JP2593840B2 - ペット用便床 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本発明は犬、猫等の室内で飼育
されるペットの糞尿を受けるために使用されるペット用
便床に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】 従来はこの種のペット用便床としては
ゼオライト系の吸着脱臭剤あるいはベントナイト系の吸
着脱臭剤が使用されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】 上記ゼオライト系の
吸着脱臭剤は糞尿の水分の吸収力が小さいために排便時
の臭気が問題となっており、また上記ベントナイト系の
吸着脱臭剤は糞尿を固形化して臭気を吸着封鎖するが、
そのためには吸着脱臭剤が多量に必要であり、したがっ
て不経済であるし、また使用後の吸着脱臭剤を廃棄した
場合には環境汚染の問題もある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本発明は有機酸含有シ
リカゲル(1A)３〜 １０重量％と、銀イオン含有シリカゲ
ル(1B)１〜５重量％と、残余は細孔径 ２０〜２００Åの
可逆的吸湿性を有するシリカゲルとの混合物(1) とから
なるペット用便床(3) を提供するものである。

【０００５】 本発明で使用されるシリカゲルは通常細
孔径が２０〜２００Å程度、粒径が０．０２〜１０mm程
度の物であり、該細孔径は上記範囲でなるべく広い分布
を有することが望ましい。上記シリカゲルには有機酸含
有シリカゲルと銀イオン含有シリカゲルが混合される。
該有機酸含有シリカゲルとは例えば蓚酸、マロン酸、コ
ハク酸、マイレン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、
β−オキシ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、タンニン
酸等の望ましくは揮発性の低い有機酸を添加混合したシ
リカゲルであり、銀イオン含有シリカゲルとは塩化銀、
硝酸銀等の無機銀塩、酢酸銀、プロピオン酸銀、ステア
リン酸銀等の有機銀塩等の銀イオンを放出することの出
来る化合物を添加混合したシリカゲルであり、該有機酸
含有シリカゲルは例えば赤、青二色に着色し、該銀イオ
ン含有シリカゲルは例えば緑色に着色しておくことが望
ましい。このようにシリカゲルを着色しておけばおよそ
の配合比率が目視で判別出来るしまた糞尿による着色を
目立たなくさせる利点がある。しかし上記着色は本発明
を限定するものではない。上記シリカゲル混合物中有機
酸含有シリカゲルは通常３〜１０重量％、銀イオン含有
シリカゲルは通常１〜５重量％が含有される。

【０００６】

【作用】 本発明の便床に使用される細孔径２０〜２０
０Åのシリカゲルは高湿時には水分を吸着し、低湿時に
は水分を放出すると云う可逆性を有する。そこで本発明
の便床は糞尿を受けると速やかに臭気成分を含む糞尿の
水分を吸収して臭気を吸着除去し、低湿時には臭気を除
去された水分のみを放出する。したがって本発明の便床
に使用される可逆性シリカゲルは吸着飽和に達するまで
の時間が長く、その結果長い寿命を有するものであり、
その上再生することも出来る。また上記便床に含まれる
有機酸含有シリカゲルは、上記可逆性シリカゲル では吸
着除去されにくい糞尿の臭気成分の一つであるアンモニ
アを吸着中和して無臭化させる。更に銀イオン含有シリ
カゲルは便床に雑菌が繁殖することを抑制して悪臭 即ち
腐敗臭の発生を防止し、可逆性シリカゲルおよび有機酸
含有シリカゲル が吸着飽和に達する時間を更に延長す
る。またシリカゲルの主成分はケイ酸であるから土に同
化し易く、使用後廃棄しても環境汚染のおそれはない。

【０００７】 以下に本発明の便床に使用されるシリカ
ゲルの性能テストの結果を示す。該性能テストは平均細
孔径６０Å、平均粒径２〜５mmのシリカゲルを使用して
行なわれた。 １．吸放水テスト シリカゲルを水に浸漬して飽和状態とし、水切り後鉄板
上に所定の厚さに該シリカゲルを敷き、天日および室内
に交互に放置した時の該シリカゲルの重量変化を測定し
て水分放出状態を観察した。その結果を図１に示す。図
中グラフ１はシリカゲルを厚さ７mmに敷いた場合、グラ
フ２はシリカゲルを厚さ１７mmに敷いた場合、グラフ３
はシリカゲルを厚さ３０mmに敷いた場合である。図１に
明らかなように低湿下ではシリカゲルは水分を速やかに
放出して吸水能が再生される。 ２．消臭テスト １ｌのフラスコにシリカゲル、シリカゲル混合物、故紙
粉末、ベントナイト、木粉各０．１ml投入し、更に表１
に示すブランク濃度になるように各臭気成分を含有する
溶液または気体を注入し、３０分後にフラスコ内の残留
臭気濃度を北川式検知管で測定して臭気除去率（％）を
算出する。その結果は表１に示される。

【０００８】

【表１】 表１に明らかなように、シリカゲル混合物は臭気成分の
種類に関わらず他の試料よりも優れた消臭能を有してい
る。

【０００９】

【実施例】〔実施例１〕 図２に示すようにシリカゲル混合物(1) は容器(2) 内に
充填されて便床(3) を形成する。該シリカゲル混合物
(1) は細孔径範囲２０〜２００Å、粒径範囲０．０２〜
１０mmであり、６重量％の有機酸含有シリカゲル(1A)と
３重量％の銀イオン含有シリカゲル(1B)とを含有し、該
有機酸含有シリカゲル(1A)は赤色および青色に着色さ
れ、該銀イオン含有シリカゲル(1B)は緑色に着色されて
いる。上記容器(2) は縦横５０×５０cm、深さ２５cmの
寸法とされ上記シリカゲル混合物(1) は該容器(2) に約
２kg入れられる。

【００１０】 上記便床(3) を一匹の成猫を飼っている
室内に置いたところ約２５〜３０日後に始めて室内に臭
気の発生が感知された。比較として有機酸含有シリカゲ
ル(1A)と銀イオン含有シリカゲル(1B)とを含有しないシ
リカゲルを入れた便床を使用した場合には、１５日後に
臭気の発生が感知された。またベントナイト系の吸着脱
臭剤を入れた便床を使用した場合には、３日後に臭気の
発生が感知された。したがって本発明の便床(3) は有機
酸含有シリカゲル(1A)や銀イオン含有シリカゲル(1B)含
まないシリカゲルに比べて約１／２の使用量ですみ、ま
たベントナイト系吸着脱臭剤と比べて約１／９の使用量
ですむ。

【００１１】 〔実施例２〕 図３に示すようにゲージ(4) の床(5) は縦横２５×２５
cm、深さ２cmであって実施例１で使用したシリカゲル混
合物(1) 約１００ｇを該床(5) 上に均一に敷いて便床を
構成する。該ゲージ(4) にて小鳥３匹を飼育した所、約
６〜７日後に始めて臭気の発生が感知され、またハムス
ター２匹を飼育した所、約４〜５日後に始めて臭気の発
生が感知された。比較としてベントナイト系吸着脱臭剤
を用いた場合には小鳥、ハムスター共に即日臭気の発生
が感知された。

【００１２】

【発明の効果】したがって本発明においては、ペットの
糞尿から発生する如何なる種類の 臭気も長期間にわたっ
て吸着除去することが出来るしシリカゲルの使用量も 減
らすことが出来、便床の雑菌繁殖を防止し衛生的にも好
ましいものであり 、また防虫効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 シリカゲルの吸放水を示すグラフ

【図２】 実施例１の斜視図

【図３】 実施例２の斜視図

【符号の説明】

1 シリカゲル混合物 1A 有機酸含有シリカゲル 1B 銀イオン含有シリカゲル 2 容器 3 便床 5 ゲージの床

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】有機酸含有シリカゲル３〜１０重量％と、
   銀イオン含有シリカゲル１〜５重量％と、残余は細孔径
   ２０〜２００Åの可逆的吸湿性を有する シリカゲルとの
   混合物からなることを特徴とするペット用便床