JP2602119B2 - ゲル状物質の止水壁による貯水方法 - Google Patents

ゲル状物質の止水壁による貯水方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、壁体状に保形したゲル状物質からなる止水
壁によって一時的に貯水する方法に関するものである。
更に詳しく述べると、吸水膨張性高分子材料が吸水膨張
したゲル状物質によって難透水性の止水壁を構築し、そ
の止水壁で仕切られた区域に液体を溜める貯水方法に関
するものである。
本発明は特に限定されるものではないが、例えば河川
堤防の漏水発生時に堤防破壊を防ぐために行う所謂「月
の輪」施行、あるいはゴルフ場表流水の下流域への流出
防止のための止水壁施行などに有効な方法である。
[従来の技術] 「月の輪」施行を例にして以下説明する。河川堤防が
破壊する原因の一つに漏水がある。長時間にわたる洪水
や降雨によって河川水位が高まると同時に堤体内に水が
浸透し、堤体が川表側から浸潤状態となり、この状態が
川裏側法面に現れると漏水し、それが進行すると堤防破
壊を引き起こす。漏水水流によるパイピング現象(堤体
土砂の中の微粒径部分が流出する現象)を防止するのが
「月の輪」と呼ばれる施行であり、河川水位とその反対
側法面との水位差を小さくすることにより、堤防の安定
性を保とうとするものである。その例を第6図及び第7
図に示す。
これは堤体10の漏水が生じている裏法面の箇所を取り
囲むように半円形状に止水壁12を構築し、その内側に水
14を一時的に溜めて、川16と水14との動水勾配を極力小
さくし、パイピングの発生を防止し、よって川16からの
水の浸透、漏水を抑える方法である。止水壁12は、例え
ば半円形状に所定間隔で杭18を打設し、金網と遮水シー
ト20を張り巡らし、その外側に土嚢22を積み上げること
で構築する。そして地面から所定の高さの部分に樋24を
設置してオーバーフローを防止する。
[発明が解決しようとする課題] このような方法で「月の輪」施工を行うと、例えば上
部の半径が1.4m、地表からの高さが1m程度の大きさであ
っても300個以上の土嚢(土充填時の寸法を縦45cm,横40
cm,高さ10cmとして)を積み上げなければならない。上
記の土嚢の重さは30〜40kgにもなるし、通常悪天候の中
で行われるから、極めて能率の悪い困難な作業になる。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消
し、「月の輪」施工なども簡便に行うことができる貯水
方法を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成できる本発明は、透水性を呈する壁
面を備えた壁体状領域の内部に、吸水膨張性高分子材料
が吸水膨張したゲル状物質を閉じ込めることによって難
透水性の止水壁を構築し、その止水壁で仕切られた区域
に液体を溜める方法である。
止水壁の構築は、例えば、多数本の杭を、地表からの
高さが貯水予定水位を越えるように、2列にて立込み、
一方の列の杭の上部から他方の列の杭の上部に至るよう
にU字状に透水性シートを敷設して該透水性シートで囲
まれた幅をもった連続壁体状領域を形成し、前記各杭に
よって透水性シートによる壁体状領域の形を保たせると
共に地盤と一体化し、吸水膨張したときには前記透水性
シートから流出しない寸法の吸水膨張性高分子材料の粒
子を前記壁体状領域の内部に投入することで行う。これ
によって吸水膨張性高分子材料が吸水膨張したゲル状粒
子が互いに密着して全体として難透水性を呈する止水壁
となる。
ここで吸水膨張性高分子材料とは、約十倍から千倍程
度の吸水能をもつ物質をいい、従来公知の様々な材料系
列のものであってよい。好ましい材料の例としてはビニ
ルアルコール−アクリル酸塩共重合体がある。この材料
は吸水する元の形状を保ったまま膨張し、しっかりとし
た形状を維持できるだけのゲル強度を有し、あたかも水
を閉じ込めたカプセルのように挙動する。吸水膨張性高
分子材料の形状は特に制限はなく粒体状などであってよ
いが、吸水膨張したときに透水性シートから流出しない
ようなものを選ぶ。例えば透水性シートが網状シートの
場合には、その網目が吸水膨張したゲル状弾性粒子の粒
径よりも小さいものと組み合わせる。
止水壁の構築は、吸水膨張性高分子材料を直接壁体状
領域に投入して行ってもよいし、予め吸水膨張させた状
態で投入することにより行ってもよい。壁体状領域の幅
や高さなどは目的や用途などに応じて適宜選択する。そ
の設置場所は地上、半地下、地下など任意である。
[作用] 壁体状領域内の吸水膨張性高分子材料は、吸水膨張し
てゲル状物質になる。このゲル状物質は壁体状領域から
流出できないように閉じ込められているため、自重によ
って互いに密着して難透水性の止水壁となる。これは謂
わばゲル状物質によるカーテン(ゲル・カーテン)であ
り、それによって仕切られた区域内外の液体の移動を阻
止する。そのためこの止水壁で仕切られた区域内に液体
を溜めることができる。
[実施例] 第1図及び第2図は本発明の一実施例を示しており、
「月の輪」施工の場合の例である。
堤体10の漏水が生じている裏法面の箇所を取り囲むよ
うに半円形状に多数の杭3を打設する。杭30は内周側と
外周側との2列に且つ交互に(千鳥状に)設ける。ここ
で内周側の半径は約1m、内周と外周との幅は約15cmであ
る。杭30は直径約49mmの鋼管杭を用い、第1図に示す中
央位置では約50cm地中に打ち込んで地上に1.1m立設し
た。使用した杭は内周側が9本、外周側が10本である。
そして内周側の杭の間及び外周側の杭の間をそれぞれロ
ープで繋ぎ、更に内周側の杭の内側から外周側杭の内側
に網状シート32を取り付け支持した。網状シート32は、
網目が20メッシュ程度のナイロン製であり、十分な引張
り強度を有するものである。このようにして形成された
壁体状領域34内に吸水膨張性高分子材料の粒子を投入し
た。勿論、予め吸水膨張した状態で投入してもよい。吸
水膨張性高分子材料としては粒径10〜800μm程度(乾
燥時)のビニルアルコール−アクリル共重合体の粒子を
使用した。
吸水膨張性高分子材料は網目シート32を通って入り込
む水を吸収して膨張しゲル状弾性粒子36になる。このゲ
ル状弾性粒子36は網状シート32の網目よりも大きいため
網状シート32によって囲まれる壁体状領域34に閉じ込め
られ、その流域から流出することはない。吸水膨張性高
分子材料の投入量は、それが吸水膨張した時に所定の貯
水水位よりも高くなるような量であるため、その自重に
よってゲル状弾性粒子36は互いに密着し全体として難透
水性の止水壁38を構成する。つまりゲル状弾性粒子36
は、貯水水位よりも高くなっているため、その圧力によ
ってゲル状弾性粒子36は互いに密着し、また各ゲル状弾
性粒子36自身は保水カプセルのように機能するため、そ
れによって仕切られた区域内外での水の移動は阻止さ
れ、止水壁として機能することになる。従って、この止
水壁38によってその内側に水14を溜めることができる。
実験結果によれば十分な止水性を呈し、一時的な貯水は
十分可能であることが実証された。
この貯水の水圧により川からの水の浸透、漏水が抑え
られる。地面から所定の高さの部分に樋を設置すれば貯
水水位の上限を定め、オーバーフローを防止しまた止水
壁の崩壊を防止できる。
溜めた水が更に地盤から浸透していく虞れがある場合
には、貯水中に適当量の吸水膨張性高分子材料の粉末を
投入することも有効である。吸水膨張したゲル状粒子は
浸透流に乗って地盤中を流れるが、その途中で引っ掛か
って浸透経路を塞ぎ、更に逸水が生じるのを防ぐことが
できる。
以上「月の輪」施行を例にとって本発明について説明
したが、本発明はこの例に限定されるものではない。地
上設置の例としては第3図に示すように、内側と外側に
杭30を円形状あるいは矩形状などに打設し、それによっ
て透水性シートをU字状に支持する。それらの間に吸水
膨張性高分子材料を投入し吸水膨張したゲル状弾性粒子
36によって止水壁38を構築し、内側に水14を溜める貯水
槽を形成することもできる。第4図A,Bは半地下に施工
する例である。また第5図A,Bに示すように地下に施工
することもできる。いずれも基本的な考え方は前記実施
例と同様であるから、対応する部材に同一符号を付し、
それらについての説明は省略する。
本発明では壁体状領域の形状は、円形、半円形、矩
形、平面など任意である。また幅や高さも目的等に応じ
て適宜変更できる。透水性シートは網状シートの他、布
や筵などであってもよい。吸水膨張性高分子材料は必ず
しも球状の粒体でなくてもよい。
[発明の効果] 本発明は上記のように透水性の壁面を備えた壁体状領
域の内部に吸水膨張性高分子材料を投入し、吸水膨張し
たゲル状物質を閉じ込めることによって難透水性の止水
壁を構築する方法であるから、多数の重い土嚢を積み上
げる必要がなく、容易に且つ迅速に施工でき、液体を一
時的に溜めておくことができる。特に悪天候中での作業
が要求されるような場合にその効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図、第2図はその
平面図、第3図は本発明の他の実施例を示す説明図、第
4図A,Bはそれぞれ本発明で設置位置を半地下とした場
合の説明図、第5図A,Bはそれぞれ本発明で設置位置を
地下とした場合の説明図である。 第6図は従来技術の一例を示す説明図、第7図はその断
面図である。 10……堤体、12……止水壁、14……貯水、16……川、30
……杭、32……網状シート、34……壁体状領域、36……
ゲル状弾性粒子、38……止水壁。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数本の杭を、地表からの高さが貯水予定
    水位を越えるように、2列に立て込み、一方の列の杭の
    上部から他方の列の杭の上部に至るようにU字状に透水
    性シートを敷設して該透水性シートで囲まれた幅をもっ
    た連続壁体状領域を形成し、前記各杭によって透水性シ
    ートによる壁体状領域の形を保たせると共に地盤と一体
    化し、吸水膨張したときには前記透水性シートから流出
    しない寸法の吸水膨張性高分子材料の粒子を、それが吸
    水膨張したときに貯水予定水位を越える高さまで前記壁
    体状領域の内部に投入し、該吸水膨張性高分子材料が吸
    水膨張してなるゲル状粒子が互いに密着して難透水性を
    呈する止水壁を構築し、その止水壁で仕切られた区域に
    水を溜めるようにしたことを特徴とするゲル状物質の止
    水壁による貯水方法。
  2. 【請求項2】多数本の杭を、地盤の側壁面に対して間隔
    をおいて対向するように且つ地表からの高さが貯水予定
    水位を越えるように、1列に立て込み、その列の杭の上
    部から地盤側壁面の上部に至るようにU字状に透水性シ
    ートを敷設して該透水性シートで囲まれた幅をもった連
    続壁体状領域を形成し、前記各杭と地盤側壁とによって
    透水性シートによる壁体状領域の形を保たせると共に地
    盤と一体化し、吸水膨張したときには前記透水性シート
    から流出しない寸法の吸水膨張性高分子材料の粒子を、
    それが吸水膨張したときに貯水予定水位を越える高さま
    で前記壁体状領域の内部に投入し、該吸水膨張性高分子
    材料が吸水膨張してなるゲル状粒子が互いに密着して難
    透水性を呈する止水壁を構築し、その止水壁で仕切られ
    た区域に水を溜めるようにしたことを特徴とするゲル状
    物質の止水壁による貯水方法。
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