JP2586200B2 - マクロチップ固体レーザー装置 - Google Patents
マクロチップ固体レーザー装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、半導体レーザー励起固体レーザ装置に関
する。
する。
(従来の技術) 励起用半導体レーザーダイオードと固体発振素子とを
密着させたマイクロチップ固体レーザーは、超小型、長
寿命で簡単に単一横モード、単一縦モード発振が可能で
あり、高周波変調が可能であるなど多くの利点をもつ。
最近、励起用のレーザーダイオードとして出力1ワット
以上の高光出レーザー実用化されたため、マイクロチッ
プレーザーのレーザー研究が活発になった。通常励起用
レーザーには発振波長800nm帯の出力数十ミリワット以
上の半導体レーザーが、また、固体発振素子にはNd:YAG
(ネオジム添加イットリウムアルミニウムガーネット、
Nd:Y3Al5O12)単結晶が用いられてきた。
密着させたマイクロチップ固体レーザーは、超小型、長
寿命で簡単に単一横モード、単一縦モード発振が可能で
あり、高周波変調が可能であるなど多くの利点をもつ。
最近、励起用のレーザーダイオードとして出力1ワット
以上の高光出レーザー実用化されたため、マイクロチッ
プレーザーのレーザー研究が活発になった。通常励起用
レーザーには発振波長800nm帯の出力数十ミリワット以
上の半導体レーザーが、また、固体発振素子にはNd:YAG
(ネオジム添加イットリウムアルミニウムガーネット、
Nd:Y3Al5O12)単結晶が用いられてきた。
(発明が解決しようとする課題) 半導体レーザー励起固体レーザーでは半導体レーザー
の出力が効率良く固体発振素子に吸収されなければなら
ない。現在最も高出力が得られる半導体レーザーの発振
波長は800nm帯であるが、Nd3+の吸収がこの近傍にある
ため、Ndを活性帯として添加した酸化物結晶が固体発振
素子として広く用いられている。中でも固体レーザー材
料として最も普及しているNd:YAG結晶が一般に用いられ
ている。ところで、マイクロチップレーザーでは、その
特徴を充分に発揮するために、発振素子として出来るだ
け薄いものが要求され、そのためには励起光の吸収効率
が良い素材であることが望まれる。Nd:YAG結晶の場合、
結晶中のNd濃度は、育成結晶の光学的均一性および濃度
消光つまり、Nd−Nd原子の相互干渉によって蛍光寿命が
低下するという二つの面から、通常1.5at%以下として
いるので、Nd濃度を増加して励起光の吸収効率を向上さ
せることには限度があった。さらに、Nd:YAGレーザー光
の非線形光学素子によって第二高調波の緑色レーザー光
に変換する場合単一縦モードが容易には得られないとい
う欠点があった。
の出力が効率良く固体発振素子に吸収されなければなら
ない。現在最も高出力が得られる半導体レーザーの発振
波長は800nm帯であるが、Nd3+の吸収がこの近傍にある
ため、Ndを活性帯として添加した酸化物結晶が固体発振
素子として広く用いられている。中でも固体レーザー材
料として最も普及しているNd:YAG結晶が一般に用いられ
ている。ところで、マイクロチップレーザーでは、その
特徴を充分に発揮するために、発振素子として出来るだ
け薄いものが要求され、そのためには励起光の吸収効率
が良い素材であることが望まれる。Nd:YAG結晶の場合、
結晶中のNd濃度は、育成結晶の光学的均一性および濃度
消光つまり、Nd−Nd原子の相互干渉によって蛍光寿命が
低下するという二つの面から、通常1.5at%以下として
いるので、Nd濃度を増加して励起光の吸収効率を向上さ
せることには限度があった。さらに、Nd:YAGレーザー光
の非線形光学素子によって第二高調波の緑色レーザー光
に変換する場合単一縦モードが容易には得られないとい
う欠点があった。
本発明は励起光の吸収効率を改善し、マイクロチップ
レーザーの性能を向上させると共に、ビーム質の高い第
二高調波を得ることを目的としてなされたものである。
レーザーの性能を向上させると共に、ビーム質の高い第
二高調波を得ることを目的としてなされたものである。
(課題を解決するための手段) 本発明では固体レーザー発振素子としてNdなどの希土
元素を添加したYVO4(バナジン酸イットリウム)単結晶
を用いることによりNd:YAGなどの従来の材料の問題点を
解決した。
元素を添加したYVO4(バナジン酸イットリウム)単結晶
を用いることによりNd:YAGなどの従来の材料の問題点を
解決した。
(作用) 本発明者らはNdを1.1at%含有するNd:YVO4単結晶およ
び比較のためNdを同じく1.1at%含有するNd:YAG単結晶
を育成し、各々から厚さ1.0mmの光吸収測定用試料を作
成して、波長809nmでの光吸収を測定したところ。Nd:YA
Gの吸収係数は6.0cm-1であったのに対し、Nd:YVO4では
異方性があり、c軸方向で9.2cm-1、a軸方向では31.1c
m-1であった。この結果から、マイクロチップレーザー
用としてNd:YVO4のa軸カット板が優れていることがわ
かった。さらにNd:YVO4を発振素子とし、非線形光学素
子KTP(KTiOPO4)を内部共振型として使用して第二高調
波(発振光1064nmの二分の一の532nm)を安定に得るこ
とが出来た。Nd:YAGの場合では、安定発振のためには四
分の一波長板を用いる必要があるが、Nd:YVO4ではその
必要がない。これはYVO4が一軸性結晶で出力レーザー光
が偏光することと関連がある。
び比較のためNdを同じく1.1at%含有するNd:YAG単結晶
を育成し、各々から厚さ1.0mmの光吸収測定用試料を作
成して、波長809nmでの光吸収を測定したところ。Nd:YA
Gの吸収係数は6.0cm-1であったのに対し、Nd:YVO4では
異方性があり、c軸方向で9.2cm-1、a軸方向では31.1c
m-1であった。この結果から、マイクロチップレーザー
用としてNd:YVO4のa軸カット板が優れていることがわ
かった。さらにNd:YVO4を発振素子とし、非線形光学素
子KTP(KTiOPO4)を内部共振型として使用して第二高調
波(発振光1064nmの二分の一の532nm)を安定に得るこ
とが出来た。Nd:YAGの場合では、安定発振のためには四
分の一波長板を用いる必要があるが、Nd:YVO4ではその
必要がない。これはYVO4が一軸性結晶で出力レーザー光
が偏光することと関連がある。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例である。1は励起用半導体
レーザーダイオードチップで最大出力1W、発振波長809n
m(20℃)、2はNd:YVO4発振素子でNd濃度は1.1at%、
厚さは1.0mmである。発振素子の励起光入射面つまり、
左端のレーザーダイオードとの密着面には励起光に対す
る無反射コートおよび発振光(1064nm)に対する全反射
コードが施されている。また出力側は反射率95%の鏡面
とした。この構成において、励起用半導体レーザーの出
力を徐徐に増加したところ50mWにおいて1064nmの発振が
確認された。第2図は非線形光学素子を加えた本発明の
応用例で、3は第二高調波発生用の厚さ7mmのKTP素子で
ある。1のYVO4発振素子の左端と3のKTP非線形素子の
右端とで1064nmに対する共振器を構成するようになって
いる。つまり1の入力側には励起光の809nmに対する無
反射コート、及びNd:YVO4発振の共振器を構成するため
の1064nmに対する全反射膜、また、3の出力側には1064
nmの全反射膜と第二高調波532nmに対する無反射コート
が施されている。この構成において、レーザーダイオー
ドの出力が約200mW以上において緑色光が観察された。N
d:YAGを用いた場合とNd:YVO4を用いた場合の、同一入力
に対するレーザー発振出力の比較を行なったところ、N
d:YVO4は基本発振においてはNd:YAGの約4倍、第二高調
波出力ではNd:YAGの場合の約10倍であった。また第二高
調波は単一縦および横モードが得られた。
レーザーダイオードチップで最大出力1W、発振波長809n
m(20℃)、2はNd:YVO4発振素子でNd濃度は1.1at%、
厚さは1.0mmである。発振素子の励起光入射面つまり、
左端のレーザーダイオードとの密着面には励起光に対す
る無反射コートおよび発振光(1064nm)に対する全反射
コードが施されている。また出力側は反射率95%の鏡面
とした。この構成において、励起用半導体レーザーの出
力を徐徐に増加したところ50mWにおいて1064nmの発振が
確認された。第2図は非線形光学素子を加えた本発明の
応用例で、3は第二高調波発生用の厚さ7mmのKTP素子で
ある。1のYVO4発振素子の左端と3のKTP非線形素子の
右端とで1064nmに対する共振器を構成するようになって
いる。つまり1の入力側には励起光の809nmに対する無
反射コート、及びNd:YVO4発振の共振器を構成するため
の1064nmに対する全反射膜、また、3の出力側には1064
nmの全反射膜と第二高調波532nmに対する無反射コート
が施されている。この構成において、レーザーダイオー
ドの出力が約200mW以上において緑色光が観察された。N
d:YAGを用いた場合とNd:YVO4を用いた場合の、同一入力
に対するレーザー発振出力の比較を行なったところ、N
d:YVO4は基本発振においてはNd:YAGの約4倍、第二高調
波出力ではNd:YAGの場合の約10倍であった。また第二高
調波は単一縦および横モードが得られた。
(発明の効果) 本発明によれば、超小型で高効率、高安定な固体レー
ザー装置を得ることができる。なお、本発明においては
Ndを活性化とするNd:YVO4についてのみ説明したが、励
起用半導体レーザーの発振波長を適宜選択することによ
り、他の希土元素を活性体とするYVO4を発振素子とした
マイクロチップレーザーも勿論可能である。さらに、変
調用素子やQスイッチ素子などの付加により実用的な装
置へと発展させることができる。
ザー装置を得ることができる。なお、本発明においては
Ndを活性化とするNd:YVO4についてのみ説明したが、励
起用半導体レーザーの発振波長を適宜選択することによ
り、他の希土元素を活性体とするYVO4を発振素子とした
マイクロチップレーザーも勿論可能である。さらに、変
調用素子やQスイッチ素子などの付加により実用的な装
置へと発展させることができる。
第1図および第2図は本発明の一実施例を示す図であ
る。 1.は半導体レーザーダイオードチップ、2.はNd:YVO4発
振素子、3.はKTP.SHG用素子、4.はマウントを示す。
る。 1.は半導体レーザーダイオードチップ、2.はNd:YVO4発
振素子、3.はKTP.SHG用素子、4.はマウントを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 貞雄 大阪府茨木市北春日丘3―6―45
Claims (3)
- 【請求項1】励起用半導体レーザーダイオードと、ネオ
ジムを添加したYVO4単結晶を素材とするレーザー発振素
子とを密着させて配置したことを特徴とするマイクロチ
ップ固体レーザー装置。 - 【請求項2】励起用半導体レーザーダイオードと、希土
元素を添加したYVO4単結晶を素材とするレーザー発振素
子と、波長変換用素子とを密着させて配置したことを特
徴とするマイクロチップ固体レーザー装置。 - 【請求項3】特許請求の範囲1項もしくは2項のマイク
ロチップ固体レーザーに光変調用素子、光偏光用素子、
超音波Qスイッチ素子等外部エネルギーによって駆動す
る素子を組合せたマイクロチップ固体レーザー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25776190A JP2586200B2 (ja) | 1990-09-27 | 1990-09-27 | マクロチップ固体レーザー装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25776190A JP2586200B2 (ja) | 1990-09-27 | 1990-09-27 | マクロチップ固体レーザー装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04134891A JPH04134891A (ja) | 1992-05-08 |
JP2586200B2 true JP2586200B2 (ja) | 1997-02-26 |
Family
ID=17310733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25776190A Expired - Fee Related JP2586200B2 (ja) | 1990-09-27 | 1990-09-27 | マクロチップ固体レーザー装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2586200B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4099573B2 (ja) * | 2002-06-26 | 2008-06-11 | ソニー株式会社 | 光学素子、光出射装置及び光学素子の製造方法 |
US7907646B2 (en) | 2005-07-28 | 2011-03-15 | Panasonic Corporation | Laser light source and display device |
US7769060B1 (en) | 2005-09-14 | 2010-08-03 | Panasonic Corporation | Laser light source, and display device using the same |
-
1990
- 1990-09-27 JP JP25776190A patent/JP2586200B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04134891A (ja) | 1992-05-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |