JP2582572Y2 - 容器の封緘装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、合成樹脂製の内蓋と
外蓋を用いて容器口を封緘することを目的とした容器の
封緘装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来容器口に外蓋を密嵌し、その外側に
封緘具を嵌着する技術は広く知られている。

【０００３】また金属ねじ蓋の下縁に封緘具を連結成形
し、開蓋時に金属蓋の上方を強くねじることにより、蓋
部と封緘具とを分離する構造の封緘装置も知られてい
る。

【０００４】

【考案により解決すべき課題】前記従来の封緘装置は、
蓋と封緘とが別体となっており、封緘によって密封性を
向上させるものではない。また合成樹脂蓋に、金属制封
緘をする場合もある。

【０００５】次に蓋と封緘とが一体化された金属蓋は、
蓋が金属である為に、密封手段（例えばパツキング付
着）を構じる必要があるのみならず、螺着密封後、封緘
部の下縁を変形して、容器口壁へ密着させなければなら
ないので、被蓋工程が複雑になり易い問題点があつた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】然るにこの考案は、内外
蓋を合成樹脂製にすると共に、外蓋に封緘機能と密封機
能を付与させかつ内外蓋を嵌合により一体化させること
によって、前記従来の問題点を解決したのである。

【０００７】即ちこの考案は、容器口に合成樹脂製の内
蓋と外蓋を順次嵌装した装置において、外蓋の側壁下縁
内周に設けた掛止突条を容器口の環状溝に取り外し不能
に密嵌し、前記外蓋の側壁から側壁に又は上壁から側壁
に亘つて２本の切り取り線を設け、該切り取り線の一方
のみを側壁の下端に達せしめ、前記２本の切り取り線間
の切り取り片に摘み片を連設し、該摘み片端を前記外蓋
に掛止すると共に前記掛止突条と前記容器口の環状溝と
の密嵌解除後、前記外蓋と内蓋とは分離しないように嵌
装していることを特徴とする容器の封緘装置である。ま
た他の考案は内蓋は外蓋内へ嵌挿されて一体化したもの
である。更に別の考案は摘み片を外蓋と面一に収容した
ものである。

【０００８】前記この考案の装置は、びん口又は缶口の
何れに用いてもよく、びんの場合には、硝子又は合成樹
脂製が考えられ、缶の場合には金属又は合成樹脂製が考
えられる。

【０００９】前記において摘み片は外壁に当接し、その
状態を保っていることが好ましいので、摘み片の突起
を、外蓋の孔に嵌入することも考えられる。尤も面一に
収容する場合には、摘み片と、その凹入部との嵌着によ
っても十分正しい位置を保つことができる。

【００１０】

【作用】この考案は外蓋を密嵌し、その解除手段を設け
たので、密嵌時には封緘となり、封緘解除後は、内蓋に
より、容器口部を密嵌する。

【００１１】

【実施例１】この考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

【００１２】缶の天板１の開口部へ、合成樹脂製の注出
筒２を固定し、注出筒２の上部に合成樹脂製の内蓋３を
被冠して、内蓋３の下縁内側の突条４を、前記注出筒２
の外側壁に設けた環状溝５の縁部と掛止させる。前記内
蓋３に合成樹脂製の外蓋６を被冠し、外蓋６の下縁内側
の突条７を前記環状溝５の縁部と掛止させる。前記外蓋
６と内蓋３は予め嵌合させた状態で、注出筒２へ同時に
嵌着させることができる。このようにして、図１のよう
に嵌着すれば、外蓋６は取外し不能となる。外蓋６の側
壁には、切り取り線８、８ａが斜に設けられ、少なくと
も一方の切り取り線は外蓋外壁の下縁に達せしめ、切り
取り線８の間の切り取り片９に摘み片１０が連設してあ
り、摘み片１０の先端内側に突起１１が設けてあって
（図３(a)）突起１１は、外蓋６の側壁に設けた小孔１
２に嵌合掛止する（図３(a) ）。前記実施例の外、図４
(a)(b)に示すように、外蓋６の頂部から側壁にかけて切
り取り線８、８ａを設け、その切り取り片９に摘み片１
０を連設する構造でも同一効果がある。この場合も摘み
片１０の突起１１と、小孔１２の嵌合掛止は前記例と同
一である。図中１３は内蓋の摘みである。

【００１３】要は外蓋６の下縁内側の突条７と、注出筒
２の環状溝縁との掛止を解除する為に、外６蓋の側壁の
一部を切り破ることにより封緘作用をさせるのである。

【００１４】

【実施例２】図５の実施例は、外蓋６に切り取り線８、
８ａを設け、切り取り片９に摘み片１０を設ける点は前
記実施例と同一である。外蓋６の頂壁に、前記摘み片１
０に対応する凹入部１４を設け、その一部に小孔１２を
穿設して、前記摘み片１０の突起１１を小孔１２に嵌挿
すると共に、摘み片１０を凹入部１４へ嵌着したもので
ある。この実施例の場合には、摘み片１０が外蓋と面一
に収容されるので、外蓋６の取扱い上支障がない。また
凹入部１４と摘み片１を嵌着することにより、突起１１
と、小孔１２を省畧することもできる。

【００１５】

【実施例３】この実施例は、図６に示すように、実施例
１の缶に代えて、壜１５の口部に内蓋３と外蓋６を嵌着
したものである。従って封緘による作用効果は同一であ
るから、詳細な説明を省畧する。

【００１６】

【考案の効果】この考案によれば、内外蓋を嵌着掛止
し、外蓋に封緘解除手段を付与したので、外蓋は密封用
と、封緘用を兼備させる効果がある。然して内外蓋の被
冠に際しては同時嵌着であるから、単一蓋を被冠する場
合と同一であり、簡単容易である。摘み片は外蓋に当接
掛止させておけば、取り扱いの時に邪魔になるおそれは
ないと共に摘み片が持ち上がるのを防止できる。また封
緘解除後、切り取り片が外蓋に残ると共に、外蓋と内蓋
が分離しないので廃棄物を生じるのを防止できる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の使用状態における一部断面
図。

【図２】同じく一部を切断した平面図。

【図３】(a) 同じく外蓋の実施例の斜視図。(b) 同じく
外蓋の封緘解除を示す斜視図。

【図４】(a) 同じく外蓋の他の実施例の斜視図。(b) 同
じく外蓋の封緘解除を示す斜視図。

【図５】(a) 同じく外蓋の他の実施例の斜視図。(b) 同
じく外蓋の封緘解除を示す斜視図。

【図６】同じく他の実施例（びんに使用）の使用状態の
一部断面図。

【符号の説明】

１ 缶の天板 ２ 注出筒 ３ 内蓋 ４、７ 突条 ５ 環状溝 ６ 外蓋 ８ 切り取り線 ９ 切り取り片 １０ 摘み片

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器口に合成樹脂製の内蓋と外蓋を順次
   嵌装した装置において、外蓋の側壁下縁内周に設けた掛
   止突条を容器口の環状溝に取り外し不能に密嵌し、前記
   外蓋の側壁から側壁に又は上壁から側壁に亘つて２本の
   切り取り線を設け、該切り取り線の一方のみを側壁の下
   端に達せしめ、前記２本の切り取り線間の切り取り片に
   摘み片を連設し、該摘み片端を前記外蓋に掛止すると共
   に前記掛止突条と前記容器口の環状溝との密嵌解除後、
   前記外蓋と内蓋とは分離しないように嵌装していること
   を特徴とする容器の封緘装置。
2. 【請求項２】 内蓋は外蓋内へ嵌挿されて一体化した請
   求項１記載の容器の封緘装置。
3. 【請求項３】 摘み片は外蓋と面一に収容された請求項
   １記載の容器の封緘装置。