JP2594205C - - Google Patents

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JP2594205C
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Nippon Paper Industries Co Ltd
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Nippon Paper Industries Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、インクジェットプリンター、プロッターに使用される記録材料に関
し、特にCAD用第二原図フィルムとして適性の優れた記録シートを提供するも
のである。 【0002】 【従来の技術】 設計製図分野においては、従来の手書きによる図面の作成方法からコンピュー
ターを使用したCADシステムが普及して来た。これに伴い電子計算機の周辺機
器として、プロッター(プリンタープロッター)の使用が増大している。プロッ
ターを記録方式で分類すると、ペンプロッター、静電プロッター、感熱プロッタ
ー、インクジェットプロッターに大別できる。インクジェット記録方式は基本的
には普通紙に記録できること、および無騒音、現像、定着プロセスを必要とせず
、かつ容易にフルカラー記録が行なえることから、低価格化と相まってワープロ
、プリンター、複写機、プロッターなどに近年急速に普及している。 【0003】 ところでインクジェット記録材料に要求される基本的性能は、 a.画像濃度が高く、ドット形状が円形でかつ滲みやムラがなく、ドット周辺 がシャープで解像度が高いこと。 b.インクの吸収速度が速く乾燥性に優れ、かつインクが重なった時、インク
同士が混ざらない等のカラー記録性が良いこと。 c.記録後の寸法変化が少なく、カール、波打ち、変形が無いこと。 などが挙げられ、インクの乾燥性を支配する吸収性とドットの拡がり(滲み)と
いう相反する性質を両立させることが技術的課題である。 【0004】 インクジェット記録紙には、基本的に上質紙などの普通紙を使用できるが、カ
ラー記録または設計用の高画質な図面用途には普通紙では不十分であり、シート
表面にコート層を設け、顔料、バインダーなどを最適化したコート紙タイプのイ
ンクジェット記録紙が適している。 【0005】 従来これら問題点を解決する技術手段として、特開昭55−5830号公報に
「支持体およびその表面に設けられたインク吸収層から成り、不透明度が 55.0
乃至 97.5%、インク吸収層の吸収性が 1.5 乃至 18.0 ミリメートル/分である
事を特徴とするインクジェット記録用シート」が、そしてインク吸収層を形成す
る顔料として「白色顔料としては、例えば、タレー、タルク、けいそう土、炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛
、サチンホワイト、けい酸アルミニウム、リトポン等が、単独あるいは2種以上
の混合物として使用され」と記載されている。 【0006】 しかしながら、これら白色顔料を多孔性インク吸収層に用いているために層自
体が不透明であり、得られるインクジェット記録用シートは不透明度が 55.0 乃
至 97.5%であり、本願発明の目的である第二原図フィルム用に必要な透明度が7
0%以上のインクジェット記録用マットフィルムは得られない。 【0007】 一方OHPフィルム等高透明用記録材料として、特開昭60−132785号
公報、特開昭60−145879号公報に、ポリビニルピロリドン等水溶性樹脂
の膨潤による吸水性を利用する事が、特開昭60−143991号公報では、第 4級アンモニウム塩基を持つアクリルカチオン樹脂のカチオン基が、水性インク
(直接染料または酸性染料)中のアニオン基とイオン結合し、染料の不溶性を利
用することが開示されている。しかしながらこれら透明なインクジェット記録シ
ートも、CAD用第2原図マットフィルムとしては、下記の理由で満足できる品
質ではない。 【0008】 CAD用第2原図材料としては、ジアゾコピー用の第2原図である場合や、あ
るいは内容をチェックする必要のある設計図面やプログラムリストである場合は
、記録シートは透明でなければならないが、その他下記の品質特性を満足させる
事が最も重要である。 1.鉛筆による筆記性および再筆記性。 2.ケシゴム等による消去性。 3.塗膜の削刀性。 4.引張り、引裂き等機械的強度。 5.耐水性、耐熱性、耐光性等の長期保存性。 【0009】 特に、耐水性、透明性、強度が要求される用途には、ポリエステルフィルムを
支持体とした材料が使用されており、インクジェット記録適性、CAD用第2原
図適性を兼ね備えたインクジェット記録用マットフィルムが切望されている。本
願は、これら問題点の両立が技術的課題である。 【0010】 本発明者等は、ポリエチレンテレフタレートフィルムにマット化剤を含む従来
型のインクジェット用塗工液を塗布する事を試みたが、耐水性を付与させると、
インクのヨリが発生しベタ画像部が均一なインクジェット記録材料で、かつ高透
明な第2原図用紙を得る事は出来なかった。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、記録時のインク乾燥性が速くインクのヨリが無くベタ画像部が均一
なインクジェット記録材料であり、更に第2原図用紙として高透明で耐水性に優 れたインクジェット記録用マットフィルムを提供する事を目的とするものである
。 【0012】 【課題を解決するための手段】 本発明者等は、このような問題点を解決するため鋭意研究に励んだ結果、ポリ
エチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムシートを支持体として用いて
、シリカ等のマット化剤を含み、グリオキザール等で耐水化処理された親水性樹
脂を主成分とした塗布層の三次元表面粗さSRaを、 1.0〜2.0 μmの範囲とす
る事により、記録時のインク乾燥性が速くベタ画像部が均一で高透明で耐水性に
優れたインクジェット記録用マットフィルムを完成せしめるに至った。 【0013】 【作用】 本発明に使用する支持体には、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン
、トリアセテート、ポリカーボネート等透明なフィルムであればいかなるプラス
チックシートも使用できるが、好ましくは2軸に延伸処理されたポリエチレンテ
レフタレートフィルムが最も適している。ポリエチレンテレフタレートフィルム
に、親水性樹脂を主体としたインク受理層が直接接着しないときは、アンカーコ
ート層を前もって塗布しても構わないし、あるいはフィルム製膜中にアンカーコ
ート処理された易接着フィルムを使用することもできる。 フィルムシートの少なくとも片面に、インク受理層を設ける。インク受理層は
、親水性樹脂とマット化剤を主成分とした層である。 【0014】 本発明で用いられる親水性樹脂は、例えば水溶性樹脂として酸化でんぷん、エ
ーテル化でんぷん、ゼラチン、カゼイン、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチレン無水マレイン酸共重合物、
ポリビニルアルコール等が挙げられる。また水分散型樹脂としては、SBRラテ
ックス、アクリルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジ
ョン等が使用できる。 【0015】 本発明ではインク受理層の耐水性が必要なため、樹脂単独で耐水性を有してい
る場合は必要ないが、そうでない時はグリオキザール等の耐水化剤を使用して耐
水性を付与させる。しかしこれらの樹脂単独では、インク乾燥性、インク滲み等
インクジェット記録の基本的問題点が解決できないので、ポリビニルピロリドン
、カチオン性樹脂等公知の材料を添加配合し、これらの問題点の解決が図られて
いる。 【0016】 更に本発明では、筆記適性等の第2原図適性を持たせるために、マット化剤を
配合する。一般にインクジェット塗工液には白色顔料が使用されるが、筆記性改
良に効果はあるものの、透明度 70%以上のマットフィルムは得られない。本願
では、プラスチックピグメント、シリカ等のマット化剤を主として使用する。添
加部数はインク受理層中に10重量%を超え50重量%以下の範囲で配合する事がで
きる。10%以下では、筆記画線の鮮明性、濃度が不十分であり、一方 50%を越
えると、70%以上の透明度は得られない。 【0017】 ところで、親水性樹脂を主成分とした耐水性を有するインク受理層に、インク
ジェット記録を行うとインクの拡がりが不十分でヨリが発生し、ベタ部の画像品
質が著しく低下する。これは耐水性を付与したインク受理層の濡れ性が悪いため
に発生する現象であり、三次元表面粗さ計で測定したSRaを 1.0〜2.0 μmの
範囲とする必要がある。 【0018】 SRaが 1.0μm未満ではインクのヨリが発生し、本願の問題点を解決する事
ができず、一方 2.0μmを越えるとインク受理層表面が粗すぎて、鉛筆等で筆記
したときの画線のシャープ性、濃度が不十分となる。SRaの数値を 1.0〜2.0
μmの範囲とするためには、マット化剤の平均粒径および分散の程度により調整
する。 【0019】 インク受理層は、グラビアコート、バーコート、ロールコート等公知の塗工方
式により厚さ1〜20μm、好ましくは3〜10μmの範囲に塗布される。塗布量 は、透明度 70%以上となる様に、更に配合するマット化剤の平均粒径から三次
元表面粗さが本発明の範囲となる様に決定される。 【0020】 【実施例】 以下実施例により、本発明を更に詳細に説明する。 【0021】 (実施例1) 塗工基材として、厚さ 100μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製Q80
D)を使用した。 インク受理層用塗工液は、ポリビニルアルコールPVA420(クラレ(株)
製)10%溶液 100部に、ポリビニルピロリドンK−30(GAF社製)20%溶液
を 10 部、グリオキザールを2部添加した。更にマット化剤として、シリカ顔料
サイロイド63(富士デヴィゾン社製)20%水分散液をホモミキサーにて1時間
分散し、塗工液に30部配合し、水20部、メタノール30部を加え、10分間攪拌した
。 【0022】 塗工液をロールコートで塗布し、乾燥器にて 110℃2分乾燥した。得られたイ
ンクジェット用マットフィルムは、塗布厚 7.0μm、透明度 76.5%、SRa値1
.5 μmであった。 なお表面粗さSRa値は、三次元表面粗さ計(K.K小坂研究所製、SE−3
0AK)で測定した中心面平均粗さSRaで表示した。 【0023】 マットフィルムを、インクジェットプロッターDesignJet C1633B(HP製)で
記録したところ、インク乾燥時間は1分以内と早く、滲み・ヨリの無いベタ部均
一性に優れた記録フィルムであり、かつ塗膜は耐水性を有しており、画線濃度が
高くシャープであり鉛筆筆記性も良好であった。 【0024】 (実施例2) 75μmのポリエステルフィルム(帝人(株)製ルミラーHS75)に、アンカ ー剤として水分散型ポリエステル樹脂バイロナールMD1400(東洋紡(株)
製)を 0.5g/m2塗布して基材とした。 塗工液として、ポリビニルアルコールKH−17(日本合成(株)製)10%溶
液 100部に、ノニオン性アクリル樹脂ST−1000(三菱油化(株)製)を20
部、グリオキザールを5部添加し、更に、マット化剤として、プラスチック顔
料エポスターM30(日本触媒(株)製)20%液に、ノニオン性界面活性剤ノニ
オンNS210(日本油脂(株)製)を対顔料1%添加後ホモミキサーにて1時
間分散後塗工液に30部配合し、更に水30部、メタノール30部を加え、10分間攪拌
した。 【0025】 この液をバーコートで塗布し、乾燥器にて 110℃2分乾燥した。得られたイン
クジェット用マットフィルムは、塗布厚 4.0μm、透明度 81.6%、SRa値1.4
μmであった。 【0026】 このインクジェット用マットフィルムを、インクジェットプリンターBJ 1
0V(キャノン(株)製)で記録したところ、インク乾燥時間は1分以内と早く
、滲み・ヨリが無くベタ部の均一性に優れた記録フィルムであり、かつ塗膜は耐
水性を有しており、画線濃度が高くシャープであり鉛筆筆記性も良好であった。 【0027】 (比較例1) 実施例1のポリビニルアルコールをPVA 105(クラレ(株)製造)に変
更し、グリオキザールを未添加の他は、同一条件にてサンプルを作製した。 このインクジェット用マットフィルムを、実施例1と同様に評価したところ、
インク乾燥時間は1分以内と早く、滲み・ヨリが無くベタ部の均一性には優れた
記録フィルムであったが、塗膜の耐水性は有しておらず、第2原図フィルムとし
ては不適であった。 【0028】 (比較例2) 実施例1のシリカをサイロイド150に変更した他は同一条件にてサンプルを 製造した。 得られたインクジェット用マットフィルムは、透明度 54.8%と透明性は低く
、SRa値は 0.6μmであった。 このインクジェット用マットフィルムを、実施例1と同様に評価したところ、
インク乾燥時間は1分以内と早く、滲みは良好であるが、ヨリが発生し、特にベ
タ部の均一性に劣っていた。 【0029】 (比較例3) 実施例1のシリカをサイロイド620に変更した他は同一条件にてサンプルを
製造した。 得られたインクジェット用マットフィルムは、透明度85.3%、SRa値は 2.5
μmであった。 このインクジェット用マットフィルムを、実施例1と同様に評価したところ、
インク乾燥時間は1分以内と早く、滲み・ヨリの発生が無く、ベタ部の均一性も
良好な記録フィルムであったが、画線濃度が低く、シャープ性に書け鉛筆筆記適
性は有していなかった。 【0030】 【発明の効果】 以上の様に、本発明では、インクの乾燥性が早く、かつ滲み、ヨリの無い被記
録材であり、透明度 70%以上で耐水性が有り、鉛筆筆記性の良好な第2原図適
性をも兼ね備えたインクジェット記録用マットフィルムが得られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 フィルムシートの少なくとも片面に、親水性樹脂とマット化剤
    を主成分とする耐水性を有したインク受理層を設けたインクジェット記録用マッ
    トフィルムにおいて、該マット化剤がプラスチックピグメントおよび/またはシ
    リカであり、かつ該インク受理層中のマット化剤の割合が10重量%を超え 50重
    量%以下であり、かつインク受理層の表面を三次元表面粗さ計で測定したSRa
    が 1.0〜2.0 μmの範囲にあることを特徴とする透明度70%以上のインクジェッ
    ト記録用マットフィルム。

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