JP2581535Y2 - 人工透析用補助具の収納袋 - Google Patents

人工透析用補助具の収納袋

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一雄 色部
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、人工透析用補助具の収
納袋に関する。特に、使い捨て可能で嵩張らない平面的
な、人工透析用補助具の収納袋に関する。
【0002】
【従来の技術】病院などで人工透析を実施する場合に
は、最初に透析用血液回路の先端に付いた針を刺入する
部位を中心に患者の腕を消毒し、針を刺入してから透析
用血液回路を粘着テープで固定する。その際に、消毒液
に浸漬させたガーゼ、綿球及び綿棒などの各種の消毒用
具や粘着テープなどの補助具を使用する。また、透析の
終了後にも、針を抜いた後の止血及び消毒などにガー
ゼ、綿球及び綿棒などを使用する。従来、これらの補助
具は看護婦らが揃えて滅菌して使用していたが、透析前
後に必要な補助具を各々必要量を考えて組合せ、使用時
にひとつづつ滅菌するのは、作業が煩雑で時間がかかっ
た。また、透析前後に必要な補助具を予め滅菌処理して
容器に収納し、手間を省いたものも知られているが、透
析の前処置の際に容器を開くと、透析の後処置をするま
での2〜3時間の間に、後処置用の補助具が落下して細
菌などによる汚染を受けて医療事故を起こすおそれがあ
った。このため、本考案者らは透析の前処置及び後処置
で用いる消毒用具や補助具の混同を防止する目的で、前
処理の用具と後処理の用具とを別々の容器に収納した、
使い捨て型を提案した。
【0003】図3に示すように、この公知収納箱10
は、処置前に使用する各種用具を収納する処置前用具収
納容器11と、処置後に使用する各種用具を収納する処
置後用具収納容器12とからなり、各容器は切り離し可
能な接合部13によって一体に成形されていた。また、
各容器は、剥離可能なシート状のフタ部14,15と、
立体的に成形されたプラスチック製トレー部16,17
とからなり、フタ部14,15とトレー部16,17と
は全周がシールされていた。フタ部14の1角に設けた
剥離用タグ18から処置前用具収納容器11のフタ部1
4を剥離した状態のトレー部16を図4に示す(但し、
内部に収納された用具は図示しない)。トレー部16
は、仕切り板19により複数の部屋20a,20b,2
0cに別れ、例えば、部屋20aには、ガーゼや綿棒な
どを入れ、部屋20bには綿球などを入れ、そして部屋
20cには開封後に消毒液を注入し、ガーゼや綿棒など
をその消毒液に浸漬させてから使用していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この収
納箱は、トレー部16,17の成形加工が煩雑なだけで
なく、使い捨てであるため、コストが高くなり、廃棄し
た場合に嵩張るという問題があった。従って、本考案の
目的は、成形加工が容易でコストが安く、しかも廃棄し
た場合に嵩張らない収納手段を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本考案の
2枚のシートとそれらシートのシール部とによって形成
された2つの中空部内に、人工透析の前処置用補助具と
後処置用補助具とを分離して収納した、人工透析用補助
具の収納袋によって達成することができる。
【0006】本考案の収納袋は、2枚のシートを重ね合
わせて形成される。これらの各シートは、一方が非透水
性の紙からなり、他方が熱可塑性フィルムからなるのが
好ましい。前記の非透水性紙は、ガス滅菌(例えば、エ
チレンオキサイドガス滅菌)が可能なようにガス透過性
を有することが特に好ましい。従って、消毒液などの薬
液を入れても染み出ることがなく、薬液による影響を受
けないように耐薬品性を有し、ガス透過性を有するよう
に、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの耐薬品性に優
れた熱可塑性樹脂を通気性を妨げないように塗工もしく
は含浸加工した紙などからなることが好ましい。また、
前記の熱可塑性フィルムとしては、非透水性で耐薬品性
を有する、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂からなるフィルムを用いるのが好まし
い。また、開封前に外部から収納補助具を視認できるよ
うに透明フィルムであることが好ましい。
【0007】本考案の収納袋には2つの独立した中空部
があり、それら中空部に人工透析の前処置及び後処置に
使用する補助具を、別々に分離して収納しておく。これ
らの補助具の種類及び分離方法は、従来の収納箱と同じ
である。また、前記の中空部は、2枚のシートの間に必
要な補助具を挟んだ後、各シートを公知の加熱加圧法又
は超音波法などによりシールすることにより、容易に形
成することができる。中空部の形状(或いはシール部の
形状)は、円形、楕円形、四角形又は三角形など、任意
でよい。
【0008】図1及び図2に、本考案の収納袋の一態様
を示す。本考案の収納袋1は、透明熱可塑性フィルム2
と非透水性紙3とからなり、周辺部及び中央部にシール
部4を有する。必要により、中央シール部には、切離し
可能なようにミシン目5を設けることができ、周辺シー
ル部の1部には開封を容易にする剥離タグ6を設けるこ
とができる。シール部の内部には、中空部A及びBがあ
り、それぞれに、人工透析における前処置及び後処置に
使用する補助具7を収納する。
【0009】図1及び図2に示す収納袋1を使用する場
合には、最初にミシン目5から、前処置用補助具を収納
する中空部Aを有する領域と、後処置用補助具を収納す
る中空部Bを有する領域とを分離する。次に、中空部A
を有する領域の剥離タグ6により周辺シール部4の一部
を開封して、消毒液(例えば、ヨウ素化合物、過酸化
物、アルコール、石鹸類又はグルコン酸クロルヘキシジ
ン液)を注入し、内部の補助具に消毒液をよく馴染ま
せ、続いて、開封部を更に大きくしてから中空部A内に
収納されていた補助具を順に取り出して、人工透析の前
処置を行なう。前処置及び人工透析が終了したら、使用
済の各補助具を前記中空部Aに戻して廃棄する。また、
人工透析の後処置は、中空部Bを有する領域を用いて前
記と同様に実施することができる。以上、本考案の実施
例について説明したが、本考案は上記実施例に限定され
るものではなく、本考案の要旨の範囲内において適宜変
形実施可能である。
【0010】
【考案の効果】本考案の収納袋は、作成が容易で低コス
トであり、嵩張らないので、保存及び廃棄処理に便利で
ある。また、予め各補助具を組み合わせて収納し、滅菌
処理を簡単に施こすことができるので、病院内での補助
具の組合せ、補給又は滅菌などの手間を省くことがで
き、更に、透析前後の補助具が別々に収納されているの
で、それぞれの使用時に開封することができ、衛生的で
ある。また、透明フィルムを用いることができるので、
開封前に外部から補助具を確認することができる。更
に、消毒液を入れることができるので、透析用補助具や
注射針などの消毒を簡便に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の収納袋の一態様を模式的に示す斜視図
である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】従来の収納箱の斜視図である。
【図4】従来の収納箱のフタシートを除去した状態を示
す斜視図である。
【符号の説明】 1 収納袋 2 熱可塑性フィルム 3 非透水性紙 4 シール部 7 補助具 A,B 中空部

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚のシートとそれらシートのシール部
    とによって形成された2つの中空部内に、人工透析の前
    処置用補助具と後処置用補助具とを分離して収納した、
    人工透析用補助具の収納袋。
  2. 【請求項2】 シートの少なくとも一方がガス透過性で
    液体不透過性である請求項2に記載の人工透析用補助具
    の収納袋。
JP8469792U 1992-11-14 1992-11-14 人工透析用補助具の収納袋 Expired - Fee Related JP2581535Y2 (ja)

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