JP2591056B2 - 芳香族ポリエステルおよびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエステルおよびその製造方法

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JP2591056B2 JP9484588A JP9484588A JP2591056B2 JP 2591056 B2 JP2591056 B2 JP 2591056B2 JP 9484588 A JP9484588 A JP 9484588A JP 9484588 A JP9484588 A JP 9484588A JP 2591056 B2 JP2591056 B2 JP 2591056B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は を含有する芳香族ポリエステルに関するものである。
このポリエステルは溶融時に液晶性を示すので流動性
が良く成形性にすぐれ、かつ弾性率及び衝撃強度が高
く、更に高い耐熱性を有するポリエステルのため、精密
部品や電気・電子材料や自動車用部品等の成形品やフィ
ルム、繊維等として利用されうる。
〔従来技術と問題点〕
を含有するポリエステルとしては、USP4,237,259及びUS
P4,268,647の中に(1)と からなるポリエステルの記載があるが、液晶性を示す等
の記載や機械物性値等の記載は全くない。
を用いたポリエステルとしては、代表的なものとしてU
−ポリマー がある。これは(6)と の共重合体であり、耐衝撃性にすぐれたポリマーである
が、これは非晶性であることと同時に分子鎖中にイソプ
ロピリデン基 を含有しているためと思われる。
しかしながら、(9)が非常にフレキシブルで、キン
ク性のため液晶性は全くなく、それどころか、ポリマー
鎖同志でからみ合うため、溶融粘度の非常に高いポリエ
ステルが得られ、成形性に難のあるポリマーとなる。
一方、成形時に液晶性を示すポリエステルは成形性に
すぐれるため近年非常に注目をあびている。
そうした液晶性ポリエステルとしては、剛直成分に
(i)アルキレン鎖のようなフレキシブル成分を導入し
たり、 等のキング成分を導入したり(iii)芳香族環に置換基
を導入したりする方法によって得られている。
その中で(ii)による方法を用いた例は多々あるが、
その中で の成分を用いた液晶ポリマーの検討例としては例えばマ
クロモレキュールズ(Macromolecules14 1405('8
1))がある。この文献は(2)タイプ(いわゆる4,4′
−官能基タイプ)および(3)タイプを検討している
が、この中で特に(9)を用いた場合は少量添加すると
大幅に液晶性が低下し、25%含有系ではもはや液晶性を
示さないことが示されている。
又、特開昭61−73730によると、(9)を用いて可撓
性を付与しているが、この場合異方性の緩和という記載
や実施例における弾性率の大幅低下より、液晶性が大幅
に低下していることは明らかである。
〔問題点を解決するための手段〕
可撓性を付与し、かつ液晶性を高め、耐熱性を有する
液晶ポリエステルについて鋭意検討した結果、非常に驚
くべきことに、 3,4′−官能基を有する(1)と、 を用いた芳香族ポリエステルは上記目的を達成すること
を見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、 (1)(イ) 1〜35当量%の式(1)で示される2,2
−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン残基 (ロ) 1〜20当量%の式(2)、(3)、(4)で示
されるジオール化合物残基のうちの少なくとも1種、 (ここにXは炭化水素基、酸素原子、イオウ原子、スル
ホニル基、カルボニル基またはエステル基を示し、Rは
炭化水素基を示し、nは1〜4の整数を示す。) (ハ) 0〜35当量%の式(5)で示される4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルおよび/又は式(6)で示される
ハイドロキノン残基 (ニ) 5〜45当量%の式(7)で示されるテレフタル
酸残基および/又はイソフタル酸残基 (ホ) 15〜90当量%の式(5)で示されるp−オキシ
カルボン酸残基および/又はm−オキシカルボン酸残基 から成る芳香族ポリエステルで、(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)、(7)の当量数を
〔1〕〔2〕〔3〕〔4〕〔5〕〔6〕〔7〕で表わす
と 0.9(〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕+〔5〕+
〔6〕)/〔7〕1.1 であり、かつ320℃、100sec-1での溶融粘度が30ポイズ
以上の芳香族ポリエステル、および、出発原料として、 (ヘ) 1〜35モル%の式(10)で表わされる2,2−
(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン (ト) 1〜20モル%の式(11)、(12)、(13)で表
わされるジヒドロキシ化合物のうちの少なくとも1種、 (ここにXは炭化水素基、酸素原子、イオウ原子、スル
ホニル基、カルボニル基、エステル基を示し、Rは炭化
水素基を示し、nは1〜4の整数を示す) (チ) 0〜35モル%の式(14)で表わされる4,4′−
ジヒドロキシジフェニルおよび/又は式(15)で表わさ
れるハイドロキノン、 (リ) 5〜45モル%の式(16)で表わされるテレフタ
ル酸および/又はイソフタル酸、 (ヌ) 15〜90モル%の式(17)で表わされるp−ヒド
ロキシ安息香酸および/又はm−ヒドロキシ安息香酸、 またはこれらの誘導体を使用し、系中で酸無水物を添加
して反応させ、100〜400℃の温度において酸及び酸無水
物を留去しつつ反応させることを特徴とする全芳香族ポ
リエステルの製造方法に存する。
本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリエステルにおいては、その構成成
分として前記(イ)の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル)プロパン残基を含有することが必須の要件であ
り、その含有比率は全成分合計を100当量%として1〜3
5当量%であり、1当量%以上存在するだけで液晶性を
高めその結果弾性率の向上や、成形性の良化をもたら
す、という驚くべき特徴を有する。好ましくは2当量%
以上30当量%以下、さらに好ましくは4当量%以上、27
当量%以下である。35当量%を超えるとコスト的な問題
から好ましくない。
又本発明の芳香族ポリエステルにおいては、その構成
成分として前記(ロ)の化合物残基、すなわち以下の式
(2)、(3)、(4)で示されるジオール化合物残基
のうちの少なくとも1種、 (ここにXは炭化水素基、酸素原子、イオウ原子、スル
ホニル基、カルボニル基またはエステル基を示し、Rは
炭化水素基を示し、nは1〜4の整数を示す。) を含有することが必須の要件である。
その含有比率は全成分合計を100当量%として1〜20
当量%であり、驚くべきことにこのような成分を加える
ことによって液晶性を低下させることなく、すなわち、
あまり弾性率を低下させることなく、かつ、さほど成形
性を低下させることなく、耐熱性の向上をはかり、更に
耐衝撃性の向上をもはかることが可能となった。
該ジオール化合物残基の含有比率は、好ましくは2〜
10当量%、更に好ましくは3〜8当量%である。20当量
%を超えると液晶性が低下し、好ましくない。これらは
単独で用いてもよいし、混合物として使用してもよいが
単独で用いることが好ましい。
(2)の残基としては、2,2−(ビス4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル、(4−ヒドロキシフェニル)−4
−ヒドロキシベンゾエート等の残基が挙げられる。
(3)の残基としてはレゾルシノールの残基が挙げら
れる。
(4)の残基としてはメチルハイドロキノン、2,3,5
−トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノ
ン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、フェニルハ
イドロキノン等の残基が挙げられる。
このうち特に、2,2−(ビス4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、レゾルシノール、t−ブチルハイドロキノンの残基
が好ましい。
本発明の芳香族ポリエステルは、その構成成分として
前記(ハ)の化合物残基、すなわち式(5)で示され
る、4,4′−ジヒドロキシジフェニルおよび/又は式
(6)で示されるハイドロキノン残基、 を含有してもよい。
これらを含有することによって耐熱性を高めることが
できるので好ましいが、この成分を導入しなくても液晶
性(高弾性率、良好な成形性)の付与は可能である。
(ハ)の含有比率は全成分合計を100当量%として0
〜35当量%、好ましくは0〜30当量%、さらに好ましく
は0〜20当量%である。
耐熱性を高めたいときには、好ましくは2〜30当量
%、さらに好ましくは5〜20当量%である。
35当量%を超えると成形性が悪くなり好ましくない。
これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。
本発明の芳香族ポリエステルは更に、その構成成分と
して前記(ニ)の(7)式で示されるテレフタル酸残基
および/又はイソフタル酸残基を含有する。
(ニ)の含有比率は全成分合計を100当量%として5
〜45当量%、好ましくは10〜40当量%、更に好ましくは
15〜35当量%である。
5当量%未満又は45当量%を超えるときは、いずれも
成形性が悪化し好ましくない。
前記(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の各成分の当量数は、 0.9(〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕+〔5〕+
〔6〕)/〔7〕1.1 になるようにするのが好ましく、特に 0.95(〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕+〔5〕+
〔6〕)/〔7〕1.05 が好ましい。
テレフタル酸残基、イソフタル酸残基それぞれ単独に
用いても併用してもよい。併用するときはテレフタル酸
残基の量がイソフタル酸残基の量より多いのが好まし
い。
本発明の芳香族ポリエステルは更に、その構成成分と
して前記(ホ)の(8)式で示される芳香族オキシカル
ボン酸残基を含有する。
(8)式で示される芳香族オキシカルボン酸残基の具
体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキ
シ安息香酸の残基が挙げられる。
これらの残基はそれぞれ単独に用いてもよいし、併用
してもよい。p−ヒドロキシ安息香酸残基と、m−ヒド
ロキシ安息香酸残基を併用するときは、p−ヒドロキシ
安息香酸残基量をより多くすることが好ましい。
(ホ)の含有比率は全成分合計を100当量%として15
〜90当量%、好ましくは20〜80当量%、さらに好ましく
は20〜70当量%である。
ここに挙げた成分以外の成分を若干含有(通常約3当
量%以下)することは一向に差し支えない。
これらの構成成分を含有することにより、驚くべきこ
とに、生成ポリマーは溶融相において光学的に異方性を
示し(液晶性を示し)、そのため成形性にすぐれ、かつ
高弾性率を有し、又耐衝撃性にすぐれさらに耐熱性の良
好な全芳香族ポリエステルが得られ、かつ従来の装置で
製造できることを見出した。
特に、前記(1)の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル)プロパン残基を含有することにより、従来のポ
リエステル製造装置(例えば、たて型のポリエチレンテ
レフタレート製造装置)を利用しても槽の底からポリマ
ーを抜き出すことができるという大きなメリットがある
ことがわかった。(以下、抜出し性と表現する) それは(1)の2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル)プロパン残基と(7)及び(8)の成分を組み合わ
せることにより、流動開始温度が低くなることによると
考えられる。
一方、物性的には耐熱性にすぐれるポリマーが得られ
る。例えばバイブロン(110Hz)で測定した40℃、150℃
における複素弾性率/E/をそれぞれ/E/40,/E/150
とすると、 でかつ/E/1504.0×1010dyne/cm2 /E/408.0×1010dyne/cm2 という特徴を有する。組成を選べば /E/1508.0×1010dyne/cm2、 /E/4012.0×1010dyne/cm2 である。
又、耐衝撃性にすぐれている。三菱化成法ダンベルを
用いて耐衝撃性試験(Izod衝撃試験)を測定すると Izod衝撃値7kg・cm/cmであり、 組成を選べば15kg・cm/cmとなる。
またレオロジー的には溶融粘度が低く、成形性が良好
である。
これらの結果は2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル)プロパン残基特有の構造に由来するものである。
(1)を用いた場合は、分子模型を組んでみるとよく
わかるように、分子鎖は (キンク)になるというよりも (クランクシャフト)的になり、これが液晶性に大きく
寄与し、このようなクランクシャフト成分を用いること
が液晶ポリマーには非常に有効と考えられる。((6)
(キンク)になり、しかもねじれを伴っている) このことから(1)を用いた全芳香族ポリエステルの
方が剛直で、からみ合いが少ないことが予想され、
(1)の構造が液晶性に大きく寄与することがわかる。
又、(1)の残基を持つ化合物の分子内に をもつことから、ポリエステルの主鎖中に 基を導入でき、そのため耐衝撃値が大きくなるものと推
定される。
さらに本発明において、(1)の2,2−(3,4′−ジヒ
ドロキシジフェニル)プロパン残基に(2)、(3)、
(4)の少なくとも1つの残基を加えることにより、驚
くべきことに、液晶性を維持したまま耐熱性や耐衝撃性
を向上させることができるということを見出した。
耐熱性として、この場合流動開始温度の向上を挙げる
ことができる。
本発明の芳香族ポリエステルを製造するには、所定比
率の(イ)の(1)で示される2,2−(3,4′−ジヒドロ
キシジフェニル)プロパン残基、(ロ)の(2)、
(3)、(4)の少なくとも1つの化合物残基、必要な
らば(ハ)の(5)、(6)の少なくとも1つの化合物
残基、さらに(ニ)のテレフタル酸残基および/又はイ
ソフタル酸残基、(ホ)のp−オキシ安息香酸残基およ
び/又はm−オキシ安息香酸残基、あるいは、これ等の
誘導体を原料として、周知の重合方法、例えば、溶融重
合法、溶液重合法または界面重合法等に従って処理すれ
ばよい。とくに溶融重合法は、重合反応後の後処理が不
要であるため工業的生産上有利であり、また、溶液重合
法及び界面重合法は、重合反応が比較的低温で実施し得
る利点がある。
溶融重合法の場合は、前記の原料成分の一部を、アシ
ル化物又はエステルとして使用し、200〜400℃の温度で
重合する方法、あるいは前記原料成分にアシル化剤を加
えて重合する方法が採られる。
また、溶液重合法または界面重合法では、カルボン酸
残基に対応する原料モノマーとして、一般に酸ハライド
とくに酸クロライドが用いられ、界面重合法では原料の
オキシ残基は塩にしておく要がある。
本発明の全芳香族ポリエステルは320℃100sec-1での
溶融粘度が30ポイズ以上であることが必須であり、30ポ
イズ未満では充分な強度が得られない。320℃、100sec
-1での好ましい溶融粘度は100ポイズ以上、特に100〜1
0,000ポイズが成形性の点で好適である。
320℃で溶融しない場合は溶融粘度は∞ということと
し、その場合もこの範ちゅうに入るものとする。
特に本発明における製造法はコスト、作業性等の面か
らすぐれている。すなわち本発明である製造方法は、出
発原料として、 (ヘ) 1〜35モル%の式(10)で表わされる2,2−
(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、 (ト) 1〜20モル%の式(11)、(12)、(13)で表
わされるジヒドロキシ化合物のうちの少なくとも1種、 (ここにXは炭化水素基、酸素原子、イオウ原子、スル
ホニル基、カルボニル基、エステル基を示し、Rは炭化
水素基を示し、nは1〜4の整数を示す。) (チ) 0〜35モル%の式(14)で表わされる4,4′−
ジヒドロキシジフェニルおよび/又は式(15)で表わさ
れるハイドロキノン、 (リ) 5〜45モル%の式(16)で表わされるテレフタ
ル酸および/又はイソフタル酸、 (ヌ) 15〜90モル%の式(17)で表わされるp−ヒド
ロキシ安息香酸および/又はm−ヒドロキシ安息香酸、 またはこれらの誘導体を使用し、系中で酸無水物を添加
して反応させ、100〜400℃の温度において酸及び酸無水
物を留去しつつ反応させる。
これら生成ポリエステルの組成は仕込原料組成と同等
なので所望のポリエステルの組成となるように仕込原料
組成を決めればよい。
触媒としてはBuSnOOH,Bu2SnO,Ti(OiPr)4,Zn(OAc)
2,Sn(OAc)等が用いられるが使用しなくてもよい。
酸無水物(18)としては無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水安息香酸等を挙げることができる。特に無水酢
酸(19)が好ましい。使用する酸無水物のモル数を〔1
9〕とすると、 0.8〔19〕/(2〔10〕+2〔11〕+2〔12〕+2〔1
3〕+2〔14〕+2〔15〕+〔17〕)2.0 特に1.0以上1.5以下が好ましい。
反応温度としては100℃〜400℃の温度いずれも使用す
ることが可能であるが、酸無水物を添加して、アシル化
を主に行うときは100〜200℃程度、その後縮合を主に行
うときは昇温し、250〜400℃を使用することが好まし
い。酸や酸無水物の留去のためにN2やAr等の不活性ガス
をフローしたり、減圧を適用したりすることが可能であ
る。
以上のような製造法をとることにより、従来のポリエ
ステル特にポリエチレンテレフタレート製造用のイカリ
翼やヘリカル翼をもったたて型撹拌装置を使用しても、
本発明のポリマーは反応器からとり出すことが可能であ
るという操作上の利点のあることがわかった。
またさらに重合度を高めたい場合は固相重合を適用す
ることも可能である。
本発明の共重合ポリエステルは溶融相において光学的
に異方相を示しうるので流動性が非常に良く、そのため
成形性が良好で押出成形、射出成形、圧縮成形等の一般
的な溶融成形を行なうことが可能であり、成形品、フィ
ルム、繊維等に加工することができる。
特に高流動であることより精密成形品等に適してい
る。
又、成形時に本発明の共重合ポリエステルに対し、ガ
ラス繊維、炭素繊維等の繊維類、タルク、マイカ、炭酸
カルシウム等のフィラー類、核酸、顔料、酸化防止剤、
滑剤、その他安定剤、難燃剤等の充てん剤や添加剤、熱
可塑性樹脂等を添加して成形品に所望の特性を付与する
ことも可能である。
又、他のポリマーとのブレンドやアロイ化によって他
のポリマーの特徴と本発明の芳香族ポリエステルの両方
の長所を合わせもつ組成物を創出することも可能であ
る。
〔実施例〕
次に本発明を実施例について更に詳細に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。
なお、実施例中の溶融粘度の測定には、キャピラリー
レオメーター(インテスコ社製)を用い、温度320℃、
剪断速度()100sec-1、シリンダーノズルの長さ/直
径=30を使用した。
赤外分光光度計はNicolet社製の20DXBFT−IRを使用し
た。ポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解
させるか、又はKBrディスクにてテストサンプルとし
た。
成形は日本製鋼社製0.1oz射出成形機を用いて行い、
成形片を作成した。
バイブロンは東洋ボールドウィン社製のレオバイブロ
ンを用い上の成形片を110Hz下で使用した。
衝撃強度は、上記の成形片を使ってIsod衝撃試験機に
より測定した。
光学異方性はホットステージ付き偏光顕微鏡を用いて
行った。
流動開始温度はバイブロンのデータから判断した。
実施例1 撹拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス重合管に
p−ヒドロキシ安息香酸71.6g(0.52モル)、テレフタ
ル酸21.5g(0.13モル)、2,2−(3,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル)プロパン7.4g(0.03モル)、2,2−(4,4′
−ジヒドロキシジフェニル)プロパン7.4g(0.03モ
ル)、4,4′−ジヒドロキシジフェニル12.1g(0.06モ
ル)を仕込み、減圧−窒素置換を3回繰り返し、最後に
窒素を満たした。
これに無水酢酸87.3gを滴下し、撹拌を開始し、重合
管を150℃のオイルバスに浸漬し、1時間撹拌を続けア
セチル化を行なう。その後0.5/minの流量の窒素気流
下におきオイルバスの温度を320℃まで90分かけて昇温
する。
ここで徐々に減圧を適用し25分間重合を行なった。
このポリマーは自重で流れ、反応器の底からとりだす
ことが可能であった。取出し後このポリマーを240℃で
3時間固相重合をした。こうして得られたポリマーの溶
融粘度(320℃、100sec-1)は470ポイズであった。
さらにこのポリマーを0.1oz射出成形機で成形し、そ
の成形片のバイブロンを測定した。
バイブロンより/E/40 =14.3GPa /E/150= 8.2GPa であった。
衝撃強度は24.5kg・cm/cmであった。
またこのポリマーは約310℃以上で流動開始し、光学
異方性を示した。このポリマーのIRチャートを第1図に
示す。
このポリマーの組成は (1)/(2)/(5)/(7)/(8)=4.2/4.2/8.
4/16.8/63.4 であった。
実施例2〜13 各成分の組成を第1表のようにかえた以外は、実施例
1と同様に行ない、ポリマーを製造した。各種物性の測
定結果を第1表にまとめた。
比較例1 実施例1では2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル)プロパンと2,2−(ビス−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンをそれぞれ0.03モルずつ使用したが、比較
例1では2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロ
パンを使用せず、2,2−(ビス−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンを0.06モル使用した。
それ以外はすべて実施例1と同様に行った。
実施例1と同様に成形を行い、バイブロンを測定した
ところ、このポリマーは/E/40=4.8GPaであった。
比較例2 実施例6の 残基4当量%を 残基にかえた以外は実施例6と同様に行なったところ、
生成ポリマーの成形品のバイブロンによる/E/40は5.2
GPaであった。
〔発明の効果〕 本発明の芳香族ポリエステルは優れた耐熱性を有し、
かつ溶融相で液晶性を示すので流動性にすぐれ、そのた
め成形性にすぐれるという特徴を有する。又、力学的特
性としては弾性率が高く、耐衝撃強度にも非常にすぐれ
ている。また本発明の芳香族ポリエステルは350℃以下
の温度で成形できるという特徴を有する。
以上の性状に基づいて、本発明の芳香族ポリエステル
は射出成形体、フィルム、繊維等の用途に利用される。
また、本発明の全芳香族ポリエステルは、一般に330
℃以下の温度で溶融状態を示すことから、溶融重合法に
より製造した場合、反応後、加圧することにより、ある
いは自重により、生成ポリマーを反応容器から容易に採
り出すことができる操作上の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1で得られた芳香族ポリエステ
ルのIRチャート図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ) 1〜35当量%の式(1)で示され
    る2,2−(3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン残
    基、 (ロ) 1〜20当量%の、式(2)、(3)、(4)で
    示されるジオール化合物残基のうちの少なくとも1種、 (ここにXは炭化水素基、酸素原子、イオウ原子、スル
    ホニル基、カルボニル基またはエステル基を示し、Rは
    炭化水素基を示し、nは1〜4の整数を示す。) (ハ) 0〜35当量%の式(5)で示される4,4′−ジ
    ヒドロキシジフェニルおよび/又は式(6)で示される
    ハイドロキノン残基、 (ニ) 5〜45当量%の式(7)で示されるテレフタル
    酸残基および/又はイソフタル酸残基、 (ホ) 15〜90当量%の式(5)で示されるp−オキシ
    カルボン酸残基、および/又はm−オキシカルボン酸残
    基、 から成る芳香族ポリエステルで、(1)、(2)、
    (3)、(4)、(5)、(6)、(7)の当量数を
    〔1〕〔2〕〔3〕〔4〕〔5〕〔6〕〔7〕で表わす
    と 0.9(〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕+〔5〕+
    〔6〕)/〔7〕1.1 であり、かつ320℃、100sec-1での溶融粘度が30ポイズ
    以上の芳香族ポリエステル。
  2. 【請求項2】出発原料として (ヘ) 1〜35モル%の式(10)で表わされる2,2−
    (3,4′−ジヒドロキシジフェニル)プロパン、 (ト) 1〜20モル%の式(11)、(12)、(13)で表
    わされるジヒドロキシ化合物のうちの少なくとも1種、 (ここにXは炭化水素基、酸素原子、イオウ原子、スル
    ホニル基、カルボニル基、エステル基を示し、Rは炭化
    水素基を示し、nは1〜4の整数を示す。) (チ) 0〜35モル%の式(14)で表わされる4,4′−
    ジヒドロキシジフェニルおよび/又は式(15)で表わさ
    れるハイドロキノン、 (リ) 5〜45モル%の式(16)で表わされるテレフタ
    ル酸および/又はイソフタル酸、 (ヌ) 15〜90モル%の式(17)で表わされるp−ヒド
    ロキシ安息香酸および/又はm−ヒドロキシ安息香酸、 またはこれらの誘導体を使用し、系中で酸無水物を添加
    して反応させ、100〜400℃の温度において酸及び酸無水
    物を留去しつつ反応させることを特徴とする全芳香族ポ
    リエステルの製造方法。
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