JP2579898B2 - エアクリーナ - Google Patents

エアクリーナ

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JP2579898B2
JP2579898B2 JP6303024A JP30302494A JP2579898B2 JP 2579898 B2 JP2579898 B2 JP 2579898B2 JP 6303024 A JP6303024 A JP 6303024A JP 30302494 A JP30302494 A JP 30302494A JP 2579898 B2 JP2579898 B2 JP 2579898B2
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の吸気系に配
置されるエアクリーナ(空気清浄装置)で、とくに自動
二輪車や自動車等に装備するのに好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、内燃機関の吸気系にはエ
アクリーナが配置される。ダストなどを除去したうえで
空気をシリンダ内へ導入するためである。エアクリーナ
は一般的に、紙や布などでできたエレメント(フィルタ
ー)を樹脂や板金製のケーシングの内部に備え、吸気を
そのエレメントに通して漉したうえキャブレター(気化
器)やシリンダ等へ送るようになっている。
【0003】自動車や自動二輪車等においても、そのエ
ンジンの吸気系には当然ながらエアクリーナが接続され
る。たとえば特開昭60−131317号公報には、自
動二輪車におけるエアクリーナの好適な配置について記
載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動車や自動二輪車に
装備されるエアクリーナは、上記の公報にも記載されて
いるように、他の部品類や運転者の手足と干渉しにくく
する必要上、コンパクトであることがとくに望まれる。
また、エレメントが目詰まりを起こさぬよう一定の頻度
で掃除等のメンテナンスをしなければならないので、そ
の作業をしやすいこと、また、できれば作業の所要頻度
が少ないことも求められる。そのほか、吸気抵抗が小さ
いことや吸気音(騒音)が低いこと、自動二輪車用のも
のでは外観上すぐれることも要求される。もちろん、構
造が簡単で製造コストの低いことも必要条件の一つであ
る。
【0005】しかしながら、従来、このような要求を十
分に満たすエアクリーナは見あたらなかった。上記公報
に記載のエアクリーナも、自動二輪車における配置等を
工夫することにより運転者との干渉を防ぎ、吸気音を低
減したものではあるが、メンテナンス作業の軽減等につ
いてとくに有利な構造は備えていない。
【0006】本発明の目的は、コンパクトで構造が簡単
なうえメンテナンスも容易であるなど、上述の要求を十
分に満たすエアクリーナを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明のエアクリーナは、
ケーシング内にエレメントを備えていて内燃機関の吸気
系に配置されるエアクリーナであるが、つぎのa)〜c)の
とおり構成した点に特徴がある。すなわち、 a) エレメントおよびケーシングをともに円筒型とし、
ケーシングのうちエレメントの装着部位の外側に吸気の
流入口を設ける一方、当該装着部位の内側に吸気の流出
口(キャブレターなど下流側の機器へ至る通気口)を設
ける。なお、当然ながらエレメントとケーシングとは、
各円筒の中心線が平行またはほぼ平行になるよう向きを
合わせて組み付ける。
【0008】b) 円筒型の上記ケーシングを、円筒の一
端面ずつを含む二片の分割体にて形成したうえ、その円
筒の中心線付近を通る一本のボルト(またはナット)に
より一体化する。
【0009】c) 上記流出口の中心とエレメントの中心
および上記ボルトの軸心を、ケーシングの外側寄りの部
分から内側へかけてこの順に配置する。上記b)のとおり
ボルトの軸心がケーシングの中心線付近にあるため、流
出口およびエレメントはケーシングに対して偏心した位
置に設けることになる。
【0010】また、このエアクリーナについては、請求
項2〜4に記載したように、 d) ケーシングのうち吸気の流出口から遠い側(つま
り、ボルトの軸心位置を中心にして流出口と180°前
後離れた位置)に吸気の流入口を形成したり、 e) あるいはその流入口まで、ケーシングの周方向へ向
かう吸気の流入管を接続したり、 f) さらに、エレメントを含めて円筒の中心線が水平
(またはほぼ水平)になるように、かつ上記流入管によ
る吸気の流れが下方へ向かうようにケーシングを配置し
たりするのもよい。
【0011】一方、請求項5のとおり、 g) 上流側(すなわち吸気の流入口よりも上流側)に、
上記ケーシングとは別の容積空間を接続するのも好まし
い。
【0012】
【作用】本発明のエアクリーナは、まず、上記a)のとお
り構成しているため、円筒型のエレメントに対して外側
から内側へ吸気を通すことによりその濾過を行う、いわ
ゆる外周面濾過方式によって吸気を清浄化する。円筒型
のエレメントは、形状や構造が比較的簡単なうえ、濾材
である紙や布を折りたたんで組み込むことも容易なので
小型のものでも実質上の面積を広くして濾過効率を上げ
ることができる。そのようなエレメントに対してケーシ
ングは同じ円筒型とし、向きを合わせてそれを覆うた
め、エレメントとともにケーシングもコンパクトに構成
される。
【0013】エレメントの清掃・交換といったメンテナ
ンスの必要性から、上記b)のようにケーシングは二片の
分割体によって形成している。分割・接合の可能なケー
シングでなければ、エレメントを組み込んだり、それを
取り出して清掃等のメンテナンスを行ったりすることが
不可能だからである。しかし本発明のエアクリーナで
は、その二片の分割体を、b)のとおりそれぞれが円筒の
一端面ずつを含むように形成し、しかも両者を、円筒の
中心線付近を通る一本のボルトにより一体化するものと
している。円筒の一端面ずつを含むように分割体を形成
するため分割部(接合部)が円周状になり、したがって
両分割体の接合やシールを容易に行うことができる。上
記のボルトはケーシングの円筒の中心線付近を通るた
め、一本のみであっても円周状のその分割部(接合部)
に対して均一に締付け力を及ぼし、ケーシングを好まし
い状態で一体化することができる。そのボルトが一本の
みであることから、ケーシングの分割・接合は極めて容
易であり、このエアクリーナのメンテナンスが容易であ
ることにもなる。
【0014】またこのエアクリーナでは、吸気の流出口
の中心とエレメントの中心ならびに上記ボルトの軸心と
を、前記c)のような位置関係に配置している。この位置
関係は、エレメントの直径を必要最小限とし、したがっ
てケーシングを含む全体的な寸法を小さくするととも
に、好ましい状態にエレメントを固定・密封することを
可能にする。その理由はつぎのとおり説明される。吸気
のすべてをエレメントの濾材に通そうとすると、エレメ
ントをしっかり固定するとともにその端面を密封する
(つまり端面の外側をすり抜ける吸気をなくす)ことが
必要だが、それを前記のボルト一本の締付け力で行うに
は当該ボルトをエレメントの円の内側に設けることが不
可欠である。エレメントの円の内側には前記a)のとおり
吸気の流出口をも配置するが、その流出口と上記のボル
トとを内側に含んで直径を必要最小限の大きさとする円
は、幾何学上、流出口の中心とボルトの軸心との間に中
心をおいてはじめて描かれる。したがって、上記c)のよ
うに流出口の中心・エレメントの中心・ボルトの軸心の
三者をケーシングの外側寄りの部分から内側へかけてこ
の順に配置することこそが、エレメントの小型化と、そ
の好ましい固定・密封とに同時に寄与するのである。な
お、エレメントの外側には、前記a)の吸気の流入口とそ
れに続く吸気の通路とが形成されれば足りるので、エレ
メントの小型化によってケーシング、つまりエアクリー
ナの外形のコンパクト化も可能になる。
【0015】請求項2のエアクリーナの場合、前記d)に
示す吸気の流入口と流出口との位置関係により、吸気
が、エレメントのうち特定の部分に集中することなく濾
材各部をほぼ均一に通過する。それは、流入口からケー
シングに入った吸気が、円周状に分布する濾材各部のう
ちどの部分を通過して流出口へ至るとしても、その途中
で受ける抵抗(圧力損失)にほとんど差がないからであ
る。すなわち吸気が、a)に示した流入口からエレメント
の外側に流れ込んだのち、たとえば直ちにその流入口付
近の濾材を通過したうえエレメントの内側を流れて流出
口へ至る場合も、流入口付近からエレメントの外側を流
れて流出口の近くにまで移動したのち濾材を通過して流
出口へ至る場合も、流路から受ける抵抗はほぼ同じであ
るため、吸気の流れが特定の経路に偏ることがない。も
し仮に、d)とは異なり流出口に近い側に流入口があった
としたら、吸気のほとんどは、その流入口付近の濾材を
通過してそのすぐ内側の流出口に流れ込むという、他よ
りも格段に抵抗の小さい経路に集中し、濾材の他の部分
を通過する吸気の量は極端に少なくなるはずである。濾
材のうち特定の部分に吸気が集中するとしたら、濾材の
全面積を有効に使用してはいないので吸気抵抗が比較的
高いうえ、ダスト等の目詰まりもその部分に集中してメ
ンテナンスの所要頻度が増す。しかしながら、このエア
クリーナのように吸気が濾材各部をムラなく通過する場
合にはそのような不都合はない。
【0016】請求項3のエアクリーナでは、前記e)の流
入管を通ることにより方向づけされた吸気が、上記の流
入口を経てケーシング内に周方向に、つまり渦巻き状に
流入する。前記a)のとおりケーシングが円筒型で流入口
がエレメントの外側にあるため、このような周方向への
吸気の流入によって吸気中の大粒のダストや水滴等が遠
心力で分離され、内側のエレメントには付着せずに取り
除かれ得る、という利点がある。
【0017】また、この請求項3のエアクリーナの場
合、エレメントの外側とケーシングの内周面との間に、
上記の流入口から入る吸気の通路として、円滑な吸気流
れを確保しながら容積を必要最小限に抑えた合理的で無
駄のない空間を設けることができる。それはつぎのよう
に説明することができる。このエアクリーナでは、前記
d)のとおり流入口から遠い側に流出口があるが、流入口
を経てケーシング内に流入したのち流出口の付近までエ
レメントの外側を移動する吸気は、その一部ずつがエレ
メントの濾材を内側へ通過するにつれて次第に流量が減
少する。したがって、もしこのような吸気の通路として
均一断面積の空間を設けるなら、一部(エレメントの外
側に沿った通路のうち、流量が減る下流側の部分)には
流量相当以上の大きな断面積を設けたことになりエアク
リーナに過剰な容積が備わってしまう。しかしながら、
この請求項のエアクリーナにおいてエレメント・ケーシ
ング間に吸気の通路として形成される空間は、上記のと
おり漸減する吸気流量に対応して次第に減少する断面積
(吸気の流れ方向と直角な断面の面積)をもつものであ
り、容積的な無駄がない。エレメント・ケーシング間の
空間に漸減する断面積が備わるのは、前記のc)・d)によ
り、エレメントの中心線と流出口の中心とがケーシング
の中心線をはさんでともに流入口とは反対の側にあるた
めである。言いかえれば、ケーシングの内部において、
円筒型のエレメントは吸気の流出口寄りに偏心して取り
付けられる結果、エレメント・ケーシング間の空間は吸
気の流入口付近で断面積が広く、それから遠ざかり流出
口に近づくにつれて狭くなるからである。このような空
間は、前述のように次第に流量が減る吸気を流す上で無
駄がなく、流量相当の必要最小限の断面積のみを付与し
てケーシングを小型化することを可能にするとともに、
吸気抵抗・吸気音の低減を含む吸気の円滑化、さらには
エレメント上の付着ダストの分散・均一化にも効果をも
たらす。
【0018】請求項4のエアクリーナによると、前述の
ように遠心力で分離される大粒のダストや水滴等を、エ
レメントに付着しないようケーシングの下部に溜めるこ
とができる。なぜなら、エレメントおよびケーシングの
中心線を水平にしたうえ、吸気の流入管を上から下へ向
けることによりケーシング内に下向きに吸気を流入させ
るため、吸気とともに流入するダスト等は遠心力と重力
との作用によって、下部にあるケーシングの円筒部側面
に当たり、それとの摩擦により減速してその付近に溜ま
るからである。中心線を水平にしたケーシングの円筒部
側面のうち鉛直下部の部分は、このエアクリーナの最低
部分でありエレメントよりも下方であるため、溜まった
ダスト等がエレメントには付着しにくい。このような最
低部分にたとえばドレン管を接続しておけば、溜まった
水分の除去等を行いやすい。
【0019】エアクリーナにおける吸気音を低減するた
めには、吸気流速の高い部分をなくすことと併せて、内
燃機関におけるピストンの往復等に基づく吸気の脈動を
弱めることも重要である。請求項5のエアクリーナはそ
の点、前記g)のとおりケーシング以外の容積空間にも接
続されているため、いわば吸気の膨張室を二段も備えて
いることになり、エアクリーナ自体をコンパクトにしな
がらも脈動を弱めて吸気音を有効に低減させることがで
きる。膨張室となるこのような容積空間は、エアクリー
ナの下流側(つまり内燃機関に近い側)に接続しても同
様に脈動を弱めるが、最初に外気を取り込む吸入口にお
いて発生しやすい吸込み音を有効に低減させる意味で
は、エアクリーナよりも上流側に接続するのがよい。す
なわち、エアクリーナよりも下流側に容積空間を設けた
場合にはエアクリーナ(メンテナンス上の便宜からこれ
に防音壁等は付設しにくい)の部分で吸込み音を発生し
やすいのに対し、エアクリーナよりも上流側に当該空間
を設けた場合には、それをタンク等の内部に設けたり防
音壁を付けたりして吸込み音を低減することが可能だか
らである。
【0020】
【実施例】図1〜図4に、本発明の一実施例を紹介す
る。図1はエアクリーナ10を装備した自動二輪車1の
要部側面図、図2は図1におけるII−II矢視図、図3お
よび図4はエアクリーナ10のケーシング(ホルダー1
1等)を示す詳細図である。
【0021】図1のように、自動二輪車1は、パイプ類
を主体とするダブルクレードル形式の車体フレーム2に
対し、V型2気筒のエンジン3を横置き(クランク軸を
車体の左右に向けて搭載)にした形式のものである。通
常の車体と同様に、フレーム2のうち上部のメインフレ
ーム(アッパーパイプ)2aと前方・下部のダウンチュ
ーブ2bとの間にエンジン3が設けられており、メイン
フレーム2aの上に燃料タンク20が取り付けられる。
なお、図中の符号3A・3Bはそのエンジン3の各シリ
ンダを表し、5A・5Bは各シリンダ3A・3Bからの
排気管ないしマフラである。
【0022】二つのシリンダ3A・3Bの間(Vの字の
谷間の部分)には、それらに共用の吸気系機器としてキ
ャブレター4が一つ配置され、その側方(車体の右側)
に、やはり吸気系の機器であるエアクリーナ10が設け
られている。すなわち図2のように、キャブレター4
は、エンジン3(図1)へ向かう通気口4bを内側にし
て上流側の通気口4aを車体右側に向けており、その側
方にエアクリーナ10が接続されている。
【0023】この自動二輪車1に設けたエアクリーナ1
0は、合繊製(紙製または発泡ウレタン製などでも可)
のエレメント12を使用するいわゆる乾式のもので、構
造の簡単化や小型化、メンテナンスの容易性などを考慮
して以下のように構成している。
【0024】1) 図1および図2のようにエレメント1
2として円筒型のものを使用し、ホルダー11とカバー
14などからなるケーシング(後述)も概ね円筒型に形
成して、これにできるだけコンパクトにエレメント12
を収めるようにしている。また、いわゆる外周面濾過形
式とするため、図3(a)のように、ホルダー11の円筒
壁11a内のうちエレメント12の装着部位よりも外側
に吸気の流入口11kを設け、装着部位よりも内側に吸
気の流出口11gを設けている。そして、流入口11k
の上流側には図2のように吸気室17(後述)を接続
し、流出口11gにはキャブレター4の上流側通気孔4
aを接続する。なお、ホルダー11におけるエレメント
12の装着部位には、底面の平滑な溝11n(図3
(a))を形成している。円筒型のエレメント12を用い
るのは、一般的にはそれが低コストでコンパクトに形成
されるからである。
【0025】2) 上記のケーシングは、図2のようにネ
ジ穴11xにボルト11y等を通してエンジン3(図
1)の壁などに固定する半円筒状のホルダー11と、そ
れにかぶせてエレメント12を覆うためのやはり半円筒
状のカバー14とを主要な二片の分割体とし、両者を接
合して一つの円筒型の容器をなすようにしている。接合
のためには、前者に対し一本のボルト15のみで後者を
取り付けるものとしている。ホルダー11とカバー14
とは、それぞれが円筒の端面を有するよう形成したの
で、両者の接合部11oは円周状となり、円形の簡単な
パッキン14aによって密封することができる。ボルト
15の一本のみでケーシングの開閉ができるので、エレ
メント12のメンテナンスが容易である。ボルト15は
ケーシングの円筒の中心線上に通すので、一本のみであ
っても接合部11oの全周に均一に締付け力を及ぼす。
なお、エレメント12を装着したホルダー11にカバー
14をかぶせる際には、カバー14の内側に、円盤状の
プレート13を併せて取り付ける。エレメント12の両
端面をホルダー11内の前記の溝11nとこのプレート
13とによってそれぞれ密封することにより、吸気の全
量を漏れなくエレメント12の濾材に通すのである。
【0026】3) 図3(a)のように、流出口11gの中
心11hとエレメント12の装着中心11i、および上
記のボルト15の軸心11jを、ケーシング(ホルダー
11)の外側寄りの部分から内側へかけてこの順に配置
している。上記のとおりボルト15はケーシングの中心
線上に設けたため、流出口11g(の中心11h)およ
びエレメント12(の中心11i)の位置をケーシング
に対して偏心させたことになる。このような配置にすれ
ば、吸気の通過や濾過の効率上必要な範囲でエレメント
12の直径を小さくすることができ、ケーシングの小型
化も可能になるとともに、ただ一本のボルト15でエレ
メント12を全周的に締め付けるという利点も確保でき
る。
【0027】4) 同じく図3(a)のように、ケーシング
内への吸気の流入口11kは、上記した吸気の流出口1
1gから遠い側に形成している。つまり図上では、ホル
ダー11の中心(ボルト15の軸心位置)をはさんで左
上に流出口11gを設け、右下に流入口11k(複数)
を形成している。こうしたことにより、流入口11kか
ら入った吸気がエレメント12のどの部分を通過して流
出口11gへ至るとしてもその間に受ける抵抗(圧力損
失)が同程度となり、吸気が、エレメント12の濾材各
部をムラなく円滑に通過することとなる。
【0028】5) 流入口11kまでは、図3(a)・(b)
のとおり上流側からケーシングの周方向へ向かうように
吸気の流入管を設けている。流入管は、ダイカストにて
ホルダー11と一体に成形した管壁11bと、製造の便
宜上別体としてボルトで接合した管壁11cとから構成
した。この流入管を、ケーシングの中心線と平行な方向
やその半径方向などではなく周方向に延ばして設けたこ
とにより、ケーシング内で吸気が渦巻き状に流れ、ダス
トや水滴等が遠心分離される利点がもたらされる。ま
た、吸気の流入口11kがエレメント12や流出口11
gの偏心側とは逆の側にあることと関連し、流出口11
gに近いほどケーシングとエレメント12との間隔(つ
まり流路断面積)は狭くなっているため、流入口11k
から吸気が周方向に流入すれば、エレメント12の濾材
を内側へ入る吸気があるゆえにその外側を通る吸気流量
が減少することと流路断面積の縮小とが合致し、流路断
面積を必要最小限にしながら円滑な吸気流れが確保され
る。なお、これと同様な流路断面積の縮小は、流入口1
1kに入る直前の、管壁11b・11cによる流入管の
部分にも形成している。
【0029】6) 自動二輪車1上でのエアクリーナ10
の取り付け姿勢は、図1のように、円筒型のエレメント
12およびケーシングの中心線がほぼ水平になり、しか
も流入管(管壁11b・11c)による吸気の流れが鉛
直下方へ向かうようにしている。このような向きに取り
付ければ、吸気中のダストや水滴等を遠心力と重力の作
用とでケーシングの下部に集めることができ、エレメン
ト12にそれらを付着させないですむ。このようなケー
シングの最低部分にドレン管11p(コックの図示は省
略)を接続しているため、溜まった水分等の除去も容易
である。
【0030】7) そのほか、この自動二輪車1では、エ
アクリーナ10を小型化しても騒音(吸気音)が高くな
らないように別に吸気室17を設け、それを図1・図2
のとおり当該エアクリーナ10の上流側に接続してい
る。吸気室17は、エアクリーナ10と同程度の内部容
量をもつ容積空間で、エンジン3へ至る吸気に対しエア
クリーナ10とともに膨張室として機能し、吸気の脈動
を効果的に減衰させて吸気音を低減させることができ
る。吸気室17はエアクリーナ10の上流側に接続して
いるため、外気を吸い込むため外に開いた吸入口17a
を備えているが、その吸入口17a付近で発生する吸気
音を低減させるべく、その配置位置は、燃料タンク20
の下部に設けた凹部20a内とした。吸入口17aの箇
所を含めて吸気室17がタンク20に覆われるため、上
記吸気音等の広がりを抑制できる。図示のようにタンク
20の当該凹部20aに吸音材21(発泡ウレタン等)
を貼り付ければ、騒音低減の効果は一層顕著である。こ
のように吸気室17を設けたことにより、吸気音の低減
効果に基づいてエアクリーナ10自体を小さくでき、し
かも吸気室17はタンク20にて隠せるので、自動二輪
車1の外観も向上する。なおこの吸気室17は、図2の
ようにメインフレーム2aに跨がる位置に設け、ブラケ
ット17bを介してボルト・ナット(図示せず)等で当
該メインフレーム2aに固定した。取り付けやすさを考
慮して、吸気室17とエアクリーナ10とは接続可能な
別体として形成し、図1に示すようにエアクリーナ10
から上向きに延びた突出口11dを継手として吸気室1
7内に差し込むことにより、合わせ面16にて両者を一
体化できるようにしている。差し込んだ際、吸気室17
を構成する樹脂の弾性に基づいて当該突出口11dの周
囲の隙間が封じられ、エアクリーナ10・吸気室17間
のシールが実現されるのである。
【0031】
【発明の効果】本発明のエアクリーナには、つぎのよう
な効果がある。すなわち、 a) 円筒型のエレメントによる外周面濾過方式をとるの
で、小型・低コストでありながら高い濾過効率を得るこ
とができる。
【0032】b) ケーシングを構成する二片の分割体の
それぞれが円筒の一端面ずつを含むのでその接合やシー
ルが容易であるほか、中心線付近を通る一本のボルトに
より一体されるので、接合時の締付け力が均一で、また
メンテナンス等のためのケーシングの開閉が容易であ
る。
【0033】c) 吸気の流出口の中心とエレメントの中
心ならびに上記ボルトの軸心の位置関係から、エレメン
トの直径を必要最小限としてエアクリーナの全体寸法を
小さくできるとともに、エレメントの好ましい固定・密
封状態が実現される。
【0034】請求項2のエアクリーナの場合は、上記に
加え、 d) 吸気がエレメントの濾材各部をほぼ均一に通過する
結果、吸気抵抗が低いうえ、ダスト等による目詰まりの
集中が発生しにくくてメンテナンスの所要頻度が低減す
る。
【0035】請求項3のエアクリーナでは、さらに、 e) 流入口を経て吸気がケーシング内に渦巻き状に流入
するため、吸気中の大粒のダストや水滴等が遠心力で分
離され、内側のエレメントには付着せずに取り除かれ得
る。また、エレメントの外側とケーシングの内周面との
間に、円滑な吸気流れを確保しながら容積を必要最小限
に抑えた合理的で無駄のない吸気通路を設けることがで
き、ケーシングの小型化が可能になるとともに吸気抵抗
・吸気音の低減を含む吸気の円滑化にも効果がある。
【0036】請求項4のエアクリーナによるとさらに、 f) 吸気中の大粒のダストや水滴等が遠心力と重力の作
用でケーシングの下部に集まるため、エレメントの目詰
まりを早めないうえ、その除去が容易になる。
【0037】そのほか、請求項5のエアクリーナなら、 g) 上流側に接続した容積空間は吸気の脈動を弱めて吸
気音を低減するうえ、その設置位置等によって外気の吸
入口における吸込み音を低減させることができるので、
エアクリーナは、それ自体の小型化と騒音低減とを両立
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施例であるエアクリーナ10を装備
した自動二輪車1の要部側面図である。
【図2】図1におけるII−II矢視図で、エアクリーナ1
0についての断面図を含む組立図である。
【図3】エアクリーナ10のケーシング(ホルダー1
1)を示す詳細図で、図3(a)はその正面図、同(b)は
側面図である。
【図4】エアクリーナ10のケーシング(ホルダー11
およびカバー14)を示す詳細図で、図4(a)はその背
面図、同(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車 3 エンジン(内燃機関) 10 エアクリーナ 11 ホルダー(ケーシングの分割体) 11b・11c 管壁(流入管) 11k 流入口 11g 流出口 12 エレメント 14 カバー(ケーシングの分割体) 15 ボルト 17 吸気室(容積空間)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内にエレメントを備え、内燃
    機関の吸気系に配置されるエアクリーナであって、 エレメントおよびケーシングをともに円筒型とし、ケー
    シングのうちエレメントの装着部位の外側に吸気の流入
    口を設ける一方、当該装着部位の内側に吸気の流出口を
    設け、 円筒型の上記ケーシングを、円筒の一端面ずつを含む二
    片の分割体にて形成したうえ、その円筒の中心線付近を
    通る一本のボルトにより一体化するものとし、上記流出
    口の中心とエレメントの中心および上記ボルトの軸心
    を、ケーシングの外側寄りの部分から内側へかけてこの
    順に配置したことを特徴とするエアクリーナ。
  2. 【請求項2】 ケーシングのうち吸気の流出口から遠い
    側に吸気の流入口を形成した請求項1に記載のエアクリ
    ーナ。
  3. 【請求項3】 上記の流入口まで、ケーシングの周方向
    へ向かう吸気の流入管を接続した請求項2に記載のエア
    クリーナ。
  4. 【請求項4】 エレメントを含めて円筒の中心線が水平
    になるように、かつ上記流入管による吸気の流れが下方
    へ向かうようにケーシングを配置した請求項3に記載の
    エアクリーナ。
  5. 【請求項5】 上流側に、上記ケーシングとは別の容積
    空間を接続した請求項1〜4のいずれかに記載のエアク
    リーナ。
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