JP2597452B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JP2597452B2 JP5078349A JP7834993A JP2597452B2 JP 2597452 B2 JP2597452 B2 JP 2597452B2 JP 5078349 A JP5078349 A JP 5078349A JP 7834993 A JP7834993 A JP 7834993A JP 2597452 B2 JP2597452 B2 JP 2597452B2
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関す
るものであり、特に熱ロール定着用電子写真用トナーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より広く使用されている熱ロール定
着用電子写真用トナーは、結着樹脂、ワックス、着色
剤、荷電制御剤等から構成されている。従来最も一般的
に使用されているトナーの組成を以下に示す。
【0003】 結着樹脂(ただしワックスを2〜3重量%含有する場合がある) 45〜96 重量% 着色剤、磁性体など 5〜50 重量% 荷電制御剤 1〜5 重量%
【0004】上記組成から判るように、結着樹脂はトナ
ーの大部分を占めている。そのため結着樹脂の物性が、
トナーの物性に大きく影響する。つまり、結着樹脂の物
性を制御することにより、トナーの物性を制御すること
ができる。従来結着樹脂の大部分をなす樹脂としては、
スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン系樹脂等が使用されて
いる。
【0005】結着樹脂にはワックスが含有されているこ
とが多い。このワックスは、オフセット防止、および着
色剤の分散性を向上させるため含有されており、最も一
般的に使用されているワックスは合成炭化水素系ワック
スや石油から精製されるワックスである。この例として
は、ポリプロピレン、ポリエチレンパラフィン、マイ
クロクリスタリン等を挙げることができる。ワックスの
溶融開始温度とトナーの溶融開始温度とは、加成性が成
り立つため、ワックスの溶融開始温度は低いほど、トナ
ーの定着温度を下げることができる。一般的な合成炭化
水素系や、石油系ワックスの溶融開始温度は、約100
℃〜150℃である。
【0006】着色剤に関しては、通常の白黒複写用には
カーボンブラックの微粒子が使用されている。その他に
は、荷電制御をかねて、ニグロシン、またはスピリット
ブラックを使用する場合もある。
【0007】電荷制御剤はトナーの電荷を制御するため
に含有されており、(+)トナー用と、(−)トナー用
とに大別することができる。(+)トナー用には、電子
供与性を有する染料が主として使用されている。例え
ば、アジン化合物、ナフテン酸、四級アンモニウム塩、
アルキルアミド等を例示することができる。(−)トナ
ー用には電子授与性を有する有機錯体が好ましく、アゾ
金属錯体等を例示できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】昨今、地球環境保護の
問題が叫ばれており、廃棄物に対する安全性が問題とな
ってきている。特にプラスチック廃棄物問題を解決する
ため、イタリアでは、1987年以降、非分解性のショ
ッピングバック1枚につき100リラの課税を実施して
いる。さらに1991年以降は、ショッピングバックお
よびボトルは生分解性を有する材料で製造しなければな
らないとした法律が公布されている。他の欧州諸国やア
メリカ各州では、プラスチックの使用規制や分解性高分
子への転換に関する法案が検討されている。
【0009】そうした中で、生分解性樹脂の開発が盛ん
に行われており、医用材料に関してはかなり実用化例が
ある。また、農業分野でもマルチファイルや除放性農
薬、肥料、園芸資材等実用化されている。レジャー分野
では釣り糸、釣り用品、ゴルフティ等を例示できる。さ
らに、日用品包装材料など一部生活用品の容器等に実用
化されている。
【0010】当然のことながら、印刷物を廃棄する際、
または電子写真プロセスで出る廃トナーの処理等につい
ても問題となってきており、廃棄上問題のないトナーが
求められている。また、環境保護と並んで、エネルギー
保護という観点からも複写機の消費電力を低減できるト
ナーが求められている。
【0011】つまり、上記の昨今の背景からして電子写
真用トナーには、 燃焼時に有毒ガスを発生することがなく、 埋め立てられたり、自然環境に散逸された場合、最終
的に分解されて蓄積することがなく、 分別回収された場合、コンポスト化処理およびモノマ
ー化処理が容易であり、 複写機の消費電力を低減できる、つまり低温で定着可
能である、 というような特性が求められている。しかしながら、前
述の従来技術により得られるトナーでは、これらの品質
要求を同時に満足するものがなかった。
【0012】
【発明の目的】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であり、生分解可能で自然環境に悪影響を及ぼすことが
なく、かつトナーとしての諸特性を満足できるのはもち
ろん、特に複写機の消費電力を低減できる電子写真用ト
ナーを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真用トナ
ーは、結着樹脂が植物系ワックスと、生分解性樹脂とを
少なくとも含有し、前記植物系ワックスを、前記結着樹
脂中に5重量%以上50重量%以下添加することにより
前記目的を達成した。さらに、本発明の電子写真用トナ
ーは、上記植物系ワックスとして、溶融開始温度が80
℃以下である植物系ワックスを使用することにより前記
目的を達成した。
【0014】前記のトナーに必要な特性からを満た
すには、トナーの主成分である結着樹脂の材料に生分解
可能な樹脂を使用すればよいということは容易に考えら
れる。
【0015】そこで本発明者らは、まず生分解性樹脂に
ついての研究を行った。生分解性に及ぼす因子として
は、主鎖に脂肪族エステル結合、グルコシド結合、エー
テル結合、およびペプチド結合を有するものが微生物分
解を受け易いことから、生分解性樹脂として使用できる
樹脂を以下に示す通り選択し、からに大別した。
【0016】微生物生産のポリエステル この例としては、β−ヒドロキシ酪酸、およびβ−ヒド
ロキシ吉草酸(ICI社製)を挙げることができる。こ
れらのポリエステルは、農産物原料を出発物質として、
土壌菌の一種である水素細菌(Alcaligenes eutrophs)
で糖発酵させることにより得られる。
【0017】植物や動物由来の天然高分子材料 この例としては、以下に示す高分子材料を例示すること
ができる。 ・熱可塑性澱ぷん ・セルロース・キトサン系高分子材料 ・プルラン・キトサン系高分子材料 ・アラビノガラクタン
【0018】生分解可能な合成高分子材料 この高分子材料はさらに1)から4)に大別することが
できる。 1)低分子量の脂肪族ポリエステル、およびコポリエス
テル この例としては、ポリε−カプロラクトン、ポリε−メ
チル−δ−バレロラクトン、およびポリエチレンアジペ
ート等を挙げることができる。これらの高分子材料は、
以下に示す方法により合成することができる。 ・ジオールとジカルボン酸との脱水縮合反応 ・環状エステル(ラクトン)の高温無触媒重合 ・低分子量のアルキレンジグリコール存在下での重合 ・酵素を用いる開環重合等
【0019】2)高分子量の脂肪族ポリエステル、およ
びコポリエステル この例としては、ポリグリコリド、ポリラクチド類、コ
ポリ(グリコリド/ラクチド)、ポリε−カプロラクト
ン等を挙げることができる。これらの高分子材料は、環
状ジエステル(グリコリド、ラクチド)やラクトン類
を、有機金属系触媒(例えば、アルミニウム、亜鉛、ス
ズ等を含む有機触媒)を用いて開環重合することにより
得られる。
【0020】3)コポリエステルエーテル この高分子材料は、以下に示す方法により合成すること
ができる。 ・環状エステルエーテルの開環重合 ・環状エーテルと、環状エステルとの開環重合 ・ポリエーテルオリゴマーによる環状エステルの開環重
合 ・テレケリックオリゴマー間の開環重合
【0021】4)コポリエステルアミド この高分子材料は、以下に示す方法により合成すること
ができる。 ・環状エステルアミドの開環重合と、共重合 ・環状エステルと、環状アミドとの共重合 ・アミノアルコールとジカンルボン酸、または両末端に
カルボキシル基を有するポリエステルオリゴマーとジア
ミンとの縮重合 ・ポリエステルと、ナイロンとの高分子間反応
【0022】上記高分子材料の混合物、または複合化
合物
【0023】本発明の電子写真用トナーの生分解性樹脂
として好ましい樹脂を上記のように選択、大別した後、
従来のトナーに含有されている結着樹脂中の樹脂を、こ
れらの生分解性樹脂で置き換えてトナーを形成した。得
られたトナーは、粉砕性が悪く、所望の粒径を得ること
ができず、トナーとして使用できるものではなかった。
さらに、定着性に乏しく実用に耐え得るものではなかっ
た。
【0024】そこで、本発明者らは生分解樹脂を用いた
トナーの定着性、および粉砕性を改良すべく、研究を行
った。その結果、従来結着樹脂に含有されていた合成炭
化水素系や石油系ワックスを植物系ワックスに代えるこ
とにより、粉砕性を改善できることを見いだした。
【0025】つぎに、結着樹脂に含有される植物系ワッ
クスの好ましい量を求めるべく実験を行った。その結
果、結着樹脂中に植物系ワックスが5重量%以上50重
量%以下の範囲で含有されているトナーは、実用化可能
であるということが判った。植物系ワックスの含有量が
5重量%未満であると、微粉化のための粉砕性が得られ
なかった。また、50重量%より多いと、ワックスと生
分解性樹脂との相溶性に問題が生じ、両者が不均一に混
在してしまう。その結果、トナーの帯電特性が低下した
り、保存安定性に問題が生じた。
【0026】さらに、使用するワックスの溶融開始温度
は、低いほど好ましい。ワックスの溶融開始温度が低い
ほど、トナーの定着温度を下げることができるからであ
る。具体的には、従来の溶融開始温度(約100℃)よ
り低い、80℃以下の溶融開始温度を有する植物系ワッ
クスが好ましい。しかしながら、必要以上に溶融開始温
度を低くすると、例えば室温以下であると、常時ワック
スーが溶融状態となるので、保存安定上好ましくない。
このため室温より高い温度、たとえば40℃以上が好ま
しい。したがって、本発明の電子写真用トナーに使用さ
れる植物系ワックスの溶融開始温度は、トナーの溶融開
始温度を下げることができ、かつ保存安定上好ましい温
度、すなわち40℃以上80℃以下に設定されているこ
とが好ましい。
【0027】そのような溶融開始温度を有する植物系ワ
ックスとしては、ライスワックス、水添ホホバ油ワック
ス、木ロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワック
ス等を例示することができる。また、これらの天然植物
系ワックスが、不純物を含有しているため溶融開始温度
が80℃以上と高くなっている場合、精製の度合を調
することによって80℃以下にすることもできる。
【0028】さらに、植物系ワックスのろうエステル成
分が93%重量以上であると、溶融開始温度が80℃以
下になるということも実験により判った。
【0029】本発明の電子写真用トナーは、上記結着樹
脂と植物系ワックスとの他に、着色剤、電荷制御剤、お
よび必要に応じて添加されるその他の添加物から構成さ
れている。
【0030】着色剤としては、従来使用されている材料
を使用することが可能である。例えば、カーボンブラッ
ク、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系黄色顔料、キナク
リドン系マゼンタ顔料、アントラキノン染料等を例示す
ることができる。
【0031】電荷制御剤としては、やはり従来使用され
ている電荷制御剤が使用できる。その例として、ニグロ
シン系染料、四級アンモニウム塩、モノアゾ系の金属錯
体塩染料等を挙げることができる。
【0032】その他必要に応じて添加される添加物とし
ては流動化剤を例示できる。この流動化剤も、従来の材
料と同様に、樹脂微粒子、疎水性シリカ、コロイダルシ
リカ等を例示することができる。
【0033】これら着色剤、電荷制御剤、およびその他
必要に応じて添加される添加物のトナー中の含有量は非
常に少ないが、廃棄後のことを考慮して、生分解性を有
するものを使用することが好ましい。
【0034】なお、本発明者らは植物系ワックスが好ま
しいことから、動物系ワックスも使用できるのではない
かと考え実験を行った。動物系ワックスを使用したトナ
ーは、用紙に対する定着性に乏しく、実用化は困難であ
った。
【0035】上記材料からなる本発明の電子写真用トナ
ーは、従来と同様に、上記原料を所望の配合に混合し、
溶融混練した後、冷却し、固化後粉砕分級することによ
り得ることができる。
【0036】また、本発明で使用している溶融開始温度
は、以下に示す条件におけるプランジャーの降下開始温
度を意味する。 測定機: 島津製作所製 高化式フローテスター CF
−500 測定条件:プランジャー 1 cm2 ダイの直径 1 mm ダイの長さ 1 mm 荷重 20 KgF 予熱温度 50〜80 ℃ 予熱時間 300 sec 昇温速度 6 ℃/min
【0037】
【作用】本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂が植物
系ワックスと、生分解性樹脂とを少なくとも含有し、前
記植物系ワックスが、前記結着樹脂中に5重量%以上5
0重量%以下添加されている。トナーの大部分を構成す
る結着樹脂が生分解可能であるため、本発明の電子写真
用トナーは、生分解可能である。さらに、上記植物系ワ
ックスが、結着樹脂中に5重量%以上50重量%以下添
加されているので優れた粉砕性を有し、所望の粒径を有
するトナーを得ることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳しく説
明する。なお、実施例において「部」とは「重量部」を
示すものとする。
【0039】(実施例1)まず、以下に示す組成からな
るトナー粒子を得た。 ・結着樹脂 ・ヒドロキシ吉草酸/ヒドロキシ酪酸共重合体 100部 (モノマー組成:20:80) ・ライスワックス 6部 ・カーボンブラック 6.5部 (三菱化成工業社製、商品名:MA−100) ・帯電制御剤 2部 (Hoechst社製、商品名:NX VP434)
【0040】ヒドロキシ吉草酸/ヒドロキシ酪酸共重合
体と、ライスワックスとが混合された樹脂を結着樹脂と
して用いた。この結着樹脂中に含まれているライスワッ
クスの割合は、5.66重量%である。なお、ライスワ
ックスの溶融開始温度は71.1℃であった。
【0041】上記組成からなる原料をスーパーミキサー
で混合し、溶融混練後、粉砕分級して平均粒子径が11
μmである負帯電性のトナー粒子を得た。なお、粉砕分
級処理工程では、何等問題が生じることなく粉砕分級す
ることができた。
【0042】次に得られたトナー粒子と、このトナー粒
子100部に対して0.3部の疎水性シリカ(日本アエ
ロジル社製、商品名:R−972)をヘンシェルミキサ
ーに入れ、攪拌により上記シリカをトナー粒子に付着さ
せ、本実施例の電子写真用トナーを得た。
【0043】(実施例2)トナー粒子の組成を以下の通
り変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。 ・結着樹脂 ・ヒドロキシ吉草酸/ヒドロキシ酪酸共重合体 100部 (モノマー組成:20:80) ・ライスワックス 10部 ・カーボンブラック 6.5部 (三菱化成工業社製、商品名:MA−100) ・帯電制御剤 2部 (Hoechst社製、商品名:NX VP434)
【0044】この結着樹脂中に含まれているライスワッ
クスの割合は、9.09重量%である。なお、粉砕処理
工程では、何等問題が生じることなく粉砕分級すること
ができた。
【0045】(実施例3)トナー粒子の組成を以下の通
り変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。 ・結着樹脂 ・ヒドロキシ吉草酸/ヒドロキシ酪酸共重合体 100部 (モノマー組成:20:80) ・ライスワックス 15部 ・カーボンブラック 6.5部 (三菱化成工業社製、商品名:MA−100) ・帯電制御剤 2部 (Hoechst社製、商品名:NX VP434)
【0046】この結着樹脂中に含まれているライスワッ
クスの割合は、13.04重量%である。なお、粉砕処
理工程では、何等問題が生じることなく粉砕分級するこ
とができた。
【0047】(比較例1)トナー粒子の組成を以下の通
り変えた(ライスワックスを使用しない)以外は、実施
例1と同様の操作を行った。 ・結着樹脂 ・ヒドロキシ吉草酸/ヒドロキシ酪酸共重合体 100部 (モノマー組成:20:80) ・カーボンブラック 6.5部 (三菱化成工業社製、商品名:MA−100) ・帯電制御剤 2部 (Hoechst社製、商品名:NX VP434)
【0048】この結着樹脂中に含まれているライスワッ
クスの割合は、0.00重量%である。上記組成からな
るトナーは、製造時の粉砕性が悪く、生産性に非常に問
題があった。
【0049】(比較例2)トナー粒子の組成を以下の通
り変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。 ・結着樹脂 ・ヒドロキシ吉草酸/ヒドロキシ酪酸共重合体 100部 (モノマー組成:20:80) ・ライスワックス 5部 ・カーボンブラック 6.5部 (三菱化成工業社製、商品名:MA−100) ・帯電制御剤 2部 (Hoechst社製、商品名:NX VP434)
【0050】この結着樹脂中に含まれているライスワッ
クスの割合は、4.76重量%である。
【0051】(比較例3)トナー粒子の組成を以下の通
り変えた(ライスワックス6部混入する代わりに、通常
使用している合成炭化水素系ワックスであるポリプロピ
レンを3部混入した)以外は、実施例1と同様の操作を
行った。 ・結着樹脂 ・ヒドロキシ吉草酸/ヒドロキシ酪酸共重合体 100部 (モノマー組成:20:80) ・カーボンブラック 6.5部 (三菱化成工業社製、商品名:MA−100) ・帯電制御剤 2部 (Hoechst社製、商品名:NX VP434) ・ポリプロピレン 3部 (三洋化成工業社製、商品名:ビスコール330P)
【0052】この結着樹脂中に含まれているライスワッ
クスの割合は、0.00重量%である。
【0053】ついで、複写機(シャープ社製、商品名:
SF9800)に、実施例1から3、および比較例1か
ら3で得られた電子写真用トナーを充填してコピーする
ことにより、得られたトナーの定着性を検討した。その
結果、実施例1、2、3で得られたトナーの定着性は良
好であった。しかし、比較例1で得られたトナーは全く
定着しなかった。比較例2で得られたトナーにより現像
された用紙は、定着された画像を擦るとトナーが取れる
状態であり、定着性は非常に悪かった。比較例3で得ら
れたトナーの定着性も満足のいくものではなかった。
【0054】さらに、生分解性を調べるため、得られた
トナーを厚さ約50μmのフィルム状に溶融成形し、2
5℃の土壌中に10週間放置した。その結果、実施例
1、2、および3で得られたトナーからなるフィルムは
殆ど形状が消失していた。しかし、比較例1、2、およ
び3で得られたトナーからなるフィルムは形状がそのま
ま残っていた。
【0055】これらの実験結果から、結着樹脂中に含有
される植物系ワックス、つまりライスワックスは、5重
量%以上の範囲が好ましいことが判った。
【0056】本実施例の電子写真用トナーは、結着樹脂
としてライスワックスと、ヒドロキシ吉草酸/ヒドロキ
シ酪酸共重合体とを含有している。トナーの主成分であ
る結着樹脂が生分解可能であるので、本実施例の電子写
真用トナーは、自然環境に悪影響を及ぼすことがなかっ
た。さらに、結着樹脂中にライスワックスが5重量%以
上含有されているので、トナーを粉砕する際、所望の粒
径に粉砕することができた。また、植物系ワックスとし
て、71.1℃という低い溶融開始温度を有するライス
ワックスを使用しているので、結着樹脂の溶融開始温度
を下ることができた。したがって、本実施例の電子写真
用トナーは、トナーとしての諸特性を満足できるのはも
ちろん、定着温度が低く、特に複写機の消費電力を低減
できた。
【0057】
【発明の効果】本発明にかかる電子写真用トナーは、少
なくとも結着樹脂が植物系ワックスと、生分解性樹脂と
を含有している。このトナーの大部分を占める結着樹脂
は、生分解可能である。したがって、本発明の電子写真
用トナーは生分解可能であり、自然環境に悪影響を及ぼ
すことがない。
【0058】本発明にかかる電子写真用トナーは、少な
くとも結着樹脂が植物系ワックスと、生分解性樹脂とを
含有し、前記植物系ワックスが前記結着樹脂中に5重量
%以上50重量%以下添加されているので、優れた粉砕
性を有する。したがって、本発明の電子写真用トナー
は、所望の粒径を有することができ、実用に耐え得る。
【0059】本発明にかかる電子写真用トナーには、溶
融開始温度が80℃以下である植物系ワックスが添加さ
れているので、従来のトナーと比較して、トナーの溶融
開始温度が低い。したがって、本発明の電子写真用トナ
ーを使用すれば、複写機の定着装置の温度を低温に維持
することができるので、複写機の消費電力を低減するこ
とができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂が植物系ワックス
    と生分解性樹脂とを含有し、前記植物系ワックスが前記
    結着樹脂中に5重量%以上50重量%以下の割合で添加
    されており、かつ植物系ワックス中のろうエステル成分
    が93重量%以上であることを特徴とする電子写真用ト
    ナー。
  2. 【請求項2】 前記植物系ワックスの溶融開始温度が8
    0℃以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写
    真用トナー。
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