JP2593021B2 - ウシ胚の性の識別方法 - Google Patents

ウシ胚の性の識別方法

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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6879Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for sex determination

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウシ胚の性の識別方
法、及びかかる識別方法に用いられるプライマーDNA
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のバイオテクノロジーの発展によ
り、畜産業において人工授精が通常普通に行なわれるに
至っている。特に、ウシにおいては、凍結***における
人工授精法がすでに確立している。ただし、かかるウシ
の人工授精の分野においても、現在なお簡便かつ確実な
試験管段階における雌雄の識別は産業上重要な技術であ
るにもかかわらず確立されていない。
【0003】現在までに確立しているウシの人工授精の
試験管段階における雌雄の識別法としては、以下に掲げ
る方法がある。 1)雄性***の分離、同定 ウシを含めほ乳類においては雌が同型接合体、雄が異型
接合体であるため、卵子は遺伝的に1種類で、***に遺
伝的な雌雄の別がある。すなわち、雄性***と融合した
卵子は雄胚に、雌性***と融合した卵子は雌胚になる。
そこで、雄性***と雌性***との分離が可能となれば、
雌雄の産み分けができることになる。
【0004】(1)重力を利用した沈降法あるいは密度
勾配遠心法による分離法 性染色体のうちX染色体はゲノムのほぼ5%、Y染色体
はほぼ3%を占めるため、そのわずかな差を利用して、
軽いのは雄性***、重いのは雌性***とする。しかしな
がら、現実的にはXとYとの差が小さく、もともと***
の大きさにばらつきがあり、また、成熟度により***の
比重が異なるため、確実に分離することは困難であっ
た。
【0005】(2)電気泳動による分離 一般に細胞膜の価電は糖蛋白に結合しているシアル酸の
量に依存する。本法は雌性***と雄性***の表面価電に
差があるとの前提にたつ。しかし、***形成の過程を見
るに、減数***の途時セルトリー(Sertoli)細
胞に包まれた4個の精細胞間には細胞間架橋があり、4
個の精細胞から成る1個の融合細胞(Syncytiu
m)といえる。したがって、表面価電の差は期待し難く
原理的に困難である。
【0006】(3)Fボデイによる識別 例えば、ヒトとゴリラでは***をキナクリン蛍光色素で
染めると、Fボデイといい、Y染色体が特異的に染ま
り、雄性***と雌性***とが識別できるとされてきた。
しかし、種によって染まらないことや、染色されるもの
とされないものとの比が50:50にならないこと、理
論的にY特異的といえないことなどから、方法自体が疑
問視されている。
【0007】(4)フローサイトメーターを用いた***
選別 X染色体はY染色体より少し大きいので、蛍光染色する
と雌性***のほうが蛍光が少し強くなる。この蛍光の強
さを利用して、雌性と雄性の***を分離することができ
る。この方法で分離した***を用いて受精させれば、雌
性胚と雄性胚とを別個に作製することができる。
【0008】この方法の欠点は、***を染色し、レーザ
ー光をあてるので、***の変性の可能性があること、精
子の前処理に手間を要すること、顕微受精をする必要が
あること、及び高価な機器を要することである。よっ
て、当該方法は簡便な方法とはいえず、実用化されるに
は至っていない。 2)HY抗原に対する抗体(HY抗体)を利用する方法 純系動物の雄の皮膚を雌に移植すると拒絶され、剥離し
てしまう。逆に雌から雄への移植は受容される。これは
Y染色体に存在する組織適合抗原(Histocomp
atibility antigen)に起因すると考
えられ、その因子はHY抗原と名づけられた。本来、組
織の拒絶反応は細胞性免疫の司るところである。しかし
ながら、雌による雄の組織拒絶反応時、あるいは雄性細
胞の感作により血液中には抗体が産生されることが判明
したことから同時に体液性免疫も働いていることにな
る。
【0009】マウスでは8細胞期にはすでにHY抗原が
発現されているといわれ、マウス由来のHY抗体を用
い、胚の雌雄判別が出来たとの報告がある。また、ラッ
ト由来のHY抗体で胚を処理することにより、ウシ胚の
形態変化がおこり、雌雄の判別がある程度可能ともいわ
れている。HY抗原は種を超えて生物に共通と考えられ
るので、マウスやラット由来のHY抗体でもウシに利用
できるし、また、胚発生の早期に発現されるので、胚の
雌雄識別には都合がよい。さらに、胚の−部の細胞を採
取する必要がないことも利点としてあげられている。し
かし、HY抗原は主要(major)組織適合抗原でな
く、非主要(minor)抗原であるため、抗原性が弱
く、抗体の誘導が困難であったり、動物の系統によって
は誘導が不能であったり、誘導された抗体の活性が微弱
であるなど、多くの問題がある。そして、実際の胚識別
にあたっては、反応のプラス、マイナスが判然としない
ことがある等の欠点を有するため、確実な雌雄識別方法
として実用には至っていない。 3)細胞遺伝学的方法 (1)性クロマチンを利用する方法 哺乳類の雌では2本あるX染色体のうち1本を不活化す
ることにより、雄と同じ遺伝子量とする補償機構が働
く。この不活化されたXは性クロマチンとして細胞核に
観察される。Xの不活化は発生初期におこるので、胚盤
胞から微小手術で栄養外胚葉細胞を採取し、性クロマチ
ンの有無を調べれば、胚の性判別ができるはずである。
しかしながら、マウスやウサギではある程度性判別が可
能であるが、他の家畜では細胞質の顆粒が妨げとなっ
て、性クロマチンの観察が困難で、実用化されるには至
っていない。
【0010】(2)性染色体の同定 上記の性クロマチンの存在で雌胚を同定する代わりに、
直接XX,XYを観察する方法が確実な雌雄識別法とし
て着目されている。実際には、胚を2分割し、一方を胚
移植に、他方を染色体の観察に利用する方法がとられ
る。幸い、ウシでは60本の染色体のうち58本の常染
色体はすべてV字型の端部着糸型で、X染色体は大きな
次中部着糸型、Y染色体も動原体がやや片寄った小さな
次中部着糸型染色体であり、よい細胞標本であれば識別
は容易ある。しかしながら、よい中期染色体像が得られ
る率自体が低く、結局、識別の効率も低くなるという欠
点があり実用的とはいい難い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記列挙した方法が本
来的に有する欠点を克服した簡便かつ確実な胚段階での
雌雄識別法として、Y染色体特異的核酸プローブを用い
て検出する方法が、DNAポリメラーゼ連鎖反応法(P
CR法)(Science,vol.239,p487
−491,1988)の開発・進歩に伴い注目されてい
る。
【0012】すなわち、微量の鋳型DNAをもとに、一
部のDNAを数百万倍に増幅することが可能となり、胚
の一部の細胞を採取し、その中に、Y特異的配列が存在
するか否かをPCRを利用して調べることにより、雌雄
の判別をすることが可能であることが示唆される。ここ
で問題となるのは、どのようなY特異的配列をどのよう
なプライマーを用いて増幅し、それをどのように検出す
るかである。
【0013】まず、本発明に用いるプライマーは、次の
条件を満足することが必要である。 (1)偽常染色体上の配列は用いられない。 減数***のときXとY染色体とで組換えを起こす。MI
C2遺伝子等が存在する偽常染色体領域(P.J.Go
dfellow et al.,Science,
34,741−743,1986)は、X・Y両染色体
間で99%の類似性を示すため、雌雄の区別をつけるこ
とができず、本発明プライマーとして採用するのは不適
である。
【0014】(2)Y染色体特異的DNAでも常に有効
とは限らない。 例えば、Zfy遺伝子(D.C.Page et a
l.,Cell,51,1091−1104,198
7)のごとく、Y染色体上に1個のみ存在する配列であ
っても、X染色体上に極めてよく似た配列の遺伝子があ
るものは、かかる進伝子を増幅し、雄であることを証明
しようとしても、ほとんど同じ長さのDNAが増幅さ
れ、雌雄の区別をつけることは困難である。
【0015】(3)Y特異的DNAでも1個だけ存在す
るものは不利である。 例えば、Sry遺伝子(文献A.H.Sinclair
et al.,Nature, 346,240−2
44,1990)はY染色体上に1個のみ存在し、類似
の配列がXや常染色体上になければ、上述(2)のよう
な問題はなくなる。しかし、この場合、また上述(2)
の場合も含めて、1ゲノムを構成する約30億塩基対か
ら、200〜300塩基を1ケ所だけ増幅することにな
るので、効率が悪く、かつ、僅かな汚染が失敗を招く故
かかる配列をPCRの対象として雌雄の区別をつけるこ
とは困難である。
【0016】(4)Y特異的な繰り返し配列がよい。 単一の配列でなく、Y染色体上に数百、数千、あるいは
それ以上存在する配列が利用できれば、PCRの原理か
らしても得策である。 (5)内部対照となる雌雄共通のプライマーも必要 Y特異的DNAを用い、雄を検出すれば、理論的に残り
は雌である。しかし、PCRという超高感度の方法を利
用すると、実験条件の僅かな差や汚染が、雄に無反応で
あったり、雄でないのに反応したりすることがある。こ
のため、内部対照として雌雄共通のシグナルを与えるプ
ライマーを用い、雄であって雌でない、また雌であって
雄でないことを確実に検証する必要がある。内部対照に
も多数のコピーが存在するDNAが望ましい。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
ついて鋭意検討を行った結果、上記に掲げた条件を満た
すPCRプライマーを見出すことに成功し、このPCR
プライマーをPCR法に応用することで、ウシの雌雄の
識別を正確かつ迅速に判別する方法を確立した。
【0018】すなわち、本発明は、雄ウシのゲノムに特
異的にハイブリダイズするDNAプライマー、及びウシ
の胚盤胞の一部を採取し、かかる胚盤胞の細胞より、D
NAを抽出し、上記のDNAプライマー並びに雌雄双方
のウシのゲノムにハイブリダイズするDNAプライマー
を用い、PCR法により、上記ウシの胚盤胞のDNAの
特定部位を増幅させて、これにより得られるPCR産物
の種類を特定して識別することを特徴とするウシ胚の雌
雄の識別方法を提供するものである。
【0019】本発明においては、(1)〜(5)に示し
た特徴を有するプローブの調製をすることが必須であ
る。以下、かかる調製法について説明する。 1)雄特異的DNAクローンの単離 雌ウシのDNAを常法により分離し、かかるDNAを、
両端のDNA配列に規則性を有しない断片を調製する。
この断片の長さは概ね1000塩基前後が好ましい。ま
た、この断片は例えば超音波処理等の常法により上記雌
ウシDNAから調製することができる。
【0020】これとは別に、常法により得た雄ウシDN
AをII型の制限酵素で処理して規則的末端を調製す
る。次に上記の雌ウシ及び雄ウシのDNA断片を混合し
て、再会合反応を行なう。またかかる混合の事前又は事
後にDNA断片を一本鎖に常法により変性することが再
会合反応の前提として必要である。2種のDNAの混合
割合は雌のDNAを大過剰にして、具体的には、20〜
1000倍、特に好ましくは50倍程度である。なお、
二本鎖DNAの一本鎖DNAの変性法としては、例えば
加熱処理による方法やアルカリ処理による方法を挙げる
ことができる。再会合反応は通常公知のハイブリッド条
件下行なうことができるが、DNA鎖の再会合を促進す
るフェノール等の薬剤を添加して行なうのが好ましい。
【0021】再会合させると、常染色体やX染色体由来
の雄DNAの大部分は雌DNAと共通なので、大過剰に
ある雌DNAと相補性を示して再会合する。これらは、
不特定の末端を有する雌DNAとII型制限酵素の末端
を有する雄DNAの会合物故、正しいII型制限酵素特
有の配列の末端を構成し得ない。一方、雄DNAのY染
色体の特有部位は、雌DNA断片中には相補性を示す相
手が存在しないので、もとの鎖が再会合して、末端に用
いたII型制限酵素特有の配列を有する元来の二本鎖D
NAに戻る。かかる末端を有する二本鎖DNAを当該末
端に相補的な制限末端を有するクローニングベクターに
通常公知の方法で組み込むことにより、雄特異的DNA
断片のみが選択的にクローニングベクターに組み込まれ
る。上記組み込み工程を図1に示す。
【0022】上記組み込み反応を行なったクローニング
ベクターを宿主に導入し、適当なマーカーを用いて、ウ
シ遺伝子の導入があったか否かを確認後、所望の遺伝子
を含むDNAクローンを単離する。ここで用いるマーカ
ーは、用いるクローニングベクターに応じて決定される
が、例えばアンピシリン、テトラサイクリン等の抗生物
質、X−gal等を挙げることができる。所望の遺伝子
を含むDNAクローンの単離は、各コロニーよりプラス
ミドDNAを抽出後、これを公知の方法により放射線で
ラベルして、サザンブロット法によりクローニングする
方法や、クローニングベクターがファージの場合には、
プラークハイブリダイゼーション法を用いることにより
クローニングを行なう方法を採ることができる。このク
ローン化されたDNAの塩基配列は、通常公知の方法、
例えばサンガー法により決定することができる。
【0023】さらに、確実な雄特異性を示すクローンを
単離する為に、上記により得られた雄特異的な配列を有
するDNA断片をプローブとして、ウシの雄のDNAゲ
ノムライブラリーから、さらに雄特異的な配列を単離す
るのが好ましい。このDNAの配列も上記と同様に常法
により決定することができる。 2)雌雄で異なった会合像を与えるDNAクローンの単
離 上記1)により得られたDNAをプローブとして、ウシ
のゲノムライブラリーをスクリーニングすることによ
り、多数のクローンを得ることが可能である。
【0024】そして、これらのクローンには多くの場合
15〜20kbの長さのラシY染色体のDNAが含まれ
ている。このように長い配列の中にはY染色体以外のX
染色体や常染色体と会合する配列のDNAが含まれてい
ることがある。かかるDNAを通常公知の方法により単
離、精製後プロープとして使用して、サザンブロットを
行うと、電気泳動像のバンドの数や濃淡に雌雄間で差が
生じる。かかるクローンDNAを利用して雌雄識別用の
PCRプライマーを得るには2つの方法がある。第1の
方法は制限酵素等を利用してDNAをさらに細分化し、
雄特異的に会合する部分と雌雄共通に会合する部分とを
再クローニングするのである。第2の方法は塩基配列決
定後任意の部分をPCRプライマーとして合成し、その
プライマーが雄特異的あるいは雌雄共通のPCR産物を
与えるかを検討するのである。 3)雌雄共通部分に結合するDNA断片の単離 上記2)で示したように、雌雄で異なった会合像を与え
る配列を有するDNAより雌雄共通の部分を抽出するこ
とができる。或いは直接プライマーを作製し、雌雄共通
のPCR産物を与えるものを検索してもよい。
【0025】一方、Y染色体上にはX染色体や常染色体
と会合するDNAも多数存在するため、1)の雄特異的
DNAクローンを単離する際、当該雌雄共通に会合する
配列を有するクローンも単離される可能性が高い。かか
るクローンDNAの塩基配列は通常公知の方法で決定で
きるので雌雄共通に結合するプライマーを作製するのに
利用することができる。 4)PCR用プライマーの調製 上記1)及び3)又は2)により得られた、雄特異的な
塩基配列を有するDNAと雌雄に共通な塩基配列を有す
るDNAの夫々の塩基配列の少なくとも一部によりなる
DNA鎖、ならびにそれぞれのDNAの相補鎖の少なく
とも一部によりなるDNA鎖をPCRプライマーとして
用いることができる。当該PCRプライマーの長さは通
常10〜40mer程度、好ましくは15〜25mer
程度である。かかるPCRプライマーの調製は、制限酵
素を用いて直接上記1)、2)又は3)より得られたD
NAから切り出し、これを1本鎖に分離後精製すること
により実行することも可能であり、直接DNA合成装置
を用いて合成することもできる。調製の確実・容易を期
する必要がある点を考慮すれば、DNA合成装置を用い
て直接調製するのが好ましい。
【0026】次に、ウシの雌雄を決定方法について説明
する。雌雄決定の対象は、ある程度胚が成長し胚から細
胞を分離しても胚に決定的なダメージを与えず、かつ人
工受精法において未だ試験管段階であるものが好まし
い。かかる意味において、栄養外胚葉と内部細胞塊が分
化した胚である胚盤胞を用いるのが好ましい。
【0027】胚盤胞からの細胞の採取は、胚盤胞を培養
液から胚盤胞が生存するに適切な溶液、例えばDulb
eccoの改変リン酸緩衝食塩液に入れ、かかる胚盤胞
から通常公知の方法を用いて細胞を切り出すことによっ
て行なわれる。かかる切り出しは、胚盤胞が容器の内壁
に接着後行なうのが安全を期するうえにおいて好まし
い。切り出しには微小ナイフを用いることが可能で、切
り出し部位は、切り出し後、胚盤胞にダメージを与える
ことが可能な限り少ない部位、例えば栄養外胚葉から切
り出すのが好ましい。なお、採取する細胞の個数は、1
0個程度で十分である。
【0028】この細胞のDNAを通常公知の方法により
抽出し、かかるDNAを鋳型として前出の雄特異的なら
びに雌雄共通の2対のPCRプライマーを用いてPCR
法により、ウシ胚の性別を識別することが可能である。
すなわち、PCR産物をゲル電気泳動にかけ、蛍光染色
し、雄特異的なバンドと雌雄共通のバンドの二本のバン
ドを著明に与える場合には雄胚、雌雄共通の一本のバン
ドを著明に与える場合には雌胚と判別することが可能で
ある。
【0029】なお、上記PCR法の実施に際するPCR
プライマーの選択にあたっては、そのPCR産物同士
が、雄特異的であるか雌雄共通の配列であるかを識別可
能な程塩基の長さが異なっており、かつそれぞれのPC
R産物の長さが、PCR反応に用いるDNAポリメラー
ゼが働き得る長き以内であるように設定することが必要
である。より具体的には、対比するPCR産物同士の塩
基の長さの差は少なくとも20程度、好ましくは50〜
100程度であり、各々のPCR産物の長さは100〜
500、好ましくは150〜300程度となるようにP
CRプライマーを選択するのが好ましい。
【0030】
【発明の効果】本発明により、ウシ胚の雌雄をPCR法
を用いて容易に判別可能なPCRプライマーの提供、及
びかかるPCRプライマーを用いたウシの雌雄の正確か
つ迅速な判別が可能になる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明について具体的に
説明する。
【0032】〔実施例1〕 (1)雄ウシのDNAに特異的に結合するDNAを有す
るクローンの単離 雌ウシ(ホルスタイン種)の肝臓のDNAをフェノール
法(J.Sambrook et al.,Molec
ular loning,Aaboratory
anual,2nd ed.,Cold Sprin
g Harbor Laboratory Pres
s,1989)により調製し、その200μgのDNA
を超音波で処理して1000塩基前後の長さに切断し
た。
【0033】これとは別に、雄ウシ(ホルスタイン種)
の肝臓のDNAを上記と同様の方法により20μg抽出
し、かかる雄ウシDNAを↓GATCを識別して切るI
I型の制限酵素であるMboI(タカラ酒造社製)を至
適条件にて100ユニットを用いて処理し、雄ウシDN
Aを完全に分解した。上記雌雄双方由来のDNA断片を
雌DNA断片50μg及び雄DNA断片1μgを蒸留水
250μl中に入れ、100℃まで加熱して二本鎖DN
Aを一本鎖に変性した。変性後、1Mのリン酸緩衝液
(pH6.8)120μl、5MのNaClO250
μl、フェノール81μl、蒸留水を299μl加え総
量を1mlとして室温で93時間振盪した。フェノール
抽出後水層をとりエタノールでDNAを沈澱させて、こ
れを20μlのTris−EDTA緩衝液に溶解した。
この1μlをとりプラスミドベクターpUC118(タ
カラ酒造社製)をG↓GATCCを認識して切断するB
amHI(タカラ酒造社製)で消化し、5’のリン酸を
除去したもの200μgと16℃下混合し、ライゲーシ
ョンキット(タカラ酒造社製)で2時間処理して、末端
にGATCを有する雄特異性DNAを組み込んだプラス
ミドを調製した。
【0034】上記処理後、反応液をそのままE.col
i DH5α(東京大学応用微生物研究所より入手)に
通常公知の方法により組み込み、色素X−galを(4
0μg/ml)、IPTG(40μg/ml)及びアン
ピシリンを50μg/ml含有するLB寒天培地上にま
き、培養後生じたコロニーのうちから白いもの、すなわ
ちX−galを分解できない組換えプラスミドを有する
コロニー400個を単離した。各コロニーより通常公知
の方法によりDNAを抽出し、ウシY染色体由来DNA
を有するか否かを検定した。すなわち各プラスミドDN
Aをランダムプライマー法により32Pで標識し、別
途、雌雄のウシのDNAをそれぞれ10μg抽出し、E
coRI(タカラ酒造社製)100ユニットで37℃下
完全消化後、ゲル電気泳動にかけ、ナイロン膜にゲル上
のDNAを移し取り、これに上記の標識したプラスミド
を合わせ、各プラスミドが雄ウシDNAと特異的に結合
するか否かをオートラジオグラムにより調べた。
【0035】その結果、図2に示すごとくレーン1の雄
ウシDNAにのみプラスミドDNAが結合するクローン
を得た。なお、レーン2は雌ウシDNAの結果について
示している。当該DNAの塩基配列はサンガー法により
配列番号1に示す配列を有することが判明した。なお、
この配列番号1に示す塩基配列を有するDNAは常法に
より大腸菌に導入され、かかる形質転換体E.c.11
8−bms1は工業技術院微生物工業技術研究所に微工
研菌寄第12648号(FERM P−12648)と
して寄託されている。
【0036】さらに万全を期するために、上記配列番号
1に示すDNA断片をプローブとして、雄ウシDNAを
MboIにより部分分解後、通常公知の方法により、E
MBL3ファージベクター(ストラタジーン社製)に組
み込んで得られたDNAライブラリーを用いてプラーク
ハイブリダイゼーション法を行い、約50万のクローン
よりなるDNAライブラリーより約25万のクローンよ
り上記プローブに反応する28個のクローンを得た。そ
のうち1つのクローンを選択して、DNAを抽出し、E
coRIで37℃下完全分解し、個々のEcoRI断片
につきサザンブロット法により、雄特異的な断片を得
た。このDNA断片の塩基配列をサンガー法で調べた結
果、配列番号2及び配列番号3に示すことが判明した。
【0037】かかる配列番号2及び配列番号3に示した
塩基配列を有するDNAを用いて上記と同じくサザンブ
ロット法による解析を行った結果を図3に示す。図3に
おいてレーン1、2は配列番号2に示した塩基配列を有
するDNAを、レーン3、4は配列番号3に示した塩基
配列を有するDNAをプローブとして使用し、レーン
1、3は雄、レーン2、4は雌のDNAと各プローブを
回合させたものである。
【0038】この結果、配列番号2に示す塩基配列を有
するDNAも配列番号3に示す塩基配列を有するDNA
も、雄DNAとのみ会合することが判明した。このファ
ージクローンは25万のクローンより得られた28個の
クローンの1つである。すなわち、約1万から1クロー
ンを得たということになる。サザンプロット像の強さか
ら各クローンには10〜100のコピー数の存在が考え
られる。一方、ヒトの全ゲノム中に1個存在する遺伝子
をスクリーニングするには通常100万クローンを要す
る。単純に考えれば、もとのクローンはゲノム中に10
00〜10000コピーも存在することになる。したが
って、配列番号1、配列番号2、及び配列番号3に示し
た配列をプローブとして用いれば類似のクローンは容易
に得ることができる。また、PCRでは反応生成物は1
回の反応ごとにほぼ倍増してゆく。1,000は
10、10,000は213に近く、単一コピーを増
幅するのに比べ、反応を10〜13回少なくすることが
できる計算になる。
【0039】なお、上記配列番号2及び配列番号3に示
す塩基配列を有するDNAは常法により大腸菌に導入さ
れ、かかる形質転換体E.c.gem−bms1及び
E.c.gem−bms2は工業技術院微生物工業技術
研究所に微工研菌寄第12642号(FERM P−1
2642)及び微工研菌寄第12643号(FERMP
−12643)として寄託されている。 (2)雌雄のウシのDNAに対して異なった会合像を与
えるDNAを有するクローンの単離 上記(1)で得られた28個のクローンのうち1つを選
択して、DNAを抽出し、そのEcoRI断片につき、
当該断片の塩基配列を解析したところ配列番号4に示す
塩基配列を有することが判明した。この2104塩基に
よりなるEcoRI断片を32Pで標識してプローブと
用いて、サザンブロット法によって解析した結果を図4
に示す。図4においてレーン1は雄DNAとの会合像
を、レーン2は雌DNAとの会合像を示したもので、配
列番号4に示す塩基配列を有するDNAは雌雄双方のD
NAと会合するが、両者間で異なる会合像を与えること
が判明した。
【0040】なお、上記配列番号4に示す塩基配列を有
するDNAは常法により大腸菌に導入され、かかる形質
転換体E.c.gem−bms3は工業技術院微生物工
業技術研究所に微工研菌寄第12644(FERM P
−12644)として寄託されている。 (3)雌雄共通のウシのDNAに結合するDNAを有す
るクローンの単離 実施例1において、雄特異的一次クローンを検索した
際、サザンブロット法で雌雄のDNAに共通に結合する
クローンを20個得ていたので、これらを利用すること
にした。会合の強さなどを勘案し、繰り返し配列よりな
ると予想されるクローン3個選び、上記(1),(2)
と同様にして、これらのクローンDNAのEcoRI−
HindIII断片の塩基配列を決定し、配列番号5、
配列番号6および配列番号7に示した。かかるECOR
I−HindIII断片を32Pで標識してプローブと
して用い、サザンブロット法によって解析した結果を図
5に示す。
【0041】図5において、レーン1・2は配列番号
5、レーン3・4は配列番号6、レーン5・6は配列番
号7に示したDNAを32Pで標識し、サザンブロット
法におけるプローブとして用いたものである。レーン1
・3・5は雄DNA、レーン2・4・6は雌DNAをそ
れぞれEcoRIで分解したものである。この結果よ
り、配列、番号5及び配列番号7に示した配列のコピー
数が極めて多いことがわかった。
【0042】なお、上記配列番号5、配列番号6及び配
列番号7に示す塩基配列を有するDNAは常法により大
腸菌に導入され、かかる形質転換体E.c.118−b
mf1、E.c.118−bmf2及びE.c.118
−bmf3は工業技術院微生物工業技術研究所に微工研
菌寄第12645号(FERM P−12645)、微
工研菌寄第12646号(FERM P−12646)
及び微工研菌寄第12647号(FERM P−126
47)として寄託されている。
【0043】〔実施例2〕 (1)配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列
番号4に示した配列より、雄特異的バンドを与えるPC
R用のプライマーをDNA合成装置(ABI社製)を用
いて合成した。 かかるPCRプライマーは、各々配列番号8、配列番号
9、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列
番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号1
8、配列番号19に表される塩基配列を有するものであ
る。
【0044】この内、配列番号9と配列番号13、配列
番号8配列番号13、配列番号8と配列番号9、配列番
号14と配列番号15、配列番号16と配列番号17、
又は配列番号18と配列番号19で示されるプライマー
対を用いた場合は、PCR反応が進行し、雄特異的なP
CR産物を得ることができたが、配列番号12と配列番
号13の組合せの場合は、PCR反応は進行しなかっ
た。 (2)配列番号5、配列番号6、又は配列番号7に示し
た配列より、上と同様に雌雄共通のバンドを与えるPC
Rプライマーを合成した。
【0045】かかるPCRプライマーは、各々配列番号
10、配列番号11、配列番号20、配列番号21、配
列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号2
5、配列番号26、配列番号27に表される塩基配列を
有するものである。この内配列番号10と配列番号1
1、配列番号20と配列番号21、配列番号22と配列
番号23、配列番号24と配列番号25、又は配列番号
26と配列番号27で示されるプライマー対を用いた場
合には、PCR反応が進行し、雄雌共通のPCR産物を
得ることができた。
【0046】〔実施例3〕 精製した雌雄のウシのDNAを量をかえてとり、ここに
配列番号8、配列番号9、配列番号10、及び配列番号
11に示したプライマーを各20pmol加え、50サ
イクルのPCR反応による遺伝子の増幅を行なった。そ
して、かかるPCR産物をアガロースゲルに載せ電気泳
動を行なった。これをエチジウムブロマイドで染色し、
紫外光照射下、写真を撮影した(図6)。図6におい
て、a,c,e,g,iは雄DNA、b,d,f,h,
jは雌DNAである。a,bは雌雄ウシDNAをそれぞ
れ1ng、c,dは同じく100pg、e,fは同じく
10pg、g,hは同じく1pg、i,jは同じく10
0fgで反応させたものである。kは陰性対照として蒸
留水を用いたものである。
【0047】この結果、試料のDNAは、10pgあれ
ば本発明方法で雌雄を判別可能であることが判明した
(図6、e)。1細胞あたりのDNA量は、約3pgな
ので上記胚盤胞からは3細胞採取すれば十分であること
が示唆された。
【0048】〔実施例4〕ウシ培養細胞を用いた雌雄の
判別 雌雄のウシ肝より、通常公知の方法(日本組織培養学会
編、組織培養の技術、第2版、朝倉書店、1988)に
より、繊維芽細胞を培養し、これをTris緩衝液中で
凍結保存し、これを90℃30分で凍結融解後一定数の
細胞懸濁液を順次希釈し、配列番号8及び配列番号9に
示したプライマーを用いて前記実施例3と同様の方法で
PCRによる遺伝子の増殖を行ない雌雄を判別した。図
7において、レーンa〜eは雄細胞、f〜jは雌細胞、
a,fは上記培養細胞を100細胞用いて判別を行なっ
たもの、b,gは同じく30細胞用いたもの、c,hは
同じく10細胞用いたもの、d,iは同じく3細胞用い
たもの、e,jは同じく1細胞用いたもの、kは実施例
3で用いた雄精製DNA(10pg)を用いたもの、1
は同じく雌精製DNA(10pg)を用いたものであ
る。kは陰性対照としてリン酸緩衝生理食塩水を用いた
ものである。
【0049】この結果、上記培養細胞は10細胞あれば
雌雄の判別に十分であることが判明した。
【0050】〔実施例5〕ウシ胚を用いた雌雄の識別
(1) 通常公知の方法で培養した胚盤胞をDulbeccoの
改変リン酸食塩緩衝液(D.G.Whittingha
m,Nature,233,125−126,197
1)に入れ、約10分間室温にて放置し、無処理のプラ
スチックシャーレの器底に接着させた。かかる胚盤胞を
図8に示すごとく、微小ナイフで二分割した後、栄養外
胚葉の一部を切り出し、胚盤胞細胞を得た。そして、双
方を配列番号8、配列番号9、配列番号10または配列
番号11に示す塩基配列を有するプライマーを用い、本
発明方法によって雌雄を判別した。本発明方法による雌
雄の判別法は、実施例4と同様の方法で行なった。本発
明方法による判別結果を図9に示す。図9において、レ
ーンa,b及びd,eはそれぞれ同一胚盤胞を二分割し
たものであり、c,fはそれぞれの胚を培養した培養液
を陰性対照として用い、g,hはそれぞれ実施例4で用
いた精製した雄雌のDNA(10pg)を陽性対照とし
て用いたものである。その結果、同一胚由来のレーン
a,b双方共陽性対照の雄DNAと同じ長さのPCR産
物を与えたので、この胚は雄であることが想定された。
同じくc,dは陽性対照の雌DNAと同じ長さのPCR
産物を与えたので雌であることが想定された。
【0051】〔実施例6〕ウシ胚を用いた胚の識別
(2) 実施例5と同様に、二分割した胚盤胞より、それぞれ8
個の胚盤胞細胞を得た。そして、それぞれ、二分割した
一方について実施例5と同様の方法で雌雄を判別した。
結果を図10に示す。レーンa〜hは、二分割胚のPC
Rの結果である。iは実施例3で用いた雄精製DNA
(10pg)について、jは同じく雌精製DNA(10
pg)についてのPCRの結果である。その結果a,
b,e,f,hは雄と、c,d,gは雌と判定された。
これらのうち、c,e,gの二分割胚の他方について
は、顕微鏡下、細胞遺伝学的に染色体の核型により雌雄
を判別することが可能であった。すなわち、レーンeの
二分割胚については、図11.aに示すようにX・Y染
色体を有するので雄、c・gについては図11・bに示
すようにX・X染色体を有するので雌と判定された。な
お、当該核型分析は、胚を0.04μg/mlのコルセ
ミド存在下TCM−199培地(L.Leibfrie
d & N.L.First,J.Anim.Sc
i.,53,76〜86(1978))で37℃で2時
間培養し、0.9%のクエン酸ナトリウム溶液で数分間
低張処理を行ない、メタノール、酢酸、水の3:2:1
混合液で固定、ガラススライド上に展開し、ギムザ染色
後、顕微鏡下で観察した。図11において長い矢印はX
染色体を、短い矢印はY染色体を示す。
【0052】
【配列表】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】雄特異的DNA断片をクローニングする方法の
概略図である。
【図2】雄DNAを特異的に識別するクローンを単離し
た電気泳動写真である。
【図3】雄特異的に会合する二次的クローンについての
電気泳動写真である。
【図4】雄特異的及び雌雄共通に会合する部分により構
成されるDNAをプローブとしたときのサザンブロット
像を示す電気泳動写真である。
【図5】雌雄共通の会合像を与えるクローンを用いたと
きのサザンブロット像を示す電気泳動写真である。
【図6】精製雌雄DNAを用いた本発明方法の検出感度
を示す電気泳動写真である。
【図7】ウシの培養細胞を用いた本発明方法の検出感度
を示す電気泳動写真である。
【図8】胚盤胞を器壁に接着させ、栄養外胚葉を切り出
す方法を示す生物の形態写真である。
【図9】本発明方法による二分割ウシ胚細胞の雌雄を判
別した電気泳動写真である。
【図10】本発明方法による二分割ウシ胚細胞の雌雄の
判別した電気泳動写真である。
【図11】分割胚の核型を顕微鏡下において示した生物
の形態写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 鎮世 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2 番 伊藤ハム株式会社 中央研究所内 (72)発明者 中村 豊郎 茨城県北相馬郡守谷町久保ヶ丘1丁目2 番 伊藤ハム株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特表 平6−501386(JP,A) 特表 平3−503357(JP,A) 特表 平3−503358(JP,A) 特表 平5−500453(JP,A) 特表 昭63−500214(JP,A)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1によって表わされる塩基配列
    よりなる雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズする
    DNA。
  2. 【請求項2】 配列番号2によって表わされる塩基配列
    よりなる雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズする
    DNA。
  3. 【請求項3】 配列番号3によって表わされる塩基配列
    よりなる雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズする
    DNA。
  4. 【請求項4】 配列番号4によって表わされる塩基配列
    よりなる雄ウシ特異的及び雌雄ウシに共通に会合する部
    分により構成されるDNA。
  5. 【請求項5】 配列番号1、配列番号2、配列番号3、
    又は配列番号4によって表される塩基配列よりなるDN
    Aをプローブとして用い、雄ウシのDNAとハイブリダ
    イズさせることにより選択されるDNA。
  6. 【請求項6】 少なくとも配列番号1によって表される
    塩基配列よりなるDNA又はその相補鎖の一部によりな
    る雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズするDNA
    プライマー。
  7. 【請求項7】 少なくとも配列番号2によって表される
    塩基配列よりなるDNA又はその相補鎖の一部によりな
    る雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズするDNA
    プライマー。
  8. 【請求項8】 少なくとも配列番号3によって表わされ
    る塩基配列によりなるDNA又はその相補鎖の一部によ
    りなる雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズするD
    NAプライマー。
  9. 【請求項9】 少なくとも配列番号4によって表わされ
    る塩基配列によりなるDNA又はその相補鎖の一部によ
    りなる雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズするD
    NAプライマー。
  10. 【請求項10】 少なくとも配列番号1、配列番号2、配
    列番号3、又は配列番号4によって表される塩基配列よ
    りなるDNAをプローブとして用い、雄ウシのDNAと
    ハイブリダイズさせることにより選択されるDNA又は
    その相補鎖の一部によりなる雄ウシのゲノムに特異的に
    ハイブリダイズするDNAプライマー。
  11. 【請求項11】 配列番号5によって表される塩基配列よ
    りなる雌雄双方のウシのゲノムにハイブリダイズするD
    NA。
  12. 【請求項12】 配列番号6によって表わされる塩基配列
    よりなる雌雄双方のウシのゲノムにハイブリダイズする
    DNA。
  13. 【請求項13】 配列番号7によって表わされる塩基配列
    よりなる雌雄双方のウシのゲノムにハイブリダイズする
    DNA。
  14. 【請求項14】 少なくとも配列番号5によって表される
    塩基配列によりなるDNA又はその相補鎖の一部により
    なる雌雄双方のウシのゲノムに特異的にハイブリダイズ
    するDNAプライマー。
  15. 【請求項15】 少なくとも配列番号6によって表される
    塩基配列によりなるDNA又はその相補鎖の一部により
    なる雌雄双方のウシのゲノムに特異的にハイブリダイズ
    するDNAプライマー。
  16. 【請求項16】 少なくとも配列番号7によって表される
    塩基配列によりなるDNA又はその相補鎖の一部により
    なる雌雄双方のウシのゲノムに特異的にハイブリダイズ
    するDNAプライマー。
  17. 【請求項17】 配列番号8によって表される塩基配列よ
    りなる雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズするD
    NAプライマー。
  18. 【請求項18】 配列番号9によって表される塩基配列に
    よりなる雄ウシのゲノムに特異的にハイブリダイズする
    DNAプライマー。
  19. 【請求項19】 配列番号10によって表される塩基配列に
    よりなる雌雄双方のウシのゲノムに特異的にハイブリダ
    イズするDNAプライマー。
  20. 【請求項20】 配列番号11によって表される塩基配列に
    よりなる雌雄双方のウシのゲノムに特異的にハイブリダ
    イズするDNAプライマー。
  21. 【請求項21】 ウシの胚盤胞の一部を採取し、かかる胚
    盤胞の細胞より、DNAを抽出し、請求項6、請求項
    7、請求項8、請求項9、請求項10、請求項17、又は請
    求項18記載のDNAプライマーにより選ばれる複数の異
    なるDNAプライマー、並びに請求項14、請求項15、請
    求項16、請求項19、又は請求項20記載のDNAプライマ
    ーにより選ばれるそれぞれ1対の異なるDNAプライマ
    ーをPCRプライマーとして用い、PCR法により、上
    記ウシの胚盤胞のDNAの特定部位を増幅させて、これ
    により得られるPCR産物の種類を特定して識別するこ
    とを特徴とするウシ胚の雌雄の識別方法。
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