JP2585019B2 - 撮像装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、撮像装置に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の撮像装置として、例えば第６図に示す
ようなものがある。同図で、１は撮像素子、２は増幅
器、３は水平方向低域ろ波回路Ａ、４は加算回路、５は
演算回路、６はガンマ補正回路、７は水平輪郭補償回
路、８は色信号処理回路、９はNTSCエンコーダ、10は垂
直方向低域ろ波回路、12は水平方向低域ろ波回路Ｂ、14
は1H遅延器である。第７図は撮像素子１の色フィルタ構
成、第８図は無彩色光入力時の各色フィルタに対応する
画素信号のレスポンスである。

この従来装置の動作を説明するに、撮像素子１から出
力された画素信号は、1H遅延器14により２ライン同時化
され、垂直方向低域ろ波回路10により２ラインの平均を
とり、信号のSN比をかせぐ。次に、水平方向低域ろ波回
路A3により色フィルタによる変調成分（色信号成分）を
除去し、水平方向低域ろ波回路B12と演算回路５により
得られた垂直輪郭補償信号を加算する。そして、ガンマ
補正回路6,水平輪郭補償回路７を通り輝度信号となる。
また、色信号は色信号処理回路８により画素信号から抽
出され、輝度信号と色信号を用い、NTSCエンコーダ９に
より所定のビデオ信号を得るものである。

（発明が解決しようとする問題点） 上記のような従来構成では、光入射量が第８図のA,C
領域にある場合は、Ｗ・Ｇ画素の平均値とCy・Ye画素の
平均値は一致しているので問題はないが、一部の画素が
飽和しているＢ領域では、Ｗ・Ｇ画素の平均値とCy・Ye
画素の平均値に差が発生し、垂直輪郭補償信号に走査線
間の輝度差が現われ、著しく画質を低下させるという問
題点を有していた。

本発明はかかる点に鑑み、一部の画素が飽和している
場合に発生する走査線間の輝度差による画質の低下を解
消した撮像装置を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） そこで本発明は、色成分の空間変調多重用の色フィル
タを介して撮像する撮像素子の複数ラインの画素信号ま
たはラインの画素信号同士を演算した信号を各々入力と
し、色フィルタによる変調成分を低減する色低域ろ波回
路と、各々の低域ろ波回路の出力信号を所定の同一レベ
ルでそれぞれをクリップする各クリップ回路と、各々の
クリップ回路の出力を用いて垂直輪郭補償信号を得る演
算回路を備えた構成としたものである。

（作 用） 撮像素子の複数ラインの画素信号を各々低域ろ波回路
に通し、各々の低域ろ波回路の出力を所定の同一レベル
でクリップすることにより、一部の画素が飽和している
場合に発生する走査線間の輝度差を除き、画質の低下を
防ぐ。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例であり、前記従来の装置と
同様な構成部分は同符号で示し、11a,11bはクリップ回
路であって、水平方向低域ろ波回路B12a,12bの出力信号
を所定の同一レベルでそれぞれクリップするものであ
る。

次に、この動作を説明する。先ず、撮像素子１から出
力される画素信号は、増幅器２を通り、1H遅延器14によ
り２ライン同時化され、色信号処理回路8,垂直方向低域
ろ波回路10,水平方向低域ろ波回路B12a,12bにそれぞれ
入力される。そして、色信号は色信号処理回路８によ
り、また輝度信号は垂直方向低域ろ波回路10,水平方向
低域ろ波回路A3,ガンマ補正回路6,水平輪郭補償回路７
により得られ、色信号，輝度信号はNTSCエンコーダ９に
より所定のNTSCビデオ信号となる。ここまでは、第６図
に示した従来の構成と同じである。

次に、問題となる垂直輪郭補償信号について説明する
に、先ず、水平方向低域ろ波回路B12a,12bに入力される
画素信号は、第２図に示すように、各画素毎に入射光量
に対するレスポンス（破線で示す）が異なる。この画素
信号は、水平方向低域ろ波回路B12a,12bを通過すると、
同図中実線で示すように、WGラインはＷ画素とＧ画素の
信号の平均値、CyYeラインCy画素とYe画素の信号の平均
値が出力される。もし、水平方向低域ろ波回路B12a,12b
の出力を直接演算回路５へ接続すると、一部画素が飽和
しているＢの領域において、WGラインとCyYeラインにレ
ベル差を生じ、画質に悪影響を及ぼす。そこで、Ｗ画素
が飽和するレスポンスがCwの値またはそれ以下の値にお
いて、水平方向低域ろ波回路B12a,12bの出力をクリップ
回路11a,11bによりクリップすることにより、WGライン
とCyYeラインのレベル差を取り除く。これにより、垂直
輪郭補償信号に走査線間の輝度差が発生するのを防ぐこ
とができる。

実際には、走査線間の輝度差は画像信号の１〜２％存
在しても目に見える。そこで、クリップ値Cwは第２図に
示す位置よりも稍小さく設定しておくことにより、各回
路の画素レスポンスの誤差によるＷ画素飽和点の位置の
変動による走査線間のレベル差の発生も防ぐことができ
る。

このようにして得られた垂直輪郭補償信号は、加算回
路４に入力され、輝度信号の垂直輪郭補償が行なわれ
る。

以上のように、この実施例では、画素信号を低域ろ波
回路に通し、更に各々の走査線の信号を所定の同一レベ
ルで制限することで、垂直輪郭補償信号の走査線間の輝
度差の発生を防ぎ、画質を改善できる。

第３図は本発明の他の実施例を示し、第１図に示した
実施例と異なる点は、色成分の空間変調多重用の色フィ
ルタのうち、特にＷとＧ画素のレベル差を原因とする変
調成分による輝度信号への妨害を抑圧するため、WG画素
補正回路13が挿入されており、色信号処理回路８はWG画
素補正回路13の手前の画素信号を入力としていることで
ある。その他の信号処理は、第１図に示した実施例と基
本的に同じてある。また、撮像素子の色フィルタ構成は
第７図に示したものと同じである。

ここで、WG画素補正回路13の動作を説明すると、この
WG画素補正回路13は、WG画素信号のレベル差をなくすよ
うに、WG画素の各信号レベルに定数を乗じた補正信号を
作り、画素信号の高周波成分のみ補正信号と置き換え、
画像のエッジ部分のギザ・フリッカを低減するものであ
る。画素信号と補正用定数を乗算することにより、補正
を行なう様子を第４図に示す。また、無彩色撮像時、ク
リップ回路11a,11bがない場合、WG画素補正回路13の出
力の各画素の高周波成分に対するレスポンスを第５図に
示す。低周波に対するレスポンスは第８図と同じであ
る。

第５図において、入力信号レベルが領域Ａにある場合
はW,G画素間のレベル差はないが、画素が飽和する領域
B,Cにある場合はW,B画素間にレベル差が発生してしま
い、高周波成分では画像のエッジ部にギザ・フリッカが
発生し、また、低周波成分ではWGラインの平均値とCyYe
ラインの平均値に差が発生し、走査線間のレベル差とな
り、このまま後の信号処理を行なえば著しく画質を低下
させることになるが、クリップ回路11a,11bの特性をＷ
画素が飽和する点もしくはそれ以下の値をクリップ値と
すれば、領域B,CにおいてもWGラインの平均値とCyYeラ
インの平均値の差がなくなる。これにより、垂直輪郭補
償信号の走査線間のレベル差がなくなり、ライン毎のレ
ベル差による画質の劣下を防ぐ。

この実施例のように、WG画素補正回路13を用いている
場合においても、複数ラインの画素信号を各々低域ろ波
器回路に通し、所定の同一レベルで各々のラインの信号
をクリップすることにより、走査線間のレベル差の発生
を防ぐことができる。

なお、以上の実施例は、カラーカメラについてのみの
ものであるが、他の撮像装置、例えばFAXやスキャナ，
ハードコピー装置にも適用可能である。また、1H遅延器
を複数個用い、３ライン以上の画素信号を同時化しても
同様に構成できる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、撮像素子の一
部の画素が飽和している状態において発生する各走査線
間の輝度差を防ぐことができ、画質の低下をなくすこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のブロック図、第２図は同実
施例の入射光と画素信号のレスポンスの関係およびクリ
ップ回路の動作を示すグラフ、第３図は他の実施例のブ
ロック図、第４図はWG画素補正回路の動作説明図、第５
図はこの他の実施例の入射光とWG画素補正回路の出力の
レスポンスの関係を示すグラフ、第６図は従来の撮像装
置のブロック図、第７図は撮像素子の色フィルタ構成を
示す図、第８図は従来装置の入射光と画素信号のレスポ
ンスの関係を示すグラフである。 １……撮像素子、５……演算回路、11a,11b……クリッ
プ回路、12a,12b……水平方向低域ろ波回路Ｂ、13……W
G画素補正回路。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】色成分の空間変調多重用の色フィルタを介
   して撮像する撮像素子の複数ラインの画素信号またはラ
   インの画素信号同士を演算した信号を各々入力とし、色
   フィルタによる変調成分を低減する色低域ろ波回路の出
   力信号を、所定の同一レベルでそれぞれクリップする各
   クリップ回路と、各々のクリップ回路の出力を用いて垂
   直輪郭補償信号を得る演算回路を備えたことを特徴とす
   る撮像装置。