JP2588051Y2 - 大型フォークリフトの走行駆動装置 - Google Patents

大型フォークリフトの走行駆動装置

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JP2588051Y2
JP2588051Y2 JP1993066297U JP6629793U JP2588051Y2 JP 2588051 Y2 JP2588051 Y2 JP 2588051Y2 JP 1993066297 U JP1993066297 U JP 1993066297U JP 6629793 U JP6629793 U JP 6629793U JP 2588051 Y2 JP2588051 Y2 JP 2588051Y2
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hydraulic
hst
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直人 池谷
茂三 山本
淳 塩澤
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東洋運搬機株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、左右の駆動前輪が夫々
複輪とされた大型フォークリフトにおける油圧式の走行
駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フォークリフトに代表されるカ
ウンタバランスタイプの荷役運搬車両は、荷役作業の容
易さ、小廻り性が良いといった点で重宝がられている。
しかしながら、車両後部のカウンタウエイトの装備等に
より自重が重い、負荷時と無負荷時とでは重心位置に大
きなずれが生じるといった問題があり、これを軽減する
ために特に大負荷、高稼働の大型フォークリフトにおい
ては、前輪を複輪式(4輪あるいは6輪)としてフロン
トオーバハングを短くしている。
【0003】この複輪式の大型のフォークリフトの走行
駆動装置においては、図16,17の如く、エンジン1
の回転力をトルクコンバータ2に伝え、トランスミッシ
ョン3を介してプロペラシャフト4を回転させ、デファ
レンシャル5が装備されたドライブアクスル6を介して
左右の複輪の駆動前輪7を同期回転させているものが一
般的である。なお、図16中、8は油圧ポンプ、9は油
圧バルブ、10は換向車輪とされた後輪、11はステア
リングアクスルである。このようにトルクコンバータ2
を採用した場合には、エンジン1の動力が流体を介して
伝わるため、エンジン1からの入力回転数が同じでも出
力側の抵抗の大小によって出力軸の回転数が異なり、ま
たエンジンブレーキがかかりにくい(出力軸側からの駆
動に対する抵抗が少ない)といった融通性に富んでい
る。このため、機械式変速機を採用した場合に比べて、
エンジンストップいわゆるエンストを起こさないとか、
出力軸側からの衝撃を緩和することができ、動力系の耐
久性を向上することができるといった特徴がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
トルクコンバータを採用した大型のフォークリフトにお
いては、剛性に乏しいため、路面状況による負荷等によ
り定速で走行しにくい。しかも、エンジンブレーキがか
かりにくいため、重量が重く慣性力の大きい車両を停止
させる際に車輪のホイールに内蔵されているサービスブ
レーキ等の機械式ブレーキ(油圧により作動するブレー
キを含む)が全制動を受け持つことになり、ブレーキの
使用頻度が多い前後進を繰り返す作業等を行なうと機械
式ブレーキの摩耗が激しいといった欠点がある。
【0005】一方、左右の駆動前輪が単車輪である小型
のフォークリフトにおいては、図18に示すように例え
ば左旋回する場合、デファレンシャル16により左右の
駆動前輪15の回転差を吸収して、左側の駆動前輪15
が旋回半径rで右側の駆動前輪15が旋回半径r
互いにスリップを少なくして旋回走行できる。しかし、
左右の駆動前輪7が複車輪である大型のフォークリフト
においては、旋回するときの左側の駆動前輪7と右側の
駆動前輪7との相対的な回転差はデファレンシャル5に
より調整してはいるものの、左側および右側の駆動前輪
7における内輪7aと外輪7bとの間にはデファレンシ
ャル機能を有するものがなく、内輪7aと外輪7bとの
間には回転差が生じない。左右の駆動前輪7の内輪7a
および外輪7bがスリップなしに旋回走行するために
は、図17に示すように例えば左旋回する場合、左側の
駆動前輪7の外輪7bが旋回半径rii、内輪7aが旋
回半径rio、右側の駆動前輪7の内輪7aが旋回半径
oi、外輪7bが旋回半径rooで旋回すべきなので
回転差がなくてはならないが、実際には左側および右側
の駆動前輪7の内輪7aと外輪7bとの間の中間位置で
ある旋回半径rxと旋回半径ryとで旋回せざるを得なく
なっている。したがって、左右の駆動前輪7の内輪7a
および外輪7bがスリップしながら旋回走行し、タイヤ
の摩耗が激しい。
【0006】このように、従来の大型のフォークリフト
においては、機械式ブレーキおよびタイヤの摩耗が激し
いため、機械式ブレーキおよびタイヤの維持費が高騰し
てライフサイクルコストが高価になっていた。
【0007】本考案は、上記に鑑み、機械式ブレーキお
よびタイヤの摩耗を低減できる大型フォークリフトの走
行駆動装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案請求項1による課
題解決手段は、図1,2の如く、左右の駆動前輪20,
21が夫々複輪とされ、後輪22,23が換向輪とさ
れ、駆動前輪20,21の各車輪25,26,27,2
8に装着され各車輪25,26,27,28を回転駆動
させる油圧モータ30と、油圧モータ30を駆動する油
圧ポンプ32と、該油圧ポンプ32を駆動するエンジン
33とが設けられたものである。
【0009】請求項2による課題解決手段は、図12の
如く、左側の駆動前輪20に配設された各油圧モータ3
0を駆動する可変容量形の第一油圧ポンプ120と、右
側の駆動前輪21に配設された各油圧モータ30を駆動
する可変容量形の第二油圧ポンプ121とが設けられ、
第一および第二油圧ポンプ120,121からの圧油の
吐出方向および吐出量を可変して駆動前輪20,21の
回転方向および回転速度を切換える走行切換手段が設け
られたものである。
【0010】請求項3による課題解決手段は、図12の
如く、後輪130が車両本体40の後部中央に設けられ
て複輪とされたものである。
【0011】請求項4による課題解決手段は、図8の如
く、左右の駆動前輪20,21における外側の車輪2
5,28と内側の車輪26,27との間にフォーク10
0を昇降自在に保持するための固定マスト101が設け
られたものである。
【0012】
【作用】上記請求項1による課題解決手段において、エ
ンジン33を駆動すると、油圧ポンプ32から圧油が吐
出され、各車輪25,26,27,28に装着された各
油圧モータ30に送られる。すると、油圧モータ30が
駆動され、各車輪25,26,27,28が回転し、車
両が走行する。
【0013】ここで、車両の走行を停止させる場合に
は、油圧ポンプ32からの圧油の供給を停止すると、エ
ンジン33の駆動に関係なく油圧モータ30の駆動は停
止する。停止した油圧モータ30によって慣性力により
回転している各車輪25,26,27,28に負荷がか
かり、減速され停止する(ブレーキ機能)。このブレー
キ機能を活用することにより、車両を停止させる際に機
械式ブレーキに全制動を依存せずにブレーキ工程の最終
段階(車両を完全に停止させるまたは停止を継続させる
とき)で機械式ブレーキを使用するだけでよい。
【0014】また、後輪22,23を換向させて車両を
旋回させる場合には、各車輪25,26,27,28に
夫々異なった抵抗すなわち旋回内側の車輪ほど大きな抵
抗がかかる。各車輪25,26,27,28には油圧モ
ータ30が夫々装着されて別駆動とされており、抵抗の
大きな車輪ほど油圧モータ30にかかる負荷が大となっ
ている。このとき、負荷の大きい油圧モータ30ほど油
圧ポンプ32から吐出される圧油の供給量が少なく、し
たがって、旋回内側の車輪ほど回転速度が遅くなる(デ
ファレンシャル機能)。これにより、各車輪25,2
6,27,28がスリップせずに理想的に旋回する。
【0015】請求項2,3による課題解決手段におい
て、車両を旋回させる場合、後輪130を換向させ、第
一油圧ポンプ120と第二油圧ポンプ121との圧油の
吐出方向を互いに逆にしたり、どちらか一方のポンプ1
20,121を停止すると、左側の駆動前輪20と右側
の駆動前輪21とが互いに逆回転あるいはどちらか一方
が停止して車両が芯地旋回する。
【0016】請求項4による課題解決手段において、各
車輪25,26,27,28に油圧モータ30を夫々装
着したため、車輪25と車輪26との間隔および車輪2
7と車輪28との間隔が広がり、これらの隙間に固定マ
スト101を装着したため、従来の内側の車輪間に装着
したときと比べて、前方中央部の視野が拡大し、荷役効
率と運搬時の安全性が向上する。
【0017】
【実施例】(第一実施例) 本考案の第一実施例における大型フォークリフトは、図
1,2,3の如く、左右の駆動前輪20,21が夫々複
輪とされ、左右の後輪22,23が換向輪とされてい
る。前記左右の駆動前輪20,21を駆動させるための
走行駆動装置24は、左右の駆動前輪20,21の各車
輪25,26,27,28に装着され各車輪25,2
6,27,28を回転駆動させる油圧モータである定容
量形ハイドロスタティックモータ(以下、HSTモータ
と称す)30と、高圧ホース31を介して各HSTモー
タ30に圧油を供給して駆動する油圧ポンプである可変
容量形ハイドロスタティックポンプ(以下、HSTポン
プと称す)32と、該HSTポンプ32を駆動するエン
ジン33とを備えている。
【0018】各車輪25,26,27,28は、図4の
如く、ハブ45と、該ハブにリム36を介して装着され
たタイヤ37とからなり、車輪25,26が車両本体4
0の左側前部から前方へ突出した左ハウジング41を挟
んで対向配置され、車輪27,28が車両本体40の右
側前部から前方へ突出した右ハウジング42を挟んで対
向配置されている。
【0019】前記HSTモータ30は、図4,5の如
く、シリンダブロック52と、該シリンダブロック52
に進退自在に配された複数のピストン53と、モータ軸
54の軸線に対して角度を持って取り付けられピストン
53に連結された斜板55とを備えており、スピンドル
51に内装されている。このスピンドル51は、左およ
び右ハウジング41,42の側壁を貫通して固定され、
各車輪25,26,27,28のハブ45に内装されて
いる。そして、スピンドル51には、リリーフバルブや
シャットルバルブ等を有するバルブユニット57が装着
されたフランジ50が固定されている。フランジ50に
は、HSTポンプ32から左および右ハウジング41,
42に導かれた高圧ホース31を接続するための配管口
56が形成され、高圧ホース31がHSTモータ30の
ポートAおよびポートBに連通されている。そして、シ
リンダブロック52には、ポートAおよびポートBに連
通するギドニィ59が形成されている。また、HSTモ
ータ30には、シリンダブロック52の回転を規制する
ブレーキ装置60と、モータ軸54の出力側に装備され
モータ軸54の回転をハブ45に伝達する減速装置61
とが設けられている。
【0020】前記HSTポンプ32は、図3,6の如
く、エンジン33の駆動軸33aにスプライン嵌合され
た入力軸85と、該入力軸85に取り付けられた可動斜
板86と、該可動斜板86に複数の進退自在なピストン
87を介して連結されたシリンダブロック88とを備
え、該シリンダブロック88には、ポートAおよびポー
トBに連通するギドニィ89が形成されている。
【0021】また、HSTポンプ32には、吐出する圧
油の吐出方向および吐出量を可変して車両の走行速度お
よび前後進を制御する制御レバー90やチャージポンプ
91およびメインポンプ99が装備されている。この制
御レバー90は、運転室内に配されたペダルや操作レバ
ーにより車両前進位置と中立停止位置と車両後進位置と
に切換可能とされ、傾斜角切換バルブ93等を作動して
可動斜板86の傾斜角を切換える構造となっている。な
お、制御レバー90が中立停止位置から車両前進位置あ
るいは車両後進位置に移行するにつれて車両の走行速度
が速くなる。前記チャージポンプ91はブレーキ装置6
0におけるブレーキバルブ70に圧油を供給し、メイン
ポンプ99は荷役装置および換向装置等に圧油を供給す
る。また、図7はHSTモータ30とHSTポンプ32
との間における詳細な油の流れを示しており、図中、9
4はサクションフィルタ、95はチェックバルブ、96
はオイルタンク、97はオイルクーラー、Rはチャージ
ングポンプ回路、Sはドレーン回路、Tはメイン油圧回
路、Uはブレーキ回路である。
【0022】上述のような走行駆動装置24において
は、各車輪25,26,27,28にHSTモータ30
を装着して、車両本体40の左および右ハウジング4
1,42にHSTモータ30すなわち各車輪25,2
6,27,28を保持しているため、アクスルシャフト
等により各車輪を連結するものに比べて左側および右側
における車輪間隔が広くなる。そこで、図2,8,9の
如く、左および右ハウジング41,42に、フォーク1
00を保持する固定マスト101をマストサポートピン
102周りに傾動可能に装着している。この固定マスト
101には昇降マスト103が昇降自在に取り付けら
れ、昇降マスト103にはフィンガーバー107が昇降
自在に取り付けられ、フィンガーバー107の両端には
フォーク100が取り付けられている。なお、図2,8
中、104は昇降マスト103を固定マスト101に沿
って昇降させるための昇降シリンダ、105は固定マス
ト101を傾動させるためのティルトシリンダであり、
図9中、106は左および右ハウジング41,42に形
成された配管接続孔である。
【0023】上記構成において、運転室内のペダルや操
作レバーの操作により制御レバー90を車両前進位置あ
るいは車両後進位置としてHSTポンプ32における可
動斜板86を傾斜させて、車両の前後進を行なう。アク
セルペダルの踏込量に応じてエンジン33の回転数が増
大し駆動軸33aが回転すると、HSTポンプ32の入
力軸85および可動斜板86が回転する。これによりシ
リンダブロック88が回転し、図10に示す車両前進時
には、ギドニィ89からポートAに高圧油が回転数に比
例して吐出され、ポートBからギドニィ89に低圧油が
同量吸引される。なお、図11に示す車両後進時には、
ギドニィ89からポートBに高圧油が吐出され、ポート
Aからギドニィ89に低圧油が吸引される。ポートAあ
るいはポートBに吐出された高圧油は、各車輪25,2
6,27,28に装着されたHSTモータ30の配管口
56からギドニィ59に導かれ、シリンダブロック52
のピストン53を斜板55に押し付ける。斜板55はモ
ータ軸54の軸線に対して角度を持って取り付けられて
いるので、ピストン53を押し付けたときの分力により
トルクが発生し、このトルクが回転力としてピストン5
3を介してシリンダブロック52を回転させ、モータ軸
54が回転する。このモータ軸54の回転が減速装置6
1により減速されてハブ45から車輪25,26,2
7,28に伝達されて、車両が走行する。
【0024】ここで、車両の走行を停止させる場合に
は、図6に示すように制御レバー90を中立停止位置に
して、可動斜板86の傾斜面をシリンダブロック88に
対して平行にする。すると、エンジン33の駆動に関係
なくHSTポンプ32からの高圧油の吐出は行われず、
HSTモータ30においてピストン53を斜板55に押
し付ける力がなくなり、HSTモータ30の作動が停止
する。このとき、各車輪25,26,27,28は慣性
力により回転しており、この車輪25,26,27,2
8の回転がHSTモータ30のモータ軸54および斜板
55を回転させる。これにより、斜板55がシリンダブ
ロック52に接近する部分においてピストン53がシリ
ンダブロック52内に押し込まれ、シリンダブロック5
2内の油を圧縮させることとなり、この油を圧縮させる
ための力が各車輪25,26,27,28の回転を減速
し、停止に至らしめる(ブレーキ機能)。このブレーキ
機能を活用することにより、車両を停止させる際には機
械式ブレーキに全制動を依存せずにブレーキ工程の最終
段階(車両を完全に停止させるまたは停止を継続すると
き)で機械式ブレーキを使用するだけでよい。
【0025】また、後輪22,23を換向させて車両を
旋回させる場合には、各車輪25,26,27,28に
夫々異なった抵抗すなわち旋回内側の車輪ほど大きな抵
抗がかかる。各車輪25,26,27,28にはHST
モータ30が夫々装着されて別駆動とされており、抵抗
の大きな車輪ほどHSTモータ30にかかる負荷が大と
なっている。このとき、負荷の大きいHSTモータ30
ほどHSTポンプ32から吐出される高圧油の供給量が
少なく、したがって、旋回内側の車輪ほど回転速度が遅
くなる(デファレンシャル機能)。これにより、例えば
車両を左側に旋回させる場合、図8に示すように、車輪
25が旋回半径rii、車輪26が旋回半径rio、車
輪27が旋回半径roi、車輪28が旋回半径roo
旋回走行するに見合った回転速度となって、各車輪2
5,26,27,28がスリップせずに旋回する。な
お、車両を右側に旋回させる場合も同様である。
【0026】このように、各車輪25,26,27,2
8にHSTモータ30を夫々装着して、エンジン33の
駆動によるHSTポンプ32からの高圧油の供給により
各HSTモータ30を作動する構造としたため、車両を
停止させる際にはブレーキ機能の活用により機械式ブレ
ーキの使用頻度を減少でき、車両を旋回させる際にはデ
ファレンシャル機能により各車輪25,26,27,2
8をスリップさせずに旋回させることができる。したが
って、機械式ブレーキおよび各タイヤ37の摩耗を低減
でき、ライフサイクルコストが安価となる。
【0027】また、各車輪25,26,27,28にH
STモータ30を夫々装着したため、車輪25と車輪2
6との間隔および車輪27と車輪28との間隔が広が
り、これらの間にある左および右ハウジング41,42
に固定マスト101、昇降マスト103、昇降シリンダ
104を装着でき、図8に示すように従来の車輪26と
車輪27との間に装着したときの視野Pと比べて、前方
中央部の視野Qが拡大するので、荷役効率と運搬時の安
全性が向上する。しかも、固定マスト101の間隔が広
くなったため、昇降マスト103に対するフィンガーバ
ー107の取付け位置の間隔が広がり、フィンガーバー
107にかかる力を軽減できる。したがって、フィンガ
ーバー107を細くあるいは薄くして、軽量化できる。
【0028】(第二実施例) 第二実施例の大型フォークリフトは、図12,13の如
く、左側の駆動前輪20の各車輪25,26に装着され
た各HSTモータ30を駆動する可変容量形の第一HS
Tポンプ120と、右側の駆動前輪21の各車輪27,
28に装着された各HSTモータ30を駆動する可変容
量形の第二HSTポンプ121とが設けられ、前記第一
および第二HSTポンプ120,121からの高圧油の
吐出方向および吐出量を可変して車両の前後進および走
行速度を切換える走行切換手段として各ポンプ120,
121の夫々の制御レバー90を操作する操作レバーが
設けられている。なお、エンジン33の動力は、図示し
ないギア機構により第一および第二HSTポンプ12
0,121に伝達される。また、図13中、129は車
両転倒防止用脚であり、タイヤ交換は後方から容易に行
える。
【0029】そして、複輪式の後輪130が車両本体4
0の後部中央に配されている。この後輪130は、図1
4,15の如く、車両前進時の直進走行性を持たせるた
めにキャスター角Kが設けられており、一対の後車輪1
31,132と、該後車輪131,132を回転自在に
保持するリヤアクスル133と、該リヤアクスル133
をサポートピン134周りに揺動自在に保持するリヤア
クスルサポート135とを備えている。該リヤアクスル
サポート135には、車両本体40のフレーム136を
貫通してサポートハウジング137に回転自在に支持さ
れた縦軸部135aと、リヤアクスル133の揺動を規
制するアクスルストッパー140とが一体形成され、ス
テアリング装置145の駆動スプロケット146に無端
状チェーン147を介して連結された従動スプロケット
150が固設されている。そして、ステアリング装置1
45により後輪130が左右方向に90度換向可能とさ
れている。なお、その他の構成は、第一実施例と同様で
ある。
【0030】上記構成において、直進走行時の車両を図
12に示す点Xを中心として左旋回させる場合、後輪1
30を所定の位置まで換向させ、第一HSTポンプ12
0の高圧油の吐出量を徐々に減じるように操作レバーに
より第一HSTポンプ120に対応する制御レバー90
を車両前進位置から中立停止位置の方向に操作して、左
側の駆動前輪20の回転速度を右側の駆動前輪21の回
転速度より遅くなるようにしながら旋回させる。
【0031】また、車両を図12に示す点Yを中心とし
て左旋回させる場合、後輪130をさらに換向させ、第
一HSTポンプ120の高圧油の吐出量がなくなるよう
に第一HSTポンプ120に対応する制御レバー90を
中立停止位置にして、左側の駆動前輪20の回転を停止
しながら右側の駆動前輪21の回転だけで旋回させる。
【0032】さらに、車両を図12に示す点Zを中心と
して左旋回させる場合、後輪130を90度換向させ、
第二HSTポンプ121に対応する制御レバー90を車
両前進位置にし、第一HSTポンプ120に対応する制
御レバー90を車両後進位置にして、左側の駆動前輪2
0の逆回転させながら旋回させる。なお、車両を右旋回
させる場合は、制御レバー90を操作を逆にすればよ
い。
【0033】このように、第一および第二HSTポンプ
120,121を配して、左側の駆動前輪20と右側の
駆動前輪21の回転速度および回転方向を別々に切換え
るため、車両の芯地旋回が可能となる。なお、スピンタ
ーンとピボットターンの2つを総称して芯地旋回とす
る。
【0034】しかも、後輪130が車両本体40の後部
中央に配されているため、後輪130を換向させるため
の構造が簡単で安価となり、また車両本体40の左右か
らの突出がなくなり後輪130が人や物等に当たること
がない。さらに、駆動前輪20,21と後輪130との
間隔が広くなるため、図13の如く、この間にエンジン
33やHSTポンプ120,121を低く搭載して低重
心型の車両にすることが可能であり、エンジン33やH
STポンプ120,121を後方に搭載することにより
カウンタウエイトを軽減でき、また走行時のピッチング
が減少して乗心地がよくなり運転者の疲労を軽減でき
る。また、後輪130が複輪で左右輪が別回転できるた
め、換向時の後輪130はスリップせず摩耗を低減でき
る。
【0035】なお、本考案は、上記実施例に限定される
ものではなく、本考案の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、第
一および第二実施例におけるHSTモータ30に、HS
Tモータ30をスムーズに制動するためのブレーキバル
ブ装置を装備してもよい。さらに、HSTモータ30を
可変容量形として、斜板55の傾斜角を切換えてモータ
軸54の回転速度を切換える高低速二段切換装置を装備
してもよい。
【0036】また、左右の駆動前輪20,21は全部で
6車輪としてもよく、各HSTモータ30に対して夫々
HSTポンプ32を配してもよい。さらにまた、ステア
リングハンドルの切れ角に応じてHSTポンプ32,1
20,121から吐出される圧油の吐出量を調節して車
両の走行速度を決めるマイクロコンピュータを装備して
もよい。
【0037】
【考案の効果】以上の説明から明らかな通り、本考案請
求項1によると、各車輪に油圧モータを装着して、油圧
ポンプからの圧油の供給により各油圧モータを作動する
構造としたため、車両を停止させる際にはブレーキ機能
の活用により機械式ブレーキの使用頻度を減少でき、車
両を旋回させる際にデファレンシャル機能により各車輪
をスリップさせずに旋回させることができる。したがっ
て、機械式ブレーキおよび各タイヤの摩耗を低減でき、
ライフサイクルコストが安価となる。
【0038】請求項2によると、第一および第二油圧ポ
ンプを配して、左側の駆動前輪と右側の駆動前輪の回転
速度および回転方向を別々に切換えることができるた
め、車両の芯地旋回が可能となる。
【0039】請求項3によると、後輪が車両本体の後部
中央に配されているため、後輪を換向させるための構造
が簡単で安価となり、また後輪が車両本体の左右から突
出せず人や物等に当たることがない。さらに、駆動前輪
と後輪との間隔が広くなるため、この間にエンジンや油
圧ポンプを低く搭載して低重心型の車両にすることが可
能であり、エンジンや油圧ポンプを後方に搭載すること
によりカウンタウエイトを軽減でき、また走行時のピッ
チングが減少して乗心地がよくなり運転者の疲労を軽減
できる。また、後輪が複輪で夫々別回転できるため、換
向時の後輪の摩耗を低減できる。
【0040】請求項4によると、左右の駆動前輪におけ
る外側の車輪と内側の車輪との間に固定マストを装着で
き、従来の内側の車輪間に装着したときと比べて、前方
の視野が拡大するので、荷役効率と運搬時の安全性が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例における大型フォークリフ
トの走行駆動装置を示す構成図
【図2】同じく大型フォークリフトの側面図
【図3】走行駆動装置の油圧回路図
【図4】駆動前輪の断面図
【図5】HSTモータの斜視図
【図6】中立時のHSTポンプの要部斜視図
【図7】HSTポンプとHSTモータとの間の詳細な油
の流れを示す図
【図8】大型フォークリフトにおける旋回半径および視
野を示す平面図
【図9】固定マストの車両本体への装着を示す図
【図10】車両前進時のHSTポンプの斜視図
【図11】車両後進時のHSTポンプの斜視図
【図12】第二実施例の大型フォークリフトの走行駆動
装置を示す構成図
【図13】同じく大型フォークリフトの側面図
【図14】後輪の部分断面図
【図15】後輪の側断面図
【図16】従来の大型フォークリフトの側面図
【図17】駆動前輪が複輪式の大型フォークリフトにお
ける車輪の旋回半径を示す図
【図18】駆動前輪が単輪式の小型フォークリフトにお
ける車輪の旋回半径を示す図
【符号の説明】
20,21 駆動前輪 22,23 後輪 25,26 左側車輪 27,28 右側車輪 30 油圧モータ 32 油圧ポンプ 33 エンジン 40 車両本体 90 制御レバー 100 フォーク 101 固定マスト 120 第一油圧ポンプ 121 第二油圧ポンプ 130 後輪
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 17/10

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の駆動前輪が夫々複輪とされ、後輪
    が換向輪とされた大型フォークリフトにおいて、前記駆
    動前輪の各車輪に装着され各車輪を回転駆動させる油圧
    モータと、該油圧モータを駆動する油圧ポンプと、該油
    圧ポンプを駆動するエンジンとが設けられたことを特徴
    とする大型フォークリフトの走行駆動装置。
  2. 【請求項2】 左側の駆動前輪に配設された各油圧モー
    タを駆動する可変容量形の第一油圧ポンプと、右側の駆
    動前輪に配設された各油圧モータを駆動する可変容量形
    の第二油圧ポンプとが設けられ、前記第一および第二油
    圧ポンプからの圧油の吐出方向および吐出量を可変して
    左右の駆動前輪の回転方向および回転速度を切換える走
    行切換手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載
    の大型フォークリフトの走行駆動装置。
  3. 【請求項3】 後輪が車両本体の後部中央に設けられて
    複輪とされたことを特徴とする請求項1または2記載の
    大型フォークリフトの走行駆動装置。
  4. 【請求項4】 左右の駆動前輪における外側の車輪と内
    側の車輪との間にフォークを昇降自在に保持するための
    固定マストが夫々設けられことを特徴とする請求項1な
    いし3記載の大型フォークリフトの走行駆動装置。
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KR102464504B1 (ko) * 2020-11-04 2022-11-10 주식회사 진우에스엠씨 시간차 제동 기능을 포함하는 이동형 작업기계의 유압회로
KR102464503B1 (ko) * 2020-11-04 2022-11-08 주식회사 진우에스엠씨 라디얼 모터를 적용한 이동형 작업기계의 개방루프형 유압회로

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