JP2587214B2 - ガスの赤外分光分析方法およびこれに用いられる装置 - Google Patents

ガスの赤外分光分析方法およびこれに用いられる装置

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JP2587214B2 JP52508195A JP52508195A JP2587214B2 JP 2587214 B2 JP2587214 B2 JP 2587214B2 JP 52508195 A JP52508195 A JP 52508195A JP 52508195 A JP52508195 A JP 52508195A JP 2587214 B2 JP2587214 B2 JP 2587214B2
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良夫 石原
宏 増崎
尚謙 呉
功 松本
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、半導体レーザーを光源として用いた赤外
分光分析によって、被測定ガス中に含まれる微量な成分
を分析する方法、およびこれに用いられる赤外分光分析
装置に関する。
背景技術 ガス状態の試料を分析する方法として赤外分光分析が
よく用いられる。赤外分光分析の原理について簡単に述
べる。多原子分子は、それを構成する原子間の結合に対
応して、各分子固有の振動エネルギー準位を有してい
る。そのために各分子の振動エネルギー準位値に等しい
光子エネルギーを有する波長の電磁波を受けると、自ら
の振動エネルギーとして吸収することが知られている。
そしてその吸収量は分子の存在量に比例する。この振動
エネルギー準位値を光子エネルギーに換算すると、通
常、赤外線領域の波長に相当する。
したがって赤外分光分析は、被測定ガスに赤外線領域
の光を透過させて吸収スペクトルを測定し、これを解析
することによって分析を行なうもので、吸収された光の
波長から被測定ガス内の測定対象ガス分子(不純物)の
同定を行ない、吸収量からその分子の定量を行なうこと
ができる。
例えば、半導体産業等では各種半導体材料ガスが使わ
れているが、集積度の高い半導体の製造プロセスでは、
半導体材料ガス中に極く微量であっても不純物、例えば
水分、が存在することは有害である。したがって半導体
材料ガス中の不純物の管理は工程管理項目の中でも重要
である。
そこで本出願人は、先に、波長1.3〜1.55μm帯で発
振するInGaAsP系の波長可変型レーザーを用いてガス中
の水分を測定する方法に関する発明を提案している(特
願平5−99845号公報参照)。
この公報に記載されている水分分析装置は、室温で波
長1.3〜1.55μm帯で発振する半導体レーザーと、ここ
らか室温で発振されたレーザー光を分岐して測定用ガス
セルに導き、しかるのち測定用検出器に送り込む測定ラ
インと、上記レーザー光を分岐してリファレンス用セル
に導き、しかるのちリファレンス用光検出器に送り込む
リファレンスラインと、上記レーザー光を分岐してパワ
ーモニター用光検出器に送り込むパワーモニターライン
を具備し、上記各検出器として室温で1.3〜1.55μm帯
に感度を有する光検出器を用いて構成されている。
この装置を用いて水分を測定する方法は、半導体レー
ザーへの注入電流を変えることによってレーザー発振波
長を掃引して、吸収スペクトルを測定する。そして、例
えば1.38μm帯にあるH2Oの吸収ピークを選択し、その
吸収強度と予め作成しておいた検量線とによりガス中の
水分を測定するものであった。この方法は簡便にその場
計測ができ、工程管理用としても利用できる優れたもの
であり、半導体材料ガスの分析に適用が期待されてい
る。
ここで、上記公報に開示されている吸収スペクトルの
例を第22図および第23図に示す。第22図はガス成分がH2
Oのみの吸収スペクトルである。第23図は窒素ガス中にH
2Oを含有する試料に対する吸収スペクトルである。ここ
で得られた吸収強度(ピーク高さ)を測定し、予め作成
しておいた検量線(第24図を示す)より水分濃度が得ら
れる。
グラフに示されるように、第22図ではH2Oに係わる吸
収ピークが4本観察されている。また第23図の窒素ガス
ベースの試料では1つのブロードな吸収帯となっている
が、この波長領域内に窒素ガスによる吸収はなく、また
窒素と水分との反応による生成物は考えられない。した
がって、第23図のブロードな吸収帯は、第22図の近接し
た4本の個々のピークがブロード化して重なり合い、そ
の結果、1つの吸収帯となったものと考えられる。
このように、前記特開平5−99845号公報に記載され
た方法をそのまま半導体材料ガス中の不純物分析に適用
すると、不純物による吸収ピークの近傍に被測定ガス等
による妨害ピークがない場合にも、検出感度があまり高
くなかった。
また、被測定ガスの種類や、測定しようとする不純物
の種類によっては、水分等の不純物に係わる吸収ピーク
の近傍に半導体材料ガスに係わる吸収ピークが存在する
場合があり、その場合には近傍ピークの重なりによって
測定精度がさらに悪くなる。そのため上記の方法では、
高精度が要求される半導体材料ガス中の微量不純物の分
析などにおいては不満があった。
ところで、前記特開平5−99845号公報に記載された
方法も含めて、通常、赤外分光分析における被測定ガス
の圧力は、操作の簡便さ、及び測定対象ガス(不純物)
による吸収量を十分な強度で得るために、1気圧付近な
いしそれ以上で測定が行われていた。
被測定ガス中の測定対象ガス(不純物)の濃度が高い
場合には、このような圧力で測定しても、特に問題は起
こらなかった。
しかしながら、赤外分光分析においては、一般に被測
定ガスの圧力が高くなると、不純物による吸収ピークの
幅が広がるので、被測定ガス中の不純物濃度が低い場合
には、吸収ピークの分解能が低下して測定精度が悪くな
ってしまうという不都合があった。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもの
で、半導体レーザーを用いた赤外分光分析において、被
測定ガス中の微量の不純物濃度を高感度かつ高精度で分
析できるようにした方法と装置の提供を目的としてい
る。
発明の開示 前記課題を解決するために、本発明のガスの赤外分光
分析方法は、被測定ガスに赤外線領域の光を透過させて
吸収強度を測定することにより、被測定ガス中の不純物
を分析する方法において、被測定ガスを減圧状態として
分析するものである。被測定ガスを減圧することによっ
て吸収ピークの分解能を向上させることができる。
被測定ガスの好ましい圧力の範囲は、要求される分解
能や測定対象である不純物の種類によって変化しうるも
のであるが、10〜500Torrの範囲内で設定すれば良好な
感度および精度が得られる。
本発明の方法において、被測定ガスに透過させる光を
掃引して吸収スペクトルを測定することが好ましい。掃
引する光の波長範囲は不純物による強い吸収ピークが得
られる範囲を選択することが望ましく、1.19〜2.00μm
の範囲内で好ましく選択することができる。
吸収スペクトルを用いて被測定ガス中の不純物を同定
および定量する方法は、被測定ガスの吸収スペクトル
を、これとは別に測定した不純物のみの吸収スペクトル
と比較して、該不純物に係わる複数の吸収ピークを確定
することによって該不純物を同定し、しかるのち該複数
の吸収ピークをうち近傍に妨害ピークがない最強のピー
クを選択して、該最強ピークの吸収強度より不純物の定
量を行うことが好ましい。
このとき、被測定ガスに光を透過させて吸収スペクト
ルを測定すると同時に、これとは別に不純物のみに同じ
波長の光を透過させて吸収スペクトルを測定してもよ
い。
前記吸収ピークとして、吸収強度変化の微分量を検出
して得られる微分値吸収ピークを用いれば、検知感度を
向上させることができる。
また複数の吸収ピークの相対強度より不純物を同定す
れば、同定を正確に行うことができる。
本発明の方法において、被測定ガス中で不純物ガス分
子がクラスターを形成している場合には、これを解離さ
せた状態で分析を行うことが好ましく、正確な分析を安
定して行うことができる。
被測定ガスに光子エネルギーが0.5eV以上の光を照射
した状態で分析を行なえば、クラスターを解離させるこ
とができる。
さらには、前記光子エネルギーが0.5eV以上の光の前
記被測定ガスに対する照射密度をDP(光子数/sec・c
m2)、前記被測定ガス中の分子数をN(分子)とすると
きに、DP≧N/2とすることが好ましい。
また、本発明の赤外分光分析装置は、赤外線領域の光
を発振する波長可変型半導体レーザーと、被測定ガスに
該レーザーから発振された光を透過させる手段と、被測
定ガスを透過したレーザー光強度を測定する手段を具備
してなり、該被測定ガス中の不純物を赤外分光により分
析する装置であって、前記被測定ガスを減圧する手段を
備えてなることを特徴とするものである。
前記半導体レーザーから発振された光を分岐し、該分
岐光の一方を被測定ガスに透過させると同時に、他方を
不純物ガスのみに透過させる手段と、被測定ガスを透過
した光の吸収スペクトルを測定する手段と、不純物ガス
のみを透過した光の吸収スペクトルを測定する手段を具
備したものであれば、被測定ガスの吸収スペクトルと不
純物のみの吸収スペクトルが同時に得られるので、これ
らの吸収スペクトルの正確な比較が可能である。
さらに前記吸収スペクトルとして、吸収強度変化の微
分量を検出して微分値吸収スペクトルを測定する手段を
具備してなるものであれば、不純物の測定に微分値吸収
ピークを用いることができ、検知感度を向上させること
ができる。
被測定ガスを透過した光の吸収スペクトルと、不純物
ガスのみを透過した光の吸収スペクトルとを比較して、
被測定ガスを透過した光の吸収スペクトルが有する吸収
ピークのうち、不純物ガスのみを透過した光の吸収スペ
クトルが有する吸収ピークと吸収波長が一致する吸収ピ
ークを認識し、その吸収ピークの吸収強度を検出する手
段を具備していれば、不純物の分析が迅速に行える。
また被測定ガスに対して光子エネルギーが0.5eV以上
の光を照射する手段を具備していれば、被測定ガス中の
不純物が形成しているクラスターが光源光によって解離
されない場合にも、クラスターを解離させた状態で分析
を行うことができる。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明の赤外分光分析装置の一実施例を示
す構成図である。
第2図は、本発明の方法により測定されたH2Oに係わ
る微分値吸収スペクトルの例である。
第3図は、クラスター形成による吸収ピーク波長のず
れを説明するためのグラフである。
第4図は、クラスター形成による水分濃度と吸収ピー
ク強度との非比例性を説明するためのグラフである。
第5図は、本発明の実施例で測定されたH2Oに係わる
吸収スペクトルの圧力依存性を示すグラフである。
第6図は、本発明の実施例で測定されたCO2に係わる
微分値吸収スペクトルの圧力依存性を示すグラフであ
る。
第7図は、第6図を部分拡大したグラフである。
第8図は、第6図を部分拡大したグラフである。
第9図は、第6図を部分拡大したグラフである。
第10図は、第6図を部分拡大したグラフである。
第11図は、第6図を部分拡大したグラフである。
第12図は、第6図を部分拡大したグラフである。
第13図は、本発明の実施例で測定されたCH4に係わる
微分値吸収スペクトルの圧力依存性を示すグラフであ
る。
第14図は、第13図を部分拡大したグラフである。
第15図は、第13図を部分拡大したグラフである。
第16図は、本発明の実施例で測定されたH2O/HClの微
分値吸収スペクトルである。
第17図は、本発明の実施例で測定されたCO2/HClの微
分値吸収スペクトルである。
第18図は、本発明の実施例で測定されたCO2/N2の微分
値吸収スペクトルである。
第19図は、本発明の実施例で測定されたCH2の微分値
吸収スペクトルである。
第20図は、本発明の実施例の結果を示したもので、半
導体レーザーの光強度およびサンプルガスの圧力を変化
させたときの、吸収ピーク波長のシフト量の変化を示す
グラフである。
第21図は、本発明の実施例の結果を示したもので、照
射光の照射密度およびサンプルガス中の分子数と吸収ピ
ーク波長シフトとの関係を示すグラフである。
第22図は、従来の水分分析方法を用いて測定した水の
吸収スペクトルの例である。
第23図は、従来の水分分析方法を用いて測定した水分
含有窒素ガスの吸収スペクトルの例である。
第24図は、従来の水分分析方法における水分濃度と吸
収ピーク強度との関係を示す検量線の例である。
発明を実施するための最良の形態 本発明者らは、赤外分光分析において、吸収ピークの
分解能を向上させる手段について種々研究した。
まず測定時の圧力について検討した。一般にガス中で
の赤外吸収において、ガスの圧力が高いと、分子衝突の
影響で吸収ピークは広がり、ピークの幅が大きくなって
分解能を低下させる。このガスの圧力を下げてゆくと吸
収強度も低下するが、ピークの幅が小さくなり、分解能
は上がる。従って、本発明において、被測定ガスを減圧
状態として赤外分光分析を行うことにより、このガス中
に含まれる不純物を高感度かつ高精度で測定することが
できる。
尚、本発明は、従来、被測定ガスが1気圧付近ないし
それ以上の状態で測定が行われていたのに対して、減圧
を行うことによって測定精度を向上させることができる
ものである。したがって本発明における減圧状態とは被
測定ガスの全圧が1気圧未満である状態をいう。
一般に、被測定ガスの圧力が100Torr程度以上と大き
い範囲では、圧力が大きくなれば吸収ピークの幅も大き
くなり、したがって吸収ピークの高さは小さくなる。よ
って測定対象である不純物の量が微量である場合には、
圧力が大き過ぎるとピークの幅が広がって分解能が低下
する。一方、被測定ガスの圧力が100Torr程度以下と小
さくなると、吸収ピークの幅は圧力低下に伴って小さく
なる(吸収ピークの高さは高くなる)が、無限に小さく
なることはない。すなわち、ドップラー効果によるドッ
プラーリミットという圧力に無関係な一定の値に近づ
く。したがって、圧力を小さくし過ぎても、吸収ピーク
の幅が鈍り、かつ吸収ピークの高さも低くなるため検出
感度の低下が生じる。
したがって、被測定ガス中に含まれる微量な不純物を
測定する際には、被測定ガスの全圧を10〜500Torr程度
の範囲内とすれば、良好な測定感度および測定精度が得
られることを見出した。この好適な減圧の程度は不純物
の種類によって、また要求される分離能によってそれぞ
れ設定されるものである。
また、不純物が微量であると、被測定ガスに入射され
た光量に対して、不純物による光吸収量が微小であるた
めに、信号雑音比(S/N比)が著しく小さくなる。そこ
で吸収量の変化率、すなわち吸収強度変化の微分値を検
出して微分値吸収ピークを用いることによって、測定感
度を向上させることができる。この場合の好適な減圧の
程度も同様に10〜500Torrとすることができる。
すなわち、微分値吸収ピークを得るには、光源である
半導体レーザーに、直流成分I0に交流成分a・sin(ω
t)を重ねて、電流i=I0+a・sin(ωt)を注入す
る周波数変調法を用いることができる。このとき、被測
定ガスの圧力の大きい場合には、微分値吸収ピークの幅
も大きいので、それに応じて変調振幅aも大きくなる
が、それにともなって雑音(ノイズ)も大きくなる。こ
の理由から測定に好適な圧力の上限が決められる。一
方、被測定ガスを減圧してドップラーリミット領域まで
達すると、微分値吸収ピークの高さが低くなり、検出感
度は低下する。この理由から測定に好適な圧力の下限が
決められる。
次に、測定する波長範囲について検討した。本発明に
おいては、不純物(測定対象ガス)による吸収ピークが
得られる波長範囲であっても強度の大きいピークが得ら
れる範囲を選択することによって、分析の精度を向上さ
せることができる。
半導体材料ガス中の不純物としてH2O分子は最もその
影響が大きいので、まずH2O分子を不純物とする場合を
例にとると、H2O分子は広い波長領域に極めて多数の吸
収ピークを示すが、特にH2O分子による吸収強度が1桁
以上大きい1.35〜1.42μmの範囲の波長領域を選択する
のが好ましい。
また他の測定対象ガス(不純物)に対して有効な波長
域を例示すれば、 ・二酸化炭素(CO2) ……1.43〜1.46μm ・フッ化水素(HF) ……1.25〜1.35μm ・メタン(CH4) ……1.29〜1.50μm ・モノシラン(SiH4)……1.19〜2.00μm ・臭化水素(HBr) ……1.34〜1.37μm ・水酸基(−OH) ……1.40〜1.45μm である。
さらに本発明において、得られた吸収スペクトルから
被測定ガス中の不純物の同定を行う際に、不純物のみの
吸収スペクトルを別途測定し、不純物に係わる複数の吸
収ピークを確定することによって、正確な同定を行うこ
とができる。
またこのようにして同定を行う場合に、複数のピーク
の相対強度を用いれば、不純物を確実に同定することが
でき、測定感度と測定精度を向上させることかできる。
そして同定された不純物の定量を行う際には、同定に
用いられた複数の吸収ピークのうち近傍に妨害ピークが
ない最強ピークを選択して、その最強ピークの吸収強度
から不純物の定量を行えば、正確な測定ができる。
また、吸収強度を測定する場合には、吸収量スペクト
ルだけではなく、吸収量の変化率、すなわち吸収強度変
化の微分値吸収スペクトルを用いることによって、測定
感度をさらに向上させることができる。微分値吸収スペ
クトルを得るには、上述の周波数変調法を用いることが
できる。
このように、不純物に対して好適な減圧状態、および
好適な波長範囲を選択して測定を行うことにより、測定
精度を向上させることができるが、さらに本発明者らは
不純物を含有する被測定ガスの種類および測定時のレー
ザー光強度によって吸収ピークが得られる波長がシフト
し、その吸収強度も変化する場合があることを見出し、
検討を重ねた。
第2図は塩化水素(HCl)中に70ppmの水分(H2O)を
含むガスを減圧状態(100Torr)で赤外分光分析した結
果の例を示すグラフであり、吸収強度変化の微分値吸収
スペクトルである。尚、この測定と同時にH2O(20Tor
r)についても同様に赤外分光分析を行った。
第2図において、横軸は発振波長を示し、縦軸は吸収
強度変化の微分値を示す。また、水分のみのスペクトル
(図中細線で示す)とサンプルガスのスペクトル(図中
太線で示す)の重なりを避けるために、サンプルガスの
スペクトルのベースラインを1メモリ上げている。
この図に観られるように、水分のみのスペクトルと、
塩化水素中に水分を含むサンプルガスのスペクトルとの
両者で、H2Oに起因する4つの急峻な吸収ピーク位置
(波長)および吸収強度(吸収量)がよく一致してい
る。
しかしながら、例えば第2図で得られた波長1.38075
μm付近における吸収ピークについて詳細に検討する
と、第3図に示すように、測定条件によってこの吸収ピ
ーク位置(波長)がシフトすることが判った。
第3図中、Aは窒素(N2)中のH2Oをレーザー光強度
0.7mWで測定した場合、BはHCl中のH2Oをレーザー光強
度2.05mWで測定した場合、CはHCl中のHCl中のH2Oをレ
ーザー光強度0.7mWで測定した場合をそれぞれ示す。
尚、被測定ガスの圧力はいずれも100Torrとした。
また第3図中、破線はリファレンスセルによって得ら
れたH2Oピークの基準位置を示している。
ここに示されるように、HCl中のH2Oを高強度のレーザ
ー光で測定したBにおいては、吸収ピーク波長が規準位
置と一致しているのに対して、低強度のレーザー光で測
定したCにおいては規準位置よりも長波長側にシフトし
ている。
またAはN2中のH2OをCと同様の低強度のレーザー光
で測定したにもかかわらず、吸収ピーク波長は規準位置
と一致している。
第4図は、HCl中のH2O濃度と吸収強度との関係を示し
たもので、実線はレーザー光強度2.05mWで測定した場
合、破線はレーザー光強度0.7mWで測定した場合をそれ
ぞれ示す。ここに示されるように、レーザー光強度が2.
05mWの場合は、H2O濃度と吸収強度とが良好な比例関係
を示し、得られるグラフは検量線として使用できるもの
であるが、レーザー光強度が0.7mWと小さい場合は、H2O
濃度が高くなるにつれて直線からのずれが大きくなって
おり、得られるグラフを検量線として使用することはで
きない。
このように、測定時のレーザー光強度が適切でない
と、吸収ピーク波長が基準位置からシフトしてしまうこ
とがある。そして、シフトした吸収ピーク波長の近傍に
他の成分による吸収ピークが存在する場合には定性的な
同定が困難となる。また吸収ピーク波長がシフトすると
同時に吸収量も変化するので正確な検量線が得られず、
定量が正確にできなくなる。
本発明者らは、第3図のような吸収ピーク波長のシフ
トや第4図のような吸収強度の非比例性の原因について
鋭意考究した結果、被測定ガス中で不純物の分子がクラ
スターを形成しているためであるという知見を得た。
すなわち、水分子(H2O)、塩化水素分子(CHl)、ア
ンモニア分子(NH3)など極性を有するガス分子は多
い。例えばHCl分子においては、Hがプラスに、Clがマ
イナスにそれぞれ帯電しており極性を有する。このよう
な極性を有するガス分子は、これら極性分子どうしはも
とより無極性分子ともクローン力によって結合し、複数
の分子からなるクラスターを形成することが知られてい
る。
すなわち、第3図のCにおいては、被測定ガスのHCl
も不純物のH2Oも極性分子であり、HCl分子およびH2O分
子が結合してクラスターを形成しているものと考えられ
る。これに対して第3図のAにおいては、被測定ガスの
N2が無極性分子であるので、不純物のH2Oが極性分子で
あってもその含有量が微量であるため、H2O分子はN2
ス中でクラスターを形成していないと考えられる。
従来のガスの分光分析方法においては、このようなク
ラスターの形成については考慮が払われていなかった
が、本発明者らはクラスターが形成された状態でガスの
分光分析を行なうと、測定条件によっては吸収ピーク波
長が基準位置からシフトし、吸収強度も変化することを
見出した。
よって本発明は、被測定ガス中の不純物の分子が形成
するクラスターを解離させた状態として分光分析を行な
うことにより、正確な分析を安定して行うことができる
ようにしたものである。
クラスターを解離させる方法としては、クラスター形
成のエネルギーよりも大きい光エネルギーを照射する方
法がある。具体的には、クラスター形成のエネルギーは
0.5eV未満であるので、被測定ガスに対して光子エネル
ギーが0.5eV以上の光を照射することにより、クラスタ
ーが解離した状態が得られる。
0.5eVの光子エネルギーを有する光の波長は2.48μm
であるので、分光分析に波長2.48μm以下の光が用いら
れる場合は、分析のための照射光がクラスター解離のた
めの照射光を兼ねることができる。一方、分光分析に用
いられる照射光の波長が2.48μmより長い場合は、波長
2.48μm以下の光をクラスター解離のために別途照射す
ればよい。
また0.5eV以上の光子エネルギーを有する光の照射に
よるクラスター解離の効率は、被測定ガスの圧力や照射
光の光量によって変化し、例えば被測定ガスの圧力が大
きい場合は効率が悪く、照射光の光量を増大させる必要
がある。照射光の光量を大きくすればクラスター解離の
度合いも大きくなるが、本発明においては、クラスター
を分光分析に支障のない程度に解離させればよく、その
ためには、光子エネルギーが0.5eV以上の光の被測定ガ
スに対する照射密度をDP(光子数/sec・cm2)、被測定
ガス中の分子数をN(分子)とするときに、DP≧N/2を
満たすようにすればよい。
このように光エネルギーを照射することは、被測定ガ
ス中で不純物の分子がクラスターを形成している場合に
有効であり、被測定ガスの組成等によって不純物がクラ
スターを形成しないことが明らかである場合にはこのよ
うな光エネルギー照射を適用する必要性はないが、適用
しても特に差し支えはないものである。
本発明において、被測定ガスの種類は特に限定され
ず、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム、二酸化酸素など
の汎用ガスや、シラン、ホスフィン、アルシン、トリク
ロールシラン、塩化水素、有機金属化合物などの半導体
材料ガスなど種々のガスにおいて適用が可能である。
また本発明において測定される前記被測定ガス中の不
純物(測定対象ガス)は、赤外分光分析が可能な物質で
あればよく、例えば、水、二酸化炭素、一酸化炭素、フ
ッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、モノシラ
ン(SiH4)などの無機化合物や、メタンなどの多くの有
機化合物の分析に適用することが可能である。
実施例 以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例に限定されることなく、多種のガスの分析に応用す
ることが可能である。
第1図は、本発明の赤外分光分析装置の一実施例を示
した概略構成図である。
この装置において、光源である半導体レーザー1から
出た光は集光レンズ系2でコリメートされてからチョッ
パー3でチョピングされてハーフミラー4を通して二つ
に分けられる。その一方はサンプルセル5を通過してか
らフォーカシングレンズ6で集光されて光検出器7に入
る。他方は参照セル8を通してレンズ9で集光されて光
検出器10に入る、参照セル8の中には減圧状態の測定物
質が入っている。検出器7,10に入った光は電気信号に変
換されてから、それぞれロックインアンプ11,12に送ら
れる。そこでチョッパー3から送られた変調信号と同調
する信号が増幅されてから計算機13に入り、測定データ
として処理される。測定するときに半導体レーザー1の
電流は電流ドライバー14から供給される。半導体レーザ
ー1のペルチエ素子温度は温度コントローラ15で制御さ
れる。
そして、この装置においては、サンプルセル5中の圧
力を1気圧以下の所定の値にコントロールするために、
セル5の入口に流量コントロールユニット18を設け、セ
ル5の出口に圧力コントロールユニット17と排気ポンプ
16を設けている。
測定を行う際には、排気ポンプ16は一定の排気速度で
排気する。圧力コントロールユニット17には必要な圧力
を予め設定する。測定された圧力信号と設定された圧力
信号の差が流量コントロールユニット18にフィードバッ
クされて、セル5に入るガスの流量を制御する。このよ
うな構成とすることにより、サンプルセル5に測定しよ
うとするガスを流しながらセル中の圧力を一定に保つこ
とができる。
また半導体レーザー1の発振波長は注入電流あるいは
素子温度を変えることによって可変である。
ここで、被測定ガスを減圧するための機構は、上記の
ように被測定ガスを導入するサンプルセルの入口のガス
流量を制御する方法によるものの他、サンプルセルの入
口の流量を一定にしてセル出口の排気量を制御する方法
によるものも用いることができる。
また分光分析に用いられる光の波長が2.48μmより長
く、光源からの照射光の他に被測定ガス中のクラスター
を解離させるための光照射が必要な場合には、光照射装
置20が設けられる。光照射装置20はサンプルセル5の外
方に設けられ、これにより0.5eV以上の光子エネルギー
を有する光がサンプルセル5全体にわたって照射されう
よになっている。光照射装置20は0.5eV以上の光子エネ
ルギーを有する光、すなわち波長2.48μm以下の光を照
射できるものであれば任意のものを用いることができ、
例えば可視光線を照射する蛍光燈を用いることができ
る。
このように構成された装置によれば、半導体レーザー
1から発振される光の波長を掃引させて、被測定ガスの
吸収スペクトルと不純物のみの吸収スペクトルを同時に
得ることができる。
また電流ドライバー14から半導体レーザー1へ注入さ
れる電流信号を、直流成分I0に交流成分a・sin(ω
t)を重ねたi=I0+a・sin(ωt)とする周波数変
調法を用いれば、微分値吸収スペクトルを得ることがで
きる。
尚、チョッパー3は直流増幅に用いられるもので、半
導体レーザー1に直流成分のみの電流信号を注入して吸
収スペクトルを測定するときには、ノイズを抑えるため
にチョッパー3でレーザー光を変調することが行われる
が、半導体レーザー1に、直流成分に交流成分を重ねた
電流信号を注入して微分値吸収スペクトルを測定すると
きにはチョッパー3は用いない。
さらに、計算機13で測定データの処理を行う際に、予
め、被測定ガスを透過した光の吸収スペクトルと、不純
物ガスのみの透過した光の吸収スペクトルとを比較し
て、被測定ガスを透過した光の吸収スペクトルが有する
吸収ピークのうち、不純物ガスのみを透過した光の吸収
スペクトルが有する吸収ピークと吸収波長が一致する吸
収ピークを認識し、その吸収ピークの吸収強度を検出し
て数値を表示するようにプログラミングしておくことも
でき、このようにすれば測定の迅速化を図ることができ
る。
このような赤外線分光分析装置は、半導体などの製造
工程において、サンプルセルを配管に直接接続して用い
ることもでき、簡便にその場計測を行うのに好適であ
る。
(実施例1) H2Oに係わる吸収スペクトルの圧力依存性について調
べた。第1図に示した装置を用い、微量の水分を含む窒
素ガスをサンプルガスとして吸収スペクトルを測定し
た。また吸収スペクトルに対する圧力の影響を調べると
いう目的から、半導体レーザーの発振波長は、H2Oに係
わる比較的吸収強度の大きいピークが得られる1.380μ
m付近で掃引した。また半導体レーザーの発振波長は注
入電流を変えることによって変化させた。
第5図はサンプルセル中の圧力が10,30,50,100,300,5
00Torrのときに、100ppmH2O/N2のサンプルガスを流しな
がら測定して得られた吸収スペクトルである。このグラ
フにおいて横軸は波長であり、縦軸は光学的厚さで、吸
収の強さを表わすものである。第5図に示すように、サ
ンプルセルの圧力が300Torr以上に高くなると隣近する
吸収線の影響でスペクトルの形が歪んで非対照となる。
また500Torrの圧力で吸収の強度は300Torrより大きいは
ずであるが、逆に小さくなっている。500Torr以下、特
に300Torr以下では、圧力が低くなるにつれて吸収強度
が次第に小さくなるとともに、吸収線スペクトルは幅が
狭くて歪みの少ない対称な形となる。この結果からも減
圧することによって測定の分解能を向上できるという効
果が明らかである。一方、サンプルガスを10Torr以下に
減圧しても、吸収線の幅の減少が鈍り、スペクトルの高
さが低くなるので、10Torrより低い減圧は好ましくなか
った。
この結果から、10Torr〜500Torrの圧力範囲で被測定
ガス中の水分を好適に分析できることが認められた。
(実施例2) CO2に係わる吸収スペクトルの圧力依存性について調
べた。第1図に示した装置を用い、CO2を含むHClガスを
被測定ガスとして吸収スペクトルを測定した。また吸収
スペクトルに対する圧力の影響を調べるという目的か
ら、半導体レーザーの発振波長は、CO2に係わる比較的
吸収強度の大きいピークが得られる1.435μm(1435n
m)付近で掃引した。また半導体レーザーの発振波長は
注入電流を変えることによって変化させた。
第6図はサンプルセル中の圧力が10,30,50,100,200,3
00,400,500,600,700Torrのときに、7.4重量%CO2/NClの
サンプルガスを流しながら測定して得られた微分値吸収
スペクトルである。このグラフにおいて横軸は発振波長
であり、縦軸には吸収強度変化の微分値(単位は任意)
を示す。また、リファレンスセルにはCO2のみを20Torr
で封入して同時に測定を行った。第6図には、CO2のみ
スペクトルRを併記している。CO2のみを測定して得ら
れたピーク位置(波長)と被測定ガスを測定して得られ
たピーク位置とが一致することを確認して同定を行っ
た。尚、CO2のみを測定して得られたスペクトルRは、
吸収強度変化を圧縮し、かつベースラインを上げて示し
ている。
また、スペクトルの重なり部分を見やすくするため
に、第7図〜第12図に第6図のスペクトルを部分拡大し
て示した。第7図はサンプルガスの圧力が500〜700Torr
のスペクトルを示し、第8図はサンプルガスの圧力が70
0Torrのスペクトルを示し、第9図はサンプルガスの圧
力が600Torrのスペクトルを示し、第10図はサンプルガ
スの圧力が500Torrのスペクトルを示し、第11図はサン
プルガスの圧力が10〜50Torrのスペクトルを示し、第12
図はサンプルガスの圧力が10Torrのスペクトルを示す。
ここで、微分値吸収ピークを用いて不純物を定量を行
う場合には、ピークの先端からこれに対向するピーク立
上がりボトムの最も低い点までの距離(第8図中Dで示
す)が、ピーク高さ(吸収強度)として定量に用いられ
る。
本実施例において、第8図〜第10図に示されるよう
に、サンプルガスの圧力が600Torrおよび700Torrのとき
には、雑音(ノイズ)のためにピークのボトムにが乱れ
ており、正確な定量ができない。500Torr以下ではノイ
ズの影響がなくピークのボトムが安定しているため、こ
のピークを定量に用いることができる。また第11図およ
び第12図に示されるように、サンプルガスの圧力が10To
rr以上で安定したピークが得られており、これらを用い
て精度よく定量を行うことができる。
この結果から、10Torr〜500Torrの圧力範囲で被測定
ガス中のCO2を好適に分析できることが認められた。
(実施例3) CH4に係わる吸収スペクトルの圧力依存性について調
べた。第1図に示した装置を用い、CH4を含むN4ガスを
サンプルガスとして吸収スペクトルを測定した。また吸
収スペクトルに対する圧力の影響を調べるという目的か
ら、半導体レーザーの発振波長は、CH4に係わる比較的
吸収強度の大きいピークが得られる1.645〜1.646μm
(1645〜1646nm)付近で掃引した。また半導体レーザー
の発振波長は注入電流を変えることによって変化させ
た。
第13図はサンプルセル中の圧力が10,30,50,100,200,3
00,400,500,600,700Torrのときに、7.9重量%CH4/N2
サンプルガスを流しながら測定して得られた微分値吸収
スペクトルである。このグラフにおいて横軸は発振波長
であり、縦軸には吸収強度変化の微分値(単位は任意)
を示す。また、リファレンスセルにはCH4のみを20Torr
で封入して同時に測定を行った。第13図には、CH4のみ
スペクトルRを併記している。CH4のみを測定して得ら
れたピーク位置(波長)と被測定ガスを測定して得られ
たピーク位置とが一致することを確認して同定を行っ
た。尚、CH4のみを測定して得られたスペクトルRは、
吸収強度変化を圧縮し、かつベースラインを上げて示し
ている。
また、スペクトルの重なり部分を見やすくするため
に、第14図および第15図に第13図のスペクトルを部分拡
大して示した。第14図はサンプルガスの圧力が500Torr
のスペクトルを示し、第15図は10TorrのスペクトルRを
示す。
本実施例において、CH4に係わる微分値吸収ピーク
は、2つのピークが接近しているため、グラフ右側のピ
ークの左裾と、左側のピークの裾とが重なり合った状態
で検出されている。第14図および第15図に示されるよう
に、サンプルガスの圧力が500Torrのときも、また10Tor
rのときも安定したピークが得られており、これらを用
いて精度よく定量を行うことができる。
この結果から、10Torr〜500Torrの圧力範囲で被測定
ガス中のCH4を好適に分析することが認められた。
(実施例4) 第1図に示す装置を用いて、半導体材料ガスの代表例
として塩化水素ガス中の水分の分析を行った。サンプル
ガスに、水分濃度未知の塩化水素ガスを圧力30Torrで封
入し、一方、リファレンスセル4には、水分のみを20To
rrで封入した。尚、サンプルセルの光路長は50cmとし
た。
ペルチエ素子の温度を20〜30℃に変化させることによ
って、レーザー光を1.3803〜1.3814μmの波長領域で掃
引し、微分値吸収スペクトルを測定した。その結果、第
16図に示すスペクトルが得られた。
第16図において、横軸に発振波長を示し、縦軸には、
吸収強度変化の微分値(単位は任意)を示す。また、水
分のみのスペクトル(図中Rで示す)とサンプルガスの
スペクトル(図中Sで示す)の重なりを避けるために、
サンプルガスのスペクトルSのベースラインを1メモリ
下げている。
第16図に示されるように、水分のみのスペクトルと同
等の分解能でサンプルガスのスペクトルを得ることがで
きた。したがって、被測定ガスのスペクトルを水分のみ
のスペクトルと比較して、水分に係わる複数の吸収ピー
クを、ピークの位置と強度比によって確定し、これによ
り水分を確実に同定することができる。しかるのち水分
に係わる複数の吸収ピークのうち近傍に妨害ピークがな
い最強ピークを選択して、その最強ピークの吸収強度よ
り水分の定量を行う。
すなわち、第16図において水分のみのスペクトルと、
塩化水素を含むサンプルガスのスペクトルとの両者で、
4つの急峻なピークがよく一致している。そして、波長
1.38064μmにおける強度を1とした時の、波長1.38076
μmおよび1.38113μmの強度は、水分のみの場合、そ
れぞれ0.73、0.285となり、サンプルガスの場合も同様
な値となった。このように吸収ピークの相対強度の値を
比較して同値であつことを確認することによって、サン
プルガスでの4つのピークは、サンプルガス中の水分に
起因するものであることが認められ、的確に水分の固定
を行うことができた。
尚、ここで用いた波長領域内には塩化水素の吸収ピー
クはなく、サンプルガスのスペクトルには上記4つのピ
ーク以外のピークが観察されないことから、この波長領
域内では水分以外の不純物は検出されないことが認めら
れる。
そして水分の定量は、上記で同定された4つのピーク
のうち、近傍に妨害ピークのない最強ピークPを選択し
て行った。ここで、最強ピークPと他のピークとの強度
比が、水分のみのスペクトルとサンプルガスのスペクト
ルとでよく一致していることが認められる。したがって
ピークPは水分のみによるピークであり、未知のピーク
による妨害は受けていないと判断されるので、ピークP
を用いて正確に水分の定量ができる。
予め、この最強ピークPに基づくピーク強度と水分濃
度との関係を示す検量線(記載せず)を作成し、この検
量線を用いて、サンプルガスのスペクトルにおける最強
ピークPによるサンプルガス中の水分が得られた。
(実施例5) 第1図に示す装置を用いて、塩化水素ガス中のCO2
分析を行った。サンプルセルに、CO2を7.4重量%含有す
る塩化水素ガスを圧力100Torrで封入し、一方、リファ
レンスセルには、CO2のみを20Torrで封入した。
ペルチエ素子の温度を変化させることによって、レー
ザー光を1.4340〜1.4358μm(1434.0〜1435.8nm)の波
長領域で掃引し、微分値吸収スペクトルを測定した。そ
の結果第17図に示すようなスペクトルが得られた。
第17図において、横軸に発振波長を示し、縦軸には、
吸収強度変化の微分値(単位は任意)を示す。また、CO
2のみのスペクトル(図中Rで示す)とサンプルガスの
スペクトル(図中Sで示す)の重なりを避けるために、
CO2のみのスペクトルSのベースラインを上げている。
第17図に示されるように、CO2のみのスペクトルRと
同等の分解能でサンプルガスのスペクトルSを得ること
ができた。したがって、サンプルガスのスペクトルをCO
2のみのスペクトルと比較して、CO2に係わる複数の吸収
ピークを、ピークの位置と相対強度の値によって確定す
ることによって、水分を確実に同定することができる。
またCO2の濃度が未知場合には、CO2に係わる複数の吸
収ピークのうち近傍に妨害ピークがない最強ピークを選
択して、上記実施例4と同様にその最強ピークの吸収強
度よりCO2の定量を行うことができる。本実施例におい
ては波長1.3457μmで得られるピークが、吸収強度が強
いことから定量に好ましく用いられる。
(実施例6) 第1図に示す装置を用いて、窒素ガス中のCO2の分析
を行った。サンプルセルに、CO2を7.4重量%含有する窒
素ガスを圧力100Torrで封入し、一方、リファレンスセ
ル4には、CO2のみを20Torrで封入した。
ペルチエ素子の温度を変化させることによって、レー
ザー光を1.4340〜1.4358μm(1434.0〜1435.8nm)の波
長領域で掃引し、微分値吸収スペクトルを測定した。そ
の結果第18図に示すようなスペクトルが得られた。
第18図において、横軸に発振波長を示し、縦軸には、
吸収強度変化の微分値(単位は任意)を示す。また、CO
2のみのスペクトル(図中Rで示す)とサンプルガスの
スペクトル(図中Sで示す)の重なりを避けるために、
CO2のみのスペクトルRのベースラインを上げている。
第18図に示されるように、CO2のみのスペクトルRと
同等の分解能でサンプルガスのスペクトルSを得ること
ができた。したがって、サンプルガスのスペクトルをCO
2のみのスペクトルと比較して、CO2に係わる複数の吸収
ピークを、ピークの位置と相対強度の値によって確定す
ることによって、水分を確実に同定することができる。
またCO2の濃度が未知場合には、CO2に係わる複数の吸
収ピークのうち近傍に妨害ピークがない最強ピークを選
択して、上記実施例4と同様にその最強ピークの吸収強
度よりCO2の定量を行うことができる。本実施例におい
ては波長1.3453μmで得られるピークが、吸収強度が強
いことから定量に好ましく用いられる。
(実施例7) サンプルセルにSiH4を圧力30Torrで封入して、上記実
施例4と同様にして測定を行なった。得られた微分値吸
収スペクトルを第19図に示す。波長1.3804〜1.3814μm
の範囲にSiH4に係わる複数の急峻なピークがみられ、こ
れを用い、先のH2O、CO2の場合と同様にSiH4の同定およ
び定量が可能であることが認められた。
(実施例8) 第1図に示す装置を用いて、クラスタが形成されてい
るサンプルガスの赤外分光分析を行った。
半導体レーザーの出力およびサンプルガスの圧力を変
化させて、吸収ピーク波長のシフト量の変化を調べた。
サンプルガスとして水分を70ppm含む塩化水素ガスを
用いた。このサンプルガスにレーザー光を照射して得ら
れる吸収ピークのうち、波長1.38075μmを基準位置と
する水分に起因した吸収ピークについて調べた。ここ
で、波長1.38075μmの光の光子エネルギーは、約0.9eV
であり、0.5eVよりも大きいので、本実施例において
は、分析のための照射光の他にクラスター解離のための
照射光は必要としない。
半導体レーザー出力を同定し、LDの温度を変化させる
ことによって発振波長を掃引させて、上述した第2図に
示されるH2Oに起因する4つのピークのうち波長1.38075
μmを基準位置とするピークが、1.38075μmからどれ
だけシフトした波長で得られたか(波長シフト量)を測
定した。サンプルガスの圧力を50Torr、100Torr、およ
び200Torrとしたときについてそれぞれ測定を行なっ
た。
尚、半導体レーザーの光強度(出力)は0.7mW、1.3m
W、および2.05mWの3水準とした。
ここで、サンプルガスを減圧するための方法は、サン
プルガスを導入するサンプルセル3の入口のガス流量を
制御する方法、あるいはサンプルセル3の入口の流量を
一定にしてセル出口の排気量を制御する方法などを用い
ることができ、これにより、サンプルセル3にサンプル
ガスを流しながらセル中の圧力を制御し、保持する。
尚、測定は室温で行なった。
この結果を第20図に示す。第20図中、横軸はLDの光強
度を、縦軸は1.38075μmを基準とするピークの波長シ
フト量をそれぞれ示す。第20図中、aはサンプルガスの
圧力が50Torr、bは100Torr、cは200Torrのときをそれ
ぞれ示している。
第20図に示されるように、サンプルガスの圧力が50To
rrでは、光強度が変化しても波長はシフトしないが、圧
力が100Torrでは、光強度が低いときに波長がシフトが
大きい。また圧力が200Torrになると測定範囲全体で波
長がシフトし、シフト量は光強度が低いときほど大きか
った。
また波長1.38075μmを基準位置とするピーク以外の
3つのH2Oに起因するピークについても同様に測定を行
った。照射光の照射密度とサンプルガス中の分子数とを
算出して、これらの値と波長シフトとの関係を第21図に
示した。第21図において、横軸はレーザー光の照射密度
DP(光子数/sec・cm2)、縦軸はサンプルガス中の分子
数N(分子)をそれぞれ示し、○は第21図に示されるピ
ーク4つともシフトしなかったもの、△は4つのうち1
つのピークにシフトが認められたもの、×は2つ以上の
ピークにシフトが認められたもの、をそれぞれ示す。
この第21図の結果より、DP≧N/2の範囲で波長がシフ
トしないことが認められた。
尚、サンプルガスに照射されるレーザー光の照射密度
DPは、サンプルセルに導入されるレーザー光強度とレー
ザービーム径(2mm)から算出した。
またこのレーザー光の照射を受けたサンプルガス中の
分子数Nは、室温(25℃)におけるサンプルセル3内の
サンプルガスの平均速度が光の速度よりも6桁遅いの
で、レーザー光が通過した体積V(セル長;50cm、ビー
ム径2mm)中に存在する分子数Nが、気体の状態方程式P
V=nRT(圧力P;50Torr,100Torrまたは200Torr、温度T;2
5℃、Rは定数)から算出される。
このようにDP≧N/2の範囲となるように、光子エネル
ギーが0.5eV以上の光を照射することにより、吸収ピー
ク波長がシフトする可能性を排除することができるの
で、正確な分析を安定して行なうことができる。
産業上の利用可能性 以上説明したように本発明によれば、赤外分光分析に
よって、被測定ガス中の微量の不純物を高感度かつ高精
度で定量分析することができる。
本発明は各種のガス中の不純物を分析するのに好適に
用いることができるが、特に、従来精密な分析が極めて
困難であった半導体材料ガス中の微量不純物の分析を、
その場計測により、迅速かつ簡便に行うのに好適であ
り、信頼性の高いデータが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 功 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式 会社内 (56)参考文献 特開 昭61−95229(JP,A) 特開 昭63−95343(JP,A) 特開 昭58−225345(JP,A) 特開 平1−109243(JP,A) 特開 昭52−20358(JP,A) 特開 平2−69639(JP,A) 特開 昭64−23142(JP,A) 特開 昭62−218843(JP,A) 特開 昭62−198733(JP,A) 特開 平3−221843(JP,A) 特開 昭61−48736(JP,A) 特開 昭49−89498(JP,A) 特開 平4−151546(JP,A) 特開 平5−99845(JP,A)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定ガスに赤外線領域の光を透過させて
    吸収強度を測定することにより、被測定ガス中の不純物
    を分析する方法において、被測定ガスを減圧状態とし、
    かつ被測定ガス中で不純物ガス分子が形成するクラスタ
    ーが解離された状態で分析を行うことを特徴とするガス
    の赤外分光分析方法。
  2. 【請求項2】被測定ガスに光子エネルギーが0.5eV以上
    の光を照射した状態で分析を行なうことを特徴とする請
    求の範囲第1項記載のガスの赤外分光分析方法。
  3. 【請求項3】前記光子エネルギーが0.5eV以上の光の前
    記被測定ガスに対する照射密度をDp(光子数/sec・c
    m2)、前記被測定ガス中の分子数をN(分子)とすると
    きに、Dp≧N/2であることを特微とする請求の範囲第2
    項記載のガスの赤外分光分析方法。
  4. 【請求項4】被測定ガスの圧力が10〜500Torrであるこ
    とを特徴とする請求の範囲第1項記載のガスの赤外分光
    分析方法。
  5. 【請求項5】被測定ガスに透過させる光の波長を掃引し
    て、被測定ガスの吸収スペクトルと不純物のみの吸収ス
    ペクトルをそれぞれ測定し、被測定ガスの吸収スペクト
    ルと不純物のみの吸収スペクトルとを比較して、該不純
    物に係わる複数の吸収ピークを確定することによって該
    不純物を同定し、しかるのち該複数の吸収ピークのうち
    近傍に妨害ピークがない最強ピークを選択して、該最強
    ピークの吸収強度より不純物の定量を行うことを特徴と
    する請求の範囲第1項記載のガスの赤外分光分析方法。
  6. 【請求項6】被測定ガスに光を透過させて吸収スペクト
    ルを測定すると同時に、これとは別に不純物のみに同じ
    波長の光を透過させて吸収スペクトルを測定することを
    特徴とする請求の範囲第5項記載のガスの赤外分光分析
    方法。
  7. 【請求項7】前記吸収ピークとして、吸収強度変化の微
    分量を検出して得られる徴分値吸収ピークを用いること
    を特徴とする請求の範囲第5項記載のガスの赤外分光分
    析方法。
  8. 【請求項8】複数の吸収ピークの相対強度より、不純物
    を同定することを特徴とする請求の範囲第5項記載のガ
    スの赤外分光分析方法。
  9. 【請求項9】被測定ガスが、窒素、酸素、アルゴン、ヘ
    ルウム、二酸化炭素、シラン、ホスフィン、アルシン、
    トリクロールシラン、塩化水素、および有機金属化合物
    からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、不純物
    が、水、二酸化炭素、一酸化炭素、フッ化水素、塩化水
    素、臭化水素、ヨウ化水素、モノシラン、メタンおよび
    −OH基を有する化合物からなる群から選ばれるいずれか
    1種であるであることを特徴とする請求の範囲第1項記
    載のガスの赤外分光分析方法。
  10. 【請求項10】被測定ガスに透過させる光の波長を1.19
    〜2.00μmの範囲内で掃引して、吸収スペクトルを測定
    することを特徴とする請求の範囲第1項記載のガスの赤
    外分光分析方法。
  11. 【請求項11】不純物が水であり、被測定ガスに透過さ
    せる光の波長を1.35〜1.42μmの範囲内で掃引すること
    を特徴とする請求の範囲第10項記載のガスの赤外分光分
    析方法。
  12. 【請求項12】不純物が二酸化炭素であり、被測定ガス
    に透過させる光の波長を1.43〜1.46μmの範囲内で掃引
    することを特徴とする請求の範囲第10項記載のガスの赤
    外分光分析方法。
  13. 【請求項13】不純物がメタンであり、被測定ガスに透
    過させる光の波長を1.29〜1.50μmの範囲内で掃引する
    ことを特徴とする請求の範囲第10項記載のガスの赤外分
    光分析方法。
  14. 【請求項14】不純物がモノシランであり、被測定ガス
    に透過させる光の波長を1.19〜2.00μmの範囲内で掃引
    することを特徴とする請求の範囲第10項記載のガスの赤
    外分光分析方法。
  15. 【請求項15】不純物がフッ化水素であり、被測定ガス
    に透過させる光の波長を1.25〜1.35μmの範囲内で掃引
    することを特徴とする請求の範囲第10項記載のガスの赤
    外分光分析方法。
  16. 【請求項16】不純物が臭化水素であり、被測定ガスに
    透過させる光の波長を1.34〜1.37μmの範囲内で掃引す
    ることを特徴とする請求の範囲第10項記載のガスの赤外
    分光分析方法。
  17. 【請求項17】不純物が−OH基を有する化合物であり、
    被測定ガスに透過させる光の波長を1.40〜1.45μmの範
    囲内で掃引することを特徴とする請求の範囲第10項記載
    のガスの赤外分光分析方法。
  18. 【請求項18】赤外線領域の光を発振する波長可変型半
    導体レーザーと、被測定ガスに該レーザーから発振され
    た光を透過させる手段と、被測定ガスを透過したレーザ
    ー光強度を測定する手段を具備してなり、該被測定ガス
    中の不純物を赤外分光により分析する装置であって、 前記被測定ガスを減圧する手段、および被測定ガスに対
    して光子エネルギーが0.5eV以上の光を照射する手段を
    備えてなることを特徴とする赤外分光分析装置。
  19. 【請求項19】前記半導体レーザーから発振された光を
    分岐し、該分岐光の一方を被測定ガスに透過させると同
    時に、他方を不純物ガスのみに透過させる手段と、被測
    定ガスを透過した光の吸収スペクトルと、不純物ガスの
    みを透過した光の吸収スペクトルとをそれぞれ測定する
    手段を具備してなることを特徴とする請求の範囲第18項
    記載の赤外分光分析装置。
  20. 【請求項20】前記吸収スペクトルとして、吸収強度変
    化の微分量を検出して微分値吸収スペクトルを測定する
    手段を具備してなることを特徴とする請求の範囲第19項
    記載の赤外分光分析装置。
  21. 【請求項21】被測定ガスを透過した光の吸収スペクト
    ルと、不純物ガスのみを透過した光の吸収スペクトルと
    を比較して、被測定ガスを透過した光の吸収スペクトル
    が有する吸収ピークのうち、不順物ガスのみを透過した
    光の吸収スペクトルが有する吸収ピークと吸収波長が一
    致する吸収ピークを認識し、その吸収ピークの吸収強度
    を検出する手段を具備してなることを特微とする範囲第
    19項記載の赤外分光分析装置。
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CN114324191A (zh) * 2022-01-07 2022-04-12 柳州职业技术学院 一种基于智能控制的气味测定***

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