JP2606261B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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JP2606261B2
JP2606261B2 JP5320588A JP5320588A JP2606261B2 JP 2606261 B2 JP2606261 B2 JP 2606261B2 JP 5320588 A JP5320588 A JP 5320588A JP 5320588 A JP5320588 A JP 5320588A JP 2606261 B2 JP2606261 B2 JP 2606261B2
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敏巳 安保
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、低摩擦係数路走行時や、発進時や、加速時
等において、駆動輪がスリップするのを防止するための
車両用駆動力制御装置に関するものである。
(従来の技術) 従来、この種車両用駆動力制御装置としては、例えば
特開昭58−38347号公報に示されているように、左右前
輪の平均回転速度と、左右後輪の平均回転速度との差か
ら駆動輪スリップを検出し、検出値が駆動輪スリップを
示す時、フューエルカット(燃料供給の中止)により駆
動輪スリップを停止する装置が知られている。
また、特開昭58−202142号公報に示されるように、駆
動輪スリップの発生時にブレーキを作動させることでス
リップを防止する装置も知られている。
更に、特開昭59−18251号公報に示されるように、駆
動輪スリップの発生時にエンジンのスロットバルブを閉
方向に制御することで、スリップを防止する装置も知ら
れている。
(発明が解決しようとする課題) 後2者の従来型車両用駆動力制御装置のうち、ブレー
キの作動によりエンジンから駆動輪への動力を減じて駆
動輪スリップを防止する、特開昭58−202142号公報に記
載の従来装置にあっては、運転者による通常のブレーキ
ペダル操作による制動力以外に、自動ブレーキによる制
動力が必要になることから、常時油圧を発生する油圧源
が別に必要になると共に、複雑な油圧制御システムを通
常のブレーキ系に付加するを要することから、装置のコ
スト高を免れず、実際的でない。
また、スロットルバルブの閉じ操作によりエンジン出
力を低減させて、駆動輪スリップを防止する、特開昭59
−18251号公報に記載の従来装置にあっては、スロット
ルバルブを高精度に閉じ操作するアクチュエータが必要
で、その制御システムも高価になり勝ちであることか
ら、この場合も装置のコスト高を免れず実際的でない。
これらに対し、前者の特開昭58−38347号公報に記載
の従来型車両用駆動力制御装置のように、フューエルカ
ットによりエンジン出力を低減して駆動輪スリップを防
止する場合、既存のフューエルカット装置をそのまま用
い、制御形態を変更するのみで駆動輪スリップ防止用の
駆動力制御が可能であり、コスト的に大いに有利で、最
も実際的である。
しかるに、当該フューエルカットによる駆動輪スリッ
プ防止用の駆動力制御装置では、以下の問題が生ずるこ
とを確かめた。
つまりこの装置にあっては、駆動輪スリップの発生
時、フューエルカットによりエンジン出力を低下させて
当該駆動輪スリップを防止し、このままでは走行不能や
動力性能の著しい低下を生ずるから、駆動輪スリップの
解消時、フューエルリカバー(燃料供給の再開)を行う
というように、フューエルカットと、フューエルリカバ
ーを繰り返す制御を行う。
ところで、フューエルカットや、フューエルリカバー
は、上記したブレーキ操作や、スロットルバルブ閉操作
による駆動力制御に較べ、制御ゲインが著しく高いた
め、フューエルカットによるエンジン出力低下が急激
で、フューエルリカバーによるエンジン出力上昇も急激
である。これに対し、フューエルカット制御に当たって
モニタすべき駆動輪スリップ率と、フューエルカット制
御の対象であるエンジンとの間には、エンジンおよび駆
動輪間の回転伝動系が遅れ要素として介在している。従
って、フューエルカットによるエンジン出力低下中、駆
動輪スリップ率が当該制御に当たり目標とすべき目標ス
リップ率を越えて低下する、所謂オーバーシュートを生
じ、フューエルリカバーによるエンジン出力上昇中も、
駆動輪スリップ率が目標スリップ率を越えて上昇する、
オーバーシュートを生ずる。
また従来は、駆動輪スリップの発生状況の如何にかか
わらず、上記のON,OFF的な全記筒フューエルカットまた
は1/2気筒フューエルカットによる、急激で落差の大き
さ駆動力制御を行うのみで、フューエルカットの程度ま
で制御するというようなきめ細かな制御で行っていなか
った。
これらの理由から、従来のフューエルカットによる駆
動力制御装置では、これによる駆動力制御中、駆動輪ス
リップ率が目標スリップ率の前後で往復するだけで、何
時までも駆動輪スリップ率が目標スリップ率に収束しな
いといった、所謂制御のハンチングを生ずるという問題
があることを確かめた。
このハンチングは更に、エンジン回転数の大きな変動
を生じさせ、エンジン出力トルクの大きな増減で、車両
も激しく前後に加振させ、車両の乗り心地を著しく悪化
させるという問題をも発生させる。
本発明は、前記の利点に鑑みフューエルカットによる
駆動力制御方式を踏襲するも、その上記したような問題
点を解消して優れた駆動力制御装置を提案することを主
目的とする。
これがため本発明は先ず、駆動輪スリップ率をモニタ
し、これが駆動輪目標スリップ率に追従するようエンジ
ンをフューエルカット制御する代わりに、実エンジン回
転数をモニタし、これが、目標スリップ率に対応した目
標エンジン回転数に一致するようエンジンをフューエル
カット制御し、モニタ対象と制御対象との間に遅れ要素
が介在しないようにし、 更にエンジンを複数の気筒群に分け、これら気筒群を
順次フューエルカットさせるようにすると共に、各気筒
群でのフューエルカット時間(エンジン出力低下程度)
を目標スリップ率からの乖離に応じて制御するようにな
し、 これらにより上述のハンチングに関した問題を解消す
ることを目的とする。
本発明は加えて、上記の駆動輪目標スリップ率を車体
速度に応じて可変にし、これにより、高車速時はこの時
に重視すべき旋回安定性を確実に実現可能とし、低車速
時は、この時に発生し易い上記前後加振力の低減を一層
確実にし得るようにし、もって車速ごとの要求を全て満
足させ得るようにした駆動力制御装置を合わせ提案しよ
うとするものである。
(課題を解決するための手段) これら目的のために、本発明は第1図に概念を示すよ
うに、 車体速度を検出する車体速検出手段1と、 駆動輪速度を検出する駆動輪速検出手段2と、 エンジン3の回転数を検出するエンジン回転数検出手
段4と、 前記検出した車体速度および駆動輪速度から駆動輪の
スリップ率を演算する駆動輪スリップ率演算手段5と、 この演算した駆動輪スリップ率から駆動輪のスリップ
を検知する駆動輪スリップ検知手段6と、 該駆動輪スリップの検知時に、この駆動輪スリップを
抑制するに当たって目標とすべき、前記検出した車体速
度が速いほど小さな駆動輪目標スリップ率を求める駆動
輪目標スリップ率設定手段7と、 前記検出したエンジン回転数、車体速度、および駆動
輪速度から、該駆動輪目標スリップ率に対応した駆動輪
速度を達成するための目標エンジン回転数を演算する目
標エンジン回転数演算手段8と、 この目標エンジン回転数に対する、前記検出したエン
ジン回転数の超過回転数を演算する超過エンジン回転数
演算手段9と、 該超過エンジン回転数が消失するよう、エンジン3を
複数の気筒群に分け、これら気筒群への燃料供給を順次
停止させるための燃料供給制御手段10と、 前記超過エンジン回転数が大きいほど気筒群ごとに、
燃料供給時間に対する燃料停止時間の比率を大きくする
よう前記燃料供給制御手段10に指令する燃料停止時間指
令手段11とを設けたものである。
(作用) 駆動輪スリップ率演算手段5は、車体速検出手段1で
検出した車体速度および駆動輪速検出手段2で検出した
駆動輪速度から、駆動輪のスリップ率を演算する。駆動
輪スリップ検知手段6が、当該演算した駆動輪スリップ
率から駆動輪のスリップを検知すると、駆動輪目標スリ
ップ率設定手段7は、当該駆動輪スリップを抑制するに
当たって目標とすべき駆動輪目標スリップ率を求め、こ
の駆動輪目標スリップ率は、上記検出した車体速度が速
いほど小さな値とする。
目標エンジン回転数演算手段8は、エンジン回転数検
出手段4で検出したエンジン3の回転数と、上記車体速
度および駆動輪速度とから、上記の駆動輪目標スリップ
率に対応した駆動輪速度を達成するための目標エンジン
回転数を演算する。そして超過エンジン回転数演算手段
9は、この目標エンジン回転数に対する、前記検出した
エンジン回転数の超過回転数を演算し、この超過エンジ
ン回転数が消失するよう燃料供給制御手段10は、エンジ
ン3を複数の気筒群に分け、これら気筒群への燃料供給
を順次停止させるが、この際、燃料停止時間指令手段11
は、上記超過エンジン回転数が大きいほど気筒群ごと
に、燃料供給時間に対する燃料停止時間の比率を大きく
するよう上記燃料供給制御手段10に指令する。
よって、手段6により駆動輪スリップが検知される
時、手段7で設定した駆動輪目標スリップ率に対応する
目標エンジン回転数を手段8において演算し、この目標
エンジン回転数に対するエンジン回転数の超過分が消失
するよう燃料供給制御手段10によりエンジン3への燃料
供給を停止することとなり、 結果として、実エンジン回転数をモニタし、これが、
駆動輪目標スリップ率に対応する目標エンジン回転数に
一致するようエンジンの燃料供給停止制御を行うことに
なる。
この場合、モニタ対象である実エンジン回転数が、制
御対象であるエンジンそのものの回転数であることか
ら、モニタ対象と制御対象との間に遅れ要素が介在せ
ず、この遅れ要素が存在していたために生じていた従来
装置の問題、つまりオーバーシュートに関する問題をな
くすことができる。
また、燃料供給制御手段10によるエンジン3の燃料供
給停止制御に際し、エンジン3を複数の気筒群に分け、
これら気筒群への燃料供給を順次停止させるようにな
し、この際、燃料停止時間指令手段11において、上記超
過エンジン回転数が大きいほど気筒群ごとに、燃料供給
時間に対する燃料停止時間の比率を大きくするよう構成
したから、 超過エンジン回転数が大きい時、つまりエンジン回転
数が目標エンジン回転数から大きく離れている場合、燃
料停止時間が長くされて、エンジン回転数を目標エンジ
ン回転数に速やかに近づけ得る反面、 超過エンジン回転数が小さい時、つまりエンジン回転
数が目標エンジン回転数に近づいた場合は、燃料停止時
間が短くされて、エンジン回転数を目標エンジン回転数
に徐々に近づけて、エンジン回転数が目標エンジン回転
数を越えてオーバーシュートするのを防止することがで
きる。
これらの理由から、本発明による駆動力制御装置で
は、これによる駆動力制御中、エンジン回転数が目標エ
ンジン回転数の前後で往復するだけで、何時までも目標
エンジン回転数に収束しないといった、所謂制御のハン
チングが生ずるという問題を解消することができ、 このハンチングに伴ってエンジン出力トルクが大きく
増減し、車両が激しく前後に加振されて、車両の乗り心
地が著しく悪くなるといった問題をなくすことができ
る。
加えて本発明による駆動力制御装置においては、駆動
輪目標スリップ率設定手段7が、駆動輪スリップを抑制
するに当たって目標とすべき上記の駆動輪目標スリップ
率を、車体速度が速いほど小さな値にする構成にしたか
ら、 高車速時はこの時に重視すべき旋回安定性を確実に実
現可能となり、低車速時は、この時に発生し易い上記前
後加振力の低減を一層確実にし得ることとなり、車速ご
との要求を全て満足させることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明による駆動力制御装置の全体システム
を示す一実施例で、21は、エンジン25の吸気量Qを測定
するエアフローメータ、22は、運転者がエンジン25の出
力を決定する時に開閉するスロットルバルブ、23はエン
ジン25の燃料噴射弁、24はエンジン25の点火コイルをそ
れぞれ示す。
エンジン25は、燃料噴射弁23からの燃料を、コイル24
により点火される点火栓(図示せず)で着火して運転さ
れ、燃料噴射弁23の開弁時間(燃料噴射量)および点火
コイル24の動作時期を、マイクロコンピュータを可とす
る制御装置29により決定する。これがため、また本発明
が目的とする駆動力制御のために、制御装置29には、上
記エアローメーター21からの信号の他に、エンジン回転
数Neに対応した周波数のパルス信号を発するエンジン回
転数センサ26からの上記パルス信号を入力すると共に、
前輪車輪速VFに対応した周波数のパルス信号を発する前
輪車輪速センサ27からの上記パルス信号、および後輪車
輪速VRに対応した周波数のパルス信号を発する後輪車輪
速センサ28からの上記パルス信号をそれぞれ入力する。
ここで本例の駆動力制御装置は、後輪のみを駆動して
走行する後輪駆動車に搭載するものとし、従って前輪車
輪速VFが車体速度を表し、これに対する後輪車輪速VR
過剰分で駆動輪スリップ状態を判定することができる。
制御装置29は、エアフローメータ21で検出したエンジ
ン吸気量Q、およびエンジン回転数センサ26からのパル
ス信号をもとに演算したエンジン回転数Ne、並びに図示
せざるその他の情報から、現在の運転状態に好適な燃料
噴射量を演算し、対応する開弁時間を燃料噴射弁23に指
令すると共に、エンジン25の運転に調時して点火コイル
24に動作指令を発し、これらによりエンジン25の上記運
転を可能ならしめる。
制御装置29は同時に、駆動輪(後輪)スリップを防止
するために、第3図の制御プログラムに基づき、以下の
燃料供給停止(フューエルカット)によるエンジン出力
低下制御を実行する。
まず、ステップ31にて前記のエンジン回転数Neを読み
込む。次にステップ32,33でセンサ27,28からのパルス信
号を基に、前輪の車輪速VFおよび後輪の車輪速VRを計算
する。
次に車体速度である前輪車輪速VFおよび駆動輪速度で
ある後輪車輪速VRを基にステップ34で、駆動輪スリップ
率Sを下記の式により計算する。
S=(VR−VF)/VF これは、実際の車体速度VFに対する後輪(駆動輪)車
輪速VRのスリップ量と車体速度VFとの比に相当する。次
に、ステップ35では、スリップ率Sが所定の設定スリッ
プ率SO(例えば、車輪の路面摩擦係数が最大となる理想
スリップ率近辺の0.15)より大きいかどうかを比較し、
小さければスリップ防止用の駆動力制御が不要であるか
らステップ38に移って、フューエルカットを実行しない
ように燃料カットフラグFC1,FC2を0にし、エンジンの
前記した通常の運転を行わせる。
スリップ率Sが所定の設定スリップ率SOより大きけれ
ば、スリップを抑制するために制御をステップ39以後に
進め、先ずステップ39で、車体速度VFに応じた目標スリ
ップ率Ssetの検索を行なう。
ここで目標スリップ率Ssetは、S≧SOとなる制御域に
おいて駆動輪スリップを抑制するフューエールカット制
御に当り目標とすべき駆動輪スリップ率Sの目標値で、
車体速度VFに応じて目標スリップ率Ssetを変えるのは次
の理由による。
第12図において駆動輪がスリップした時に発生する駆
動力は実線のごとくになる。従って最大の駆動力を得る
には、スリップ率Sを0.1程度にすれば良い。一方、ハ
ンドルを切った時発生し得る最大のコーナリングフォー
スは、破線のことくスリップ率Sが大きくなるにつれて
小さくなる。これは即ち、スリップ率Sが大きくなると
横方向の安定性が低下するということである。
このことから、特に高車速時には、安全性の面から多
少駆動力(加速性)を犠牲にしても安定性を重視して目
標スリップ率Ssetを小さくするのが良いことを意味す
る。
また、本発明のフューエルカットによってエンジン回
転数を制御する場合、フューエルカット、フューエルリ
カバーによるエンジントルクの変動よって車両の前後方
向の加速度が変動し、ガクガクしてしまうが、これは、
エンジン回転が低い(低車速)ほど顕著である。
従って、低車速時は目標スリップ率Ssetを大きくし
て、上記前後加速度が車体に伝わりにくくするのが良
い。
以上2つの要求から、車体速度VFが低い時には、横方
向の安定性が多少犠牲になっても目標スリップ率Sset
上げて、車体の上記前後加速度を緩和し、逆に車体速度
VFが高い時には、目標スリップ率Ssetを下げて、旋回走
行時の安定性を確保するのが良い。
次のステップ36では目標スリップ率Ssetに対応した駆
動輪速度VRをフューエルカットにより達成するための目
標エンジン回転数Ncutを求める。これは、例えばマニュ
アルトランスミッションの場合、 Ncut=Ne×(VF/VR)×Sset (但し、VR=a×Ne,aはギヤ比) により求める。
次に、ステップ37において、目標エンジン回転数Ncut
を達成すべくフューエルカットが実行される。このフュ
ーエルカット制御は第4図、第5図に示す如きものとす
る。
第4図はエンジンを複数個(図示例では2個)の気筒
群に分け、これら気筒群を交互に燃料(フューエル)カ
ットするよう、各気筒群の燃料カット断続信号を発生す
るプログラムで、エンジン回転又は時間に同期して一定
周期で実行する。
ステップ41〜46は燃料カット断続信号の時間の基準と
なるカウンタTM1及びTM2の計数を行なっている。
ステップ41でカウンタTM1の値が0か否かを判別し、
0であればステップ43へ進み、0でなければステップ42
へ進む。ステップ42では本プログラムの実行毎にカウン
タTM1を1づつ減じる。
ステップ43,44はカウンタTM2をステップ41,42と同様
に計数する。ステップ45でTM1のカウント値が燃料カッ
ト断続周期カウント数Tの1/2であるか否かを判別し、T
M1のカウント値がTの1/2となったときステップ46でカ
ウンタTM2に断続周期カウント数Tをセットする。
以上の処理で、第6図に示すように、燃料カット断続
信号の基準となる周期TのカウンタTM1と、TM1に対し1/
2周期位相差を持ったカウンタTM2を構成する。
ステップ47で実エンジン回転数Neと前記の目標エンジ
ン回転数Ncutの差を計算し、目標エンジン回転数Ncut
らの超過エンジン回転数ΔNeを計算する。
ステップ48〜50では、気筒群ごとに、燃料リカバー
(噴射)時間に対する燃料カット時間の比を設定する。
ステップ48では、TM1を判別し、TM1=0以外のときは
ステップ54にジャンプし、ステップ49〜53は実行しな
い。
ステップ49でΔNeを判別し、ΔNe≦0、すなわちエン
ジン回転数Neが目標エンジン回転数Ncutを越えてないと
きはステップ57へジャンプする。このときカウンタTM1
は新たにセットされず、0の状態を継続する。
ΔNe>0のときステップ50〜56でΔNeに応じた燃料カ
ット実行時間を割り当てる。
ステップ50でΔNe≦N1、即ち0<ΔNe≦N1であればス
テップ51で燃料リカバーサイクル数レジスタTRECに所定
のサイクル数T1をセットし、ステップ53でカウンタTM1
に周期カウント数Tをセットする。ΔNe>N1のときはス
テップ52でTRECにT2をセットし、ステップ13でTM1にT
をセットする。
ステップ54〜56はΔNeがN1よりさらに大きい設定値N2
を越えたときに連続的に燃料カットを行なうためのルー
チンである。
ステップ54はTM1=0のタイミングに限らず、ΔNe>
0である限り常時実行し、ΔNe>N2のときはステップ55
でTM1にTM2より1カウント多い値をセットし、ステップ
56でTM2にTM1よりT/2多い値をセットする。TM1,TM2をこ
のようにセットすることにより、エンジン回転数が低下
してΔNe≦N2となったときはTREC=T2の断続サイクルに
移行することができる。
超過エンジン回転数設定値N1,N2と、燃料リカバーサ
イクル数T1,T2の設定値は、第8図及び第9図に示すよ
うに設定している。
ステップ57〜62は各気筒群ごとに燃料カット断続信号
のカット状態とリカバー(噴射)状態との切替えを行な
う。
ステップ57でカウンタTM1が燃料リカバーサイクル数
レジスタTRECの設定値をこえるときは、ステップ58で第
1の気筒群の燃料カットフラグFC1をセットし、TRECの
設定値以下のときはステップ59でFC1をリセットする
(第7図)。
ステップ60〜62で同様にカウンタTM2により第2の気
筒群の燃料カットフラグFC2をセット又はリセットして
いる。前述のようにTM2はTM1より1/2周期ずらせて設定
しているので、FC1,FC2は1/2周期位相がずれた断続信号
となる。
第5図はフューエルカット実行プログラムで、エンジ
ン回転に同期して実行される燃料噴射パルスの出力プロ
グラムに設けている。
ステップ71では、前記の燃料カット断続信号発生プロ
グラムで設定された燃料カットフラグFC1を判別し“0"
であればステップ2で燃料噴射パルスを、第1の気筒群
の燃料噴射弁駆動I/Oに出力し、第1の気筒群への燃料
噴射を対応する噴射弁23から行なう。フラグFC1が“1"
であれば第1の気筒群の燃料噴射パルスの出力を行なわ
ず、第1の気筒群のフューエルカットを実行する。
ステップ73〜74で同様に噴射カットフラグFC2を判別
し、“0"であれば、第2の気筒群の燃料噴射を行ない、
“1"であれば第2の気筒群の燃料カットを実行する。
以上の動作の説明図を第9図(a),(b)に示す。
エンジン回転数Neが所定の目標エンジン回転数Ncutを越
えると、Ne−Ncut=ΔNeがN1より小さい場合、同図
(a)に示すごとく1:1の燃料カット時間比で気筒群を
交互にフューエルカットし、ΔNeがN1より大きく、N2
り小さい場合、同図(b)のごとく2:1の燃料カット時
間化で気筒群を交互にフューエルカットする。更に、超
過エンジン回転数ΔNeがさらに増加してN2を越えると、
両気筒群とも連続的なフューエルカットとなる。
尚、燃料カットを実行する時間比を超過エンジン回転
数ΔNeに応じて2段階に変化させているが、1段階又は
3段階以上の多段階に変化させてもよい。
第10図及び第11図は本実施例の動作を説明するタイム
チャートである。
第10図の瞬時t0において急加速してスリップが発生す
るとVF(破線)に対してVR(実線)は急速に上昇する。
マニュアルトランスミッションでは所定のギヤ比を介し
てエンジン及び駆動輪間がつながっているため、エンジ
ン回転数Neも第11図に実線で示すように急速に上昇す
る。次に、瞬時t1においてスリップ率Sが所定の設定ス
リップ率S0を越えると、第11図に示すように、目標スリ
ップ率Ssetに対応した目標エンジン回転数NcutがVFに応
じて時々刻々破線の如く設定され、それに応じて前述の
ようにフューエルカットが行なわれ、エンジン回転数Ne
は目標エンジン回転数Ncut近傍に制御されながらなめら
かに上昇し、従って、第10図に示すごとく後輪車輪速VR
もフューエルカットによる下降後は、目標スリップ率S
setに対応した値に向けなめらかに上昇する。
以上、実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体
的な構成はこの実施例に限られのではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発
明に含まれる。
(発明の効果) 以上説明したように本発明の車両用駆動力制御装置
は、 駆動輪スリップが検知される時、駆動輪目標スリップ
率に対応する目標エンジン回転数に演算し、この目標エ
ンジン回転数に対するエンジン回転数の超過分が消失す
るようエンジン3への燃料供給を停止する構成としたか
ら、 結果として、実エンジン回転数をモニタし、これが、
駆動輪目標スリップ率に対応する目標エンジン回転数に
一致するようエンジンの燃料供給停止制御を行うことと
なり、 モニタ対象である実エンジン回転数が、制御対象であ
るエンジンそのものの回転数であることから、モニタ対
象と制御対象との間に遅れ要素が介在せず、この遅れ要
素が存在していたために生じていた従来装置の問題、つ
まりオーバーシュートに関する問題をなくすことができ
る。
また本発明においては、上記エンジンの燃料供給停止
制御に際し、エンジンを複数の気筒群に分け、これら気
筒群への燃料供給を順次停止させるようになし、この
際、上記超過エンジン回転数が大きいほど気筒群ごと
に、燃料供給時間に対する燃料停止時間の比率を大きく
するよう構成したから、 超過エンジン回転数が大きい時、つまりエンジン回転
数が目標エンジン回転数から大きく離れている場合、燃
料停止時間が長くされて、エンジン回転数を目標エンジ
ン回転数に速やかに近づけ得る反面、 超過エンジン回転数が小さい時、つまりエンジン回転
数が目標エンジン回転数に近づいた場合は、燃料停止時
間が短くされて、エンジン回転数を目標エンジン回転数
に徐々に近づけ、エンジン回転数が目標エンジン回転数
を越えてオーバーシュートするのを防止することができ
る。
これらの理由から、本発明による駆動力制御装置で
は、これによる駆動力制御中、エンジン回転数が目標エ
ンジン回転数の前後で往復するだけで、何時までも目標
エンジン回転数に収束しないといった、所謂制御のハン
チングが生ずるという問題を解消することができ、 このハンチングに伴ってエンジン出力トルクが大きく
増減し、車両が激しく前後に加振されて、車両の乗り心
地が著しく悪くなるといった問題をなくすことができ
る。
加えて本発明による駆動力制御装置においては、駆動
輪スリップを抑制するに当たって目標とすべき上記の駆
動輪目標スリップ率を、車体速度が速いほど小きな値に
する構成にしたから、 高車速時はこの時に重視すべき旋回安定性を確実に実
現可能となり、低車速時は、この時に発生し易い上記前
後加振力の低減を一層確実にし得ることとなり、車速ご
との要求をも全て満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による車両用駆動力制御装置を示すクレ
ーム対応の概念図、 第2図は本発明による車両用駆動力制御装置の一実施例
を示すエンジン制御システム図、 第3図は同例装置による車両用駆動力制御のメインルー
チンを示すフローチャート、 第4図は同駆動力制御のサブルーチンを示すフューエル
カット制御のフローチャート、 第5図は同駆動力制御におけるフューエルカットプログ
ラムを示すフローチャート、 第6図は燃料カット断続信号の基準となる周期Tのカウ
ンタを示すタイムチャート、 第7図は燃料カット断続信号のカット状態とリカバー状
態との切替タイムチャート、 第8図は燃料カット時間比の構成を超過エンジン回転数
を含めてエンジン回転数との関係で説明した図、 第9図(a),(b)は燃料カット断続の時間構成を説
明するタイムチャート、 第10図は駆動輪スリップが発生した時の車輪速変化のタ
イムチャート、 第11図は駆動輪スリップが発生した時のエンジン回転数
変化を示すタイムチャート、 第12図はスリップ率と、コーナーリングフォース及び路
面摩擦係数との関係を示す線図である。 1……車体速検出手段 2……駆動輪速検出手段 3……エンジン 4……エンジン回転数検出手段 5……駆動輪スリップ率演算手段 6……駆動輪スリップ検知手段 7……駆動輪目標スリップ率設定手段 8……目標エンジン回転数演算手段 9……超過エンジン回転数演算手段 10……燃料供給制御手段 11……燃料停止時間指令手段 21……エアフローメータ 22……スロットルバルブ 23……燃料噴射弁 24……点火コイル 25……エンジン 26……エンジン回転数センサ 27……前輪車輪速センサ 28……後輪車輪速センサ 29……制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体速度を検出する車体速検出手段と、 駆動輪速度を検出する駆動輪速検出手段と、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、 前記検出した車体速度および駆動輪速度から駆動輪のス
    リップ率を演算する駆動輪スリップ率演算手段と、 この演算した駆動輪スリップ率から駆動輪のスリップを
    検知する駆動輪スリップ検知手段と、 該駆動輪スリップの検知時に、この駆動輪スリップを抑
    制するに当たって目標とすべき、前記検出した車体速度
    が速いほど小さな駆動輪目標スリップ率を求める駆動輪
    目標スリップ率設定手段と、 前記検出したエンジン回転数、車体速度、および駆動輪
    速度から、該駆動輪目標スリップ率に対応した駆動輪速
    度を達成するための目標エンジン回転数を演算する目標
    エンジン回転数演算手段と、 この目標エンジン回転数に対する、前記検出したエンジ
    ン回転数の超過回転数を演算する超過エンジン回転数演
    算手段と、 該超過エンジン回転数が消失するよう、エンジンを複数
    の気筒群に分け、これら気筒群への燃料供給を順次停止
    させるための燃料供給制御手段と、 前記超過エンジン回転数が大きいほど気筒群ごとに、燃
    料供給時間に対する燃料停止時間の比率を大きくするよ
    う前記燃料供給制御手段に指令する燃料停止時間指令手
    段とを具備することを特徴とする車両用駆動力制御装
    置。
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