JP2601508Y2 - フロッピーディスク駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、コンピュータ装置やワ
ードプロセッサー等の記憶装置として使用される、可撓
性のフロッピーディスクを駆動するフロッピーディスク
駆動装置に係り、詳しくは該フロッピーディスク駆動装
置に備えられる磁気ヘッド装置の、特に磁気ヘッドの固
定構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、このようなフロッピーディスク駆
動装置としては、図５の要部概略斜視図及び図６の要部
の拡大斜視図に示すものが知られており、これについて
説明する。

【０００３】図５に示すように、従来のフロッピーディ
スク駆動装置１は、装置本体内に挿入されるフロッピー
ディスクの径方向に移動せしめられる断面「コ」字状の
キャリッジ４を有しており、このキャリッジ４の開口側
内端部に対向するように固定磁気ヘッド２と可動磁気ヘ
ッド３とが配されている。

【０００４】すなわち、図に示される如く、一対の固定
磁気ヘッド２及び可動磁気ヘッド３がキャリッジ４のロ
アキャリッジ５と、アッパーキャリッジ６にそれぞれジ
ンバル７及び８を介して支持された構成となっており、
装置本体に配設されたガイドバー９により、キャリッジ
４をフロッピーディスクの径方向に移動駆動するように
なっている。

【０００５】そして、固定磁気ヘッド２は支持板材を構
成するジンバル７に、該固定磁気ヘッド２を樹脂等から
なる接着剤により固着され、繰り返しの駆動に耐えられ
るべく、また接着剤の喰み出しを吸収すべく、図６に示
すように、ジンバル７の中央付近に配設された状態で、
ジンバル７を介してロアキャリッジ５に取着され、ジン
バル７の下面側から固定磁気ヘッド２に接続されたフレ
キシブル端子基板１０が該固定磁気ヘッド２の後方側へ
ロアキャリッジ５に沿って引き廻されている。

【０００６】同様に、可動磁気ヘッド３もまた上記固定
ヘッド２と同様にジンバル８に固定保持され、フレキシ
ブル端子基板１０が該磁気ヘッド３の後方側へアツパー
キャリッジ６に沿って引き廻され、導出板部１０ａによ
り装置本体の基板（図示せず）に接続されるようになつ
ている。なお図中１１はアツパーキャリッジ６を付勢す
る弾性体である。

【０００７】上記のように構成されたフロッピーディス
ク駆動装置は、固定磁気ヘッド２と可動磁気ヘッド３と
の間にフロッピーディスク（図示せず）が挿入されて、
固定磁気ヘッド３に位置決めされたところで、弾性体１
１に抗して可動磁気ヘッド２が下方に押し下げられてフ
ロッピーディスクに当接し、データ情報の読み取り・書
き込みが行われる。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来のフロッピーディスク駆動装置１は、さらに一層の装
置の薄型化、小型化に対応すべく種々の改良、研究がな
されているとは言え、ジンバル７及び８に磁気ヘッド２
及び３が接着剤により固定され、繰り返しの駆動に耐え
られるべく、また接着剤の喰み出しを吸収すべく、図６
に示すように、ジンバル７及び８の略中央付近に磁気ヘ
ッド２及び３がそれぞれ配設されており、これがためキ
ャリッジ４全体の長さが長くなり、装置全体の小型化が
でき難いという課題があった。

【０００９】また、薄型化を達成するためにフロッピー
ディスク駆動装置１の駆動モータにダイレクトドライブ
モータ（ＤＤモータ）を使用し、モータ径を大きくして
回転トルクを確保しようとするに当たって、キャリッジ
４を出来得る限り短くしたいという課題があった。

【００１０】本考案は、上記した課題に鑑みて考案され
たもので、小型化できるようにしたフロッピーディスク
駆動装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】そこで、本考案は、キャ
リッジと、該キャリッジにジンバルを介して配設される
磁気ヘッドとからなるフロッピーディスク駆動装置にお
いて、該磁気ヘッド及び該ジンバルのそれぞれの先端
が、該フロッピーディスクの中心に向った径方向で略同
一面となるように配設し、且つ、該磁気ヘッドの先端下
面に切り欠き凹部からなる空隙部を形成し、該空隙部に
接着剤を塗布して、該ジンバルに該磁気ヘッドを固定保
持したものである。

【００１２】

【作用】上記構成によれば、該磁気ヘッドの下面に空隙
部を設け、該空隙部に接着剤を塗布するので、接着剤が
空隙部から喰み出すことなく、該ジンバルに該磁気ヘッ
ドを確実に固定保持でき、磁気ヘッドを固定保持するジ
ンバルに接着剤の喰み出し部分を設ける必要がなくな
り、従ってジンバルを小型にできることとなり、さらに
該フロッピーディスク駆動装置本体内に挿入されるフロ
ッピーディスクの径方向の磁気ヘッド及びジンバルそれ
ぞれの先端を略同一面、あるいはジンバルの先端より突
出して磁気ヘッドをジンバルに配設する構成とすること
により、従来のようなジンバルの略中央に位置して磁気
ヘッドが配設されるものと比較して、フロッピーディス
ク駆動装置本体内に挿入されるフロッピーディスクの径
方向の先端部分の取り付けスペースが不要となり、この
ことからジンバルが取り付けられるキャリッジの長さが
短く構成され、その結果装置全体の小型化を図ることが
できることとなる。

【００１３】

【実施例】以下、図面に示した本考案の一実施例に基づ
いて、本考案を詳細に説明する。図１は、本考案による
フロッピーディスク駆動装置の要部概略斜視図で、図２
は、磁気ヘッドとジンバルとの取り付け状態を示す斜視
図である。なお、実施例において、図５に示される従来
のものの各部に対応する部分には同一の符号を付してそ
れらの重複説明を省略し、以下に相違点を重点的に述べ
る。

【００１４】本考案のフロッピーディスク駆動装置２０
は、装置本体内に挿入されるフロッピーディスクの径方
向に移動せしめられる断面「コ」字状のキャリッジ１４
を有しており、このキャリッジ１４の開口側内端部に対
向するように固定磁気ヘッド１２と可動磁気ヘッド１３
とが配されている。

【００１５】図に示される如くに、一対の固定磁気ヘッ
ド１２及び可動磁気ヘッド１３がキャリッジ１４のロア
キャリッジ１５と、アッパーキャリッジ１６にそれぞれ
ジンバル１７及び１８を介して支持された構成となって
おり、装置本体に配設されたガイドバー９により、キャ
リッジ１４をフロッピーディスクの径方向に移動駆動す
るようになっている。

【００１６】上記構成は、従来のフロッピーディスク駆
動装置１と同様の構成であるが、本考案のフロッピーデ
ィスク駆動装置２０にあっては、固定磁気ヘッド１２は
支持板材を構成するジンバル１７に、フロッピーディス
クの径方向の先端をそれぞれ略同一面となるように樹脂
等の接着剤により固着されている点で異なり、同様に、
可動磁気ヘッド１３もまた、ジンバル１７に、フロッピ
ーディスクの径方向の先端をそれぞれ同一面となるよう
に樹脂等の接着剤により固着されて構成される。

【００１７】すなわち、図２に示すように、固定磁気ヘ
ッド１２の先端すなわちフロッピーディスクの径方向の
先端下面に切り欠き凹部１９ａからなる空隙部１９を形
成し、ジンバル１７に固定磁気ヘッド１２をそれぞれの
先端を同一面となるように配置し、該空隙部１９に接着
剤２１を塗布してジンバル１７に固定磁気ヘッド１２を
固定保持するように構成される。

【００１８】以上のように、本考案は、一対の固定磁気
ヘッド１２及び可動磁気ヘッド１３がキャリッジ１４の
ロアキャリッジ１５と、アッパーキャリッジ１６にそれ
ぞれジンバル１７，１８を介して支持されて、断面
「コ」字状のキャリッジ１４が構成されることから、本
実施例によれば、上記空隙部１９により接着剤２１が喰
み出すことなく確実に固定保持され、加えて従来のよう
なジンバルの略中央に位置して磁気ヘッドが配設される
ものと比較して、フロッピーディスク駆動装置２０本体
内に挿入されるフロッピーディスクの径方向の先端部分
の取り付けスペースが不要となり、このことからジンバ
ル１７，１８が取り付けられるキャリッジ１４の長さが
短く構成され、その結果装置全体の小型化を図ることが
できることとなる。

【００１９】さらに、図２（Ｃ）の鎖線に示すように、
ジンバル１７の先端から僅かに張り出して磁気ヘッド１
２を固定保持することにより、更に一層小型化できるこ
ととなる。

【００２０】図３及び図４は、磁気ヘッドに形成する空
隙部１９の本考案の第２及び第３の実施例を示すもの
で、図３の場合は、空隙部１９は傾斜面１９ｂにより形
成された例を示し、図４においては湾曲面１９ｃにより
形成された例を示し、それぞれの実施例においても第１
の実施例と同様な効果が得られるものである。尚、上記
の各実施例における空隙部１９は、各図面に示すよう
に、磁気ヘッドの、フロッピーディスクの径方向の先・
後端に設けることにより方向性を問わずに利用できるよ
うに配慮しても良く、少なくともフロッピーディスクの
径方向の先端に空隙部１９が形成されることにより、良
好な効果が得られるものである。

【００２１】尚、本実施例においては、固定磁気ヘッド
１２について説明したが、可動磁気ヘッド１８もまた同
様であり、固定磁気ヘッド１２を可動としたダブルスイ
ング型のキャリッジ１４の場合においても同様な作用・
効果を奏するのでその説明は省略する。

【００２２】

【考案の効果】以上の説明から明らかな如く、本考案に
係るフロッピーディスク駆動装置は、磁気ヘッド及びジ
ンバルのそれぞれの先端が、フロッピーディスクの中心
に向った径方向で略同一面となるように配設し、且つ、
該磁気ヘッドの先端下面に切り欠き凹部からなる空隙部
を形成し、該空隙部に接着剤を塗布して、ジンバルに磁
気ヘッドを固定保持する構成とされているので、ジンバ
ルを小型化にでき、装置全体の小型化が図り得るフロッ
ピーディスク駆動装置を提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるフロッピーディスク駆動装置の一
実施例を示す要部概略側面図。

【図２】図１の磁気ヘッドとジンバルとの取り付け状態
を示す、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は側面図、及び（Ｃ）
はそれぞれ平面図。

【図３】本考案によるフロッピーディスク駆動装置の第
２の実施例を示す磁気ヘッドとジンバルとの取り付け状
態を示す斜視図。

【図４】本考案によるフロッピーディスク駆動装置の第
３の実施例を示す磁気ヘッドとジンバルとの取り付け状
態を示す斜視図。

【図５】従来のフロッピーディスク駆動装置の要部概略
斜視図。

【図６】図５の磁気ヘッドとジンバルとの取り付け状態
を示す斜視図。

【符号の説明】

２０ フロッピーディスク駆動装置 １２ 固定磁気ヘッド １３ 可動磁気ヘッド １４ キャリッジ １５ ロアキャリッジ １６ アッパーキャリッジ １７，１８ ジンバル １９ 空隙部 １９ａ 切り欠き凹部１９ａ １９ｂ 傾斜面 １９ｃ 湾曲面 ２１ 接着剤

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャリッジと、該キャリッジにジンバル
   を介して配設される磁気ヘッドとからなるフロッピーデ
   ィスク駆動装置において、該磁気ヘッド及び該ジンバル
   のそれぞれの先端が、該フロッピーディスクの中心に向
   った径方向で略同一面となるように配設し、且つ、該磁
   気ヘッドの先端下面に切り欠き凹部からなる空隙部を形
   成し、該空隙部に接着剤を塗布して、該ジンバルに該磁
   気ヘッドを固定保持することを特徴とするフロッピーデ
   ィスク駆動装置。