JP2597791Y2 - 熨斗紙 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は熨斗紙に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に熨斗紙はその表面に所定の文言を
書き入れて贈答品などの表面に貼り付けるようにするも
のであるが、昨今のワープロ機器の普及によってその印
字品質の高さや書体の豊富さに注目して、熨斗紙に対し
ても「御中元」「御歳暮」などといった文字をワープロ
機器のプリンタを用いて印字することが多くなってきて
いる。また一方、熨斗紙に対してつぎのような要望が挙
げられるようになってきている。すなわち、グレードの
高い包装紙などで贈答品を包装して、その包装紙に熨斗
紙を貼り付けているため、貼り付けた熨斗紙の取り外し
によって包装紙を傷めないようにしたいというものであ
った。

【０００３】そこで再剥離性粘着剤を用いるとともに、
上述したプリンタの各部機構と再剥離性粘着剤との係わ
りを考慮して、図５に示すような熨斗紙が提案されてい
る。すなわち熨斗紙ａの天部の裏面ｂと地部側の少なく
とも一個所の裏面ｃに再剥離性粘着剤ｄを塗布し、これ
らの再剥離性粘着剤ｄを剥離紙ｅで覆うようにしたもの
であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、裏面に
再剥離性粘着剤を塗布してこれを剥離紙にて覆ってなる
熨斗紙にあっては、印字後には全く使用することのない
剥離紙を必要とすることや、熨斗紙の地部側からプリン
タに装填した場合にジャミングが発生し易く、このため
熨斗紙の天部側からしか装填できないという問題があ
る。また再剥離性粘着剤が設けられている部分と設けら
れていない部分とに大きな段差が生じ易く、このため印
字適性を低下させていた。

【０００５】そこで本考案は上記した事情に鑑みて、熨
斗紙に関して、プリンタによる印字適性が良好であり、
再剥離性粘着剤を貼着手段としながらも剥離紙を使用し
ないようにすることを課題とし、印字品位の高い文字を
記載した熨斗紙を手軽に貼り付けることができるように
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は上記した課題を
考慮してなされたもので、少なくとも一方のシートの表
面に記入部と熨斗表示を備える一対の短冊状シートが互
いに裏面を対向させてなり、前記短冊状シートの対向す
ることのない裏面端部それぞれに、再剥離性粘着剤を塗
布してなる貼着部が設けられているともに、裏面それぞ
れに、再剥離性粘着剤を塗布してなる貼着部が裏面間で
対向することなく交互に設けられていて、前記一対の短
冊状シートが剥離可能に貼り合わされていることを特徴
とする熨斗紙を提供して、上記課題を解消するものであ
る。

【０００７】

【作用】本考案においては、短冊状シートの裏面に設け
られている貼着部は相対する短冊状シートの裏面に剥離
可能に貼着するため、互いのシートが剥離紙の役割を果
たすようになる。そして一対の短冊状シートを貼り合わ
せているため、貼り合わせ形態においてその端部それぞ
れが綺麗に貼り揃えられたものとなる。また貼着部が裏
面間で交互に位置しているため、短冊状シートの表面側
に段差が生じ難くなる。

【０００８】

【実施例】つぎに本考案を図１から図４に示す一実施例
に基づいて詳細に説明する。図中１は熨斗紙であり、図
に示すようにこの熨斗紙１は、互いがシート表面に記入
部と熨斗表示Ａを有し単品で熨斗紙シートとして使用で
きる短冊状シート２，２をその裏面を対向させ、かつ天
地が逆となるようにして重ね合わせ、その重ね合わされ
た短冊状シート２，２それぞれは互いに裏面に設けた貼
着部３によって剥離可能に貼り合わされているものであ
る。上記貼着部３は短冊状シート２の裏面に再剥離性粘
着剤４を塗布してなるもので、この貼着部３は、図１か
ら図３に示すように天部２０の裏面に位置しているとと
もに、この短冊状シート２の裏面間で対向することなく
交互に設けられている。このため、それぞれの地部２１
の裏面（他方の短冊状シートの天部が対向する部分）に
は貼着部が設けられていないものとなっている。

【０００９】熨斗紙１は、このように一対の短冊状シー
ト２，２が複数の貼着部３を介して剥離可能に貼り合わ
されてなるものであり、短冊状シート２，２の表面を外
側とさせた状態となっている。そして短冊状シート２，
２の表面は印字可能な記入部として構成されており、こ
のため、例えば両面印字可能なプリンタを用いることに
より、印字された熨斗紙シートを一度に二枚得ることが
できるようになる。

【００１０】図４は短冊状シート２の断面を示してい
る。図示するように短冊状シート２は基材２２の片面全
面（短冊状シートの裏面）に粘着剤定着層２３を設けた
ものであり、その粘着剤定着層２３の所要部分、すなわ
ち上述したように天部２０の裏面及び対向しないように
した部分の裏面とに上記再剥離性粘着剤４を塗布して貼
着部３が設けられている。そしてこの貼着部３の間には
剥離剤５が設けられており、対向する貼着部３に対する
剥離性を確保している。

【００１１】なお、上記した実施例においては剥離可能
に貼り合わされている短冊状シートそれぞれが単品とし
て熨斗紙シートとして使用できるものであるが、一方の
短冊状シートをその表面に記入部と熨斗表示を有する熨
斗紙シートとし、他方の短冊状シートの表面に取り扱い
説明や定形の文言例（例えば熨斗紙に記載する用語の
例）などを予め記載するようにしてもよい。また本考案
の一実施例として単体の熨斗紙を例示したが、これに限
定されるものではなく、熨斗紙は一対の短冊状シートを
一単位としてこれが複数が連接したものであってもよ
い。

【００１２】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
熨斗紙は、少なくとも一方のシートの表面に記入部と熨
斗表示を備える一対の短冊状シートが互いに裏面を対向
させてなり、前記短冊状シートの対向することのない裏
面端部それぞれに、再剥離性粘着剤を塗布してなる貼着
部が設けられているともに、裏面それぞれに、再剥離性
粘着剤を塗布してなる貼着部が裏面間で対向することな
く交互に設けられていて、前記一対の短冊状シートが剥
離可能に貼り合わされていることを特徴とするものであ
る。このように短冊状シートを剥離可能に貼り合わせた
ものであることから、従来のような剥離紙が不要であ
り、無駄のない熨斗紙となる。また短冊状シートの端部
それぞれが貼着部を介して貼り合わされたものとなって
いることから、熨斗紙の端部が揃って、かつ不用意に剥
がれないようになり、いずれの方向からでもプリンタに
装填できるようになる。そして、一対の短冊状シートが
重なり合うことのない複数の貼着部にて貼り合わされる
ことから、短冊状シートの表面に段差が生じ難くなって
プリンタに対する印字適性を良好に保つことができるよ
うになるなど、実用性に優れた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る熨斗紙の一実施例を短冊状シート
ごとに分離した状態で示す説明図である。

【図２】一実施例を断面で示す説明図である。

【図３】短冊状シートそれぞれの表面と裏面における貼
着部とを示す説明図であり、（イ）は一方の短冊状シー
トの表面を示し、（ロ）は同じく一方の短冊状シートの
裏面を示し、（ハ）は他方の短冊状シートの裏面を示
し、（ニ）は同じく他方の短冊状シートの表面を示す。

【図４】短冊状シートの一部断面を示す説明図である。

【図５】従来例を示す説明図である。

【符号の説明】

１…熨斗紙 ２…短冊状シート ３…貼着部 ４…再剥離性粘着剤 ５…剥離剤

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも一方のシートの表面に記入部と
   熨斗表示を備える一対の短冊状シートが互いに裏面を対
   向させてなり、前記短冊状シートの対向することのない
   裏面端部それぞれに、再剥離性粘着剤を塗布してなる貼
   着部が設けられているともに、裏面それぞれに、再剥離
   性粘着剤を塗布してなる貼着部が裏面間で対向すること
   なく交互に設けられていて、前記一対の短冊状シートが
   剥離可能に貼り合わされていることを特徴とする熨斗
   紙。