JP2600735Y2

JP2600735Y2 - 歩行型田植機の車輪伝動構造

Info

Publication number: JP2600735Y2
Application number: JP1992052579U
Authority: JP
Inventors: 二教山本; 俊樹南石; 陽一朗西
Original assignee: Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
Current assignee: Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
Priority date: 1992-07-27
Filing date: 1992-07-27
Publication date: 1999-10-25
Anticipated expiration: 2007-07-27
Also published as: JPH0613412U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、歩行型田植機の車輪伝
動構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、歩行型田植機の一形態として、ミ
ッション部の左右側壁にそれぞれ左右一対の車輪伝動ケ
ースの前端を前側ベベルギヤケースを介して連動連結
し、各車輪伝動ケースの後端にそれぞれ車輪を後側ベベ
ルギヤケースを介して連動連結したものがある。

【０００３】そして、車輪伝動ケース内には伝動軸を軸
架し、同伝動軸の前後端にそれぞれベベルギヤを取付け
て、前端側のベベルギヤを、ミッション部の車輪駆動軸
に連動連設した前側ベベルギヤケース内の出力ベベルギ
ヤに外側方より噛合させる一方、後端側のベベルギヤを
車軸に連動連設した後側ベベルギヤケース内の入力ベベ
ルギヤに内側方より噛合させて、同車軸に取付けた車輪
を回転させることができるようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記した車
輪伝動構造では、出力ベベルギヤと車輪との左右幅方向
の間隔が大きくなって、機体の左右幅も大きくなり、機
体の回行性や格納性に問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、本考案では、ミ
ッション部の左右側壁にそれぞれ左右一対の車輪伝動ケ
ースの前端を前側ベベルギヤケースを介して連動連結
し、各車輪伝動ケースの後端にそれぞれ車輪を後側ベベ
ルギヤケースを介して連動連結した歩行型田植機の車輪
伝動構造において、前側ベベルギヤケース内に、ミッシ
ョン部から左右幅方向に伸延させて突出した出力軸の先
端部を軸支し、同出力軸の先端に出力ベベルギヤを取付
け、同出力ベベルギヤに、前側軸付ベベルギヤのベベル
ギヤ部を内側方より噛合させる一方、後側ベベルギヤケ
ース内に、先端部に車輪を取付けて、左右幅方向へ伸延
する車軸の基端部を軸支し、同車軸の基端に入力ベベル
ギヤを取付け、同入力ベベルギヤに、後側軸付ベベルギ
ヤのベベルギヤ部を外側方より噛合させ、両軸付ベベル
ギヤ間に伝動軸を介設すると共に、同伝動軸を出力ベベ
ルギヤの内側方で、かつ、入力ベベルギヤの外側方に配
置したことを特徴とする歩行型田植機の車輪伝動構造を
提供せんとするものである。

【０００６】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。

【０００７】図１に示すＡは、本考案に係る車輪伝動構
造を具備する歩行型田植機であり、同歩行型田植機Ａ
は、機体ｋの前部に、原動機部２を搭載し、その後方に
ミッション部３を設けて、これら原動機部２とミッショ
ン部３との上方をボンネット１により被覆しており、ミ
ッション部３の下部後面からは後方へ向けてシャフトケ
ース４を伸延させている。５は伝動機構、19は予備苗載
台、Ｎは予備苗である。

【０００８】シャフトケース４の後端には、植付ミッシ
ョンケース６を連設しており、同植付ミッションケース
６には、左右一対の苗植付け機構21,21 を連動連結する
と共に、ハンドルステー７の基端を連設して、同ハンド
ルステー７は、後上方へ伸延形成して、上端に左右側に
分岐したハンドル８，８を取付け、中途部に苗載台支持
フレーム９を介して二条分の苗マットが載置可能な前低
後高の苗載台10を連設している。

【０００９】また、シャフトケース４の後端部には、図
１に示すように、支柱15を後上方へ向けて立設し、同支
柱15の上端と、その直後方に配設した苗載台10との間に
は苗載台10を左右幅方向に横送りするための横送り機構
22を介設している。

【００１０】また、横送り機構22と、苗載台10の下部後
壁に取付けた苗縦送り機構23との間には、図１に示すよ
うに、苗縦送り駆動機構20を介設している。

【００１１】ミッション部３の左右側には壁には、図１
及び図２に示すように、それぞれ左右一対の車輪伝動ケ
ース11,11 の前端部を前側ベベルギヤケース35,35 を介
して上下揺動自在に連動連設し、各車輪伝動ケース11,1
1 の後端部にそれぞれ左右側車輪12,12 を後側ベベルギ
ヤケース36,36 を介して連動連設しており、両車輪伝動
ケース11,11 間にはスイング調節機構24を介設してい
る。

【００１２】そして、機体ｋの直下方には、図１に示す
ように、フロート25を上下昇降リンク26,27 を介して上
下昇降自在に取付けており、同フロート25の上下昇降動
作に連動して、左右側車輪12,12 をスイング調節機構24
を介して上下昇降動作させて、苗植付け機構21,21 によ
り苗の植付け深さを一定に保つことができるようにして
いる。

【００１３】スイング調節機構24は、ミッション部３と
シャフトケース４との間に横架した車輪昇降用油圧シリ
ンダ28と、同シリンダ28のシリンダ本体28a に中途部を
前後揺動自在に取付けた揺動アーム29と、同揺動アーム
29の左右側端と左右側の各スイングアーム13,13 との間
にそれぞれ介設した連動ロッド30,30 と、揺動アーム29
の左側端とシリンダ本体28a の前端部に取付けたスイン
グ用油圧シリンダ37とから構成している。

【００１４】このようにして、車輪昇降用油圧シリンダ
28のシリンダ本体28a がピストンロッド28b に沿って前
後方向に進退摺動すると、それに連動して揺動アーム29
も前後進退移動し、左右側スイングアーム13,13 を介し
て左右側車輪伝動ケース11,11 を上下回動動作させて、
両車輪伝動ケース11,11 の後端に取付けた車輪12,12を
上下昇降させることができるようにしている。

【００１５】また、スイング用油圧シリンダ37が伸縮作
動すると、それに連動して揺動アーム29が前後方向に揺
動し、左右側スイングアーム13,13 を介して左右側車輪
伝動ケース11,11 を一方は上方へ回動させると共に、他
方は下方へ回動させて、各車輪伝動ケース11,11 の後端
に取付けた車輪12,12 を相互に上下逆方向に昇降させる
ことができるようにしている。

【００１６】上記のような構成において、本考案の要旨
は車輪伝動構造にあり、以下、図１及び図２を参照しな
がら説明する。

【００１７】すなわち、図２に示すように、前側ベベル
ギヤケース35内には、ミッション部３から左右幅方向に
水平に伸延させて突出した出力軸40の先端部を軸支し、
同出力軸40の先端に出力ベベルギヤ41を取付ける一方、
前側ベベルギヤケース35内の後側部に前側軸付ベベルギ
ヤ42の伝動用軸部42a を出力軸40と略直交状態に軸支
し、同前側ベベルギヤ42のベベルギヤ部42b を上記出力
ベベルギヤ41に内側方より噛合させている。43,44,45は
ベアリング、46は連結ボルト、47は油抜き用ボルトであ
る。

【００１８】そして、前側軸付ベベルギヤ42は、伝動用
軸部42a とベベルギヤ部42b とを一体成形しており、伝
動用軸部42a は筒状に形成すると共に、内周面にスプラ
イン嵌合用凹部42c を形成している。

【００１９】後側ベベルギヤケース36内には、先端部に
車輪12を取付けて、左右幅方向へ水平に伸延する車軸50
の基端部を軸支し、同車輪50の基端に入力ベベルギヤ51
を取付ける一方、後側ベベルギヤケース36内の前側部に
後側軸付ベベルギヤ52の伝動用軸部52a を車軸50と略直
交状態に軸支し、同後側ベベルギヤ52のベベルギヤ部52
b を上記入力ベベルギヤ51に外側方より噛合させてい
る。53,54,55,56 はベアリング、57は油抜き用ボルトで
ある。

【００２０】そして、後側軸付ベベルギヤ52は、伝動用
軸部52a とベベルギヤ部52b とを一体成形しており、伝
動用軸部52a は中実に形成すると共に、外周面にスプラ
イン嵌合用凸部52c を形成している。

【００２１】車輪伝動ケース11は、前後方向に伸延させ
て形成した筒状のケース本体11a と、同ケース本体11a
の前後端に取付けた前後側連結部11b,11c とから形成し
ており、前側連結部11b を前側ベベルギヤケース35の後
側壁に連通連結すると共に、後側連結部11c を後側ベベ
ルギヤケース36の前側壁に連通連結している。

【００２２】そして、かかる車輪伝動ケース11内には伝
動軸60を挿通しており、同伝動軸60は、前後方向に伸延
させて形成した筒状の伝動軸本体60a と、同伝動軸本体
60aの前端に取付けた前側中実軸部60b と、伝動軸本体6
0a の後端に取付けた後側中空軸部60c とから形成して
いるしかも、前側中実軸部60b の外周面にはスプライン
嵌合用凸部60d を形成して、前側軸付ベベルギヤ42の伝
動用軸部42a にスプライン嵌合している。

【００２３】また、後側中空軸部60c の内周面にはスプ
ライン嵌合用凹部60e を形成して、後側軸付ベベルギヤ
52の伝動用軸部52a にスプライン嵌合している。

【００２４】このように、本実施例では、前側ベベルギ
ヤケース35内の出力ベベルギヤ41に前側軸付ベベルギヤ
42のベベルギヤ部42b を噛合させる一方、後側ベベルギ
ヤケース36内の入力ベベルギヤ51に、後側軸付ベベルギ
ヤ52のベベルギヤ部52b を噛合させて、各軸付ベベルギ
ヤ42,52 の伝動用軸部42a,52a を伝動軸60の前側中実軸
部60b と後側中空軸部60c とにそれぞれスプライン嵌合
しているために、各ベベルギヤ部42b,52b の噛元強度を
向上させることができると共に、これらと噛合する各ベ
ベルギヤ41,51 とのバックラッシや噛み合いを正常に保
って、動力伝達性能を良好に確保することができる。

【００２５】

【考案の効果】本考案によれば、次のような効果が得ら
れる。

【００２６】すなわち、前側ベベルギヤケース内に、ミ
ッション部から左右幅方向に伸延させて突出した出力軸
の先端部を軸支し、同出力軸の先端に出力ベベルギヤを
取付け、同出力ベベルギヤに、前側軸付ベベルギヤのベ
ベルギヤ部を内側方より噛合させる一方、後側ベベルギ
ヤケース内に、先端部に車輪を取付けて、左右幅方向へ
伸延する車軸の基端部を軸支し、同車軸の基端に入力ベ
ベルギヤを取付け、同入力ベベルギヤに、後側軸付ベベ
ルギヤのベベルギヤ部を外側方より噛合させ、両軸付ベ
ベルギヤ間に伝動軸を介設すると共に、同伝動軸を出力
ベベルギヤの内側方で、かつ、入力ベベルギヤの外側方
に配置しているために、ミッション部と出力ベベルギヤ
との間に、伝動軸と入力ベベルギヤとを配置することが
できて、車輪とミッション部とを左右幅方向に近接させ
て配置することができる。

【００２７】その結果、機体の左右幅を小さくして、機
体のコンパクト化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車輪伝動構造を具備する歩行型田
植機の側面図。

【図２】同要部の断面平面図。

【符号の説明】

Ａ歩行型田植機 11 車輪伝動ケース 12 車輪 35 前側ベベルギヤケース 36 後側ベベルギヤケース 42 前側軸付ベベルギヤ 52 後側軸付ベベルギヤ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01C 11/02 B60K 17/04

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ミッション部(3) の左右側壁にそれぞれ
左右一対の車輪伝動ケース(11)(11)の前端を前側ベベル
ギヤケース(35)(35)を介して連動連結し、各車輪伝動ケ
ース(11)(11)の後端にそれぞれ車輪(50)(50)を後側ベベ
ルギヤケース(36)(36)を介して連動連結した歩行型田植
機の車輪伝動構造において、前側ベベルギヤケース(35)内に、ミッション部(3) から
左右幅方向に伸延させて突出した出力軸(40)の先端部を
軸支し、同出力軸(40)の先端に出力ベベルギヤ(41)を取
付け、同出力ベベルギヤ(41)に、前側軸付ベベルギヤ(4
2)のベベルギヤ部(42b) を内側方より噛合させる一方、後側ベベルギヤケース(36)内に、先端部に車輪(12)を取
付けて、左右幅方向へ伸延する車軸(50)の基端部を軸支
し、同車軸(50)の基端に入力ベベルギヤ(51)を取付け、
同入力ベベルギヤ(51)に、後側軸付ベベルギヤ(52)のベ
ベルギヤ部(52b) を外側方より噛合させ、両軸付ベベルギヤ(42)(52)間に伝動軸(60)を介設すると
共に、同伝動軸(60)を出力ベベルギヤ(41)の内側方で、
かつ、入力ベベルギヤ(51)の外側方に配置したことを特
徴とする歩行型田植機の車輪伝動構造。