2 - ポリプロピレン組成物 - Google Patents
ポリプロピレン組成物Info
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- JP2606966B2 JP2606966B2 JP2329756A JP32975690A JP2606966B2 JP 2606966 B2 JP2606966 B2 JP 2606966B2 JP 2329756 A JP2329756 A JP 2329756A JP 32975690 A JP32975690 A JP 32975690A JP 2606966 B2 JP2606966 B2 JP 2606966B2
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、染色性および紡糸性が改良されたポリプロ
ピレン組成物に関する。
ピレン組成物に関する。
〔従来技術およびその問題点〕 結晶性ポリプロピレンは、良好な繊維物性を有してい
るが、分子構造的に極性基を持たない為に染色性が著し
く劣るという問題があった。この問題を解決する為にPP
中にポリアミドを混合することは良く知られている(例
えば、特公昭36−22913)。しかしながら、ポリアミド
はポリプロピレン中に良く分散せず、このため紡糸性が
悪い、染色むらが生じるという問題があった。したがっ
て、このようなポリプロピレン中にポリアミドを良く分
散させるために、さらに酸、酸ハロゲン化物もしくは酸
無水物により変性されたポリプロピレン(以下、単に変
性ポリプロピレンともいう)を混合することが提案され
ている(特開昭59−232135)。しかしながら、通常のポ
リアミド変性ポリオレフィンで単に分散させるポリプロ
ピレン組成物では、ポリアミドの量を30wt%以上添加す
れば著しく紡糸延伸性が悪くなる、ポリアミドの添加量
が30wt%以下であれば染色性が不十分であるという問題
があった。
るが、分子構造的に極性基を持たない為に染色性が著し
く劣るという問題があった。この問題を解決する為にPP
中にポリアミドを混合することは良く知られている(例
えば、特公昭36−22913)。しかしながら、ポリアミド
はポリプロピレン中に良く分散せず、このため紡糸性が
悪い、染色むらが生じるという問題があった。したがっ
て、このようなポリプロピレン中にポリアミドを良く分
散させるために、さらに酸、酸ハロゲン化物もしくは酸
無水物により変性されたポリプロピレン(以下、単に変
性ポリプロピレンともいう)を混合することが提案され
ている(特開昭59−232135)。しかしながら、通常のポ
リアミド変性ポリオレフィンで単に分散させるポリプロ
ピレン組成物では、ポリアミドの量を30wt%以上添加す
れば著しく紡糸延伸性が悪くなる、ポリアミドの添加量
が30wt%以下であれば染色性が不十分であるという問題
があった。
本発明者らは、上記した問題に鑑み、染色性および紡
糸性を共に満足する良好なポリプロピレン組成物を得る
ために、鋭意研究した。その結果、ポリプロピレン、酸
変性ポリプロピレンおよびポリアミドよりなる組成物に
おいて、ポリプロピレン中に存在させるポリアミドを厳
密に特定することにより、解決したものである。
糸性を共に満足する良好なポリプロピレン組成物を得る
ために、鋭意研究した。その結果、ポリプロピレン、酸
変性ポリプロピレンおよびポリアミドよりなる組成物に
おいて、ポリプロピレン中に存在させるポリアミドを厳
密に特定することにより、解決したものである。
即ち、本発明によれば、 (a)ポリプロピレン、(b)酸グラフト量10×10-6〜
10×10-4モル/gの酸変性ポリプロピレンおよび(c)末
端アミノ基を60×10-6当量/g以上有するポリアミドから
なり、 (b)/((a)+(b))は1〜30重量% (c)/((a)+(b)+(c))は30〜50重量% の範囲の組成物であって、且つポリアミドが、径1ミク
ロン以下の島として、ポリプロピレンの海中に分散した
ポリプロピレン組成物が提供される。
10×10-4モル/gの酸変性ポリプロピレンおよび(c)末
端アミノ基を60×10-6当量/g以上有するポリアミドから
なり、 (b)/((a)+(b))は1〜30重量% (c)/((a)+(b)+(c))は30〜50重量% の範囲の組成物であって、且つポリアミドが、径1ミク
ロン以下の島として、ポリプロピレンの海中に分散した
ポリプロピレン組成物が提供される。
本発明に用いるポリプロピレンは、十分な強度の繊維
を得るために結晶性ポリプロピレンが望ましく、プロピ
レンの単独重合体のみならず、プロピレン成分が70%以
上あれば他のα−オレフィンとの共重合体であっても良
い。また、このようなポリプロピレンの重量平均分子量
は、良好な繊維形成を得るために10万から50万の間にあ
ればよい。
を得るために結晶性ポリプロピレンが望ましく、プロピ
レンの単独重合体のみならず、プロピレン成分が70%以
上あれば他のα−オレフィンとの共重合体であっても良
い。また、このようなポリプロピレンの重量平均分子量
は、良好な繊維形成を得るために10万から50万の間にあ
ればよい。
本発明にいう酸変性ポリプロピレンは、例えば無水マ
レイン酸、アクリル酸、イタコン酸等のαβ不飽和酸を
グラフトしたもので、酸のグラフト量が10×10-6モル/g
から10×10-4モル/gの間にあれば良い。このような酸変
性ポリプロピレンの製法は特に制限されないが、一般に
パーオキサイドの存在下で溶融したポリプロピレンまた
は溶媒に溶かしたポリプロピレンに、αβ不飽和酸をグ
ラフトする溶融グラフト反応または溶融グラフト反応が
好適に用いられる。なお、酸変性PPの重量平均分子量は
特に限定されないが、一般に1000から50万の間にあれば
よい。
レイン酸、アクリル酸、イタコン酸等のαβ不飽和酸を
グラフトしたもので、酸のグラフト量が10×10-6モル/g
から10×10-4モル/gの間にあれば良い。このような酸変
性ポリプロピレンの製法は特に制限されないが、一般に
パーオキサイドの存在下で溶融したポリプロピレンまた
は溶媒に溶かしたポリプロピレンに、αβ不飽和酸をグ
ラフトする溶融グラフト反応または溶融グラフト反応が
好適に用いられる。なお、酸変性PPの重量平均分子量は
特に限定されないが、一般に1000から50万の間にあれば
よい。
このような酸変性ポリプロピレンのポリプロピレン成
分中における割合は、一般に1wt%から30wt%の間にあ
ることが必要である。
分中における割合は、一般に1wt%から30wt%の間にあ
ることが必要である。
本発明に用いるポリアミドは、60×10-6当量/g以上の
末端アミノ基を有することが、所望の染色性を得るため
に重要である。即ち、本発明において、60×10-6当量/g
より少ない末端アミノ基を有するポリアミドを用いた場
合には、酸性染料に対する良好な染色性が達成されな
い。また、このような染色性の効果を十分に発揮するた
めには、特定したポリアミドの組成割合を全樹脂に対し
て30重量%以上にすることが必要である。即ち、ポリア
ミドの組成割合が30重量%より少ない場合には、染色性
に対する効果が十分でなく、逆に50重量%より多い場合
にはポリプロピレン繊維の特徴である撥水性が失われて
しまう。
末端アミノ基を有することが、所望の染色性を得るため
に重要である。即ち、本発明において、60×10-6当量/g
より少ない末端アミノ基を有するポリアミドを用いた場
合には、酸性染料に対する良好な染色性が達成されな
い。また、このような染色性の効果を十分に発揮するた
めには、特定したポリアミドの組成割合を全樹脂に対し
て30重量%以上にすることが必要である。即ち、ポリア
ミドの組成割合が30重量%より少ない場合には、染色性
に対する効果が十分でなく、逆に50重量%より多い場合
にはポリプロピレン繊維の特徴である撥水性が失われて
しまう。
また、本発明のポリプロピレン組成物においては、ポ
リプロピレンを海として、特定したポリアミドを、径が
1ミクロン以下の島として存在させる海島(相分離)構
造を形成させることが、良好な紡糸性を得るために極め
て重要である。このようなポリプロピレン組成物におい
て、ポリプロピレンを海とし、ポリアミドを島径が1ミ
クロン以下に存在させるためには、該ポリプロピレンの
成分割合を50重量%以上とすることが必要である。さら
に、ポリアミドの島径を1ミクロン以下にするために
は、ポリプロピレン成分(ポリプロピレンと酸変性ポリ
プロピレンの総称)中の酸成分の量が十分であることが
必要である。これがポリアミドの末端アミノ基と反応
し、ポリプロピレン鎖とポリアミド鎖とをブロック状に
結合したポリマーとなり、一方でポリプロピレンとの相
溶性を、他方でポリアミドとの相溶性を発揮するため、
ポリアミドをポリプロピレン中に分散させる界面活性剤
の役割を演ずる。このため、酸変性ポリプロピレン中の
酸成分量(酸成分のグラフト量)を増やすことは、ポリ
アミドの島径を小さくするために有効である。しかし、
ポリプロピレン成分中の酸成分量だけを必要以上に増や
すとかえって染色性の低下を招く。これはポリアミドの
末端アミノ基とポリアミド成分中の酸成分が反応し、酸
アミド結合を形成し酸性染料に対して実質的に有効なフ
リーの末端アミノ基の量を少なくするためである。そこ
でポリプロピレン成分中の酸成分の増加に対応してポリ
アミドの末端アミノ基の量も多く存在させる必要があ
る。本発明は、上記の如き諸条件を巧妙に調和させたも
のであって、酸成分のグラフト量が10×10-6〜10×10-4
モル/gの酸変性ポリプロピレンをポリプロピレン成分に
対して1〜30重量%の範囲とし、且つ60×10-6当量/g以
上末端基を有するポリアミドを30〜50重量%の範囲とす
ることにより、後述する如き混練手段によって、ポリア
ミドの島径を容易に1ミクロン以下になし得るのであ
る。これは延いては、良好な紡糸性と染色性とを有する
ポリプロピレン組成物となるのである。
リプロピレンを海として、特定したポリアミドを、径が
1ミクロン以下の島として存在させる海島(相分離)構
造を形成させることが、良好な紡糸性を得るために極め
て重要である。このようなポリプロピレン組成物におい
て、ポリプロピレンを海とし、ポリアミドを島径が1ミ
クロン以下に存在させるためには、該ポリプロピレンの
成分割合を50重量%以上とすることが必要である。さら
に、ポリアミドの島径を1ミクロン以下にするために
は、ポリプロピレン成分(ポリプロピレンと酸変性ポリ
プロピレンの総称)中の酸成分の量が十分であることが
必要である。これがポリアミドの末端アミノ基と反応
し、ポリプロピレン鎖とポリアミド鎖とをブロック状に
結合したポリマーとなり、一方でポリプロピレンとの相
溶性を、他方でポリアミドとの相溶性を発揮するため、
ポリアミドをポリプロピレン中に分散させる界面活性剤
の役割を演ずる。このため、酸変性ポリプロピレン中の
酸成分量(酸成分のグラフト量)を増やすことは、ポリ
アミドの島径を小さくするために有効である。しかし、
ポリプロピレン成分中の酸成分量だけを必要以上に増や
すとかえって染色性の低下を招く。これはポリアミドの
末端アミノ基とポリアミド成分中の酸成分が反応し、酸
アミド結合を形成し酸性染料に対して実質的に有効なフ
リーの末端アミノ基の量を少なくするためである。そこ
でポリプロピレン成分中の酸成分の増加に対応してポリ
アミドの末端アミノ基の量も多く存在させる必要があ
る。本発明は、上記の如き諸条件を巧妙に調和させたも
のであって、酸成分のグラフト量が10×10-6〜10×10-4
モル/gの酸変性ポリプロピレンをポリプロピレン成分に
対して1〜30重量%の範囲とし、且つ60×10-6当量/g以
上末端基を有するポリアミドを30〜50重量%の範囲とす
ることにより、後述する如き混練手段によって、ポリア
ミドの島径を容易に1ミクロン以下になし得るのであ
る。これは延いては、良好な紡糸性と染色性とを有する
ポリプロピレン組成物となるのである。
なお、ポリアミドとしては、良好な繊維形成性を有す
る数平均分子量が一般5,000〜30000である特にナイロン
−6が好ましい。数平均分子量が30000以上のポリアミ
ドを用いた場合には、本発明のポリプロピレン組成物に
おいて、該ポリアミドの島径を1ミクロン以下に形成す
ることが困難となり、紡糸延伸性が悪くなる。
る数平均分子量が一般5,000〜30000である特にナイロン
−6が好ましい。数平均分子量が30000以上のポリアミ
ドを用いた場合には、本発明のポリプロピレン組成物に
おいて、該ポリアミドの島径を1ミクロン以下に形成す
ることが困難となり、紡糸延伸性が悪くなる。
本発明において、ポリプロピレン、酸変性ポリプロピ
レンおよびポリアミドを混練する方法は、特に制限され
ないが、二軸押出し機が好適に用いられる。
レンおよびポリアミドを混練する方法は、特に制限され
ないが、二軸押出し機が好適に用いられる。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例およ
び比較例を挙げるが、本発明はこれらに特に制限される
ものでない。
び比較例を挙げるが、本発明はこれらに特に制限される
ものでない。
なお、実施例および比較例におけるポリアミド島径
(最大)の特定と繊維の染色性の評価は、次の方法によ
り求めた。
(最大)の特定と繊維の染色性の評価は、次の方法によ
り求めた。
(1) 最大島径の測定方法 押し出し機から出てきたストランドを液体窒素中で破
断し、この破断面を蟻酸中に常温で16時間浸漬しナイロ
ン−6の部分のみをエッチングした。この破断面を走査
形電子顕微鏡(日本電子製、TSM−T−220型)で写真撮
影し、ポリアミドが抜けた孔の径を測定し、その最大の
大きさを最大島径とした。
断し、この破断面を蟻酸中に常温で16時間浸漬しナイロ
ン−6の部分のみをエッチングした。この破断面を走査
形電子顕微鏡(日本電子製、TSM−T−220型)で写真撮
影し、ポリアミドが抜けた孔の径を測定し、その最大の
大きさを最大島径とした。
(2) 繊維の染色性測定方法 延伸された繊維10gを染色液300mlとともに容量500ml
のステンレス製の容器に入れ、ラウンダオメーターにセ
ットし下記の染色液により温度100℃で60分染色した
後、水洗乾燥して、その染色性を評価した。
のステンレス製の容器に入れ、ラウンダオメーターにセ
ットし下記の染色液により温度100℃で60分染色した
後、水洗乾燥して、その染色性を評価した。
染色液 酸性染料:Kayanol Floxine NK ……1 g/ 助 剤:氷酢酸 ……3ml/ 酢酸アンモニウム ……3 g/ 実施例1〜4及び比較例1〜9 それぞれ下記する物性のポリプロピレン(1)、酸変
性ポリプロピレン(2)およびナイロン−6(3)を原
料とするペレットを第1表に示す組成割合にヘンシュル
ミキサーで乾式混合し、10kgの混合物を作製したのち、
同方向浅溝型2軸押し出し機(32mm径、L/D=42)を用
い、260℃の温度条件で、スクリュー回転数を240回転/
分で混練反応せしめ造粒ペレット化した。比較例−7の
み上記乾式混合物を単軸押し出し機(40mm径、L/D=2
4)を用い260℃の温度条件でスクリュウ回転数を80回転
/分で混練反応せしめた。
性ポリプロピレン(2)およびナイロン−6(3)を原
料とするペレットを第1表に示す組成割合にヘンシュル
ミキサーで乾式混合し、10kgの混合物を作製したのち、
同方向浅溝型2軸押し出し機(32mm径、L/D=42)を用
い、260℃の温度条件で、スクリュー回転数を240回転/
分で混練反応せしめ造粒ペレット化した。比較例−7の
み上記乾式混合物を単軸押し出し機(40mm径、L/D=2
4)を用い260℃の温度条件でスクリュウ回転数を80回転
/分で混練反応せしめた。
(1) ホモポリプロピレン(PP) (2) 酸変性ポリプロピレン(PP) (3) ナイロン−6 得られた各ペレットにおけるポリアミドの分散状態に
ついて、所定の測定方法に求めた最大島径の結果を第1
表に示す。
ついて、所定の測定方法に求めた最大島径の結果を第1
表に示す。
また、これらのペレットについて、それぞれ0.8mm径
のノズル198ケ有する金型をつけたダイワエンジニアリ
ング製のギヤポンプ付き紡糸機にかけ、紡糸温度310
℃、巻取速度300m/minの条件で約8デニールの糸を紡糸
した。このときの紡糸性を第1表に示した。
のノズル198ケ有する金型をつけたダイワエンジニアリ
ング製のギヤポンプ付き紡糸機にかけ、紡糸温度310
℃、巻取速度300m/minの条件で約8デニールの糸を紡糸
した。このときの紡糸性を第1表に示した。
さらに、これらの紡糸した糸をシンコウマシーナリー
製の熱風循環式延伸材を用いて、熱風槽温度160℃、フ
ロントロール20m/分、バックロール60m/分、延伸倍率3
倍の条件で延伸した。それらの延伸性を第1表に示し
た。
製の熱風循環式延伸材を用いて、熱風槽温度160℃、フ
ロントロール20m/分、バックロール60m/分、延伸倍率3
倍の条件で延伸した。それらの延伸性を第1表に示し
た。
このような延伸した糸について、酸性染料による染色
性を所定の測定条件により求め評価した。それらの結果
を第1表に示した。
性を所定の測定条件により求め評価した。それらの結果
を第1表に示した。
第1表に示した結果から、次のように確認できた。単
なるPP繊維(比較例1)では、染色性が著しく悪かっ
た。酸変性PPを添加しない系(比較例2)では、ペレッ
ト中におけるナイロン−6の最大島径が8.8μと著しく
大きくなり、紡糸が全くできなかった。ナイロン−6の
添加量が10wt%の繊維(比較例3)では、染色性が悪か
った。更にナイロン−6の添加量を20wt%とした繊維
(比較例4)にあっては、一応良好な染色は得られる
が、なお、鮮やかに染色されるというところまでには至
らなかった。ナイロン−6(N−1)を30wt%添加した
繊維(実施例−1)では、鮮やかな染色性を示した。変
性PP中にグラフトしたマレイン酸の総量(マレイン酸グ
ラフト量×変性PPの重量%)が少ない系(比較例−5、
6)の場合は、ペレット中のナイロン−6の島径が1μ
を越え紡糸できなかった。変性PPの種類を変えた繊維
(実施例−2)は、良好な紡糸性と鮮やかな染色性を示
した。ポリアミドとして末端アミノ基の量が97×10-6当
量/gあるナイロン−6(N−2)を30wt%および40wt%
使用した繊維(実施例−3、4)は、それぞれ鮮やかな
染色性を示した。ポリアミドとして末端アミノ基がそれ
ぞれ46×10-6当量/gおよび36×10-6当量/gしかないナイ
ロン6を30wt%添加した繊維(比較例−7、8)は、染
色性が劣っていた。ナイロン6(N−2)を40wt%添加
した繊維(実施例−4)は、延伸糸の染色性が鮮やかで
あった。混練性能の劣る1軸押し出し機を用いた系(比
較例−9)では、ペレット中のナイロン6の最大島径が
1.2μとなり紡糸時および延伸時に糸切れを生じやすか
った。
なるPP繊維(比較例1)では、染色性が著しく悪かっ
た。酸変性PPを添加しない系(比較例2)では、ペレッ
ト中におけるナイロン−6の最大島径が8.8μと著しく
大きくなり、紡糸が全くできなかった。ナイロン−6の
添加量が10wt%の繊維(比較例3)では、染色性が悪か
った。更にナイロン−6の添加量を20wt%とした繊維
(比較例4)にあっては、一応良好な染色は得られる
が、なお、鮮やかに染色されるというところまでには至
らなかった。ナイロン−6(N−1)を30wt%添加した
繊維(実施例−1)では、鮮やかな染色性を示した。変
性PP中にグラフトしたマレイン酸の総量(マレイン酸グ
ラフト量×変性PPの重量%)が少ない系(比較例−5、
6)の場合は、ペレット中のナイロン−6の島径が1μ
を越え紡糸できなかった。変性PPの種類を変えた繊維
(実施例−2)は、良好な紡糸性と鮮やかな染色性を示
した。ポリアミドとして末端アミノ基の量が97×10-6当
量/gあるナイロン−6(N−2)を30wt%および40wt%
使用した繊維(実施例−3、4)は、それぞれ鮮やかな
染色性を示した。ポリアミドとして末端アミノ基がそれ
ぞれ46×10-6当量/gおよび36×10-6当量/gしかないナイ
ロン6を30wt%添加した繊維(比較例−7、8)は、染
色性が劣っていた。ナイロン6(N−2)を40wt%添加
した繊維(実施例−4)は、延伸糸の染色性が鮮やかで
あった。混練性能の劣る1軸押し出し機を用いた系(比
較例−9)では、ペレット中のナイロン6の最大島径が
1.2μとなり紡糸時および延伸時に糸切れを生じやすか
った。
第1図は、本発明のポリプロピレン組成物よりなる繊維
の形状を表している図面である。より詳しくは、実施例
1において、押出し機からのストランドを所定の条件で
破断した面の構造を示す電子顕微鏡写真である。
の形状を表している図面である。より詳しくは、実施例
1において、押出し機からのストランドを所定の条件で
破断した面の構造を示す電子顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 【請求項1】(a)ポリプロピレン、(b)酸グラフト
量10×10-6〜10×10-4モル/gの酸変性ポリプロピレンお
よび(c)末端アミノ基を60×10-6当量/g以上有するポ
リアミドからなり、 (b)/((a)+(b))は1〜30重量% (c)/((a)+(b)+(c))は30〜50重量% の範囲の組成物であって、且つポリアミドが、径1ミク
ロン以下の島として、ポリプロピレンの海中に分散した
ポリプロピレン組成物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2329756A JP2606966B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | ポリプロピレン組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2329756A JP2606966B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | ポリプロピレン組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04331248A JPH04331248A (ja) | 1992-11-19 |
JP2606966B2 true JP2606966B2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=18224928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2329756A Expired - Fee Related JP2606966B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | ポリプロピレン組成物 |
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2974106B2 (ja) * | 1993-08-20 | 1999-11-08 | 宇部興産株式会社 | ハーネス部品用樹脂組成物 |
US6312783B1 (en) * | 2000-11-13 | 2001-11-06 | Oriental Weavers Of America | Polypropylene-based carpet yarn |
JP4721548B2 (ja) * | 2001-05-11 | 2011-07-13 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 樹脂組成物およびその成形体 |
JP4503880B2 (ja) * | 2001-05-29 | 2010-07-14 | 大日精化工業株式会社 | ポリプロピレン着色組成物 |
CN114230909A (zh) * | 2021-12-09 | 2022-03-25 | 上海日之升科技有限公司 | 一种耐磨抗蠕变聚丙烯复合材料及其制备方法 |
CN116178846B (zh) * | 2023-04-06 | 2023-10-20 | 青岛中新华美塑料有限公司 | 一种抗疲劳pp合金材料及其制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59232135A (ja) * | 1983-06-15 | 1984-12-26 | Showa Denko Kk | ポリオレフイン組成物 |
JPH02212533A (ja) * | 1989-02-10 | 1990-08-23 | Tonen Sekiyukagaku Kk | ポリマー組成物 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP2329756A patent/JP2606966B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04331248A (ja) | 1992-11-19 |
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