JP2592876B2 - 感圧性接着剤 - Google Patents

感圧性接着剤

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JP2592876B2 JP62336330A JP33633087A JP2592876B2 JP 2592876 B2 JP2592876 B2 JP 2592876B2 JP 62336330 A JP62336330 A JP 62336330A JP 33633087 A JP33633087 A JP 33633087A JP 2592876 B2 JP2592876 B2 JP 2592876B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はアクリル系感圧性接着剤、つまり接着主成
分としてアクリル系ポリマーを用いた感圧性接着剤に関
する。
〔従来の技術〕
近年、感圧性接着剤は、接着作業性の良さから多くの
分野で利用されており、中でもアクリル系感圧性接着剤
は耐候性,耐熱性,耐劣化性などにすぐれるため、これ
ら性能が要求される分野で特に賞用されている。
ところで、このような感圧性接着剤としては、被着体
特に粗面被着体への濡れ性にすぐれて良好な初期接着力
を発揮し、かつ接着後の被着体に残留する応力に抗しう
る大きな凝集力を有して上記の初期接着力を実質的に維
持できるようなすぐれた耐残留応力性を有し、しかも高
温,高湿下で長時間放置されたときなど苛酷な条件下に
おかれたときに被着体に新たに発生する応力に対しても
充分に抗しうるすぐれた耐久性を備えていることが望ま
れる。
この観点から、アクリル系感圧性接着剤においては、
今日まで、接着主成分として用いるアクリル系ポリマー
のモノマー組成に工夫をこらしたり、あるいはこのポリ
マーとともに適当な粘着付与樹脂、可塑剤などを配合
し、さらに種々の架橋剤を加えて上記ポリマーを架橋す
るなどの接着特性上での改良が種々試みられてきた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記の試みにもかかわらず、前記した
初期接着力特に粗面接着力と耐残留応力性とに共にすぐ
れ、しかも耐久性を高度に満足するようなアクリル系感
圧性接着剤はほとんど見い出されていない。このため、
たとえばこの種の接着剤を発泡体などの弾性粗面の接着
部に適用したときの重ね合わせ部の接着不良や、金属板
と成型品との曲面接着部に適用したときの金属板の弾性
戻りなどによる接着不良などが、特に高温,高湿下で長
時間放置されたときなど苛酷な条件下におかれたときに
多く発生するという問題がなお未解決となつているのが
現状である。
したがつて、この発明は、上記の如き問題を解決しう
る、初期接着力特に粗面接着力と耐残留応力性とに共に
すぐれ、しかも高度の耐久性を備えたアクリル系感圧性
接着剤を提供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検
討した結果、接着主成分として用いるアクリル系ポリマ
ーとして、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体
とする主モノマーと多官能性不飽和モノマーとのコポリ
マーからなる特定分子量構成のアクリル系ポリマーを使
用したときに、粗面接着力にすぐれるうえに、接着後の
被着体の残留応力に抗しうる大きな凝集力が得られ、つ
まり耐残留応力性にすぐれ、しかも苛酷な条件下でもそ
の接着力を保持しうる高度の耐久性を備えた感圧性接着
剤が得られるものであることを知り、この発明を完成す
るに至つた。
すなわち、この発明は、つぎの一般式; (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数が1
〜18のアルキル基である) で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体
とする主モノマーと、この主モノマー100重量部に対し
0.001〜5重量部となる割合の1分子中に2個以上の重
合性炭素−炭素二重結合を有する多官能性不飽和モノマ
ーとのコポリマーからなる、ゲルパーミエーシヨンクロ
マトグラフイー法によつて測定される重量平均分子量が
50万〜150万の範囲にあるとともに、分子量10万以下の
低分子量成分が15重量%以下であるアクリル系ポリマー
を含むことを特徴とする感圧性接着剤に係るものであ
る。
このように、この発明においては、接着主成分となる
アクリル系ポリマーとして、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを主体とする主モノマーと多官能性不飽和モ
ノマーとのコポリマーであつて、ゲルパーミエーシヨン
クロマトグラフイー法によつて測定される重量平均分子
量が50万〜150万の範囲にあるとともに、分子量10万以
下の低分子量成分が15重量%以下の僅かとなる特定分子
量構成のものを用いたことにより、粗面接着力と耐残留
応力性とに共にすぐれ、しかも耐久性を高度に満足し、
またこれら性能が幅広いモノマー組成や接着特性調整の
目的で通常配合される粘着付与樹脂、可塑剤、架橋剤な
どの各種添加剤の幅広い配合組成において安定して発揮
されるアクリル系感圧性接着剤を得ることができ、これ
によれば既述の如き苛酷な条件下における発泡体などの
重ね合わせ部の接着不良や金属板の弾性戻りなどによる
接着不良などの問題をすべて回避しうるという卓越した
効果が奏し得られたものである。
このような作用効果が奏し得られる理由は現在のとこ
ろ必ずしも明らかとはいえない。推測では多官能性不飽
和モノマーの使用によりアクリル系ポリマーが適度な分
枝鎖を有するものとなつてその分枝効果により流動性が
向上し、かつポリマー鎖間のからまりの増加による凝集
力の向上がみられるために、粗面接着力、耐残留応力性
および耐久性のいずれの特性にも好結果が得られ、また
かかるアクリル系ポリマーの低分子量成分を少なくした
ことによつて耐残留応力性や耐久性の改善にさらに一段
と好結果が得られて、かつこれら特性が前記幅広いモノ
マー組成や幅広い配合組成において安定して得られ、一
方上記低分子量成分の存在は粗面接着力を維持するうえ
でそれほど大きな因子とはならず、この接着力の安定化
という面ではこの成分を少なくした方がむしろ好まし
く、特に前記多官能性不飽和モノマーの使用に基づく粗
面接着力の改善効果が上記低分子量成分を少なくするこ
とによつてより良好に発現されるためではないかと思わ
れる。
なお、この明細書において、未架橋のアクリル系ポリ
マーにおけるゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー
法(以下、GPC法という)によつて測定される分子量10
万以下の低分子量成分の重量百分率(以下、これを低分
子百分率Aという)、ならびに架橋後のアクリル系ポリ
マーにおける上記同様の方法によつて測定される分子量
10万以下の低分子量成分の重量百分率(以下、これを低
分子百分率Bという)、はいずれも以下の方法にて測定
算出されるものである。
すなわち、乾燥試料ポリマーを、無数の孔(直径0.2
μm)を有するフツ素樹脂膜で包み、これを酢酸エチル
中に20℃で240時間浸漬して、酢酸エチルに溶出した溶
解性ポリマーの重量百分率(以下、これを百分率Xとい
う)を測定する。つぎに、上記の溶解性ポリマーを用い
たGPC法による分子量重量分布曲線から分子量10万以下
の低分子量成分の重量百分率(以下、これを百分率Yと
いう)を測定する。これらの百分率X,Yから、前記の低
分子百分率A,Bが下記の式にしたがつて、算出される。
なお、未架橋のアクリル系ポリマーはそのほとんどが
溶解性ポリマーである、つまり百分率X=100となるた
め、低分子百分率AはGPC法による実測値である百分率
Yにほぼ一致する。一方、架橋後のアクリル系ポリマー
は通常架橋されたポリマーと未架橋のポリマーとを含
み、後者の未架橋ポリマーはそのほとんどが溶解性ポリ
マーであり、一方前者の架橋されたポリマーは架橋の程
度や架橋前の分子量構成などによつて溶解性ポリマーと
なつたり非溶解性ポリマーとなつたりさらにはこれらの
混合ポリマーとなつたりする。つまり、溶解性ポリマー
の重量百分率Xは上記態様によつて種々の値をとるた
め、低分子百分率BはGPC法による実測値である百分率
Yと一致するとは限らず、非溶解性ポリマーが僅かでも
存在すると上記百分率Yよりも小さくなるのである。
なお、上記のGPC法による分子量重量分布曲線の測定
条件としては、試料濃度1mg/ml、試料導入量500mg、カ
ラム温度40℃、流速1.0ml/分である。
〔発明の構成・作用〕
この発明において用いられる前記の一般式で表される
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、式中の
R2が炭素数1〜18のアルキル基である各種のアクリル酸
アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル
を使用でき、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸オクチルなどを挙げることができる。
このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルは主
モノマーとしてこれ単独で用いてもよいし、これを主体
としてこれと共重合可能な他のモノマーを併用してもよ
い。他のモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレン、ア
クリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸、メタク
リル酸、ビドロキシエチルアクリレート、グリシジルメ
タクリレートなどのアクリル系感圧性接着剤の改質用モ
ノマーとして知られる各種のモノマーをいずれも使用可
能である。これら他のモノマーは(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルとの合計量中50重量%以下とするのが接
着特性上望ましい。
これらの主モノマーとともに使用する1分子中に2個
以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能性不飽
和モノマーとしては、たとえば下記の一般式; (式中、R3,R4は水素原子またはメチル基、nは1〜3
2、好適には1〜15の整数である) で表されるエチレングリコールもしくはポリエチレング
リコールのジアクリレートないしジメタクリレートや、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、1・4−ブタンジオ
ールジアクリレートなどが挙げられる。もちろん、これ
ら以外のモノマーであつても1分子中に2個または3個
以上の重合性炭素−炭素二重結合を有するものであれば
広く使用できる。
この多官能性不飽和モノマーの使用量は、主モノマー
100重量部に対して0.001〜5重量部、好適には0.01〜2
重量部となる割合とされる。この使用量が0.001重量部
未満となつたり、5重量部を超えてしまうと、粗面接着
力、耐残留応力性および耐久性のいずれかの特性が極端
に低下するため、好ましくない。なお、この多官能性不
飽和モノマーの最適使用量は、アクリル系ポリマーの分
子量とも関係し、一般に平均分子量の低いポリマーとす
るときは前記範囲内で多めに使用し、逆に平均分子量の
高いポリマーとするときは少なめに使用するのが好まし
い。
この発明において接着主成分として使用するアクリル
系ポリマーは、上述の如き(メタ)アクリル酸アルキル
エステルを主体とする主モノマーと多官能性不飽和モノ
マーとのコポリマーからなり、GPC法にて測定される重
量平均分子量が50万〜150万の範囲にあるとともに、分
子量10万以下の低分子量成分が15重量%以下、つまり前
記の低分子百分率Aが15%以下、好適には10%以下であ
ることを特徴とした特定の分子量構成を有するものであ
る。
上記の低分子百分率Aが15%を超えるものでは、粘着
付与樹脂や架橋剤などの接着特性調整用の各種添加剤を
配合したとしても、初期接着力、耐残留応力性および耐
久性のすべてを高度に満足させにくく、また幅広いモノ
マー組成や幅広い配合組成においてこれら特性を安定し
て発揮させにくく、この発明の目的とするような接着特
性が高度に改善されたアクリル系感圧性接着剤を得るこ
とが困難となる。
この発明において上記の如き分子量構成とされたアク
リル系ポリマーは、前記のモノマーをアゾ系化合物や過
酸化物などの重合触媒を用いて溶液重合法、エマルジヨ
ン重合法、塊状重合法などの各種重合法で重合させたの
ちに、その重合液に低分子量成分のみを溶解しうる有機
溶媒を加えて上記成分を分別除去する方法や、上記の重
合液またはこれに所要の配合剤を加えたものをテープ状
などの形態としたのちに上記同様の有機溶媒で処理して
低分子量成分を溶出させる方法などにより、容易に得る
ことができる。
また、たとえば溶液重合法において、重合溶媒として
ベンゼン、酢酸メチル、tert−ブチルアルコールなどの
連鎖移動係数の小さいものを使用し、またモノマー濃度
を高くしてできるだけ低温で重合させることによつて
も、つまり重合時の操作条件を選択することによつて
も、この発明の前記分子量構成とされたアクリル系ポリ
マーを得ることは可能であり、さらにこのような重合操
作条件の選択と前記重合後の低分子量成分の除去操作と
を適宜組み合わせるのも有効な方法である。
この発明の感圧性接着剤においては、上記のアクリル
系ポリマーを接着主成分として用いるほか、これに接着
特性調整の目的で通常使用される粘着付与樹脂を配合し
てもよく、この粘着付与樹脂としては、耐熱性の保持の
ために、たとえばテルペンフエノール、キシレン樹脂な
どの中から軟化点が100℃以上のものを選択使用するの
が好ましい。粘着付与樹脂以外の添加剤として、可塑剤
や炭酸カルシウム、微粉末シリカなどの充てん剤、着色
剤、紫外線吸収剤などの公知の各種添加剤を配合するこ
ともできる。これらの添加剤は、いずれもアクリル系感
圧性接着剤に適用される通常の使用量でよい。
また、この発明の感圧性接着剤には架橋剤を配合で
き、この架橋剤によつて前記のアクリル系ポリマーを架
橋させれば接着剤としての凝集力をさらに大きくするこ
とができる。このような架橋剤に代えてベンゾフエノン
などの光増感剤およびN・N−メチレンビスアクリルア
ミドなどの光架橋性化合物を配合し、光架橋させるよう
にしてもよく、この場合も上記同様の効果を奏しうる。
また、これら架橋剤による架橋や光架橋以外に、電子線
照射などの他の架橋手段を採用することによつて上記と
同じ効果を得ることもできる。
前記の架橋剤による架橋において、これに用いる架橋
剤には従来公知のものが広く包含されるが、このうち多
官能性メラミン化合物および/または多官能性エポキシ
化合物、たとえばメチル化トリメチロールメラミン、ブ
チル化ヘキサメチロールメラミン、ジグリシジルアニリ
ン、グリセリンジグリシジルエーテルなどはこの発明の
架橋剤として特に好ましいものである。その使用量とし
ては、前記のアクリル系ポリマー100重量部に対して0.0
01〜10重量部、好適には0.01〜2重量部の範囲とするの
がよい。
また、多官能性イソシアネート化合物の使用も好まし
く、このような化合物としては、たとえばトリレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリ
メチレンポリフエニルイソシアネート、ジフエニルメタ
ンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネー
トの二量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソ
シアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンと
ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリ
エーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシ
アネートなどが挙げられる。これらの中でも、特にトリ
メチロールプロパン1モルとトリレンジイソシアネート
3モルとの反応生成物が最も好適である。これら化合物
の使用量は、前記のアクリル系ポリマー100重量部に対
して0.01〜20重量部、好適には0.05〜15重量部の範囲と
するのがよい。
この発明の感圧性接着剤は、たとえばその溶液タイプ
としたものを被着体にそのまま適用してもよいし、上記
の溶液タイプとしたものを紙、不織布、プラスチツクシ
ート、発泡体シートなどの各種基材の片面または両面に
塗工して所定厚みの接着剤層を形成した基材付き接着テ
ープ、あるいは剥離材上に塗工して所定厚みの接着剤層
を形成した基材レス接着テープなどの各種形態としたう
えで被着体に適用してもよい。
これら適用に際し、被着体、基材または剥離材などに
塗工したのちの乾燥工程やこの工程後の光照射や電子線
照射工程などにより、接着剤層を構成するアクリル系ポ
リマーは適宜架橋処理される。その際、架橋後のアクリ
ル系ポリマーにおけるGPC法にて測定される分子量10万
以下の低分子量成分が全ポリマー中10重量%以下、つま
り前記した低分子百分率Bが10%以下となるようにすれ
ば、初期接着力、耐残留応力性および耐久性をいずれも
満足させるうえでさらに好ましい結果が得られる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明においては、接着主成分とな
るアクリル系ポリマーとして、(メタ)アクリル酸アク
リル酸アルキルエステルを主体とした主モノマーと多官
能性不飽和モノマーとのコポリマーであつて、かつその
低分子量成分が特定量となるような特定の分子量構成と
されたものを用いたことにより、初期接着力、特に粗面
接着力と耐残留応力性とに共にすぐれ、しかも耐久性を
高度に満足し、またこれら性能を幅広いモノマー組成や
幅広い配合組成において安定して発揮させうるアクリル
系感圧性接着剤を得ることができる。
したがつて、この発明に係る感圧性接着剤によれば、
発泡体などの粗面を有する被着体に適用したときの接着
不良や、金属板と成型品との曲面接着部に適用したとき
の金属板の弾性戻りなどによる接着不良などの問題が、
高温,高湿下での長時間放置といつた苛酷な条件下にお
いても発生しにくくなるという卓越した効果が奏し得ら
れる。このため、この発明に係る感圧性接着剤は、通常
の接着剤用途はもちろん上述の如き苛酷な条件下にさら
される用途に対しても有利に使用することができる。
〔実施例〕
つぎに、この発明の実施例を記載してより具体的に説
明する。なお以下、部とあるは重量部を意味し、また以
下の実施例および比較例で用いたアクリル系ポリマー溶
液P-1〜P-9は下記の方法で調製したものである。
〈アクリル系ポリマー溶液P-1〉 アクリル酸n−ブチル87部、アクリル酸メチル10部、
アクリル酸3部、トリエチレングリコールジアクリレー
ト0.15部および重合溶媒としての酢酸エチル300部を三
つ口フラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら2時間
撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去したの
ち、アゾビスイソブチロニトリル0.08部を添加し、55℃
に昇温した。6時間後さらにアゾビスイソブチロニトリ
ル0.04部を添加し、65℃に昇温して6時間の重合反応を
続け、ポリマー濃度が25重量%のアクリル系ポリマー溶
液P-1を得た。
〈アクリル系ポリマー溶液P-2〉 上記のアクリル系ポリーマー溶液P-1の100部にn−ヘ
プタン500部を撹拌しながら6時間かけて滴下し、24時
間静置後上澄液を分離した。その後、上澄液が分離され
たポリマー溶液にトルエン200部を加えて溶解させたの
ちn−ヘプタン250部を上記と同様にして加えて上澄液
を分離する操作をさらに5回繰り返した。このようにし
て得られた最終のポリマー溶液にトルエン100部を加え
たのち、濃縮して、ポリマー濃度が15重量%のアクリル
系ポリマー溶液P-2を得た。
〈アクリル系ポリマー溶液P-3〉 上記のアクリル系ポリマー溶液P-2の調製に際して分
離したすべての上澄液を集め、これを濃縮してポリマー
濃度が35重量%のアクリル系ポリマー溶液P-3を得た。
〈アクリル系ポリマー溶液P-4〉 上記のアクリル系ポリマー溶液P-1とアクリル系ポリ
マー溶液P-2とを重量比が1:1となるように混合して、ポ
リマー濃度が21重量%のアクリル系ポリマー溶液P-4を
得た。
〈アクリル系ポリマー溶液P-5〉 トリエチレングリコールジアクリレート0.15部を用い
なかつた以外は、アクリル系ポリマー溶液P-1の場合と
同様にして、ポリマー濃度が25重量%のアクリル系ポリ
マー溶液P-5を得た。
〈アクリル系ポリマー溶液P-6〉 上記のアクリル系ポリマー溶液P-5に対し、アクリル
系ポリマー溶液P-2の場合と同様の低分子量成分の除去
操作を行つて、ポリマー濃度が15重量%のアクリル系ポ
リマー溶液P-6を得た。
〈アクリル系ポリマー溶液P-7〉 上記のアクリル系ポリマー溶液P-6の調製に際して分
離したすべての上澄液を集め、これを濃縮してポリマー
濃度が35重量%のアクリル系ポリマー溶液P-7を得た。
〈アクリル系ポリマー溶液P-8〉 アクリル酸n−ブチル90部、酢酸ビニル5部、アクリ
ル酸5部、トリメチロールプロパントリメタクリレート
1部、ラウリルメルカプタン0.5部、重合溶媒としての
トルエン150部を三つ口フラスコに投入し、以下アクリ
ル系ポリマー溶液P-1の場合と同様にしてアクリル系ポ
リマー溶液を得た。
つぎに、このポリマー溶液100部にn−ヘプタンを120
部撹拌しながら6時間かけて滴下し、24時間静置後上澄
液を分離した。その後、上澄液が分離されたポリマー溶
液にトルエンを260部加えて溶解させたのち、n−ヘプ
タンを330部上記と同様にして加えて上澄液を分離する
操作をさらに4回繰り返した。このようにして得られた
最終のポリマー溶液にトルエンを150部加えたのち、濃
縮して、ポリマー濃度が10重量%のアクリル系ポリマー
溶液P-8を得た。
〈アクリル系ポリマー溶液P-9〉 アクリル酸2−エチルヘキシル65部、アクリル酸n−
ブチル30部、アクリル酸5部、トリエチレングリコール
ジアクリレート0.05部、重合溶媒としての酢酸エチル23
3部を三つ口フラスコに投入し、以下アクリル系ポリマ
ー溶液P-1の場合と同様にしてアクリル系ポリマー溶液
を得た。
つぎに、このポリマー溶液100部にメタノールを120部
撹拌しながら6時間かけて滴下し、24時間静置後上澄液
を分離した。その後、上澄液が分離されたポリマー溶液
に酢酸エチルを360部加えて溶解させたのち、メタノー
ルを450部上記と同様にして加えて上澄液を分離する操
作をさらに4回繰り返した。このようにして得られた最
終のポリマー溶液に酢酸エチルを45部加えたのち、濃縮
して、ポリマー濃度が15重量%のアクリル系ポリマー溶
液P-9を得た。
なお、これらアクリル系ポリマー溶液P-1〜P-9は、各
ポリマーを構成する溶解性ポリマーの重量百分率(前記
百分率X)、この溶解性ポリマーのGPC法による重量平
均分子量、および同分子量10万以下の低分子量成分の重
量百分率(前記低分子百分率A)が、つぎの第1表に示
されるとおりの分子量構成を有するものであつた。
実施例1 アクリル系ポリマー溶液P-2に、アクリル系ポリマー1
00部に対して1部となる割合の多官能性イソシアネート
化合物〔Bayer(株)の商品名デイスモジユール;トリ
メチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反
応生成物〕を加えて、感圧性接着剤溶液とした。
実施例2 アクリル系ポリマー溶液P-2に代えて、アクリル系ポ
リマー溶液P-4を用いた以外は、実施例1と同様にして
感圧性接着剤溶液を調製した。
比較例1 アクリル系ポリマー溶液P-2に代えて、アクリル系ポ
リマー溶液P-1を用いた以外は、実施例1と同様にして
感圧性接着剤溶液を調製した。
比較例2 アクリル系ポリマー溶液P-2に代えて、アクリル系ポ
リマー溶液P-3を用い、かつ多官能性イソシアネート化
合物の使用量を5部に変更した以外は、実施例1と同様
にして感圧性接着剤溶液を調製した。
比較例3 アクリル系ポリマー溶液P-2に代えて、アクリル系ポ
リマー溶液P-5を用いた以外は、実施例1と同様にして
感圧性接着剤溶液を調製した。
比較例4 アクリル系ポリマー溶液P-2に代えて、アクリル系ポ
リマー溶液P-6を用いた以外は、実施例1と同様にして
感圧性接着剤溶液を調製した。
比較例5 アクリル系ポリマー溶液P-2に代えて、アクリル系ポ
リマー溶液P-7を用い、かつ多官能性イソシアネート化
合物の使用量を5部に変更した以外は、実施例1と同様
にして感圧性接着剤溶液を調製した。
実施例3 アクリル系ポリマー溶液P-8をこれ単独で感圧性接着
剤溶液とした。
実施例4 アクリル系ポリマー溶液P-9に、アクリル系ポリマー1
00部に対して0.3部となる割合の多官能性メラミン化合
物(メチル化トリメチロールメラミン)を加えて、感圧
性接着剤溶液とした。
以上の実施例および比較例の各感圧性接着剤溶液につ
き、以下の方法で粗面接着力、耐残留応力性および耐久
性を調べた。
〈粗面接着力〉 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフイルム上
に各感圧性接着剤溶液を乾燥後の厚さが約50μmとなる
ように流延塗布し、実施例4は140℃,10分間、他は120
℃,10分間の条件で加熱乾燥したのち、幅20mm,長さ100m
mの大きさに裁断して試料片を作製した。この試料片を
スフモスリン85本からなる布に20℃下2kgローラ1往復
にて貼り合わせ、同温度でシヨツパー型剥離試験機によ
り300mm/分の剥離速度でT型剥離して接着力を測定し
た。
〈耐残留応力性〉 厚さ0.4mmのアルミニウム板に各感圧性接着剤溶液を
乾燥後の厚さが約50μmとなるように流延塗布し、実施
例4は140℃,10分間、他は120℃,10分間の条件で加熱乾
燥したのち、幅10mm,長さ80mmの大きさに裁断して試料
片を作製した。この試料片を50mm径のアルミニウム製円
柱に屈曲して貼りつけたのち、40℃で24時間保存したと
きに、試料片が円柱から浮き上がつた距離を測定した。
〈耐久性〉 粗面接着力試験の場合と同様にして幅10mm,長さ80mm
の試料片を作製し、これをZIS Z-0237に定めるステンレ
ス板に接着面積が10mm×20mmとなるように20℃下で貼り
合わせたのち、80℃の雰囲気下500gの垂直荷重を負荷し
て、落下するまでの時間を測定した。
これらの試験結果は、つぎの第2表に示されるとおり
であつた。なお、同表には参考のために、各試験で作製
した試料片の接着剤層を構成するアクリル系ポリマーに
つき、その溶解性ポリマーの重量百分率(前記百分率
X)および分子量10万以下の低分子量成分の重量百分率
(前記低分子百分率B)を併記した。
上記第2表の結果から、この発明に係る感圧性接着剤
は、粗面接着力、耐残留応力性および耐久性のすべての
特性をいずれも満足するものであることが明らかであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 直満 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (72)発明者 板野 登 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−155268(JP,A) 特開 昭61−47772(JP,A) 特開 昭58−40377(JP,A) 特開 昭58−87171(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】つぎの一般式; (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数が1
    〜18のアルキル基である) で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体
    とする主モノマーと、この主モノマー100重量部に対し
    0.001〜5重量部となる割合の1分子中に2個以上の重
    合性炭素−炭素二重結合を有する多官能性不飽和モノマ
    ーとのコポリマーからなる、ゲルパーミエーシヨンクロ
    マトグラフイー法によつて測定される重量平均分子量が
    50万〜150万の範囲にあるとともに、分子量10万以下の
    低分子量成分が15重量%以下であるアクリル系ポリマー
    を含むことを特徴とする感圧性接着剤。
  2. 【請求項2】アクリル系ポリマーが架橋されてなる特許
    請求の範囲第(1)項記載の感圧性接着剤。
  3. 【請求項3】架橋後のアクリル系ポリマーにおけるゲル
    パーミエーシヨンクロマトグラフイー法によつて測定さ
    れる分子量10万以下の低分子量成分が全ポリマー中10重
    量%以下である特許請求の範囲第(2)項記載の感圧性
    接着剤。
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