JP2580892B2 - エポキシ繊維 - Google Patents

エポキシ繊維

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JP2580892B2
JP2580892B2 JP3158492A JP15849291A JP2580892B2 JP 2580892 B2 JP2580892 B2 JP 2580892B2 JP 3158492 A JP3158492 A JP 3158492A JP 15849291 A JP15849291 A JP 15849291A JP 2580892 B2 JP2580892 B2 JP 2580892B2
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勝司 柴田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気特性、耐熱性、耐
湿性、耐薬品性などの特性に優れたエポキシ繊維に関す
る。
【0002】
【従来の技術】比較的低分子量の二官能エポキシ樹脂と
二官能フェノール類を原料として高分子量エポキシ樹脂
を製造する方法は一般に二段法と呼ばれ、この方法に関
する最初の文献は米国特許第2,615,008号明細
書であり、日本国内においては、同じ出願人による特公
昭28−4494号公報である。この文献では重合触媒
として水酸化ナトリウムを用い、無溶媒下、150〜2
00℃で反応させることにより、エポキシ当量が5,6
00の高分子量エポキシ樹脂を得ている。この樹脂の平
均分子量は、約11,000であると推定できる。溶媒
を使用することが記載されている文献としては、米国特
許3,306,872号明細書がある。実施例中に溶媒
を使用した例のある特許文献としては、特開昭54−5
2200号公報、特開昭60−118757号公報、特
開昭60−144323号公報、特開昭60−1443
24号公報などがある。これらの文献中で使用されてい
る溶媒は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなど
である。これらの溶媒はケトン系およびエーテル系(セ
ロソルブ系)溶媒に分類される。
【0003】米国特許3,306,872号明細書中で
は、溶媒としてメチルエチルケトン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテルのいずれかを用いており、溶液の
固形分濃度は20〜60%である。触媒としてはアルカ
リ金属若しくはベンジルトリメチルアンモニウムの水酸
化物またはフェノラートを用いている。また、重合反応
温度を75〜150℃とし、生成した高分子量エポキシ
樹脂の重量平均分子量が少なくとも40,000以上に
なるまで反応を続けている。平均分子量は粘度法によっ
て求めており、50,000〜1,000,000と測
定されている。しかしながら、粘度法は算出時に用いる
パラメータの設定によって、算出値が大きく左右される
ことが知られており、したがって、必ずしも正確な分子
量が測定されているとはいえない。
【0004】また溶媒中で重合させることにより高分子
量エポキシ樹脂が得られていると考えられる実施例とし
ては、特開昭54−52200号公報に溶媒としてエチ
レングリコールモノエチルエーテルを用いて、平均分子
量45,500の高分子量エポキシ樹脂を得ることが記
載されている。特開昭60−118757号公報に溶媒
にメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルを用いて、平均分子量
が最大31,000の高分子量エポキシ樹脂を得ること
が記載されている。特開昭60−144323号公報に
は、溶媒にメチルエチルケトンを用いて、平均分子量5
3,200の高分子量エポキシ樹脂を得ることが、特開
昭60−144324号公報には、溶媒にメチルエチル
ケトンを用いて、平均分子量66,000の高分子量エ
ポキシ樹脂を得ることが記載されている。上記4件の特
許文献中では、いずれもゲル浸透クロマトグラフィーに
よって平均分子量を測定しているが、測定条件および算
出方法等については記載されていない。ゲル浸透クロマ
トグラフィーによって得た分子量は、使用した充填剤の
種類、溶離液の種類などの測定条件および算出方法など
によって大きく異なり、必ずしも正確な値が測定されて
いるとはいえない。
【0005】このような従来から知られいる高分子量エ
ポキシ樹脂は直鎖状の高分子のエポキシ樹脂ではなく枝
分かれがある高分子のエポキシ樹脂であり、十分な強度
を有する繊維を形成することができない。また、前記の
いずれの特許文献においても、得られたエポキシ樹脂が
繊維形成能を有するという主旨の記載はなく、実施例も
ない。またアミド系以外の溶媒に溶解していることなど
から、十分な強度の繊維形成能を有するまでに直鎖状に
高分子量化した高分子量エポキシ樹脂は得られていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来法では
得られなかった直鎖状に高分子量化した高分子量エポキ
シ重合体を用いることにより、従来知られていないエポ
キシ繊維を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ繊維
は、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を二官能
エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合当量比をエポ
キシ基/フェノール水酸基=1:0.9〜1.1とし、
触媒の存在下、沸点が130℃以上のアミド系溶媒中、
反応固形分濃度50重量%以下で、加熱して重合させて
得た高分子量エポキシ重合体を紡糸し100μm以下の
繊維とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるエポキシ重合体の合成原料である二官能エポキシ
樹脂は、分子内に2個のエポキシ基をもつ化合物であれ
ばどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、
脂肪族鎖状エポキシ樹脂、その他、二官能フェノール類
のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジ
グリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化
物、水素添加物などがある。これらの化合物の分子量は
どのようなものでもよい。これらの化合物は何種類かを
併用することができる。また二官能エポキシ樹脂以外の
成分が、不純物として含まれていても構わない。
【0009】本発明におけるエポキシ重合体の合成原料
である二官能フェノール類は、二個のフェノール性水酸
基をもつ化合物であればどのようなものでもよく、例え
ば、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾル
シノール、カテコール、多環二官能フェノールであるビ
スフェノールA、ビスフェノールFおよびこれらのハロ
ゲン化物、アルキル基置換体などがある。これらの化合
物の分子量はどのようなものでもよい。これらの化合物
は何種類かを併用することができる。また二官能フェノ
ール類以外の成分が、不純物として含まれていても差し
支えない。
【0010】本発明に用いられるエポキシ重合体の合成
触媒は、エポキシ基とフェノール性水酸基のエーテル化
反応を促進させるような触媒能をもつ化合物であればど
のようなものでもよく、例えばアルカリ金属化合物、ア
ルカリ土類金属化合物、イミダゾール類、有機りん化合
物、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム
塩などがある。中でもアルカリ金属化合物が最も好まし
い触媒であり、アルカリ金属化合物の例としては、ナト
リウム、リチウム、カリウムの水酸化物、ハロゲン化
物、有機酸塩、アルコラート、フェノラート、水素化
物、ホウ水素化物、アミドなどがある。これらの触媒は
併用することができる。
【0011】本発明におけるエポキシ重合体の合成反応
溶媒であるアミド系溶媒は、沸点が130℃以上で原料
となるエポキシ樹脂とフェノール類を溶解すれば特に制
限はない。アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N,N,N′,N′−テトラメチル
尿素、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、カルバ
ミド酸エステルなどがある。これらの溶媒は併用するこ
とができる。またアミド系、ケトン系、エーテル系、ア
ルコール系、エステル系などに代表されるその他の溶媒
と併用しても構わない。好ましいケトン系溶媒として
は、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジイソブチ
ルケトン、ホロン、イソホロン、メチルシクロヘキサノ
ン、アセトフェノンなどがある。
【0012】エポキシ重合体の合成条件としては、二官
能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合当量比は、
エポキシ基/フェノール性水酸基=1:0.9〜1.1
である。0.9当量より少ないと、直鎖状に高分子量化
せずに、副反応が起きて架橋し、溶媒に不溶になる。
1.1当量より多いと、高分子量化が進まない。高分子
量エポキシ重合体の合成反応触媒の配合量は特に制限は
ないが、一般にはエポキシ樹脂1モルに対して触媒は
0.0001〜0.2モル程度である。この範囲より少
ないと高分子量化反応が著しく遅く、この範囲より多い
と副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しない。エポキ
シ重合体の合成反応温度は、60〜150℃であること
が望ましい。60℃より低いと高分子量化反応が著しく
遅く、150℃より高いと副反応が多くなり直鎖状に高
分子量化しない。高分子量エポキシ重合体の合成反応時
の固形分濃度は50%以下であればよいが、好ましくは
40%以下がよい。さらに好ましくは30%以下にする
ことが望ましい。高濃度になるにしたがい副反応が多く
なり、直鎖状に高分子量化しにくくなる。したがって、
比較的高濃度で重合反応を行い、しかも直鎖状の高分子
量エポキシ重合体を得ようとする場合には、反応温度を
低くし、触媒量を少なくする必要がある。
【0013】エポキシ繊維の紡糸法としては、溶融紡
糸、乾式紡糸あるは湿式紡糸のいずれでもよい。また紡
糸温度、用いる溶媒、ノズル形状などについても特に制
約はない。繊維形状としては中空糸、複合繊維化も可能
であり延伸することもできる。本発明のエポキシ繊維
は、枝分れのない高分子量エポキシ重合体を用いるの
で、ポリエステル、ナイロンなどの実用化されている汎
用の繊維に比較しても、それらに劣らない機械的強度お
よび耐熱性を有する。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】実施例1 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官
能フェノール類としてビスフェノールA(水酸基当量:
115.5)115.5g、エーテル化触媒として水酸
化ナトリウム1.77gをアミド系溶媒であるN,N−
ジメチルホルムアミド547.9gに溶解させ、反応系
中の固形分濃度を30%とした。これを機械的に攪拌し
ながら、オイルバス中で反応系中の温度を120℃に保
ち、そのまま4h保持した。その結果、粘度が12,8
00mPa.s で飽和し、反応が終了した。得られたエポキ
シ重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ
ィーによって測定した結果では72,500、光散乱法
によって測定した結果では59,200であった。また
稀薄溶液の還元粘度は0.74dl/gであった。この高分
子量エポキシ重合体を用いて、乾式紡糸法により繊維径
15μmのエポキシ繊維を得た。このエポキシ繊維の引
張強さは3.5g/d,伸びは24%、ガラス転移温度
Tgは101℃、熱分解温度は381℃であった。
【0016】実施例2 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官
能フェノール類としてヒドロキノン(水酸基当量:5
5.7)55.7g、エーテル化触媒として水酸化リチ
ウム0.89gをアミド系溶媒であるN,N−ジメチル
アセトアミド702.3gに溶解させ、反応系中の固形
分濃度を25%とした。これを機械的に攪拌しながら、
オイルバス中で反応系中の温度を110℃に保ち、その
まま4h保持した。その結果、粘度が8,400mPa.s
で飽和し、反応が終了した。得られたエポキシ重合体の
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによっ
て測定した結果では188,200、光散乱法によって
測定した結果では153,900であった。またN,N
−ジメチルアセトアミド溶液の還元粘度は0.85dl/g
であった。この高分子量エポキシ重合体を用いて、凝固
浴にメタノールを用いた湿式紡糸法により繊維径12μ
mのエポキシ繊維を得た。このエポキシ繊維の引張強さ
は4.2g/d,伸びは43%、ガラス転移温度Tgは
102℃、熱分解温度は383℃であった。
【0017】実施例3 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:171.8)171.8g、二官
能フェノール類としてビスフェノールA(水酸基当量:
115.5)115.5g、エーテル化触媒としてナト
リウムメトキシド1.72gをアミド系溶媒であるN,
N−ジメチルアセトアミド1156.1gに溶解させ、
反応系中の固形分濃度を20%とした。これを機械的に
攪拌しながら、オイルバス中で反応系中の温度を120
℃に保ち、そのまま2h保持した。その結果、粘度が
8,400mPa.s で飽和し、反応が終了した。得られた
エポキシ重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマト
グラフィーによって測定した結果では274,800、
光散乱法によって測定した結果では231,600であ
った。またN,N−ジメチルアセトアミド溶液の還元粘
度は1.11dl/gであった。この高分子量エポキシ重合
体を用い、凝固浴にエタノールを用いた湿式紡糸法によ
り繊維径9μmのエポキシ繊維を得た。このエポキシ繊
維の引張強さは4.6g/d,伸びは35%、ガラス転
移温度Tgは102℃、熱分解温度は384℃であっ
た。
【0018】実施例4 実施例3における二官能フェノール類であるビスフェノ
ールAをレゾルシノールに代え、N,N−ジメチルアセ
トアミドの量を914.9gに代えた以外は、実施例3
と同様に高分子量エポキシ重合体の合成を行った。その
結果、加熱開始後3h後に粘度が2,800mPa.s で飽
和し、反応が終了した。得られた高分子量エポキシ重合
体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーに
よって測定した結果では451,000、光散乱法によ
って測定した結果では401,000であった。また
N,N−ジメチルアセトアミド溶液の還元粘度は1.2
8dl/gであった。この高分子量エポキシ重合体を用い、
凝固浴にエタノールを用いた湿式紡糸法により繊維径1
0μmのエポキシ繊維を得た。このエポキシ繊維の引張
強さは2.5g/d,伸びは118%、ガラス転移温度
Tgは83℃、熱分解温度は376℃であった。
【0019】実施例5 実施例3におけるN,N−ジメチルアセトアミドをN−
メチルピロリドン1156.1gに代えた以外は、実施
例3と同様に高分子量エポキシ重合体の合成を行った。
その結果、加熱開始後2.5h後に粘度が3,700mP
a.sで飽和し、反応が終了した。得られた高分子量エポ
キシ重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラ
フィーによって測定した結果では115,000、光散
乱法によって測定した結果では102,000であっ
た。またN,N−ジメチルアセトアミド溶液の還元粘度
は0.87dl/gであった。この高分子量エポキシ重合体
を用い、凝固浴にエタノールを用いた湿式紡糸法により
繊維径14μmのエポキシ繊維を得た。このエポキシ繊
維の引張強さは3.6g/d,伸びは31%、ガラス転
移温度Tgは102℃、熱分解温度は379℃であっ
た。
【0020】実施例6 実施例3におけるN,N−ジメチルアセトアミドをN−
メチルアセトアミド1156.1gに代えた以外は、実
施例3と同様に高分子量エポキシ重合体の合成を行っ
た。その結果、加熱開始後4h後に粘度が1,050mP
a.sで飽和し、反応が終了した。得られた高分子量エポ
キシ重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラ
フィーによって測定した結果では73,000、光散乱
法によって測定した結果では72,000であった。ま
たN,N−ジメチルアセトアミド溶液の還元粘度は0.
74dl/gであった。この高分子量エポキシ重合体を用
い、凝固浴にエタノールを用いた湿式紡糸法により繊維
径18μmのエポキシ繊維を得た。このエポキシ繊維の
引張強さは2.4g/d,伸度は18%、ガラス転移温
度Tgは102℃、熱分解温度は379℃であった。
【0021】実施例7 実施例3におけるナトリウムメトキシド4.72gを、
水酸化リチウム0.8gとした以外は、実施例3と同様
にして高分子量エポキシ重合体の合成を行った。その結
果、加熱開始後2.5h後に粘度が9,300mPa.sで
飽和し、反応が終了した。得られた高分子量エポキシ重
合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー
によって測定した結果では295,000、光散乱法に
よって測定した結果では260,000であった。また
N,N−ジメチルアセトアミド溶液の還元粘度は1.0
3dl/gであった。この高分子量エポキシ重合体を用い、
凝固浴にエタノールを用いた湿式紡糸法により繊維径8
μmのエポキシ繊維を得た。このエポキシ繊維の引張強
さは4.1g/d,伸びは22%、ガラス転移温度Tg
は101℃、熱分解温度は384℃であった。
【0022】比較例1 実施例3におけるビスフェノールAの配合量115.5
(エポキシ樹脂に対して1.00当量)を80.9g
(エポキシ樹脂に対して0.70当量)に代え、N,N
ジメチルアセトアミドの配合量1156.1gを101
7.5gに代えた以外は、実施例3と同様にして行っ
た。その結果1.0h後にゲル化し溶媒に不溶になっ
た。
【0023】比較例2 比較例1において、ゲル化する前に加熱を中止し、粘度
が280mPaであるエポキシ重合体溶液を得た。得られ
た重合体の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ
ィーによって測定した結果では110,000、光散乱
法によって測定した結果では98,000であった。ま
た、N,Nジメチルアセトアミド溶液の還元粘度は、
0.43dl/gであった。このエポキシ重合体から
は、十分な強度の100μm以下のエポキシ繊維は得ら
れなかった。
【0024】比較例3 高分子量エポキシ重合体であるフェノキシ樹脂YP50
P(東都化成)の平均分子量を測定した。ゲル浸透クロ
マトグラフィーによるスチレン換算重量平均分子量は6
8,000、光散乱による平均分子量は58,000で
あった。また稀薄溶液の還元粘度は0.48dl/gであっ
た。この樹脂はメチルエチルケトンに容易に溶解した。
またN,N−ジメチルアセトアミド20%溶液の粘度は
200mPa.s であった。このエポキシ重合体からは、1
00μm以下で十分な強度を有する繊維は得られなかっ
た。
【0025】比較例4 高分子量エポキシ重合体であるフェノキシ樹脂Epon
ol55L32(シェル) の平均分子量を測定した。ゲ
ル浸透クロマトグラフィーによるスチレン換算重量平均
分子量は62,000、光散乱による平均分子量は5
1,000であった。また稀薄溶液の還元粘度は0.4
4dl/gであった。この樹脂はメチルエチルケトンに容易
に溶解した。またN,N−ジメチルアセトアミド20%
溶液の粘度は180mPa.s であった。このエポキシ重合
体からも、100μm以下の十分な強度を有する繊維は
得られなかった。
【0026】以上の実施例、比較例における実験方法の
詳細を以下に示す。フェノール配合当量は、エポキシ樹
脂1.000当量にたいするフェノール類の配合当量で
ある。粘度はEMD型粘度計(東京計器)を用いて測定
した。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に使用し
たカラムは、TSkgelG6000+G5000+G
4000+G3000+G2000である。溶離液には
N,N−ジメチルアセトアミドを使用し、試料濃度は2
%とした。様々な分子量のスチレンを用いて分子量と溶
出時間の関係を求めた後、溶出時間から分子量を算出
し、スチレン換算重量平均分子量とした。光散乱高度計
は、大塚電子(株)製DLS−700を用いた。稀薄溶
液の還元粘度は、ウベローデ粘度計を用いて測定した。
引張強度、伸び、引張弾性率、銅箔引き剥がし強さは、
東洋ボールドウィン製テンシロンを用いた。フィルム試
料サイズは50×10mm、引張り速度は5mm/min とし
た。ガラス転移温度(Tg)は、デュポン社製910示
差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。熱分解温度
は、真空理工製の示差熱天秤TGD−3000を用い
て、空気中での減量開始温度を熱分解温度とした。
【0027】
【発明の効果】本発明に係るエポキシ繊維は、従来の汎
用合成繊維と同等の特性を有しており、各種用途に用い
ることが可能であり、その工業的価値は大である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール
    類を二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合当
    量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1:0.9〜
    1.1とし、触媒の存在下、沸点が130℃以上のアミ
    ド系溶媒中、反応固形分濃度50重量%以下で、加熱・
    重合させて得た高分子量エポキシ重合体を紡糸して得ら
    れた、繊維径100μm以下のエポキシ繊維。
  2. 【請求項2】 高分子量エポキシ重合体のゲル浸透クロ
    マトグラフィーによるスチレン換算重量平均分子量また
    は光散乱法による平均分子量が50,000以上である
    請求項1に記載のエポキシ繊維。
  3. 【請求項3】 高分子量エポキシ重合体の稀薄溶液の還
    元粘度が0.7dl/g以上である請求項1または2に記載
    のエポキシ繊維。
  4. 【請求項4】 高分子量エポキシ重合体のN,Nジメチ
    ルアセトアミドの20%溶液の粘度が、1,000mPa.
    s 以上である請求項1乃至3のいずれかに記載のエポキ
    シ繊維。
  5. 【請求項5】 繊維径100μm以下の繊維の引張り強
    度が2g/d以上であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載のエポキシ繊維。
  6. 【請求項6】 繊維径100μm以下の繊維の引張り強
    度が2g/d以上であり、伸びが10%以上であること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエポキ
    シ繊維。
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