JP2580660B2 - エノキダケの鮮度保持方法 - Google Patents

エノキダケの鮮度保持方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエノキダケの鮮度保持方法に関し、更に詳し
くは、エノキダケを良好な包装形態のもとで長時間に亘
り、高鮮度に保つことのできる方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 近年、エノキダケをはじめとする野菜は、一般消費者
の嗜好として、より新鮮なものを要望される傾向が強ま
っている。したがって、これらのエノキダケの包装物が
一般消費者の手に渡るまでの流通過程で最も問題となる
のは、収穫時の鮮度を如何にうまく保持するかというこ
とである。農林水産技術会議事務局発行の実用化技術レ
ポートNo.54(1978)によればエノキダケの品質保持限
界は、20℃で3日間と非常に短い。(PE30μ包装)又、
特開昭52−5458号公報では、ポリプロピレンとポリビニ
ルアルコールの2層ラミネートフィルムによる生きのこ
の包装袋が記載されている。しかし、このフィルムは、
水蒸気透過度、ガス透過度が極めて低く、春から夏の雰
囲気下では水分過剰による水きのこの発生、及び、袋内
酸素濃度低下が原因の無気呼吸による品質低下が発生し
易いという欠点があった。エノキダケは、呼吸、水分蒸
散が激しい為、蒸散防止、防止、簡易CA効果をもつフィ
ルム包装が適しているが、従来、過度の水蒸気透過度、
ガス透過度と良好な防曇性を兼ね備えたものがなく鮮度
保持性に欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、エノキダケの流通中及び店頭における前記
従来の欠点即ち、品質の低下を解消せんとするものであ
る。
(問題を解決するための手段) 即ち本発明は、 (1) 下記(ア)〜(ウ)項を満足する複層フィルム
を用いて形成した袋体、または、断裁物にエノキダケを
包装し、密封するエノキダケの鮮度保持方法。
(ア) 複層フィルムの水蒸気透過度が20〜150g/m2、2
4hr・40℃、酸素透過度が3000〜30,000cc/m2・24hr・at
m・20℃・90%RH、炭酸ガス透過度が12,000〜110,000cc
/m2・24hr・atm・20℃・90%RHであること。
(イ) 複層フィルムの少なくともエノキダケを接する
片面側表面に防曇剤が存在すること。
(ウ) 複層フィルムが溶断シール性を有すること。
(2) エノキダケを脱気した後、密封することによる
上記(1)に記載の鮮度保持方法。
(3) 270℃で溶断シールしたときに3.0kg−cm/15mm
以上の溶断シール強度を示すものである上記(1)又は
(2)に記載の複層フィルムを用いるエノキダケの鮮度
保持方法。
(4) 少なくともエノキダケに接する片面側表面が、
040℃の間で温度変化を繰り返す経過中防曇性を示す
ものである上記(1)〜(3)に記載の複合フィルムを
用いるエノキダケの鮮度保持方法。
(5) 複層フィルムの基層構成材が、炭素数2〜10の
α−オレフィン系共重合体の1種以上:30〜90重量%と
酢酸ビニル、アクリル酸及びスチレンよりなる1種以上
のモノマー単位が全構成々分中の5〜80重量%を占める
共重合体の1種以上:10〜70重量%との混合物である上
記(1)〜(4)のいずれかに記載の鮮度保持方法。
(6) 複層フィルムの表面層構成材が、炭素数2〜10
のα−オレフィン系共重合体である上記(1)〜(5)
のいずれかに記載の鮮度保持方法。
本発明における要件、即ち、エノキダケは密封して包
装することが必要であるが、密封方法としては、テープ
止め、熱シール、金具止め、ヒモ止め等実質的に密封さ
れておれば任意である。密封が不充分もしくは開放する
と、エノキダケの変色が著しく商品価値が短時間で失わ
れる。
本発明における要件(ア)、即ち、複層フィルムの水
蒸気透過度、酸素透過度、炭酸ガス透過度を特定にする
ことを定めた理由について説明する。水蒸気透過度は、
エノキダケに含まれている水分の蒸発及び蒸散作用によ
り放出される水分による袋内湿度を適正に保ち、湿度過
剰によるむれ現象を防止して腐敗を抑制すると共に、湿
度不足による青果物の萎凋、変色(黄変又は褐変)、軟
化、弾力性喪失等を防止するうえで重要な特性であり、
水蒸気透過度が20g/m2・24hr・40℃未満では湿度過剰に
よるむれ現象によって水きのこが発生し易く、一方150g
/m2・24hr・40℃を超える場合は湿度不足となって萎
凋、変色を起こし易く、何れの場合も満足のいく鮮度保
持効果を得ることができない。良好な鮮度保持効果を確
保するうえでより好ましい水蒸気透過度は25〜120g/m2
・24hr・40℃の範囲である。
酸素透過度は、呼吸作用による酸素濃度の低下を外部
空気の透過侵入によって補い、生理作用を持続させるう
えで極めて重要な特性であり、該透過度が3,000cc/m2
24hr・atm・20℃・90%RH未満の場合は、エノキダケを
包装したときの内部酸素量が欠乏し、窒息状態となって
十分な鮮度保持効果が発揮されない。一方30,000cc/m2
・24・atm・20℃・90%RHを超えた場合、酸素欠乏現象
を生じる恐れはないが、酸素濃度が大気に近くなり呼吸
抑制作用が発揮されなくなり、何れの場合満足のいく鮮
度保持効果を得ることができない。
酸素透過度のより好ましい範囲は4,000〜20,000cc/m2
・24hr・atm・20℃・90%RHである。
炭酸ガス透過度は、フィルム内のガス組成を適正に保
ち、エノキダケの呼吸作用を保証すると共に炭酸ガス障
害を回避し、更には菌体の侵入・繁殖による腐敗を防止
するうえでも有効な特性であり、該透過度が12,000cc/m
2・24hr・atm・20℃・90%RH未満ではフィルム内の炭酸
ガス濃度が高くなり過ぎてエノキダケの呼吸作用が阻害
され、鮮度及び味覚が急速に低下してくる。
一方110,000cc/m2・24hr・atm・20℃・90%RHを超え
ると、フィルム内のCo2濃度が低くなりすぎて腐敗防止
効果及び劣化抑制効果が有効に発揮されなくなる。
炭酸ガス透過度のより好ましい範囲は15,000〜90,000
cc/m2・24hr・atm・20℃・90%RHである。
更に本発明で使用する複層フィルムにおけるエノキダ
ケに接する側の表面層には保持乃至流通期間中防曇性を
示す様な防曇材を含むものでなければならない。即ち本
発明では、フィルム内面の曇り現象を防止して商品価値
を高めるばかりでなく、曇りの進行によって形成される
水滴による内容物の水腐れを防止するうえでも防曇作用
は極めて重要な特性であり、且つ流通過程で長期的に優
れた防曇性を持続させる為には、保存乃至流通時の気温
変化を考慮して、040℃の間で温度変化を繰り返す経
過中(6時間毎に温度変化を与え24時間測定)継続して
防曇性を示す様な防曇剤が表面層に存在するものである
ことが望まれる。本発明は、前述の如くエノキダケを包
装対象とするものであり、冷凍保存よりもむしろ室温雰
囲気での保存が望まれるが、冬季の室内外の温度差等を
考慮すると、本発明における防曇性の設定に当たって
は、たとえば後述する方法によって求められ、「040
℃の間で温度変化を繰り返したときの防曇持続性」によ
り定めるのがよく、本発明では下記の測定法で1日以上
防曇性を持続するものであることが望まれる。
(防曇性評価方法) 200ccビーカーに150ccの40℃温水を入れ、試料の防曇
面を内側にしてビーカーにかぶせる。その後、6Hr、0
℃に保ち、次に40℃に6Hrに保つ。この温度変化を繰り
返し、24Hr後にフィルム面を通して容器内容物が明瞭に
観察できるか否かによって判定する。
表層部に存在させる防曇剤の種類は特に限定されるも
のではなく、従来から知られた防曇剤の他、帯電防止剤
や滑性剤の如く防曇特性を発揮し得るすべてのものを使
用することができ、必要によっては2種以上を併用する
こともできる。これらの防曇剤は表面層構成材中に直接
混入し得る他、基層構成材中にのみ混入させておき、積
層後表面層へ拡散移行させることによって表面層に防曇
性を与えることも可能である。表面層における防曇剤の
存在量は、防曇剤の種類によっても変わってくるので一
律に規定することは適当でないが、好ましいのは0.3〜
3重量%の範囲である。しかして0.3重量%未満では防
曇性能が不十分である為本発明の要求特性が満たされ難
く、一方3重量%を超える場合は表面層が白化現象を生
じて透明性が低下するばかりでなく、エノキダケの蒸散
によって袋の内面に付着した水分が白濁現象を起こし、
商品価値が著しく低下するという問題も生じてくる。
尚製袋前のフィルムの状態で防曇性を評価する簡便法
として表面層の表面張力で評価することも可能であり、
本発明者らが確認したところによると、該表面張力が38
ダイン/cm以上となる様に防曇剤の存在量を調整するこ
とによって、目的にかなう防曇持続性を確保し得ること
が明らかとなった。
次に本発明で用いる複層フィルムは、上記の複層フィ
ルムの防曇剤を含む層が内側となる様に重ね合わせて3
方を溶断シールするか、あるいは折り曲げ辺と直交する
2辺溶断シールする、等の手段で袋状に作製された場
合、エノキダケの充填時或は流通時等にシール部が剥離
して開封される現象を阻止し得るに足るシール強度を有
するものではなけれならず、好ましくは270℃で溶断シ
ールしたときの溶断シール強度が3.0kg−cm/15mm以上で
あるものがよく、該溶断シール強度が不足する場合は、
エノキダケの充填時或は取扱い時にシール部が剥離する
恐れがある。尚溶断シール温度は現在実用化されている
一般的な溶断シール温度を基準にして定めたが、上記溶
断シール条件のもとで上記設定値以上の溶断シール強度
を示し得るものである限り、前述の範囲を外れる溶断シ
ール温度を採用することを排除するものではない。
以上の様な諸持性を有する複層フィルムは、夫夫の要
求特性に合致し得る合成樹脂の共押出しあるいはインラ
インラミネート法等によって製造することができるが、
前述の要求特性との関係を考慮して最も好ましい基層構
成材及び表面層構成材について説明すると次の通りであ
る。
まず基層は、フィルムに要求される最低限の機械的強
度を確保すると共に、水蒸気、酸素及び炭酸ガスの各透
過性にも最も大きい影響を及ぼすものであり、次の様な
素材を使用することによって前述の目的にかなう基層を
得ることができる。即ち基層構成材としては、炭素数
が2〜10であるα−オレフィン系の共重合体の1種以上
と、酢酸ビニル、アクリル酸及びスチレンよりなる1
種以上のモノマー単位が全構成々分中の5〜80重量%を
占める共重合体の1種以上、との混合物で、且つその混
合比率が前者:30〜90重量%、後者:10〜70重量%で
ある混合物が好ましい。上記を構成する炭素数2〜10
のα−オレフィンの具体例としてはエチレン、プロピレ
ン、ブテン、ヘキセン、ヘプテン等が挙げられるが、よ
り一般的なのはエチレン、プロピレン、ブテンである。
これらα−オレフィンの単独重合体は、前述の要求特性
殊に水蒸気、酸素及び炭酸ガスのすべての透過度を満足
させるうえで必ずしも十分なものとは言えないが、上記
α−オレフィンの2種以上の共重合体を使用すると前記
透過度のすべてを満たす基層が容易に得られる。この場
合の共重合比は、組合されるα−オレフィンの種類に応
じて任意に決定すればよい。また上記を構成する共重
合体としては、酢酸ビニク、アクリル酸及びスチレンよ
りなるモノマー単位を該共重合体全構成々分中に5〜80
重量%を含有する共重合体が好ましく、これらのモノマ
ーと組合されるモノマーとしてはエチレン、プロピレン
等のα−オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、ブタジエン等が例示される。該共重合体中
に占める酢酸ビニル、アクリル酸及びスチレンよりなる
モノマー単位の重量が5%未満あるいは80%超である場
合は、前記各透過度のすべてを満足することが困難にな
る他、80%超の場合は基層フィルムのヘイズが悪化する
傾向が見られ、また溶断シール性の低下あるいは溶断部
にひげ状物ができる等の難点が生じ易くなる。
上記及びの混合比率は前者30〜90重量%に対して
後者は10〜70重量%の範囲とするのがよく、この様な配
合率範囲を特定することによって、強度等の機械的特性
はもとより透明性や溶断シール性及び前記各透過度のす
べてにおいてバランスのとれた性能を確保することがで
きる。ちなみに共重合体の配合率が30重量%未満であ
る場合は、基層フィルムの透明度が低くなって内容物の
透視が困難となり包装体としての商品価値が低下すると
いう欠点に加えて、保存温度が30℃を超える高温となっ
た場合、複合フィルムとしての防曇性が短時間のうちに
喪失される様になるという重大な問題が生じてくる。一
方共重合体が90重量%を超える場合は、ガス透過性能
に問題が生じてくる。たとえば、酸素透過度及び炭素ガ
ス透過度が前記設定範囲に入ったとしても水蒸気透過度
が設定範囲から外れるといった問題が生じ、エノキダケ
の生理作用に好適な包装雰囲気が得られ難くなるため、
期待されるほどの鮮度保持効果が得られない。
尚上記、を配合するに当たっては、230℃におけ
る該配合物のメルトインデックスが1〜100/10min、よ
り好ましくは2〜50g/10minとなる様に上記、の配
合物の選定するのが好ましい。
次に表面層構成材は、防曇剤の存在によって長期に亘
り優れた防曇性を持続し得る特性が要求される他、優れ
た溶断シール性を有することが必要であり、こうした要
求を満たす為の表面層構成材としては、炭素数が2〜10
であるα−オレフィン系モノマー(エチレン、プロピレ
ン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン
等)から選ばれる2種以上によって得られる共重合体が
好ましく、この共重合体は単独或は混合して使用され
る。該表面層構成フィルム中に防曇剤を存在させる方法
としては、該表面層構成材自体の中に防曇剤を混入させ
ておく方法の他、基層フィルム中に適量の防曇剤を含有
させておき、積層後の拡散によって表面層構成フィルム
中に防曇剤を移行させる方法を採用することもできる。
この場合、基層フィルム内へ混入させる防曇剤の量は0.
3〜3重量%、より好ましくは0.4〜2.2重量%が好適で
あり、0.3重量%未満では表面層フィルム方向への拡散
移行量が不十分となる為表面層に十分な防曇性能を与え
ることができず、一方3重量%を超えると、表面層部側
の防曇性は十分に高められるものの、表面層フィルムが
白化現象を生じて商品価値が劣悪になる。ところが基層
フィルム中に0.3〜3重量%の防曇剤を含有させておい
て表面層フィルムと積層すると、基層フィルム中の防曇
剤が表面層フィルム方向へ徐々に拡散移行していく結
果、長期間に亘って良好な防曇性を持続することとな
る。
前述の基層構成材及び表面層構成材から複合フィルム
を成形する為の手段は特に限定されず、共押出し法やイ
ンラインラミネート法の如き周知の方法によって行なわ
れることは先に述べた通りであり、また基層及び表面層
の肉厚も格別の制約はないが、経済性や物性等を加味し
て最も一般的なのは、基層:4〜200μm程度、表面層:0.
3〜8μm程度である。尚本発明で用いる複合のフィル
ムの最も基本的な複合形態は、表面層と基層を1層ずつ
積層した形態のものであるが、この基層の両面に表面層
を積層して両面に防曇性とヒートシール性を持たせた
り、或は基層の片側(表面層積層面とは反対側、但し両
表面層に防曇性やヒートシール性をもたせている場合は
該表面層のうちいずれか一方)に印刷等の加工を施する
ことも勿論可能であり、これらはすべて本発明の技術的
範囲に含まれる。
また基層及び表面層を構成するフィルム中には更に必
要に応じて滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤等を配合することも
でき、更に該複層フィルムは所望により1軸延伸若しく
は2軸延伸を施して物性を改善することもできる。
(実施例) 実施例1、 エノキダケ100gを、水蒸気透過度40g/m2・24Hr・20
℃,酸素透過度5200cc/m2・24hr・atm・90%RH,炭酸ガ
ス透過度21000cc/m2・24hr・atm・90%RHで両面共に防
曇性の良好な下記の製法で製膜したフィルムを溶断シー
ルとして製袋したタテ220mm,ヨコ125mmの袋に詰め脱気
した後、袋口をヒートシールした。この包装物100袋を
ダンボール箱に詰め20℃80%RHで保存した。その結果を
第1表に示す。この袋の溶断シール強度は5.5kg・cm/15
mmであった。
比較例として、未延伸PPフィルム(以下CPPとする)
で同様に包装したもの、塩化ビニルストレッチフィルム
(以下PVCとする)でストレッチ包装したものを同時に
テストした結果を示す。
(フィルムの製法) エチレン、プロピレン共重合体(エチレン含有量:5
%)と、酢酸ビニル含有量が28%であるエチレン・酢酸
ビニル共重合体とを、前者65%、後者35%の比率で混合
してなる基層構成材と、プロピレン・ブテン−1共重合
体(ブテン−1含有量:18%)とブテン・エチレン共重
合体(エチレン含有量:3.5%)とを1:1の重量比率で配
合してなる混合組成物からなる表面層構成材(但し該表
面層構成材中には防曇剤として6%の高級脂肪酸エステ
ルモノグリセライドを混入させた)を使用し、共押出し
法によって、基層の両面に表面層の積層された複層フィ
ルムを作製し(押出温度:260℃、冷却:20℃)、引き続
いて縦延伸倍率3倍、横延伸倍率8倍の2軸延伸を施
し、更に両面にコロナ放電処理を行なって、基層18μ
m、表面層1μm×2(両面)の合計20μmの3層フィ
ルムを得た。このフィルムの片面(A)側の表面張力は
42ダイン/cm、他方面(B)側の表面張力は38ダイン/cm
であった。
(発明の効果) 本発明によれば、次のような格別優れた効果が得られ
る。
(a) 本発明の複層フィルムは水蒸気、酸素ガス、及
び炭酸ガスの各透過度が適正に調整されており、又、包
装形態も適正になっている為、エノキダケは包装後も正
常な生理作用を持続することができ、鮮度保持期間を大
巾に延長することができる。
(b) 本発明の複層フィルムは優れた防曇性及び防曇
持続性を有しているので、エノキダケの流通過程で曇り
部に凝集した水分により、エノキダケの鮮度低下が促進
される様な恐れもなく、消費者の手元に新鮮な状態で供
給することができる。
(c) 本発明の複層フィルムは、良好な溶断シール性
を有している為、製袋する場合でも容易であり、取扱い
時の破袋もない為、破袋による鮮度低下が発生しない。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(ア)〜(ウ)項を満足する複層フィ
    ルムを用いて形成した袋体、または、断裁物にエノキダ
    ケを包装し、密封することを特徴とするエノキダケの鮮
    度保持方法。 (ア) 複層フィルムの水蒸気透過度が20〜150g/m2、2
    4hr・40℃、酸素透過度が3000〜30,000cc/m2・24hr・at
    m・20℃・90%RH、炭酸ガス透過度が12,000〜110,000cc
    /m2・24hr・atm・20℃・90%RHであること。 (イ) 複層フィルムの少なくともエノキダケを接する
    片面側表面に防曇剤が存在すること。 (ウ) 複層フィルムが溶断シール性を有すること。
  2. 【請求項2】エノキダケが脱気した後、密封することを
    特徴とする特許請求範囲第1項に記載の鮮度保持方法。
  3. 【請求項3】270℃で溶断シールしたときに3.0kg−cm/1
    5mm以上の溶断シール強度を示すものである特許請求の
    範囲第1項又は第2項に記載の複層フィルムを用いるエ
    ノキダケの鮮度保持方法。
  4. 【請求項4】少なくともエノキダケに接する片面側表面
    が、040℃の間で温度変化を繰り返す経過中防曇性を
    示す複合フィルムを用いる特許請求の範囲第1〜3項に
    記載のエノキダケの鮮度保持方法。
  5. 【請求項5】複数フィルム基層構成材が、炭素数2〜10
    のα−オレフィン系共重合体の1種以上:30〜90重量%
    と酢酸ビニル、アクリル酸及びスチレンよりなる1種以
    上のモノマー単位が全構成々分中の5〜80重量%を占め
    る共重合体の1種以上:10〜70重量%との混合物である
    特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載のエノキダ
    ケの鮮度保持方法。
  6. 【請求項6】複層フィルムの表面層構成材が、炭素数2
    〜10のα−オレフィン系共重合体である特許請求の範囲
    第1〜5項のいずれかに記載の鮮度保持方法。
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