JP2586172B2 - 学習機能付テーブル検索装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、降順または昇順にレコードが並べられた順
編成形式のテーブルに対して検索を行う装置に関し、特
に前回の検索成功時の情報を利用してテーブル検索を効
率的に行う学習機能付テーブル検索装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種のテーブルに対する検索方式としては、
以下に並べる２種類の方式が知られている。

（１）第１の方式 テーブルをその先頭のレコードから順々に読み出し、
検索要求にかかる検索キー情報と比較して該当するレコ
ードを決定する順次検索方式。その処理の具体的な流れ
は第４図に示すようになる。

（２）第２の方式 テーブルの全体の大きさ（全レコード数）を２分割
し、その境界のレコード情報と検索キー情報とを比較
し、その大小関係により次の検索範囲を２分割により狭
めていき、該当するレコードを決定する２分割検索方
式。その処理の具体的な流れは第５図に示すようにな
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来は上述したような検索方式によってテーブルの検
索を行っていたが、それぞれ次のような欠点があった。

第１の順次検索方式では、常にテーブルの先頭レコ
ードから検索を開始するため、テーブルの後尾近くにあ
るレコードが連続して検索されるような状況下では検索
に多くの時間を必要とする。

第２の２分割検索方式では、第１の順次検索方式の
ような欠点は解消されるが、テーブルのレコード数が２
のべき乗でない場合、２分割処理の或る一段階において
奇数件レコードに対する分割を行う必要があり、処理が
複雑化する。

第１の順次検索方式および第２の２分割検索方式の
何れにおいても、過去の検索処理とは無関係に今回の検
索処理を進めるため、近接したレコードが連続的に検索
されるような状況下でも、ランダムにレコードが検索さ
れる場合と検索効率が変わらず、高速な検索が行えな
い。

本発明はこのような従来の欠点を解決したもので、そ
の目的は、近接したレコードが連続的に検索されるよう
な状況下においては、その箇所がテーブルの後尾付近で
あっても、複雑な処理を行うこと無しに、効率良く検索
を行うことができる学習機能付テーブル検索装置を提供
することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を達成するために、 複数のレコードが降順または昇順に並べられたテーブ
ルに対し検索を行うテーブル検索装置において、 保存キー情報と保存レコード位置情報とを保存する学
習データ保存手段と、 検索要求に応答して前記学習データ保存手段に保存さ
れた保存キー情報と今回の検索要求にかかる検索キー情
報とを比較し、その比較結果と前記学習データ保存手段
に保存された保存レコード位置情報とに基づいて検索範
囲を決定する検索範囲決定手段と、 この検索範囲決定手段で決定された検索範囲内の前記
テーブル中のレコードを順次読み出して前記検索要求に
かかる検索キー情報と比較する順次検索手段と、 この順次検索手段における検索成功時に前記学習デー
タ保存手段の保存内容を更新する学習データ更新手段と
を有している。

また、本発明の好ましい実施例においては、前記テー
ブルに複数のレコードが昇順に並べられている場合、前
記検索範囲決定手段は、今回の検索要求にかかる検索キ
ー情報が保存キー情報より小さいときは前記テーブルの
先頭から保存レコード位置情報の示す位置の直前までの
範囲を検索範囲と決定し、大きいときは前記テーブルの
保存レコード位置情報の示す位置の直後から前記テーブ
ルの後尾までの範囲を検索範囲と決定し、降順に並べら
れている場合、前記検索範囲決定手段は、今回の検索要
求にかかる検索キー情報が保存キー情報より小さいとき
は前記テーブルの保存レコード位置情報の示す位置の直
後から前記テーブルの後尾までの範囲を検索範囲と決定
し、大きいときは前記テーブルの先頭から保存レコード
位置情報の示す位置の直前までの範囲を検索範囲と決定
する。

〔作用〕

本発明の学習機能付テーブル検索装置においては、例
えば前回の検索要求にかかる検索キー情報に基づく検索
処理でテーブルの或る位置のレコードが検索された場
合、学習データ保存手段はその検索キー情報とそのレコ
ードの位置情報とを保存キー情報，保存レコード位置情
報して保持しており、新たな検索要求が入力されると、
先ず検索範囲決定手段が、学習データ保存手段に保存さ
れた保存キー情報と今回の検索要求にかかる検索キー情
報とを比較し、一致する場合には保存レコード位置情報
の示すレコードが目的とするレコードであり、以下の検
索処理は省略するが、不一致の場合は、その比較結果と
学習データ保存手段に保存された保存レコード位置情報
とに基づいて検索範囲を決定し、順次検索手段が、その
決定された検索範囲内の前記テーブル中のレコードを順
次読み出して前記検索要求にかかる検索キー情報と比較
する。そして、この順次検索手段における検索成功時に
学習データ更新手段がそれに合わせて学習データ保存手
段の保存キー情報と保存レコード位置情報とを更新す
る。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。

第１図は本発明の一実施例の構成図である。この実施
例の学習機能付テーブル検索装置１は、固定長あるいは
可変長の複数のレコードR1〜Rnが所定順（降順または昇
順）に並べられたテーブルを被検索テーブル２とし、検
索要求に応答してこの被検索テーブル２の検索を行い、
その検索結果を要求元に通知する装置であり、学習デー
タ保存手段11,検索範囲決定手段12,順次検索手段13,学
習データ更新手段14および検索結果出力手段15を有して
いる。各々の手段11〜15は次のような機能を有する。

・学習データ保存手段11 保存キー情報と保存レコード位置情報とを保持する。

・検索範囲決定手段12 検索要求に応答して学習データ保存手段11に保存され
た保存キー情報と今回の検索要求にかかる検索キー情報
とを比較し、一致する場合には学習データ保存手段11に
保存された保存レコード位置情報を検索結果出力手段15
に渡して処理を終了し、不一致の場合には、検索キー情
報と保存キー情報との大小関係と学習データ保存手段11
に保存された保存レコード位置情報とに基づいて今回の
検索要求に適した検索範囲を決定して検索キー情報と共
に順次検索手段13に通知する。なお、学習データ保存手
段11に有為な情報が格納されていない初期状態では、被
検索テーブル２の全範囲を検索範囲として決定する。

・順次検索手段13 被検索テーブル２から検索範囲決定手段12で決定され
た検索範囲内のレコードを順次読み出して検索要求にか
かる検索キー情報と比較し、一致するレコードを見つけ
たときは、そのレコード位置情報を検索結果出力手段15
に通知すると共に、そのレコード位置情報と検索キー情
報とを学習データ更新手段14に通知する。

・学習データ更新手段14 順次検索手段13から渡された検索キー情報，レコード
位置情報によって学習データ保存手段11に保存された保
存キー情報，保存レコード位置情報を更新する。

・検索結果出力手段15 検索範囲決定手段12または順次検索手段13から渡され
たレコード位置情報の指し示す被検索テーブル２中のレ
コードを検索結果として要求元に通知する。

次に、上述の如く構成された本実施例の動作を説明す
る。

今、被検索テーブル２において、複数のレコードR1〜
Rnが昇順すなわちキー情報の小さなレコードから大きな
レコードの順に並んでおり、学習データ保存手段11には
有為な情報は保存されていないとする。このような状況
下で例えばレコードR2に含まれるキー情報を検索キー情
報とする検索要求が入力された場合、検索範囲決定手段
12では学習データ保存手段11に有為な情報が無いことか
ら順次検索手段13に被検索テーブル２の全範囲を検索範
囲として通知する。これに応答して順次検索手段13は被
検索テーブル２の例えば先頭のレコードR1から順にレコ
ードを読み込んで検索要求にかかる検索キー情報と比較
していく。この結果、２番目のレコードR2と一致がとれ
るため、順次検索手段13は２番目のレコードの位置情報
を検索結果出力手段15に通知すると共にそのレコード位
置情報と検索キー情報とを学習データ更新手段14に通知
する。検索結果出力手段15は通知されたレコード位置情
報に従ってレコードR2を取得し検索結果として要求元に
通知する。他方、学習データ更新手段14は通知されたレ
コードR2にかかる検索キー情報とレコード位置情報とを
保存キー情報，保存レコード位置情報として学習データ
保存手段11に保存する。

次に、例えばレコードR3に含まれるキー情報を検索キ
ー情報とする検索要求が入力されたとすると、検索範囲
決定手段12は、検索キー情報が学習データ保存手段11に
保存された保存キー情報（レコードR2のキー情報）より
大きい為、保存レコード位置情報（レコードR2のレコー
ド位置情報）の示す位置の直後のレコードR3から被検索
テーブル２の後尾のレコードRnまでの範囲を検索範囲と
決定する。この結果、順次検索手段13は被検索テーブル
２のレコードR3から順次レコードを読み出して検索キー
情報と比較することになり、今の場合検索キー情報はレ
コードR3中のキー情報と一致するので、速やかにレコー
ドR3が該当レコードと検出され、検索結果出力手段15に
よって要求元に渡される。このとき、学習データ更新手
段14によって学習データ保存手段11中の保存キー情報，
保存レコード位置情報がレコードR3にかかる検索キー情
報，レコード位置情報に更新される。

このようにして、近接したレコードが連続的に検索さ
れるような状況下においては、前回の検索結果を活かし
て高速に目的とするレコードの検索が可能となる。な
お、前回と同一のレコードの検索要求時には、検索範囲
決定手段12でそのことが検出され、順次検索手段13が動
作することなく検索結果出力手段15によって検索結果が
出力されるので、非常に高速な検索が可能となる。ま
た、上述の動作例はレコードR1〜Rnが昇順に並んでいる
場合のものであるが、降順に並んでいる場合にも同様に
適用可能である。

第２図は本発明の別の実施例のハードウェア構成例を
示すブロック図である。この実施例の学習機能付テーブ
ル検索装置は、第１図で説明したような複数のレコード
R1〜Rnが昇順に並べられた被検索テーブル２を格納する
被検索テーブル格納メモリ６と、保存キー情報および保
存レコードポインタを保存する学習データ保存メモリ３
と、検索結果を出力するCRT等の出力機器４と、これら
に接続され例えば第３図に示すような処理を実行する中
央処理部５とで構成されている。この実施例の動作を第
２図および第３図を参照して以下説明する。

被検索テーブル２の検索時、検索キー情報が検索に必
要な情報として図示しない入力機器やプログラム等から
与えられると、中央処理部５は第３図に示す処理を開始
する。先ず、学習データ保存メモリ３に保存された保存
キー情報と上記の検索キー情報との大小比較を行い（処
理S1）、結果を判定する（処理S2）。両者が等しければ
正常終了となり、このときは、被検索テーブル２におけ
る学習データ保存メモリ３に保存された保存レコードポ
インタが指し示すレコードが目的とするレコードであ
り、その後そのレコードが出力機器４に出力される。

処理S2で検索キー情報の方が保存キー情報より小さい
と判定された場合は、求めるレコードは被検索テーブル
２の先頭レコードR1から保存レコードポインタの指し示
すレコードの間に存在するため、検索レコードポインタ
に先頭レコードR1を指し示すレコードポインタ値「１」
を、終了レコートポインタに「保存レコードポインタ−
１」をそれぞれ格納し（処理S3）、処理S5へ進む。

また、処理S2で検索キー情報の方が保存キー情報より
大きいと判定された場合は、求めるレコードは保存レコ
ードポインタの指し示すレコードから被検索テーブル２
の最終レコードRnの間に存在するため、検索レコードポ
インタに「保存レコードポインタ＋１」を、終了レコー
ドポインタに最終レコードRnを指し示すレコードポイン
タ値「Ｎ」をそれぞれ格納し（処理S4）、処理S5へ進
む。

処理S5〜処理S8では、処理S3又は処理S4で決定された
検索範囲に対して順次検索方式による検索を以下のよう
に実行する。先ず、検索レコードポインタの指し示すレ
コードを被検索テーブル２から読み込んでその内容と検
索キー情報とを比較し（処理S5）、その結果を判定する
（処理S6）。両者が等しければ検索が成功したことにな
るので、処理S9へ進む。検索キー情報の方が大きけれ
ば、検索キー情報と同一のキー情報を持つレコードが被
検索テーブル２に存在しないことになるので、検索エラ
ーとして処理する。検索キー情報の方が小さければ、次
のレコードの検索を行うために検索レコードポインタを
＋１した後（処理S7）、この検索レコードポインタと終
了レコードポインタとの比較により検索範囲が終了した
か否かを判定し（処理S8）、終了していなければ処理S5
に戻って上述の処理を繰り返す。処理S8で検索範囲終了
と判定されたときは、検索キー情報と同一のキー情報を
持つレコードが被検索テーブル２に存在しないことにな
るので、検索エラーとして処理する。

処理S6で検索キー情報と等しいキー情報を持つレコー
ドが検出されると、今回の検索結果を次回の検索に役立
たせる為に、学習データ保存メモリ３中の保存キー情
報，保存レコードポインタを今回の検索キー情報，検索
レコードポインタで置き換え（処理S9,S10）、正常終了
となる。なお、正常終了すると、検索レコードポインタ
の指し示すレコードが目的とするレコードであり、その
後そのレコードが出力機器４から出力される。

以上の動作例はレコードが昇順に並んだテーブルを対
象としたが、降順に並んだテーブルに対しても同様に適
用することが可能である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の学習機能付テーブル検
索装置は、前回の検索成功にかかる検索キー情報と検索
成功したレコードの位置情報とを保存キー情報，保存レ
コード位置情報として保存しておき、新たな検索要求
時、検索キー情報と保存キー情報とを比較してその大小
関係により保存レコード位置情報の示す位置を境にテー
ブルの何れ側を検索範囲とすべきかを決定し、その検索
範囲内で順次１レコードずつ検索して目的とするレコー
ドを得るようにしたので、近接したレコードが連続的に
検索されるような状況下においては、検索される場所を
問わず且つ複雑な処理を行うこと無しに、効率良く目的
とするレコードの検索を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の構成図、 第２図は本発明の別の実施例のハードウェア構成例を示
すブロック図、 第３図は中央処理部５の処理例を示す流れ図、 第４図は従来の順次検索方式の処理の流れ図および、 第５図は従来の２分割検索方式の処理の流れ図である。 図において、 １……学習機能付テーブル検索装置 11……学習データ保存手段 12……検索範囲決定手段 13……順次検索手段 14……学習データ更新手段 15……検索結果出力手段 ２……被検索テーブル ３……学習データ保存メモリ ４……出力機器 ５……中央処理部 ６……被検索テーブル格納メモリ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のレコードが降順または昇順に並べら
   れたテーブルに対し検索を行うテーブル検索装置におい
   て、 保存キー情報と保存レコード位置情報とを保存する学習
   データ保存手段と、 検索要求に応答して前記学習データ保存手段に保存され
   た保存キー情報と今回の検索要求にかかる検索キー情報
   とを比較し、その比較結果と前記学習データ保存手段に
   保存された保存レコード位置情報とに基づいて検索範囲
   を決定する検索範囲決定手段と、 該検索範囲決定手段で決定された検索範囲内の前記テー
   ブル中のレコードを順次読み出して前記検索要求にかか
   る検索キー情報と比較する順次検索手段と、 該順次検索手段における検索成功時に前記学習データ保
   存手段の保存内容を更新する学習データ更新手段とを含
   むことを特徴とする学習機能付テーブル検索装置。
2. 【請求項２】前記テーブルに複数のレコードが昇順に並
   べられ、 前記検索範囲決定手段は、今回の検索要求にかかる検索
   キー情報が保存キー情報より小さいときは前記テーブル
   の先頭から保存レコード位置情報の示す位置の直前まで
   の範囲を検索範囲と決定し、大きいときは前記保存レコ
   ード位置情報の示す位置の直後から前記テーブルの後尾
   までの範囲を検索範囲と決定する請求項１記載の学習機
   能付テーブル検索装置。
3. 【請求項３】前記テーブルに複数のレコードが降順に並
   べられ、 前記検索範囲決定手段は、今回の検索要求にかかる検索
   キー情報が保存キー情報より小さいときは前記テーブル
   の保存レコード位置情報の示す位置の直後から前記テー
   ブルの後尾までの範囲を検索範囲と決定し、大きいとき
   は前記テーブルの先頭から保存レコード位置情報の示す
   位置の直前までの範囲を検索範囲と決定する請求項１記
   載の学習機能付テーブル検索装置。