JP2587170B2 - レールのエンクローズアーク溶接法 - Google Patents

レールのエンクローズアーク溶接法

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JP2587170B2
JP2587170B2 JP22729092A JP22729092A JP2587170B2 JP 2587170 B2 JP2587170 B2 JP 2587170B2 JP 22729092 A JP22729092 A JP 22729092A JP 22729092 A JP22729092 A JP 22729092A JP 2587170 B2 JP2587170 B2 JP 2587170B2
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rails
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睦 岡崎
和男 杉野
健一 狩峰
且芳 上山
光正 辰巳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道や産業用機械の運
搬に使用されるレールのエンクローズアーク溶接法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からレールの溶接方法には、接合す
べきレールを突合せその間に通電して発生する火花(フ
ラッシュ)で端面を加熱し加圧し接合するフラッシュバ
ット溶接法、酸素−アセチレン火炎や酸素−プロパン火
炎などのガス火炎で高温度に加熱し圧接するガス圧接
法、微細なアルミニウムと酸化鉄の混合物を点火して発
する高温度の反応熱を利用して溶接するテルミット溶接
法などの他に、エンクローズアーク溶接法が使用されて
いる。
【0003】このエンクローズアーク溶接法は、特公昭
56−4350号公報でも従来から多く使用されている
溶接法として紹介されている。図2は従来から実施され
ているレール頭部のエンクローズアーク溶接法を平面図
(A)と側面部(B)を示したもので、接合すべきレー
ル1,1と該レールの外郭形状に沿って当接する当金2
で形成される継手溶接部3に被覆アーク溶接棒4を溶加
しながら、溶接ビードを形成する下向姿勢で多層溶接す
る接合方法で、他の溶接法に較べて諸々の溶接特性の信
頼度も高い利点から、現場溶接法として一般に多く使用
されている。
【0004】しかしながら、耐摩耗性と耐疲労損傷性さ
らには静的大強度が要求されるレールの如き高炭素鋼質
のエンクローズアーク溶接法は、表1で示すような成分
組成
【表1】 のJIS Z3212低合金高張力鋼用被覆アーク溶接
棒を使用し、下向きアーク溶接姿勢で施工されている。
ところが継手部に形成された溶接金属中のC成分は0.
3%程度の高い量に含有されるため、溶接金属とレール
の如き母材との間のC含有量の差に由来する凝固温度の
差、すなわち溶接金属の凝固温度が1530℃また母材
が1470℃の差に起因し、母材の溶融境界部近傍(H
AZ)に高温割れが多発する問題があった。この割れを
軽減するために溶接後高温度の応力除去焼鈍処理が行わ
れているが、この方法も溶接現場において焼鈍装置を常
備しなければならない問題があった。
【0005】さらに最近ではC含有量に起因する高温割
れを無くし、溶接継手部に要求される特性によっては応
力除去焼鈍が省略し得る現場溶接法の一つとして、例え
ば特開昭63−160799号公報で紹介されるよう
に、C:0.4〜1.0%を含有した高炭素系の被覆ア
ーク溶接棒を適用した溶接法が開発されている。こうし
た高炭素系の溶接棒も例えばレールなどに要求される耐
摩耗性と耐疲労損傷性を著しく向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、開先を
設けて相対向するレールの溶接継手側面部に当金をあて
がいながら溶接するレールの下向多層溶接法において、
高炭素系溶接棒は、オーステナイト系ステンレス溶接棒
と同様に、溶接ビード終端クレーター(溶融池)部でシ
ュリンケージ(収縮孔)や凝固割れ(クレーター割れ)
を生じ易い問題があった。クレーター割れは一本の被覆
溶接アーク溶接棒が溶接終了する際クレーター部で起こ
る現象で、その大きさはクレーターあるいは凝固収縮時
の引張応力の大きさによって異なり、大きい程割れの伝
播拡大し、溶接継手の静的強度や疲労強度を低下する原
因となる。
【0007】特にレールのエンクローズアーク溶接法に
おける頭部の下向き多層溶接部は胴当金で囲われてお
り、溶接終端部をレール端面外に出して余盛りとして処
理ができないため、溶接終端クレーター部が健全でなけ
ればならない。一般に溶接終端クレーター部を健全に保
つために点弧(クレーター部に1回ないし数回、瞬間的
にアークを当てること)によってクレーターの大きさを
小さくし、同時にクレーター部の溶着金属量を増加させ
る方法が用いられている。しかしながら、高C系の溶接
金属の場合、点弧によってクレーターが小さくなりにく
く、シュリンケージやクレーター割れが発生し易い。
【0008】本発明は、上記したようにこれまでのレー
ルのエンクローズアーク溶接法において起こり易いシュ
リンケージやクレーター割れを防止したレールの溶接法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本記目的を達成するため
に本発明は以下の構成を要旨とする、すなわち、開先を
設けて相対向するレールの脚部から腹部の継手溶接を終
えた後、頭部側面部に当金を当接して溶接するレール頭
部のエンクローズアーク多層溶接において、各層毎に、
溶接アークを溶接進行方向と反対方向に向けて溶接し、
生じた溶融状態のビード終端クレーター部で溶接アーク
を漸次溶接進行方向に移行し、最後に当金と溶接部との
間に溶接アークを当てながらクレーターの楕円形状が半
円形状になるまで溶接し、しかる後溶接アークを停止す
るレールのエンクローズアーク溶接法である。
【0010】以下、本発明について図面を参照しなが
ら、詳細に説明する。図1は、本発明の溶接法を平面図
(A)と側面図(B)で(a),(b),(c)の工程
順に示したものである。開先を設けて相対向する相対向
して接合すべきレール1,1の脚部から腹部の継手溶接
を終えた後、該レール頭部側面図の外郭形状に沿って当
金2を当接し溶接するレール頭部のエンクローズアーク
多層溶接において、先ず(a)図の如く被覆溶接棒4の
アークを溶接進行(矢印)方向とは異なる反対方向に向
けて溶接し、続いて(b)図のようにビード終端近傍で
生じる溶融状態のクレーター部に移行させ、そしてさら
に(c)図の如く被覆溶接棒4を漸次旋回しながら溶接
アークを溶接進行方向に移行し、さらに該溶接部と当金
2との間に溶接アークを当てながらクレーターの楕円形
状が半円形状になるまで溶接し、しかる後溶接アークを
停止する。このような溶接法を各層毎に繰り返えす積層
溶接を行い、レールの頭部を溶接する。図中5は下部溶
接層を示す。
【0011】以上のような本発明によるとクレーターの
大きさが小さくなり、さらにクレーター部が直接に冷却
速度の大きい銅当金に接することにより凝固速度が大き
くなることからシュリンケージやクレーター部の割れが
防止できる。本発明はレールのエンクローズアーク溶接
のレール頭部の溶接のようにクレーターをレール断面外
に出すことができない場合に、高C系溶接金属で懸念さ
れる溶接終端クレーター部のシュリンケージや割れを防
止し、健全なクレーターを形成することが可能となる。
次に、本発明の実施例について説明する。
【0012】
【実施例】表2は、間隙13mmの間隙を設けて相対向す
る60Kレールの脚部から腹部の継手溶接を終えた頭部
側面部に当金を当接して図1に示す如き本発明法でレー
ル頭部を4mmΦ被覆溶接棒(C:0.60%、Si:
0.30%、Mn:0.70%)で多層溶接し、また比
較方法に図2で示すような従来から実施されている既存
溶接法で多層溶接した場合の、溶接電流とレール頭部の
外観性状を示す。表に示す結果から明らかなように、本
発明はシュリンケージやクレーターのない健全な溶接継
手部が得られた。
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明は高強度レー
ルの被覆アーク溶接棒を用いたエンクローズアーク溶接
において、ビード終端クレーター部の引巣や割れを防止
し、極めて健全なビードを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B)は本発明溶接方法を示す平面図
と側面図であり、(a),(b),(c)の工程順で示
す。
【図2】(A),(B)は従来の溶接方法を示す平面図
と側面図である。
【符号の説明】
1 レール 2 当金 3 継手溶接部 4 被覆溶接棒 5 下部溶接層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 和男 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 狩峰 健一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 上山 且芳 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 辰巳 光正 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財 団法人鉄道総合技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−282776(JP,A) 特開 昭56−62693(JP,A) 特公 平4−20705(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開先を設けて相対向するレールの脚部か
    ら腹部の継手溶接を終えた後、頭部側面部に当金を当接
    して溶接するレール頭部のエンクローズアーク多層溶接
    において、各層毎に、溶接アークを溶接進行方向と反対
    方向に向けて溶接し、生じた溶融状態のビード終端クレ
    ーター部で溶接アークを漸次溶接進行方向に移行し、最
    後に当金と溶接部との間に溶接アークを当てながらクレ
    ーターの楕円形状が半円形状になるまで溶接し、しかる
    後溶接アークを停止することを特徴とするレールのエン
    クローズアーク溶接法。
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