JP2593250B2 - 磁気抵抗素子 - Google Patents

磁気抵抗素子

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JP2593250B2 JP3058877A JP5887791A JP2593250B2 JP 2593250 B2 JP2593250 B2 JP 2593250B2 JP 3058877 A JP3058877 A JP 3058877A JP 5887791 A JP5887791 A JP 5887791A JP 2593250 B2 JP2593250 B2 JP 2593250B2
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靖夫 権藤
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靖夫 権藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気抵抗素子に関するも
のであり、特に詳しくは薄膜状の金属体を利用して常温
に於いて磁界強度を変化させた場合に、確実で且つ安定
した電気抵抗の変化率を発生しうる磁気抵抗素子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、特定の金属片或いは金属膜に
電圧を掛けた状態で、当該金属に磁界を掛け、その磁界
の強さ、或いは磁界の方向を変化させると、当該金属片
或いは薄膜状金属片に流れる電流が変化する事は知られ
ており、この電流の変化から、当該金属片或いは薄膜状
金属片における電気抵抗値が変化する事が理解され、従
って、この現象を利用する事により、磁界に依存したス
イッチング手段を構成しうるものであると言う期待が
った。
【0003】例えば、従来に於ける磁気抵抗素子は強磁
性金属膜に磁界をかけて、磁化を変化させる時、磁化と
電流とのなす角に依存する電気抵抗の変化を利用したも
のであるが、電気抵抗の変化率ΔR/Rが7%を越える
ものは知られていない。又、従来に於ける磁気抵抗素子
の他の一例を図6に示すと、従来の磁気抵抗素子とし
て、コバルトCoから構成された第1の薄膜状金属片
0とニッケルNiから構成された第2の薄膜状金属片
0とを絶縁膜として構成された酸化アルミニウムAl2O3
の膜30を両者の間に介在させて接続固定したものであ
る。尚、このような従来に於ける磁気抵抗素子の構造に
おいては、電圧を検出し易くする為に各金属薄膜状金属
をL字型に形成しておくものである。即ち、従来に於
ける磁気抵抗素子に於いては、酸化アルミニウムから成
る絶縁膜をコバルトCoとニッケルNiと言う強磁性金
属片から成る電極で挟んで構成したものであり、該両者
薄膜状金属片同士の接続面は強磁性のトンネル接合を
形成しており、そのトンネルコンダクタンス、換言すれ
ば該接合部の電気抵抗は両電極の磁化の相対角度θに依
存して変化する。
【0004】この構造を有する従来の磁気抵抗素子に於
ける磁界の変化と当該磁気抵抗素子の電気抵抗の変化に
ついて実験した結果を図7に示す。図7の実験結果は、
第1の薄膜状金属片10として厚さ約100nm〜20
0nm(1000〜2000Å)で幅が1mmのコバル
トCoと、第2の薄膜状金属片20として厚さ約100
nm〜200nm(1000〜2000Å)で幅が1m
mのニッケルNiとをそれぞれ図7に示す様にL字型に
形成し、互いに各薄膜状金属片の端部が直角となる様
に、その角部同志を絶縁酸化膜としての約1nm(10
Å)の膜厚を有する酸化アルミニウムAl2O3 の薄膜30
を介在させて接続固定したものである。
【0005】この磁気抵抗素子に於けるコバルトCoは
保磁力Hcが18 Oeのものを選択し、又ニッケルN
iは保磁力Hcが50 Oeのものを選択して使用し
た。更に、コバルト薄膜状金属片10の一端部10─1
とニッケル薄膜状金属片20の一端部20─1との間に
電流を流し、コバルト薄膜状金属片10の一端部10─
2とニッケル薄膜状金属片20の一端部20─2との間
の電圧を測定する様に配線した。
【0006】更に、本実験例においては磁界矢印Hの方
向、つまり電流の方向Iに対して直角の方向に磁界を掛
け、その磁界の強度H(Oe)を200 Oeから−2
00Oeの間で往復状に変化させた場合に於ける当該磁
気抵抗素子の電気抵抗の変 化率ΔR/Rを測定したもの
である。本実験例に於ける該電気抵抗の変化率ΔR/R
の磁界依存性を調べた測定結果を図7に示す。
【0007】尚、図7の測定条件は、室温下で、磁界強
度が0の場合に於ける該磁気抵抗素子の電気抵抗Rを
0.78Ω、電流量Iを100mAに設定して測定した
ものである。図7は上記実験に於ける磁界強度H(O
e)と電気抵抗の変化率ΔR/Rとの関係を表した図で
あり、図8は上記実験に於ける磁界強度Hと磁化Mとの
関係を示す図である。
【0008】即ち、磁界強度H(Oe)を−200 O
eから200 Oe迄振る場合には、磁界強度H(O
e)が−50 Oeまでは、コバルトCoとニッケルN
iの磁化M即ち磁気モーメントが、第1の方向(下向
き)に揃っており、更に該磁界強度H(Oe)が─50
Oeから18 Oeの間も、コバルトCoとニッケル
Niの磁化M即ち磁気モーメントが、第1の方向に揃っ
ているが、磁界強度H(Oe)が18 Oeを越え50
Oeとなる間の領域Bに於いては、コバルトCoの磁
気モーメントが第2の方向(上向き)を向くが、ニッケ
ルNiの磁気モーメントは依然としてもとの第1の方向
を向いたままとなるので、当該領域Bに於いて両薄膜状
金属片間に磁気モーメントの反転現象が発生する。
【0009】更に、磁界強度H(Oe)が変化して50
Oeを越える値となると、ニッケルNiの磁気モーメ
ントも第2の方向を向くことになるので、この領域Aに
於いては両薄膜状金属片間の磁気モーメントは第2の方
向(上向き)に揃った状態となる。次に、磁界強度H
(Oe)を逆に200 Oeから−200 Oe迄振る
場合には、磁界強度H(Oe)が50 Oeまでは、コ
バルトCoとニッケルNiの磁化M即ち磁気モーメント
が、第2の方向(上向き)に揃っており、更に該磁界強
度H(Oe)が50 Oeから−18 Oeの間も、コ
バルトCoとニッケルNiの磁化M即ち磁気モーメント
が、第2の方向に揃っているが、磁界強度H(Oe)が
−18 Oeから下がって−50 Oeになる間の領域
Dに於いては、コバルトCoの磁気モーメントが第1の
方向を向くが、ニッケルNiの磁気モーメントは依然と
してもとの第2の方向を向いたままとなるので、当該領
域Dに於いて両薄膜状金属片間に磁気モーメントの反転
現象が発生する。
【0010】更に、磁界強度H(Oe)が変化して−5
0 Oeを越えて下がった値となると、ニッケルNiの
磁気モーメントも第1の方向を向くことになるので、
領域Eに於いては両薄膜状金属片間の磁気モーメント
は第1の方向(下向き)に揃った状態となる。そして、
図7から明らかな様に、上記領域Bと領域D即ち両薄膜
状金属片の磁気モーメントMが互いに反対の方向を向い
ている所謂磁化反転状態にある場合に電気抵抗の変化率
ΔR/Rが増加している事が判る。本実験に於ける電気
抵抗の変化率ΔR/Rの最大値は、0.1%であった。
【0011】つまり、本実験から薄膜状金属片の磁気モ
ーメントMの反転状態にある場合には、該絶縁膜である
酸化アルミニウムの薄膜のトンネルコンダクタンスを最
小とするスピン依存トンネル効果が表れ、それが故に、
該磁気抵抗素子の抵抗が高くなると考えられている。所
で、この実験に於ける該電気抵抗の変化率ΔR/Rはた
かだか0.1乃至0.2%のオーダーに過ぎず、この
化率では、電気回路に於けるスイッチング手段としては
実用には不向きであり、その改善が望まれていた。
【0012】この問題を解決する為に、これまで種々の
改良が考えられて来ている。例えば、図6に示す磁気抵
抗素子の構成の内、コバルトCoの保磁力を16Oe、
又ニッケルNiの保磁力を110 Oeとし、磁界の方
向を各薄膜状金属片間を流れる電流の方向に対して45
度の角度となる様な方向H’に設定を変更して、又電流
を100mAとして実験した結果、図9に示す様なグラ
フが得られるが、電気抵抗の変化率ΔR/Rは0.4%
に過ぎず、又コバルトCoの保磁力を75 Oe、又ニ
ッケルNiの保磁力を125 Oeとしてみた場合でも
図10に示す様に電気抵抗の変化率ΔR/Rは0.5%
でしかなかった。つまり、従来における方法では、実用
的な磁気抵抗素子を得ることは不可能であった
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
される従来の問題点を解決し、簡易な構成で、しかも
造が容易である電気抵抗の変化率ΔR/Rが実用上十分
高い磁気抵抗素子を得ようとすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明においては上記し
た目的を達成するため、以下に記載されたような技術構
が提供されるものである。即ち、保磁力を異にする少
なくとも2種の薄膜状の金属片をオーミックコンタクト
を介して互いに積層して薄膜状の金属片の単位体が形成
され、該単位体に該単位体の積層面と交差する方向に電
流が流れる様に電極が形成されていることを特徴とする
磁気抵抗素子が提供される。
【0015】
【作用】本発明に於いては、上記した様な構成を採用す
る事によって、保磁力を異にする少なくとも2種の薄膜
の金属片がオーミックコンタクトで接合されており、
且つ電流を該オーミックコンタクト面に対して略直角の
方向に流す事により、磁界強度の変化に伴い電気抵抗を
大きく上昇させる事が可能となる。処で、2つの強磁性
薄膜金属がトンネル接合又はオーミック接合を形成する
時、薄膜間に電圧をかけると接合面を通して電流が流れ
【0016】強磁性金属中の電流を担う電子は3d電子
であるが、その電子の性質はスピン即ち磁気モーメント
の向きに依存している。その為、接合面を流れる電流
は、2つの強磁性薄膜金属の磁化が同一の向き(平行)
の時は、(即ち、印加磁界が大きく、両薄膜金属が同方
向に飽和まで磁化している時)電流を担う電子のスピン
(磁気モーメント)が変化しないので、電子の受ける散
乱効果は小さく、従って電気抵抗は小さい。
【0017】次に、磁界を減らし、磁界ゼロから逆向き
の磁界を加えると保磁力Hcの小さな金属の磁化が逆転
し、接合面を挟んで両薄膜金属の磁化が互いに反対方向
を向く(反平行)ことになる。この時は、電流を担う電
子のスピン(磁気モーメント)は逆向きの磁化の影響を
受ける為に、電子の受ける散乱効果は大きくなり、従っ
て電気抵抗はこの状態で大きくなる。
【0018】更に、逆向きの磁界を大きくすると、保磁
力Hcの大きな薄膜金属の磁化も反転し、再び両薄膜金
の磁化は両者とも反対方向を向く(平行)ことにな
る。従って、電子のスピンの向きから決まる散乱効果は
小さくなり、電気抵抗は小さくなり、最初の状態に戻
る。このような、磁化の向きが平行か、反平行かに依存
する電気抵抗の変化がΔRであり、当該素子を構成する
2つの金属の組合せによって決まる。一方、電気抵抗R
は素子を構成する2つの金属の抵抗率、厚さ、断面積、
接合面の状態によって決まるので、Rをある程度小さく
し、適当な大きさにすることによりΔR/Rを大きくす
ることができるのである。
【0019】
【実施例】以下に、本発明による磁気抵抗素子の具体例
を図面を参照しながら詳細に説明する。即ち、図1は、
本発明による磁気抵抗素子1の構成の一例を示す断面図
であり、その構成は、保磁力を異にする少なくとも2種
の薄膜状の金属片2、3をオーミックコンタクト4を介
して互いに積層して単位体5が形成され、該単位体5に
該単位体5の積層面4と交差する方向に電流Iが流れる
様に電極6、7が形成されているものである。
【0020】本発明に於いて使用される保磁力を異にす
る少なくとも2種の薄膜状の金属片2、3としては、例
えば比較的強磁性を有する銅、金、鉄、ニッケル、コバ
ルト、アルミニウム、クロム、マンガン、マグネシウ
ム、亜鉛、錫、鉛、ニオブ、テルル、ガドリニウムから
成る金属或いは、前記の金属から選ばれた少なくとも2
種からなる合金若しくはフェライトの中から選択される
ものである。
【0021】選択の組合せは特に限定されるものではな
いが、従来からの知見から、金とコバルト、鉄とコバル
ト、鉄とクロム、ニッケルとコバルト及びそれ等の合金
の組合せから選択された一つで構成されたものである事
が好ましい。又、上記に従って選択された保磁力Hcを
異にする少なくとも2種の薄膜状の金属片の保磁力Hc
は適当な差、例えば互いに少なくとも10 Oeの差を
有している事が好ましく、両薄膜状金属片の磁化の反転
状態が確実に実現される事が好ましい。
【0022】又、本発明に於いては、該薄膜状金属片
少なくとも2種類の保磁力を異にする、異なった金属材
料で構成された素材を使用するものであるが、3種また
はそれ以上の互いに異なる薄膜状金属片を組み合わせて
使用する事も可能である。本発明に於ける各薄膜状金属
2、3、の膜厚は特に限定されるものでは無いが、好
ましくは厚さ約100nm〜200nm(1000〜2
000Å)を有しているものが使用される。
【0023】又、本発明に於ける係る選択された、複数
個の薄膜状金属片2、3の形状は特に限定されるもので
ないが、従来の磁気抵抗素子の様に、L字型に構成し
たものであっても良く、図2に示す様に、四角形、丸
形、楕円形、多角形、菱形、短冊形の様に一方向が長尺
状に形成された矩形等のものが使用でき、又これ等は使
用形態、使用場所、使用目的等に応じて適宜の形状を採
用する事が可能である。又、各薄膜状金属片の断面積も
特に限定されるものではないが、例えば、数mm2 以下
あれば十分である。
【0024】本発明に於ける特徴の一つは、上記選択さ
れた複数の保磁力の異なる薄膜状金属片2、3を互いに
その対向する表面を接合するものであるが、従来は、絶
縁膜として、所定の厚さを有する酸化膜(例えば酸化ア
ルミニウム、酸化ニッケル)を介在させていたが、本発
明に於いては係る絶縁膜を用いずに直接両者の薄膜状金
属片をオーミックコンタクトを形成するように接合する
ものである。
【0025】本発明における該オーミックコンタクトと
は、該両薄膜状金属片同士が直接に且つ完全に接合し合
い適当な電気抵抗を有するものであるが、例えば、極く
薄い不完全な酸化膜で、その膜に多数の孔が形成されて
いて、その孔部を介して当該薄膜状金属片同士がオーミ
ックコンタクトしうるものであれば、本発明に使用しう
事は言うまでもない。従来に於ける磁気抵抗素子に於
いては、上記した絶縁膜は、トンネル効果を発揮する為
に、極めて均一の1nm程度の薄膜を形成させる必要が
あり、その製造は難しく、従って工業的な生産性をもっ
大量生産することができなかった
【0026】又、本発明に於いては保磁力を異にする少
なくとも2種の薄膜状の金属片をオーミックコンタクト
を介して互いに積層して形成された単位体5に、該単位
体5の積層面4と交差する方向、好ましくは直角な方向
に電流が流れる様に電極6、7が形成されているもので
ある。該電極には、適宜の電流源8、好ましくは定電流
源が接続され、当該単位体5に所定の電流を流す様に構
成されている。
【0027】又、本発明に於いては、上記した単位体
を単独で使用して、磁気抵抗素子を構成するものであっ
ても良く、又該単位体5を図3に示す様にその表面同士
を互いに接合させる様にして複数個積層して棒状体の磁
気抵抗素子を構成したものであっても良い。係る棒状体
磁気抵抗素子の断面形状は、例えば図2に示される様な
平面形状の何れかであっても良い。この構成を有する磁
気抵抗素子を製造するには、保磁力を異にする少なくと
も2種の金属薄膜を接合した単位薄膜を複数枚積層した
後、所定の部分を所定の断面となる様にエッチング等の
処理技術を用いて分離残留させる事により製造する事が
できる。
【0028】かくして形成された、図3に示す様な棒状
の磁気抵抗素子55は、その周囲を適宜の絶縁体で包囲
形成させる事により単一の磁気抵抗素子として使用しう
。本発明に於ける該棒状の磁気抵抗素子55は例えば
10個以上の単位体5を積層したものであっても良く、
好ましくは、100個以上の単位体5を積層したもので
あっても良い。
【0029】この構成から成る本発明の磁気抵抗素子
は、該単位体の積層方向と直角、つまり接合面と平行に
磁界を掛けて使用するものであるが、その場合、磁界強
度の変化に伴う室温での電気抵抗の変化率ΔR/Rが1
0%以上となるものである。更に好ましくは、当該電気
抵抗の変化率ΔR/Rが20%以上のものも得られるの
である。
【0030】又、本発明による磁気抵抗素子1は、それ
単独で使用する事もできるが、好ましくは図3に示す様
に棒状体55に形成されたものを使用することができ
る。特に断面形状が短冊形である長尺状矩形を有する金
属薄膜から構成される磁気抵抗素子を多数重ねて形成し
扁平状の棒状体は、それ単独で使用すると、その断面
形状の長尺方向の軸線に対して交差する磁界の方向によ
り電気抵抗の変化率ΔR/Rの大きさが変化し、特にそ
の角度が0度または45度の時にその変化が最大とな
る。
【0031】又、本発明に於いては、棒状体の磁気抵抗
素子55を少なくとも2個互いに直列に接続して使用す
る事が好ましく、更には、該短冊状の平面形状を有する
棒状体の磁気抵抗素子55を使用する場合には、該棒状
体の磁気抵抗素子55を少なくとも2個を直列に接続
し、且つ各棒状体の磁気抵抗素子55の断面に於ける長
尺状軸方向が互いに直角となる様に配列して使用する事
が好ましい。この構成を採用する事により、該磁気抵抗
素子55は磁界の方向依存性がなくなり、どの方向に磁
界を印加しても、磁界の大きさのみによって電気抵抗の
変化率ΔR/Rが決定される事になる。
【0032】次に、本発明による磁気抵抗素子1の最適
な具体例を説明する。保磁力13 OeのコバルトCo
薄膜状金属片2と保磁力55 OeのニッケルNi薄膜
状金属片3とを、断面積が1mm2 となる様に長尺軸を
有する短冊状に打ち抜いたものを直接接合してオーミッ
クコンタクト4を形成させ、該コバルトCoの薄膜状金
属片2と該ニッケルNi薄膜状金属片3の外表面に電極
6、7をそれぞれ取り付けて単位体5を構成し、適宜の
定電流源8から該単位体5に電流を流し、該単位体5の
接合面4に対して直角方向に流れる電流Iが一定電流1
00mAとなる様に設定した。
【0033】そして、磁界を該単位体の電流の流れる方
向と直角方向(H方向)に掛け、その磁界強度H(O
e)を200 Oeから−200 Oe迄振り、その時
の電気抵抗の変化率ΔR/Rを測定した。測定の結果、
本具体例の磁界0に於ける該磁気抵抗素子の電気抵抗R
は21mΩであり、又磁界を変化させた場合の最大の抵
抗の変化ΔRは4.6mΩであった。従って、本具体例
に於ける電気抵抗の変化率ΔR/Rは22%となり、従
来の方法にくらべて大幅に電気抵抗の変化率ΔR/Rの
改善が見られ、又この電気抵抗の変化率ΔR/Rのレベ
ルは、実用上十分なものである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、電気抵抗の変化率ΔR
/Rが実用上十分高い磁気抵抗素子を簡易な構成で容易
に得る事ができ、更には、製造方法も容易で大量生産に
適する方法で製造することができるので高性能の磁気抵
抗素子を安価に生産する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による磁気抵抗素子に使用され
単位体の構造の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明による磁気抵抗素子に使用され
単位体の平面形状の例を示す図である。
【図3】図3は、本発明による磁気抵抗素子の他の構成
例を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明による磁気抵抗素子により得ら
れる磁界強度と磁気モーメントとの関係を示す図であ
る。
【図5】図5は、本発明による磁気抵抗素子により得ら
れる磁界強度と電気抵抗の変化率ΔR/Rとの関係を示
す図である。
【図6】図6は、従来形の一例における磁気抵抗素子
構成を示す平面図である。
【図7】図7は、従来形の一例における磁気抵抗素子に
より得られる磁界強度と電気抵抗の変化率ΔR/Rとの
関係を示す図である。
【図8】図8は、従来形の一例における磁気抵抗素子に
より得られる磁界強度と磁気モーメントとの関係を示す
図である。
【図9】図9は、従来形の他の一例における磁気抵抗素
子により得られる磁界強度と磁気モーメントとの関係を
示す図である。
【図10】図10は従来形の他の一例における磁気抵抗
素子により得られる磁界強度と電気抵抗の変化率ΔR/
Rとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1…磁気抵抗素子 2、3…薄膜状金属片 4…オーミックコンタクト部 5…単位体 6、7…電極 8…定電流源 10…第1の薄膜状金属片 20…第2の薄膜状金属片 30…絶縁膜 55…磁気抵抗素子

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保磁力を異にする少なくとも2種の薄膜
    状の金属片をオーミックコンタクトを介して互いに積層
    して薄膜状の金属片の単位体が形成され、該単位体に該
    単位体の積層面と交差する方向に電流が流れるように
    極が形成されていることを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 【請求項2】 該単位体が複数個積層されて構成されて
    いる、請求項1記載の磁気抵抗素子。
  3. 【請求項3】 磁界強度の変化に伴う室温での電気抵抗
    の変化率ΔR/Rが10%以上である、請求項1記載の
    磁気抵抗素子。
  4. 【請求項4】 該電気抵抗の変化率ΔR/Rが20%以
    である、請求項3記載の磁気抵抗素子。
  5. 【請求項5】 該単位体を構成する保磁力を異にする少
    なくとも2種の薄膜状の金属片は、比較的強磁性を有す
    る銅、金、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウム、ク
    ロム、マンガン、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ニオ
    ブ、テルル、ガドリニウムから成る金属或いは、前記の
    金属から選ばれた少なくとも2種からなる合金若しくは
    フェライトの中から選択されるものである、請求項1記
    載の磁気抵抗素子。
  6. 【請求項6】 該単位体を構成する保磁力を異にする少
    なくとも2種の薄膜状の金属片は、金とコバルト、鉄と
    コバルト、鉄とクロム、ニッケルとコバルト及びそれ等
    の合金の組合せから選択された一つで構成されたもので
    ある、請求項5記載の磁気抵抗素子。
  7. 【請求項7】 上記により選択された保磁力を異にする
    少なくとも2種の薄膜状の金属片は、当該各薄膜状の金
    属片の保磁力間に差が存在しているものである、請求項
    1記載の磁気抵抗素子。
  8. 【請求項8】 該磁気抵抗素子は複数個の単位体が、各
    薄膜状の金属片の単位体の表面が互いに接触するように
    接合されて形成された棒状体である、請求項2記載の磁
    気抵抗素子。
  9. 【請求項9】 該各薄膜状金属片単位体が長尺状の短冊
    形の平面形状を有する、請求項7乃至8記載の磁気抵抗
    素子。
  10. 【請求項10】 該棒状体から構成された少なくとも2
    個の磁気抵抗素子を直列に接続した、請求項7乃至9記
    載の磁気抵抗素子。
  11. 【請求項11】 長尺状短冊形平面を有する該薄膜状金
    属片単位体を複数個積層して形成した扁平状棒状体で構
    成された少なくとも2個の磁気抵抗素子を直列に接続
    し、且つ各磁気抵抗素子が互いにその長尺状軸方向が直
    角となる様に配列され固定されている、請求項10記載
    の磁気抵抗素子。
JP3058877A 1991-03-22 1991-03-22 磁気抵抗素子 Expired - Lifetime JP2593250B2 (ja)

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