JP2599044B2 - 高圧噴射ノズル - Google Patents

高圧噴射ノズル

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JP2599044B2 JP16525191A JP16525191A JP2599044B2 JP 2599044 B2 JP2599044 B2 JP 2599044B2 JP 16525191 A JP16525191 A JP 16525191A JP 16525191 A JP16525191 A JP 16525191A JP 2599044 B2 JP2599044 B2 JP 2599044B2
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恵介 福永
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、主として高耐摩耗性
を有する焼結材料等の硬質材料から成るアブレイシブウ
ォータジェット用ノズル等の加工用高圧ノズルの材料構
造の技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、近代社会はさまざまな機
械,電気等の各種機械器具装置に負うところが大であ
り、これらの装置等はさまざまの研究改良が加えられ
て、ますます複雑、且つ、精密にされており、したがっ
て、それらの製造,組立ても複雑な様相を有するように
なってきている。
【0003】又、これらの器具,装置設備等の製造時は
勿論のこと、稼動中の保守点検整備はそれらの機能が経
時的に変らずに維持されるようにされねばならないこと
から、その精密さの度合は、ますます厳しく求められる
ようになってきている。
【0004】そして、これらの器具,機械設備等のユニ
ットや部品は多くの切断面,切削加工面を有しており、
しかも、耐久性が大きく求められていることからそれら
の立体曲面等の加工面,切削面の複雑さ,精密さはより
一層強く求められてきている。
【0005】一方、これらの要求に応えるために新素材
の研究開発も強力に求められ、これに相俟って、切削加
工,切断剥離等の技術も新しい局面を迎えようとしてい
る。
【0006】而して、旧来技術における切断分離,穴明
け,切削等の加工手段はカッター等による機械的な手段
やガスバーナー,アーク等による熱溶断、更には、プラ
ズマ等による物理的切断技術等も種々開発されている
が、経年的に要求される複雑形状部分の切削切断や分子
結合状態での剥離切削等による要求条件のオーダーがま
すます厳しくなり、母材変質を避けるために、又、所謂
バリやカエリ等が生じない非接触的な加工が求められる
等の点から、上述旧来的な技術手段はさまざまなネック
があって、ニーズにマッチングせず、実使用にそぐわな
い面が出てきており、これに対処するに数百キロ、数千
キロに及ぶような超高圧状態のビーム状のウォータジェ
ットを用いて塗装の切削剥離や材料の穴明け,溝切り,
切断加工等を行う所謂ウォータジェットによる切断技術
がクローズアップされ、木材,合成樹脂材等は勿論のこ
と、金属材料に対する使用も可能になるようになり、さ
まざまな研究,開発,改良がなされ、例えば、ガーネッ
トサンド等の微粒状の研摩材料を高圧ウォータジェット
に混在させて加工力を向上させた所謂アブレイシブウォ
ータジェットも案出されているが、超高圧のウォータジ
ェットを用いるために猶ハードウエアやソフトウエアに
さまざまな解決されるべき問題が生じているのが現状で
ある。
【0007】かかるウォータジェットによる切断加工
は、加工時に熱の発生等がほとんどないため、被切断材
の変質や変形を伴うことなく、平滑な切断面が設計通り
に得られる利点がある。
【0008】したがって、所謂ネットシェイプ、或い
は、ニアネットシェイプの加工等にとっては非常に有望
な切断加工手段であり、従来より各種の研究,開発改良
がなされ、一部かなりの程度まで実用化されるに至って
いる。
【0009】しかしながら、現状においてはウォータジ
ェットによる切断、就中、アブレイシブウォータジェッ
トによる切断等にさまざまなニーズがあって、しかも、
極めて高精度を要求されるようになり、これに応える更
なる新技術の開発が望まれている。
【0010】ところで、一般に切削加工等の工具に用い
られている硬質材料の特性は当業者にとり、周知の如く
結合相の量,硬質炭化物の組成と種類や粒径,材料中の
炭素量等によって決定されるものとされており、したが
って、用途による当該硬質材料の硬度,耐摩耗性,靭
性,耐蝕性,高温強度等が要求される特性によって、こ
れらの結合相,炭化物の種類,粒径,炭素量等が決定さ
れるようにされている。
【0011】さりながら、工具等に於いてもさまざまな
特性が潜在的に望ましくは求められるものであるが、要
求される全ての特性を1つの素材によって全て同時に満
足させることは材料技術上難かしいため、どの特性を最
も重視するかの選択条件によって上述した各種の条件が
異なってくる。
【0012】而して、一般に硬さと靭性は硬質相の粒子
径に対して、又、結合相の量に対して相反する関係にあ
り、硬度に関しては結合相の量が少く、硬質相の粒径が
小さいほど高くなるが、靭性は逆に結合相の添加量の増
加に比例して高くなる性質がある。
【0013】硬質材料はこれまで主に前述した如く、切
削工具や耐摩耗工具に用いられており、これらの工具の
性質により、例えば、超微粒状超硬合金等基本的に耐摩
耗性と耐衝撃性の双方を重視する設計となっており、折
損やチッピング防止の観点から、ある程度靭性も考慮し
た合金設計となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そして、通常、これま
での、例えば、アブレイシブウォータジェット用のノズ
ル等の材料はかかる切削工具用等の在来の硬質材料の中
から選定されているが、これらの材料は靭性を考慮し
て、硬度が可能な限りの最高硬さに比較して低めに設定
されているため、経時的な摩耗が著しく、該種アブレイ
シブウォータジェット用のノズル等の材料としての耐久
性は数時間程度であり、希望される現段階での用途,条
件に対して耐久性が非常に乏しいと言わざるを得ない欠
点があるものである。
【0015】蓋し、該種アブレイシブウォータジェット
用ノズル等のノズルの苛酷な摩耗の大きな原因として、
噴流中のガーネットサンド等の研摩材の粉末によるノズ
ル材料の硬質材料に対するエロージョンがあるからであ
る。
【0016】これに対し、靭性をある程度犠牲にして耐
摩耗性をより重視して微粒WCを用い、低結合相量(例
えば、Co=2wt%以下)の低Co硬質焼結体合金を
アブレイシブノズル技術に使用する技術が開発され、出
願人に於いて先願の特願平2−248616号発明(非
公開)を開発した。
【0017】しかしながら、かかる在来技術にあっては
加工性,焼結性等を優先するためにある程度結合相が添
加されており、そのため可能な限りの最高硬度と耐摩耗
性が得られず、したがって、アブレイシブノズル等に用
いた場合、50時間程度までしか耐久性を向上させられ
ず、実用上100時間を越すニーズには応えられない不
都合さがあった。
【0018】一方、特殊な焼結材料として、耐蝕性等の
向上を図るべくCoを含有しない(即ち、0wt%の)
硬質物質だけの、例えば、WC−TaC−TiC合金等
の所謂バインダレス合金が市販されているが、該種硬質
焼結体合金は結合相を含まないため、必然的に硬度も上
昇し、HRA 93.5前後のものがメカニカルシール
用等に実用化されてはいる。
【0019】しかしながら、かかる材料をアブレイシブ
ウォータジェット用のノズル等に用いることは、硬度が
高い分だけ上記一般の切削工具用等の超硬合金材料に比
較して耐摩耗性は若干向上するものの、成分、並びに、
硬質相の粒子径等が加工用には最適でないため、まだ、
耐久性において実用上耐久性が100時間等の目標値,
要求値に対してかなりの隔たりがある点があって充分に
満足するものとはされていない不具合があるものであ
る。
【0020】したがって、これまでの超硬合金は、いず
れも、アブレイシブウォータジェット用のノズル等のノ
ズル材料として、最適な硬度と靭性の組合せ範囲にある
とは言い難い難点があり、より以上の改良が望まれ、開
発の余地が多く残されているのが現状である。
【0021】上記アブレイシブウォータジェット用のノ
ズル等のノズルは、その使用状態において、前述した如
く、高圧水の噴流中のガーネットサンド等の研摩材の微
粉末によるノズル材料に対するエロージョンを介しての
苛酷な噴射時の摩耗を受けるため、ノズル本体の摩耗が
非常に激しく、特に、ウォータジェットの入口部や出口
部分では極めて激しく摩耗作用が働き、経時的に内径が
広がることにより、本来の目的とする機能に沿うワーク
に対する切断精度や切断性能が低下する虞があるという
マイナス点があった。
【0022】このため、これに対処するに実用に際して
は比較的短い時間毎に新しいノズルと交換する必要があ
り、そのため稼動効率の減少や能率低下をきたし、結果
的にコストアップにつながるという不利点があった。
【0023】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づくアブレイシブウォータジェット用のノズル等の加
工用のノズルの耐久性の問題点を解決すべき技術的課題
とし、該種アブレイシブウォータジェット用のノズル等
の加工用ノズル専用に新たな高耐摩耗性硬質材料を開発
することによって、ワークに対する加工稼動時のアブレ
イシブウォータジェット用のノズル等のノズルの摩耗を
飛躍的に減少させ、更に、一本のノズルの使用時間を著
しく長時間化させて耐久性を著しく向上させることによ
り、従来困難であったワークの高精度な加工の現出と能
率の一層の向上と、併せてランニングコストの低減とを
可能とし、又、粉体やスラリー噴射ノズル等に対しても
波及効果が及ぶようにするようにして機械製造産業にお
ける加工技術利用分野に益する優れた高圧噴射ノズルを
提供せんとするものである。
【0024】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は
前述課題を解決するために、アブレイシブウォータジェ
ット用のノズル等の加工用のノズルの硬質材料として、
主成分の炭化物の粒径を1.0μm以下として超微粒化
し、併せて、Ti,Ta,V,Cr,Nb,Mo,H
f,Zrの一種、或いは、二種以上の炭化物(設計によ
っては窒化物)、もしくは、炭化物固溶体(設計によっ
ては炭窒化物固溶体)を10.0wt%以下含有して、
且つ、結合相を無くし、HRA 94.0以上の高硬度
を有するようにし、硬度と靭性の組合せを従来材料と比
較してかなり高硬度、低靭性領域に設定し、従来材料に
対してアブレイシブ粒子と材料壁面との衝突角度が低い
場合における耐摩耗性が飛躍的に向上し、アブレイシブ
ウォータジェット用ノズル等のノズルで、低衝突角度で
苛酷な噴射時の摩耗を受ける部材へ適用した場合に、1
00時間等極めて耐久性が良く、実用性を高め、ワーク
の加工精度が著しく向上し、作業能率がアップし、結果
的に著しくコストダウンが図れるようにした技術的手段
を講じたものである。
【0025】
【発明の背景】アブレイシブウォータジェットノズル用
のノズル等の加工用のノズルの苛酷な摩耗の大きな原因
として、前述した如く、高圧水の噴流中に混入されたガ
ーネットサンド等の研摩材粉末によるノズル材料のエロ
ージョンがあり、該微粉末による硬質材料のエロージョ
ン特性をこの出願の発明を含めて明らかにするため、ア
ブレイシブウォータジェットノズル等の稼動中における
摩耗状況を再現し得る摩耗テストをし、試作合金を含む
種々な硬質材料に対してその特性を実験した。
【0026】図1,2図はかかる実験結果のデータを示
している。
【0027】而して、図1はワークに対するアブレイシ
ブウォータジェットのガーネットサンドを含む高圧水の
噴流の衝突角度θが15゜での各種材料(この出願の発
明は黒丸,従来態様は白丸、先願態様は半黒丸)の硬度
と摩耗減量の関係(噴射圧:2000kgf/cm
研摩材:ガーネットサンド#80,その供給量:0.4
kg/min)であり、図2は硬度と抗折力の関係(こ
の出願の発明は黒丸,従来態様は白丸、先願態様は半黒
丸)を示している。
【0028】当該図1、及び、図2の実験データに見ら
れる様に、抗折力、即ち、靭性値は材料硬度の上昇と共
に著しく低下する傾向が認められるものの、摩耗減量は
硬度の上昇に伴って単調に減少し、耐摩耗性が顕著に向
上することが分る。
【0029】即ち、ノズルの摩耗に対してはWの炭化物
を主成分とする限り、高硬度な材料ほど良く、靭性は切
削工具やメカニカルシール用ほど要求されないことにな
ることが分った。
【0030】これは、超音速の高圧水の噴流によって相
当な高速に加速された混在される研摩材微粒子が壁面を
衝撃的に摩耗する現象からは容易に推定し得なかった新
たな事実である。
【0031】以上のデータにより、アブレイシブウォー
タジェット用のノズル等の高耐摩耗性の加工ノズルは、
硬質材料の設計における硬度と靭性の組合せを従来材料
と比較してかなり高硬度,低靭性領域に設定する(本来
的には硬度靭性値とも高い方が望ましいが、現実的には
高硬度にすると抗折力、即ち、靭性は相反して低下する
平均的傾向が見られる。)と共に、衝突角度が低角度と
なるようなノズル設計にする必要があることが分った。
【0032】
【発明の基礎】次に、この出願の発明の根拠を説明する
と次の通りである。
【0033】まず、目的とする材料硬度を得る方法につ
いては結合相において: 同じ粒径のW炭化物であれば、結合相量の減少に伴って
硬度、並びに、耐摩耗性は上昇し、そこで、この出願の
発明の硬質材料は、この極限として、結合相を全く含ま
ないことを前提に開発を行った。
【0034】これは先術先願の特願平2−248616
号(非公開)との大きな相違点であるが、ただ単に結合
相を含まないだけでは目的とする硬度、並びに、耐摩耗
性を有する焼結体は得難いため、以下の手段、方法によ
ってこれを実現している。
【0035】Wの炭化物の粒度において: 一般に、W系炭化物硬質焼結体は結合相量の量が同じで
あれば、W炭化物が均一に微粒であるほど、高い硬度、
並びに、耐摩耗性が得られるが、この出願の発明の硬質
材料のように結合相を全く含まないような場合において
も、安定した94.0以上の高硬度を得るには、W炭化
物の粒径は1.0μm以下のものを用いる必要があるこ
とが実験の結果判明した。
【0036】異種炭化物の添加において: この出願の発明の合金のようにWの炭化物が微粒で、し
かも、結合相量のない材料ではその適正な焼結温度は1
700℃程度になるが、当該条件で焼結を行えば、微粒
のW炭化物は粒成長を生じ、粗大なW炭化物粒となり、
所定の硬度、並びに、耐摩耗性は達成されない。
【0037】これについては、種々の試行錯誤の結果、
Ti,Ta,V,Cr,Nb,Mo,Hf,Zr(或い
はN)の一種、或いは、二種以上の炭化物(或いは窒化
物)、又、炭化物固溶体(或いは炭窒化物固溶体)の添
加が、W炭化物の粒子成長抑制、及び、焼結温度の低温
度化を図る効果のあることが判明した。
【0038】但し、それらを多量に添加すると耐摩耗性
に悪影響を及ぼすことになり、この出願の発明の材料に
ついては実験データから10%添加が限度である。
【0039】以上の手段、方法によって、又、更に必要
に応じて、HIP(高温等方加圧)等の手段を焼結中、
或いは、焼結後に併用することによって、アブレイシブ
ウォータジェット用ノズル等の加工用高圧ノズル材料と
して非常に優れた耐摩耗性を有する硬質材料を製造する
ことが出来る。
【0040】而して、図3はアブレイシブウォータジェ
ット用のノズルヘッド内の研摩材の挙動を模式的に示し
たものであり、アブレイシブウォータジェット用ノズル
ヘッド1には図示する様に、高圧水の噴流3に吸引され
た研摩材粒子4をアブレイシブノズル7内に円滑に導入
するために、通常、混合室5を介して漏斗状のノズル入
口部6が設けられている。
【0041】該入口部6は、空気流、或いは、設計によ
っては水流と共にアブレイシブノズル7内に流れ込む研
摩材粒子4、及び、ノズル7の軸心近傍に於いて超音速
の水噴流3によって反発された研摩材粒子4等の衝突、
並びに、研摩作用によって摩耗を受ける。
【0042】特に、高圧水の噴流3によって反発,加速
された粒子4は高速で入口部6の壁面を叩くことによっ
て、入口部6に著しい摩耗を生じさせる原因となる。
【0043】このような入口部6の摩耗は、漏斗状の該
入口部6の壁面の水噴流3に対する角度が大きいほど、
或いは、ノズル7の材料の硬度が高いほど、前述した特
性によって、それが助長される傾向にある。
【0044】したがって、ノズル7の摩耗の観点からは
漏斗状マウス入口部6の角度は出来るだけ低角度に形成
した方が良く、この点を勘案し、例えば、±15゜以内
(但し、種々の条件により若干変動する場合がある)と
する必要がある。
【0045】一方、ノズル7内部に於いては、投入され
た研摩材粒子4は図示する様に、壁面7′と水噴流3、
或いは、研摩材粒子との混合流の間を反発を繰り返しな
がら加速され、下流に向うに従って壁面7′にほぼ平行
な向きに整流されはする。
【0046】しかしながら、該ノズル7の内壁面7′は
水噴流3の軸線に対して平行、或いは、ほぼ平行な面を
有しているため、ノズル7内部に於いて、研摩材粒子4
が壁面7′を叩く角度は本質的に小さく、適切な高硬度
材料を使用すれば異常摩耗を生じるようなことは少い。
【0047】これは実験によっても裏付けられている。
【0048】以上の検討によって、低角度の衝突に対し
て良好な耐摩耗性を発揮する高硬度材料と摩耗特性と、
本質的に低角度の衝突角を与えるノズル7の摩耗の特性
とが有効に作用して、極めて良好な耐久性向上がもたら
される。
【0049】
【実施例】次に、この出願の発明の実施例を説明すれば
以下の通りである。
【0050】この出願の発明のアブレイシブウォータジ
ェット用のノズル材料の実施例について、硬度(HR
A),抗折力(kgf/mm)、及び、摩耗試験(圧
力:2000kgf/cm,研摩材:ガーネットサン
ド,噴射時間:180sec)における摩耗量(mg)
の各データを比較例として従来態様、並びに、先願態様
の合金材料と併せて、次の表1に示す。
【0051】
【表1】 摩耗量:所定の噴射摩耗条件における材料の重量減少量(mg) 噴射摩耗条件:噴射圧力=2000kg/cm 噴射時間=180sec 研摩材 =ガーネットサンド#80 研摩材供給量=0.4kg/min 而して、当該表1よりこの出願の発明の合金が先願態様
(先願試料番号1,2)に比較して約2倍もの著しい耐
摩耗性,耐久性を示すことが分る。特に、在来態様の試
料番号1〜3のものと実施例試料番号1〜20のものを
比較すると耐摩耗性について極めて劇的な効果を有する
ことが分る。
【0052】又、特許請求の範囲第1項に関する上述実
施例(試料番号1〜10)炭化物の材料の製造について
は粒子径1.0μm以下のWの炭化物に、粒子径1.5
μm以下の異種炭化物を10%以下配合し、アルコール
中でボールミルを用いて72時間湿式混合を行い、乾燥
後、粉末を1000kgf/cmの圧力でプレスを行
い、800℃の真空中で予備焼結を行った。
【0053】そして、本焼結は、0.1から10Tor
rの真空度で1600℃−60分保持の条件で行った
後、1500℃−60分、1500kgf/cm、A
r雰囲気中の条件下でHIP処理を行ったものである。
【0054】又、特許請求の範囲第2項に関する実施例
11〜20(試料番号)の炭窒化物の材料の製造につい
ては粒子径1.0μm以下のWの炭化物、粒子径1.5
μm以下の異種炭化物、及び、窒化物を重量割合で10
%以下配合し、ボールミルを用いて72時間湿式混合を
行い、乾燥後、粉末を1000kgf/cmの圧力で
プレスを行い、800℃真空中で予備焼結を行ったもの
である。
【0055】そして、本焼結については、真空排気しな
がら、窒素ガスを流して圧力を20〜150 Torr
とし、1600℃−60分保持の条件で行った後、15
00℃−60分、1500kgf/cm、Ar雰囲気
中の条件下でHIP処理を行った。
【0056】図4,6は、この出願の発明の合金を用い
て製作した、アブレイシブウォータジェット用のノズル
の1態様を示し、又、図5,7はノズル周囲に補強、並
びに、外径等の仕上げ加工を容易にするための金属被覆
チューブ8を取り付けたアブレイシブウォータジェット
用のノズルの別の態様を示す。
【0057】図8,9はそれぞれ、この出願の発明の合
金を用いて製作した、ウォータノズルの2つの態様を示
す。
【0058】而して、この出願の発明の基本的な特徴は
合金設計における硬度と靭性の組合せを在来の切削工具
等に用いられる従来材料と比較してかなり高硬度で切削
等には適しない程の低靭性領域に設定したことである。
【0059】又、この出願の発明の実施態様としてはア
ブレイシブウォータジェット用のノズルに限らず、それ
と類似の摩耗形態を示し、耐摩耗性硬質材料を必要とす
るブラスト用等種々の加工ノズルへの適用が可能である
ことは勿論であり、いずれもこの出願の発明の特許請求
の範囲に含まれるものであり、又、設計変更的には、例
えば、ノズル先端の外径を細くした態様のノズル、或い
は、ノズル穴を角穴にする等種々の態様が採用可能であ
ることは勿論のことである。
【0060】そして、適用対象の加工ノズルの応用態様
として、例えば、粉体やスラリー噴射用のノズル等が挙
げられる。
【0061】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、結合相
をなくしたことにより基本的に従来態様のアブレイシブ
ウォータジェット用ノズル等の加工ノズルの耐摩耗材と
比べて靭性を犠牲にしながらも、優れた耐摩耗性を有し
ているため、アブレイシブウォータジェット用ノズル等
の低角度の粉体衝突によるアブレイシブ摩耗を受ける加
工ノズル用の材料に使用することによって、精度の高い
優れた加工特性や耐久性、並びに、コストダウンから経
済性を高めることが出来るという優れた効果が奏され
る。
【0062】又、加工作業において、摩耗によるノズル
の高頻度の交換等をしなくて済むために作業能率が向上
し、稼動効率のアップが図れるという効果が奏される。
【0063】そして、製品の加工精度が向上することか
ら装置自体の機能促進が図れ、信頼性が高まるという効
果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】W炭化物を主成分とする硬質材料製のアブレイ
シブノズルの従来材料、並びに、先願材料とこの出願の
発明の材料とを噴射圧力2000kgf/cmの条件
での摩耗テストを実施した結果を、摩耗減量と硬度との
関係をプロットしたグラフ図である。
【図2】同じくW炭化物を主成分とする硬質材料の抗折
力と硬度の関係を示したグラフ図である。
【図3】アブレイシブウォータジェットノズルヘッド内
の研摩材の挙動模式断面図である。
【図4】この出願の発明の材料を用いて製作したアブレ
イシブウォータジェットノズルの1実施例の透視側面図
である。
【図5】各平面図である。
【図6】この出願の発明の材料を用いて製作したアブレ
イシブウォータジェットノズルの他の実施例の透視側面
図である。
【図7】同平面図である。
【図8】この出願の発明の材料を用いて製作したウォー
タノズル(オリフィス)の1実施例の側面図である。
【図9】この出願の発明の材料を用いて製作したウォー
タノズル(オリフィス)の他の実施例の側面図である。
【符号の説明】
1 ノズルヘッド 2 ウォータジェット 3 水噴流 4 研摩粒子 5 混合室 6 ノズル入口部 7 アブレイシブウォータジェットノズル 7′ アブレイシブウォータジェットノズル壁面 8 金属被覆チューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池本 喜和 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 公門 泰博 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 中山 繁 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場 明石技術研究所内 (72)発明者 辻田 京史 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場 FA技術第二部内 (72)発明者 福永 恵介 東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界 貿易センタービル 川崎重工業株式会社 東京本社内 (72)発明者 栗林 伸碩 兵庫県西宮市今津山中町12番16号 株式 会社共立合金製作所内 (72)発明者 若菜 謙一 兵庫県西宮市今津山中町12番16号 株式 会社共立合金製作所内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】W(タングステン)を主成分とした炭化物
    系硬質材料により形成された高圧噴射ノズルにおいて、
    上記主成分のWの炭化物粒子径が1.0μm以下であ
    り、更にTi,Ta,V,Cr,Nb,Mo,Hf,Z
    rの、少くとも一種の炭化物、もしくは炭化物固溶体を
    合計10.0wt%以下含有し、且つHRA94.0以
    上の高硬度を有する高耐摩耗性の硬質焼結体により形成
    したことを特徴とする高圧噴射ノズル。
  2. 【請求項2】W(タングステン)を主成分とした炭窒化
    物系硬質材料により形成された高圧噴射ノズルにおい
    て、上記主成分のWの炭化物粒子径が1.0μm以下で
    あり、更にTi,Ta,V,Cr,Nb,Mo,Hf,
    Zrの、少くとも一種の窒化物、もしくは炭窒化物固溶
    体を合計10.0wt%以下含有し、且つHRA94.
    0以上の高硬度を有する高耐摩耗性の硬質焼結体により
    形成したことを特徴とする高圧噴射ノズル。
  3. 【請求項3】上記ノズルがアブレイシブウォータジェッ
    ト用のノズルにされていることを特徴とする特許請求の
    範囲第1,2項いずれか記載の高圧噴射ノズル。
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