JP2588222B2 - トルク検出方法 - Google Patents

トルク検出方法

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JP2588222B2 JP62308542A JP30854287A JP2588222B2 JP 2588222 B2 JP2588222 B2 JP 2588222B2 JP 62308542 A JP62308542 A JP 62308542A JP 30854287 A JP30854287 A JP 30854287A JP 2588222 B2 JP2588222 B2 JP 2588222B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トルク伝達軸系のトルクを検出するトルク
検出方法に係り、特に、高速回転するトルク伝達軸系の
トルク、たとえば細いドリルの切削トルクを、高精度に
検出するに好適なトルク検出方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の、トルク伝達軸系のトルクを検出するトルク検
出装置は、たとえば特開昭57−1940号公報記載のよう
に、歪ゲージを貼つた弾性体をトルク伝達軸系内に挿入
し、スリツプリングを介して、すなわち接触式で、前記
歪ゲージからの信号を取り出すものが一般的であつた。
非接触式でトルクを検出する方法としては、トルク負荷
にともなう回転軸の回転数の低下を測定するものが、昭
和59年度精機学会秋季大会学術講演会論文集第723頁か
ら第726頁に論じられており、これは比較的大きいトル
クが負荷されるとき、あるいは回転数の小さいときのト
ルク検出には有効な方法であつた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術において、歪ゲージ,スリツプリングに
よるトルク検出装置では、接触点が存在するために、高
速回転ではその接触点での熱発生等によりノイズが大き
くなり、正確な測定が困難であり、高精度な測定ができ
なかつた。また、回転軸に作用するトルクによる回転数
の低下を測定して非接触でそのトルクを検出する装置
は、前記回転軸の慣性のために、該軸にトルクが作用し
てからその回転数が低下するまでの時間遅れが大きく、
応答性が悪い等の問題点があつた。
これに対し、本発明者らは、高速回転においても応答
性のよいトルク測定を可能とするトルク検出方法および
その装置として、特開昭62−247222号公報記載のものを
開発した。
当該公報記載の方法は、トルク伝達軸系の所定位置に
そのトルクの大きさに追従して変形する弾性体リングを
設けて前記トルク伝達軸系を回転させ、前記回転時の弾
性体リングの変形量を該弾性体リングに対向配置した非
接触変位センサで検出するものである。
しかし、前記非接触変位センサで測定される信号は、
弾性体リングの弾性変形によるトルク信号のほかに、該
弾性体リングと負荷軸との機械的な偏心に起因する交流
的なドリフト電圧信号が重畳されていることについて配
慮されていなかった。
本発明は、上記特開昭62−247222号公報記載の発明を
的確に実施しうるように改良し、実用化を進めたもので
ある。
本発明は、上記した従来技術の実情に鑑みてなされた
もので、本発明の目的は、高速回転するトルク伝達軸系
に作用するトルクを、高精度に、かつ優れた応答性で測
定することができるトルク検出方法を提供することにあ
る。
特に、トルクセンサ信号から、ドリフト信号の影響が
排除された高精度のトルク測定が可能なトルク検出方法
を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本発明に係るトルク検出
方法の構成は、駆動軸と負荷軸との間に設けられた薄肉
円筒で、該円筒の側面の両側から、円周上の互いに対向
する位置に2個の接続部が形成されるように第1の切り
込みを設け、さらに円筒軸上の当該第1の切り込みとは
異なる位置に、前記第1の切り込みと同一形状で、かつ
略90゜回転した位置に第2の切り込みを設け、前記第1
と第2の切り込みで挾まれた部分が負荷軸側に発生する
トルクにより半径方向に変形を生じる弾性体リングを備
え、この弾性体リングの半径方向の変形を検出する第一
の検出手段と、前記駆動軸上に設けたマーカの位置を検
出する手段とを有する装置において、前記第一の検出手
段により計測する無負荷時の前記弾性体リングの半径方
向の変形と使用ドリルによって決まる最低折損トルクと
を加算したしきい値を予め設定し、負荷時に、前記マー
カを検出し、その検出したタイミングで、前記第一の検
出手段により前記弾性体リングの円筒のいずれかの接続
部から略45゜回転した個所の変位信号を取り込み、該変
位信号をデジタル信号に変換して、該デジタル信号と、
予め設定したしきい値とを比較し、前記デジタル信号の
値が前記しきい値を越えたときにオーバーロード信号を
出力するものである。
さらに詳細に説明すると、次のとおりである。
上記目的は、駆動軸と負荷軸との間に、トルクによつ
て半径方向へ変形し易い形状の弾性体リング(詳細後
述)を取り付け、この弾性体リングの変形を測定するた
めの、非接触式変位計としての第1の検出手段に係るト
ルクセンサ(詳細後述)と、駆動軸上についたマーカ
(これは、光学的な反射テープ,駆動軸上に刻んだ溝な
ど)の位置を検出する手段に係る位置センサ(詳細後
述)とを設け、トルクセンサからの信号、すなわちトル
クセンサ信号を制御装置のホールド器へ入力し、位置セ
ンサからの周期的なパルス信号、すなわち回転位置セン
サ信号でサンプリングすることにより、前記トルクセン
サ信号から、前記マーカの位置に対応する弾性体リング
上の一定点のトルク信号を抽出し、この信号を記憶,保
持し、その値がしきい値を超えた時に、オーバロード信
号を出力し、さらにその出力信号に基づいてトルク負荷
を解除することにより達成される。
前記弾性体リングは、軸方向に3分割した部分からな
り、中央部の円環状の弾性変形部の両側へ互いに90゜位
相がずれた接続部で円環状の締結部を接続してなるもの
である。
また、前記トルクセンサは、前記弾性体リングの弾性
変形部の外周面と対向してこれと垂直方向に設けられて
いる。前記位置センサは、マーカが光学的な反射テープ
の場合には、このテープの反射面に対して互いに所定角
度,距離を保つて配設した投光−受光素子の組合わせで
あり、溝の場合には、この溝の段差を検出することがで
きる変位計である。
〔作用〕
トルク伝達軸系の負荷軸側の先端にトルクが負荷され
ると、弾性体リングの弾性変形部の両側の接続部には、
それぞれ逆向きの円周方向の力が作用する。これらの接
続部間で、前記弾性変形部は曲がりはりの如くなり、前
記力によつて該弾性変形部は半径方向へ弾性変形する。
この変形量は、トルクセンサにより、該センサと弾性変
形部との間のギヤツプの増減に比例した電気信号として
測定される。また、駆動軸上のマーカの位置が、位置セ
ンサによつて非接触で測定され、これが前記駆動軸の回
転に比例した周期的なパルス信号、すなわち回転位置セ
ンサ信号となる。
ところで、前記トルクセンサで測定されるトルクセン
サ信号は、弾性体リングの弾性変形によるトルク信号の
ほかに、該弾性体リング,負荷軸の機械的な偏心に起因
する交流的なドリフト電圧信号が重畳されているが、上
記トルクセンサと位置センサとで構成したトルク検出系
によつて、トルクセンサ信号からトルク信号の抽出を可
能にしている。
制御装置による前記の抽出作用を説明する。
まず、トルクセンサで計測する無負荷時の弾性体リン
グの半径方向の変形(ドリフト信号)と使用ドリルによ
って決まる最低折損トルクとを加算したしきい値を予め
設定する。一方、トルクセンサに対応して駆動軸上に設
けた1個のマーカの位置を位置センサにより検出する。
制御装置のホールド器へ、トルク負荷にともなって刻
々と変化するトルクセンサからのトルクセンサ信号を入
力し、位置センサからの回転位置センサ信号でサンプリ
ングして記憶,保持する。
これにより、弾性体リングの弾性変形を検出するトル
クセンサからのトルクセンサ信号が、前記ホールド器の
出力においては、駆動軸上のマーカの位置に対応する弾
性体リング上の一定点の経時変化に変換される。
ここで、トルクセンサのトルクセンサ信号はドリフト
信号を含んでいるが、しきい値もドリフト信号を含んで
設定されているので、サンプリング値としきい値とを比
較する段階においては、トルクセンサ信号から前記交流
的なドリフト電圧信号の影響が除かれたことになり、正
確なトルク信号が得られることになる。
〔実施例〕
以下、本発明のトルク検出方法を適用するトルク検出
装置の一実施例を、これを装備した微小トルク検出機能
付き穴明け機の一例によつて説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係るトルク検出装置を
装着した微小トルク検出機能付き穴明け機を示す要部斜
視図、第2図は、第1図における弾性体リングを示す詳
細図、第3図は、第1図における制御装置の詳細を示す
ブロツク図、第4図は、第1図におけるトルクセンサで
検出したトルクセンサ信号の経時変化の一例を示す信号
図、第5図は、第4図に係るトルクセンサ信号から抽出
した切削トルクのサンプリング信号を示す信号図であ
る。
このトルク検出装置の概要を、第1図を用いて説明す
ると、これは、駆動源に係るモータ1によつて駆動さ
れ、駆動軸3と負荷軸8とを有するトルク伝達軸系のト
ルクを検出するものであつて、駆動軸3と負荷軸8との
間に、駆動軸側から負荷軸側へトルクを伝達することが
できる弾性体リング5を設け、この弾性体リング5のト
ルク負荷による変形量を非接触で検出することができる
非接触式変位計に係るトルクセンサ6と、このトルクセ
ンサ6から入力した変形量信号に係るトルクセンサ信号
を、駆動軸3の回転数と同一の周期的なパルス信号に係
る回転位置センサ信号でサンプリングすることにより、
弾性体リング5に固定した一点の変形量の時間的変化
(以下の説明で、これを切削トルクのサンプリング信号
という)に変換し、その値が、予め設定したしきい値を
超えたとき、オーバロード信号を出力することができる
制御装置7とを具備したトルク検出装置である。
また、この微小トルク検出機能付き穴明け機は、モー
タ1によつてトルク伝達軸系を高速(毎分5万回転〜10
万回転)で回転させながら、同時に、送り装置(図示せ
ず)によつて軸系全体を垂直方向へゆつくりと下降さ
せ、プリント基板10にドリル9で穴を明けることができ
るものである。
以下、詳細に説明する。
まず、弾性体リング5を、第2図を用いて説明する。
第2図(a)はその側面図、第2図(b)は、この第2
図(a)のII−II矢視断面図である。
この弾性体リング5は、弾性変形部5aと第2締結部5b
とを、軸心を挟んで対向する2個所の接続部J2,J20で接
続し、弾性変形部5aと第1締結部5cとを、前記接続部
J2,J20から90゜位相をずらせ、かつ軸を挟んで対向する
2個所の接続部J1,J10で接続してなるものである。
負荷軸8はドリル9を支えてチヤツクする機能を有
し、弾性体リング5を介して駆動軸3の回転力をドリル
9へ伝達する。弾性体リング5は、ドリル9にかかつた
トルクによるねじれを、その弾性変形部5aの半径方向の
変形に変換する機能を有する。駆動軸3は、モータ1の
回転力を伝達する役目を果す。このモータ1のトルク
は、ドリル9に加わるトルクより十分大きいため、それ
による回転変動はなく一定している。マーカ2は、駆動
軸3の一定点につける目印としての溝であり、トルク信
号の抽出タイミングを計るサンプリング信号(すなわち
回転位置センサ信号)として使用する。さらに云えば、
後述する第4図のトルクセンサ信号から、切削トルク信
号を、第5図(c)の切削トルクのサンプリング信号と
して抽出するために使用するものである。
位置センサ4は、前記マーカ2を読み取りこれを電気
信号へ変換するセンサである。
トルクセンサ6は、弾性体リング5の半径方向の変形
にともなう、トルクセンサ6とのギヤツプ変化を、ギヤ
ツプ対電圧のある関係(たとえば1μm/1mV)で電気信
号に変換する非接触式変位計であり、このトルクセンサ
6は、弾性体リング5の弾性変形部5aの外周面と直交す
る方向に、該外面と近接(たとえば、1mm)して配設さ
れて第一の検出手段を構成している。ここで、位置セン
サ4がマーカ2を検出するタイミングでトルクセンサ6
が弾性変形部5aの変形信号を取り出す位置は、前記弾性
体リング5の弾性変形部5aの変形量の最も大きいところ
が好ましく、弾性体リング5を駆動軸3側もしくは負荷
軸8側と連結せしめる支点から時計方向あるいは反時計
方向にほぼ45゜回転した位置とするのがよい。第2図
(b)では、トルクセンサ6を接続部J1から反時計方向
にほぼ45゜回転した位置の、前記弾性変形部5aの外周面
と直交する方向に、該外面と近接して配設されている状
態を示している。そして、このトルクセンサ6と位置セ
ンサ4とからなるトルク検出系は、前記送り装置による
トルク伝達軸系の上昇,下降とともに連動し、前記し
た、トルク伝達軸系とトルク検出系との相対位置を、常
に維持することができるようになつている。
アンプ11,12は、それぞれ位置センサ4,トルクセンサ
6の微弱な信号を所定の倍率で増幅するアンプである。
制御装置7は、トルクセンサ6からの、アンプ12で増
幅したトルクセンサ信号を入力し、位置センサ4から与
えられた回転位置センサ信号(アンプ11で増幅したも
の)に係るサンプリング/ホールド信号によつて、前記
トルクセンサ信号を、マーカ2に対応する弾性変形部5a
上の一定点の変形量の経時変化(これを切削トルクのサ
ンプリング信号という)に変換し、これを記憶すること
ができるホールド器30と、このホールド器30からの切削
トルクのサンプリング信号をデジタル量へ変換するAD変
換器33と、予め所定のしきい値を設定するためのしきい
値設定器13と、このしきい値設定器13に設定したしきい
値を2進数のデジタル値へ変換する2進器32と、前記AD
変換器33からの切削トルクのサンプリング信号と前記2
進器32からのしきい値との大小関係を比較し、切削トル
クのサンプリング信号がしきい値と等しいか、それを超
えたとき、超過信号を出力することができるデジタルコ
ンパレータ34と、このデジタルコンパレータ34からの超
過信号を入力したとき、オーバロード信号を出力するこ
とができるインタフエース35とを有している。31は、位
置センサ4の出力信号を回転に同期したパルス列に変換
するためのタイミング発生器である。
このように構成した微小トルク検出機能付き穴明け機
の動作を説明する。
負荷軸8にドリル10を取り付ける。加工条件を設定す
るとともに、制御装置7のしきい値設定器13に、トルク
のしきい値A0を設定する。このしきい値A0は、使用する
ドリル9によって決めた最低折損トルクに、トルクセン
サ6により計測する無負荷時の弾性体リング5の半径方
向の変形、すなわちドリフト信号を加算して、そのドリ
ル9を用いるときしい値A0(V)としたものである。
ここで微小トルク検出機能付き穴明け機をONにする
と、モータ1が回転してドリル9が高速回転(たとえ
ば、50,000rpm)し、前記送り装置によつてドリル9が
下降し、プリント基板10の穴明け加工を行う。トルク伝
達軸系の下降とともにトルク検出系も下降し、トルクセ
ンサ6によつて弾性体リング5の弾性変形部5aの変形が
検出され、また位置センサ4によつてマーカ2の位置が
検出される。ドリル9による穴明け加工中に、第2図
(a)に示されるように、トルクΔTが負荷軸8に作用
すると、弾性変形部5aのそれぞれの接続部J1,J10,J2,J
20には、(b)図中矢印方向に力P1,P10,P2,P20が発生
し、この弾性変形部5aは図中一点鎖線表示5′のように
軸心に対して対称に変形する。変形が対称であるから高
速回転によるアンバランス力を発生しない。
トルクセンサ6によつて検出した前記変形量は、アン
プ12によつて増幅され、0〜10(V)の範囲のトルクセ
ンサ信号となつてホールド器30へ送られる。位置センサ
4によつて検出した周期的なパルス信号は、アンプ11に
よつて増幅され、タイミング発生器31を経て、サンプリ
ング/ホールド信号となつてホールド器30へ送られる。
このホールド器30で前記両信号が信号処理されて(詳細
後述)、トルクセンサ信号から、切削トルクのサンプリ
ング信号が抽出される。そして、ホールド器30から出力
した、切削トルクのサンプリング信号は、AD変換器33へ
送られ、ここでデジタル信号へ変換される。
AD変換器33からの出力信号はデジタルコンパレータ34
へ送られる。一方、しきい値設定器13のデジタルスイツ
チによつて、0.00(V)〜9.99(V)の範囲内で任意設
定したしきい値A0を、2進器32によつて2進数のデジタ
ル値に変換された信号も、同時にデジタルコンパレータ
34へ送り、ここで2つの信号の大小関係が比較,判断さ
れる。そして、AD変換器33のデータがしきい値A0のデー
タと等しいか、それを超えたとき、ドリル9にオーバロ
ードが生じたと判定し、インタフエース35へ超過信号を
出力する。インタフエース35は、デジタル信号レベルの
電圧を前記送り装置へ伝送し、これにより該装置が垂直
上方へ高速で上昇し、ドリル9を加工中の穴から引き上
げてその切損を防止する。吸引装置(図示せず)によつ
て、前記穴からエアを吸引することにより該穴中に残存
する切屑を排除する。再び前記送り装置が下降して該穴
の加工を継続する。そして、プリント基板10に所定個数
の穴が穿設されると、微小トルク検出機能付き穴明け機
がOFFになる。
前記信号処理の方法を、第4図,第5図を参照して詳
細に説明する。第4図(a)は、トルクセンサ信号VT
経時変化を示すものであり、一定周期を有する波形の振
幅変化となる。
この信号VTは、.第4図(b)に示すような、弾性
体リング5の機械的初期偏心による交流的ドリフト信号
と、弾性体リング5とトルクセンサ6との初期設定間隔
δによる直流オフセツトVδとの和の信号VDに、.第
4図(c)に示すような、ドリル9によつて弾性体リン
グ5へ負荷される純然たる切削トルクによる変形量に等
しい切削トルク信号VHを重畳したものである。
したがつて、回転する弾性体リング5のトルク無負荷
時は、前記ドリフト信号VDによる正弦波形のみが現わ
れ、ドリル9の切削によるトルク負荷には、信号VDと純
然たる切削トルクによる切削トルク信号VHとの和にな
る。すなわち、 VT=VD+VH このVTは、切削の初期においては、VDとVHとが互いに
逆位相で打ち消し合つて、次第にその振幅が小さくなる
が、切削の進行とともに切削トルク信号VHが強く現われ
て、信号の位相が逆転するようになる。
次に、このトルクセンサ信号VTから、切削トルクのサ
ンプリング信号を抽出する方法を、第5図を参照して説
明する。第5図(a)は、第4図(a)と同じトルクセ
ンサ信号を示すものものであるが、この信号VTは、一定
周期を有する波形の振幅変化となるので、このままでは
しきい値A0に等しいトルクを検出することはできない。
その理由は、信号VTの波形の振幅が最初V1,V2であつ
て、次第に小さくなり、再び大きくなつて行くので、漸
増するトルクがつかめないためである。
そこで本発明においては、トルクセンサ信号VTが一定
周期の波形であることに着目し、弾性体リング5の一回
転中の一定点について、その定点の経時変化を監視し
て、トルクセンサ信号VTからドリフト信号VD〔第4図
(b)で示す信号〕を排除して、切削トルクのサンプリ
ング信号を抽出するようにしたものである。
これを実施する方法として、本発明においては、駆動
軸3の円周上にマーカ2を1つ付け、主軸1回転につき
1回発生する回転位置センサ信号〔第5図(b)に示す
信号〕によつてトルクセンサ信号VTをサンプリングする
ことにより、第5図(c)の実線で示すような、1回転
中の一定点のトルク信号の経時変化、すなわち切削トル
クのサンプリング信号を抽出した。したがつて、このサ
ンプリング信号と、トルク無負荷時の信号V2を加算した
しきい値A0(V)〔第5図(c)中の破線で示す〕とを
比較して、前者の方が大きくなつたらオーバトルクであ
ると判定することができる。
以上説明した本実施例によれば、次の効果がある。
(イ)非接触式のトルクセンサ6を使用するようにした
ので、接触点に起因するノイズなどの影響がなく、トル
ク伝達軸系のトルクを、高速回転において測定すること
ができる。
(ロ)駆動軸3と負荷軸8との間に弾性体リング5を取
付け、この弾性体リング5の変形量を検出するようにし
たので、駆動軸3の慣性の影響がなく、トルク伝達軸系
のトルクを、優れた応答性で測定することができる。
(ハ)弾性体リング5が、トルクによつて容易に変形す
る形状であるので、トルクに対する分解能が高く、微小
トルクを検出することができる。
(ニ)しきい値として、トルク無負荷時の信号V2と使用
ドリルによって決まる最低折損トルクとを加算したしき
い値A0(V)を設定するとともに、駆動軸3上に付けた
マーカ2を利用して、トルクセンサ信号から、弾性体リ
ング5上の一定点の変形を抽出するようにしたので、サ
ンプリング値としきい値とを比較する段階においては、
トルクセンサ信号からドリフト信号の影響が除かれるこ
とになり、トルクを高精度で測定することができる。
なお、本実施例においては、マーカ2として溝を利用
したが、溝に限らず、光学的,磁気的な手段を利用して
もよい。また、マーカ2をサンプリング用に使用する代
りに、たとえばモータ1に取付けたロータリエンコーダ
の回転位相パルス信号を使用してもよい。
さらに、本実施例においては、駆動軸3上に1個のマ
ーカ2を付けるようにしたが、複数個付けてこれらをサ
ンプリング用に利用することも可能である。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように本発明によれば、高速回転
するトルク伝達軸系に作用するトルクを、高精度に、か
つ優れた応答性で測定することの可能なトルク検出方法
を提供することができる。
特に、トルクセンサ信号から、ドリフト信号の影響が
排除された高精度のトルク測定が可能なトルク検出方法
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係るトルク検出装置を装
着した微小トルク検出機能付き穴明け機を示す要部斜視
図、第2図は、第1図における弾性体リングを示す詳細
図、第3図は、第1図における制御装置の詳細を示すブ
ロック図、第4図は、第1図におけるトルクセンサで検
出したトルクセンサ信号の経時変化の一例を示す信号
図、第5図は、第4図に係るトルクセンサ信号から抽出
した切削トルクのサンプリング信号を示す信号図であ
る。 1……モータ、3……駆動軸、4……位置センサ、5…
…弾性体リング、6……トルクセンサ、7……制御装
置、8……負荷軸、9……ドリル、A0……しきい値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺林 隆夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 大幸 洋一 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社 日立製作所神奈川工場内 (56)参考文献 特開 昭62−247222(JP,A) 特開 昭60−242336(JP,A) 実開 昭61−1145(JP,U) 実開 昭55−14872(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動軸と負荷軸との間に設けられた薄肉円
    筒で、該円筒の側面の両側から、円周上の互いに対向す
    る位置に2個の接続部が形成されるように第1の切り込
    みを設け、さらに円筒軸上の当該第1の切り込みとは異
    なる位置に、前記第1の切り込みと同一形状で、かつ略
    90゜回転した位置に第2の切り込みを設け、前記第1と
    第2の切り込みで挾まれた部分が負荷軸側に発生するト
    ルクにより半径方向に変形を生じる弾性体リングを備
    え、 この弾性体リングの半径方向の変形を検出する第一の検
    出手段と、 前記駆動軸上に設けたマーカの位置を検出する手段とを
    有する装置において、 前記第一の検出手段により計測する無負荷時の前記弾性
    体リングの半径方向の変形と使用ドリルによって決まる
    最低折損トルクとを加算したしきい値を予め設定し、 負荷時に、前記マーカを検出し、その検出したタイミン
    グで、前記第一の検出手段により前記弾性体リングの円
    筒のいずれかの接続部から略45゜回転した個所の変位信
    号を取り込み、 該変位信号をデジタル信号に変換して、該デジタル信号
    と、予め設定したしきい値とを比較し、 前記デジタル信号の値が前記しきい値を越えたときにオ
    ーバーロード信号を出力することを特徴とするトルク検
    出方法。
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