JP2576701B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2576701B2
JP2576701B2 JP3021648A JP2164891A JP2576701B2 JP 2576701 B2 JP2576701 B2 JP 2576701B2 JP 3021648 A JP3021648 A JP 3021648A JP 2164891 A JP2164891 A JP 2164891A JP 2576701 B2 JP2576701 B2 JP 2576701B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動性がよく、低応力
で膨張係数が小さく、低吸湿率で高いガラス転移温度を
有し、耐湿性などに優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂
組成物及び該エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された
半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】硬化性
エポキシ樹脂、硬化剤及びこれに各種添加剤を配合した
エポキシ樹脂組成物は、一般に他の熱硬化性樹脂に比べ
て成形性、接着性、電気特性、機械的特性、耐湿性等に
優れているため、エポキシ樹脂組成物で半導体装置を封
止することが多く行われている。
【0003】しかしながら、近年の半導体装置の分野に
おいては、パッケージサイズの小型化、薄型化が進む一
方、半導体素子は大型化が進んでおり、この様な半導体
装置を従来のエポキシ樹脂組成物で封止すると、半導体
素子とエポキシ樹脂組成物との熱による寸法変化の差に
より、半導体素子が受ける応力が大きくなるという問題
があり、また、吸湿後の半田処理を経る工程において、
パッケージにクラックが入るといった問題も生じてきて
いる。
【0004】これらの問題に対し、本出願人は先に硬化
性エポキシ樹脂にオルガノポリシロキサンを配合したエ
ポキシ樹脂組成物(特開昭56−129246号公
報)、芳香族重合体とオルガノポリシロキサンとからな
るブロック共重合体を添加したエポキシ樹脂組成物(特
開昭58−21417号公報)、更にはトリフェノール
アルカン型エポキシ樹脂又はその重合体を主成分とする
エポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂又はトリフ
ェノールアルカン型フェノール樹脂及びオルガノポリシ
ロキサンを配合した樹脂封止型半導体装置(特開昭63
−226951号公報)を完成し、低応力化されたエポ
キシ樹脂組成物を提案してその解決を計ってきた。
【0005】しかしながら、上述した低応力化エポキシ
樹脂組成物においても、最近の益々高度化した半導体装
置の封止に対する要求を完全に満たすことは難しい。即
ち、現在においては更に半導体封止樹脂の低応力化が求
められていると共に、成形時の流動性が良く、しかも曲
げ強度や曲げ弾性率等の機械的強度、高いガラス転移温
度、耐湿性等の諸特性に優れた硬化物を与える半導体封
止用樹脂組成物の開発が望まれている。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
流動性が良好で、しかも低応力で膨張係数が小さく、低
吸湿率で高いガラス転移温度を有し、良好な耐湿性、機
械的強度を有する硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物及
び該エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、(A)下記
(1)式で示されるナフタレン環を有するエポキシ樹
脂、(B)下記(2)式で示されるトリフェノールアル
カン型樹脂を主成分とする硬化剤及び(C)無機質充填
剤を含有するエポキシ樹脂組成物、及び、(A)下記
(1)式で示されるナフタレン環を有するエポキシ樹
脂、(B)置換もしくは非置換のノボラック型フェノー
ル樹脂及び/又は下記(2)式で示されるトリフェノー
ルアルカン型樹脂を主成分とする硬化剤、(C)無機質
充填剤及び(D)下記(3)式で示される有機重合体と
下記(4)式で示されるオルガノポリシロキサンとの付
加反応により得られるブロック共重合体を含有するエポ
キシ樹脂組成物が、流動性が良好で、しかも低応力で膨
張係数が小さく、吸水率が著しく少なく、高いガラス転
移温度を有し、良好な耐湿性、機械的強度、接着性を有
する硬化物を与え、このためこのエポキシ樹脂組成物は
DIP型、フラットパック型、PLCC型、SO型等の
いずれの型の半導体装置の封止にも有効に使用でき、こ
の種の半導体装置の封止用として非常に優れた特性を有
していることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】即ち、本発明は、 (A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、 (B)下記一般式(2)で示されるトリフェノールアル
カン型樹脂を主成分とする硬化剤、 (C)無機質充填剤を含有してなることを特徴とするエ
ポキシ樹脂組成物を提供する。また、本発明は、 (A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、 (B)置換もしくは非置換のノボラック型フェノール樹
脂及び/又は下記一般式(2)で示されるトリフェノー
ルアルカン型樹脂を主成分とする硬化剤、 (C)無機質充填剤、 (D)下記一般式(3)で示される有機重合体と下記一
般式(4)で示されるオルガノポリシロキサンとの付加
反応により得られるブロック共重合体を含有してなるこ
とを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供する。更に、
本発明は、上記エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した
半導体装置を提供する。
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、上述したよう
に、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)無機質
充填剤を配合してなるものである。
【0014】ここで、(A)成分のエポキシ樹脂は、下
記一般式(1)で示されるもので、ナフタレン環を有し
ているため、ガラス転移温度が高く、吸水量が少なく、
かつ優れた強靭性を有するものである。
【0015】
【化11】
【0016】上記(1)式中Rは水素原子又は炭素数
1〜10のアルキル基、OGはグリシジルエーテル基、
mは0〜2の整数、nは1又は2、kは0〜3の整数で
ある。ここで、OGはナフタレン環のいずれのリングに
付加してもよく、また両リングに同時に付加してもよい
(以下、同様)。なお、Rの炭素数1〜10のアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、t−
ブチル基、オクチル基等が挙げられる。
【0017】かかる一般式(1)で示されるエポキシ樹
脂の具体例としては次の化合物を挙げることができる。
【0018】
【化12】
【0019】上記エポキシ樹脂はその1種を単独で又は
2種以上を混合して使用することができる。また、上記
エポキシ樹脂にはノボラック型エポキシ樹脂やビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、及びこれらに塩素や臭素原子
等のハロゲン原子を導入した置換エポキシ樹脂、更に、
スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、フェ
ニルグリシジルエーテルのモノエポキシ化合物等を併用
しても差し支えない。
【0020】上記式(1)で示されるエポキシ樹脂の合
成は、例えばフェノール性水酸基を有するナフタレン環
含有重合体とエピクロルヒドリンとの反応等により行う
ことができる。
【0021】(B)成分は(A)成分のエポキシ樹脂の
硬化剤として用いられるもので、トリフェノールアルカ
ン型樹脂を主成分とする。また、後述する(D)成分の
特定のブロック共重合体を配合する場合、(B)成分と
しては置換もしくは非置換のノボラック型フェノール樹
脂を主成分とするものでもよい。
【0022】ここで、置換もしくは非置換のノボラック
型フェノール樹脂として具体的には下記の化合物が例示
される。
【0023】
【化13】
【0024】一方、トリフェノールアルカン型樹脂は、
下記一般式(2)で示されるものであり、具体的には下
記の化合物が例示される。
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】なお、(B)成分には必要に応じこれらノ
ボラック型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型
樹脂以外の硬化剤、例えばジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン
等に代表されるアミン系硬化剤、無水フタル酸、無水ピ
ロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等
の酸無水物系硬化剤等を配合することもできる。
【0028】(B)成分の配合量は特に制限されない
が、(A)成分中に含まれるエポキシ基1モルに対して
フェノールノボラック樹脂やトリフェノールアルカン樹
脂に含まれるフェノール性OH基のモル比が0.1〜3
モル/モル、特に0.5〜1.5モル/モルであること
が好ましい。
【0029】(C)成分の無機質充填剤としては、結晶
性又は非結晶性の石英粉末が代表的に挙げられ、そのほ
かアルミナ、BN、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等も
用いることができる。なお、石英粉末の形状は、球状、
破砕状のいずれも使用できるが、半導体素子に与える局
所応力を防止するために75μm以上の粗粒を石英粉末
全体の0.3重量%以下にしたものが好ましい。また、
組成物の流動性を向上させるため、平均粒径0.4〜2
μmの球状シリカを全石英粉末100重量部中5〜20
重量部用いることが望ましい。これらの石英粉末は使用
に際しシランカップリング剤で表面処理を施すことも有
効である。この(C)成分の配合量は、(A)成分と
(B)成分の合計量100重量部に対し350〜700
重量部、特に400〜650重量部の範囲が好ましい。
この範囲より使用量が多すぎると、分散が困難となるば
かりか、加工性、低応力、耐クラック性の物性において
不利になり、一方使用量が少なすぎると膨張係数が大き
くなる場合が生じる。
【0030】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物の
(D)成分は、下記式(3)で示される有機重合体と下
記式(4)で示されるオルガノポリシロキサンとの付加
反応により得られるブロック共重合体であり、この配合
により本発明のエポキシ樹脂組成物の耐クラック性等を
更に向上させることができる。
【0031】これを説明すると、(D)成分のブロック
共重合体を構成する有機重合体は下記一般式(3)で示
されるものである。
【0032】
【化16】
【0033】ここで、式中Aは−OH基、−OG基、及
びアルケニル基を含有する炭素数1〜10の有機基から
選ばれる同種又は異種の基であり、Aはナフタレン環の
いずれのリングに付加しても良く、また両リングに同時
に付加してもよい(以下同様)。R、−OG、m、n
及びkは上記と同様の意味を示す。
【0034】なお、アルケニル基を含有する炭素数1〜
10の有機基としては、ビニル基、アリル基或いはこれ
らの基を含有する−OCHC(OH)HCHOCH
CH=CH等が挙げられるが、オルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンの≡SiH基と付加反応が可能なも
のであればいずれのものでもよい。
【0035】この式(3)で示される有機重合体として
具体的には次の化合物を例示することができる。
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】以上の化合物において、ナフタレン環に付
加した置換基はいずれもナフタレン環の内側のリングに
付加していることが好ましい。
【0039】一方、オルガノポリシロキサンとしては下
記一般式(4)で示されるものを用いる。
【0040】
【化19】
【0041】ここで、式中Rは水素原子又は−(CH
−NH(pは0〜5の整数、Rは一価の有機
基、a、bは0.001≦a≦1、1≦b<3、1.0
01≦a+b≦3を満足する正数てあり、1分子中に少
なくとも1個の≡SiH基又は≡Si(CHNH
を有する。なお、Rの一価の有機基としては、水酸
基或いは炭素数1〜10のものが好ましく、メチル基、
エチル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基等の一価
炭化水素基、クロロプロピル基、クロロメチル基、グリ
シジルプロピル基等の置換一価炭化水素基、及びメトキ
シ基、エトキシ基などのアルコキシ基、更にイソプロペ
ニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等のアルケニルオ
キシ基より選ばれる同種又は異種の基が挙げられる。
【0042】この場合、(4)式のオルガノポリシロキ
サンにおいて、Rが水素原子である≡SiH基を有す
るオルガノハイドロジエンポリシロキサンとしては、特
に両末端ハイドロジェンメチルポリシロキサン、両末端
ハイドロジェンメチル・(2−トリメトキシシリルエチ
ル)ポリシロキサンが好適に用いられ、具体的には下記
の如き化合物が挙げられる。
【0043】
【化20】
【0044】また、(4)式のオルガノポリシロキサン
において、Rが−(CH−NH基である≡S
i−(CH−NH基を有するオルガノポリシロ
キサンとしては、具体的に下記の如き化合物が挙げられ
る。
【0045】
【化21】
【0046】この(D)成分のブロック共重合体は、上
記アルケニル基を有する有機重合体と≡SiH基を有す
るオルガノポリシロキサンとの付加反応、或いはエポキ
シ基を有する有機重合体と−(CH−NH基を
有するオルガノポリシロキサンとの付加反応により得る
ことができる。
【0047】これらの付加反応は従来公知の方法を採用
して行うことができる。例えばアルケニル基と≡SiH
基との付加反応の場合、ベンゼン、トルエン、メチルイ
ソブチルケトンの如き不活性溶剤中で従来公知の付加触
媒、例えば塩化白金酸のような白金系触媒の存在下で6
0〜120℃に加熱して反応させることによって行うこ
とができる。この場合、付加反応に際しては、アルケニ
ル基/≡SiH基のモル比を1以上、好ましくは1.5
〜10とすることが好ましい。また、エポキシ基と−
(CH−NH基との反応は、例えば無溶剤或い
はトルエン、メチルイソブチルケトンの如き不活性溶剤
中で60〜170℃に加熱して行うことができる。
【0048】この(D)成分のブロック共重合体の配合
量は、その1種を単独で又は2種以上を併用して(A)
成分と(B)成分との合計量100重量部当たり2〜5
0重量部の範囲とすることが好ましい。ブロック共重合
体の使用量が2重量部より少ない場合には耐クラック性
向上効果が十分達成され得ない場合があり、また、50
重量部を越える場合には、機械的な強度が低下する場合
がある。
【0049】なお、上記(A)成分、(B)成分及び
(D)成分に含まれるエポキシ基の量(aモル)とフェ
ノール性水酸基の量(bモル)の比はa/b=0.5〜
1.5の範囲にあることが望ましく、a/bが上記範囲
外にあると、硬化性、低応力性等の物性において不利に
なる場合がある。
【0050】本発明のエポキシ樹脂組成物には硬化触媒
を配合することができる。この硬化触媒としてはイミダ
ゾール化合物、三級アミン化合物、リン系化合物等が例
示されるが、耐湿性、接着性を向上させるため、1,8
−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7とトリ
フェニルフォスフィンとを重量比で0:1〜1:1、好
ましくは0.01:1〜0.5:1の範囲で使用する併
用触媒とすることが好ましい。1,8−ジアザビシクロ
(5.4.0)ウンデセン−7の比率が上記範囲より高
くなるとガラス転移温度が低くなる場合がある。上記併
用触媒の添加量は特に限定されないが、(A)成分と
(B)成分の合計量100重量部に対して0.2〜2重
量部、特に0.4〜1.2重量部とすることが望まし
い。
【0051】本発明の組成物には、更に必要により各種
の添加剤を添加することができる。例えば反応性又は非
反応性の熱可塑性エラストマー、シリコーンゲル、シリ
コーンゴム、シリコーンオイル等の低応力化剤、ワック
ス類、ステアリン酸等の脂肪酸及びその金属塩等の離型
剤、カーボンブラック等の顔料、難燃化剤、表面処理剤
(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、
エポキシシラン、ビニルシラン、ほう素化合物、アルキ
ルチタネート等のカップリング剤、老化防止剤、その他
の添加剤の1種又は2種以上を配合することができる。
【0052】本発明のエポキシ樹脂組成物は、その製造
に際し上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予
め70〜95℃に加熱してあるニーダー、ロール、エク
ストルーダー等により混練、冷却し、粉砕する等の方法
で得ることができる。ここで、成分の配合順序に特に制
限はない。
【0053】かくして得られる本発明の組成物はDIP
型、フラットパック型、PLCC型、SO型等の半導体
装置の封止用に有効に使用でき、この場合、成形は従来
より採用されている成形法、例えばトランスファ成形、
インジェクション成形、注型法等を採用して行うことが
できる。なお、エポキシ樹脂組成物の成形温度は150
〜180℃、ポストキュアーは150〜180℃で2〜
16時間行うことが好ましい。
【0054】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の例において部はいずれも重量
部である。
【0055】[実施例、比較例] 表1に示す成分に加え、硬化触媒を0.6部、トリフェ
ニルフォスフィンを0.5部、Sbを8部、カー
ボンブラックを1.5部、カルナバワックスを1部、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを3部添加
したものを熱二本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、
粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。なお、表2に使用
したエポキシ樹脂を示し、表3に硬化剤を示す。
【0056】これらの組成物につき、次の(イ)〜
(リ)の諸試験を行った。結果を表1に併記する。 (イ)スパイラルフロー値 EMMI規格に準じた金型を使用して、180℃、70
kg/cmの条件で測定した。 (ロ)機械的強度(曲げ強度及び曲げ弾性率) JIS−K6911に準じて180℃、70kg/cm
、成形時間2分の条件で10×4×100mmの抗折
棒を成形し、180℃で4時間ポストキュアーしたもの
について測定した。 (ハ)膨張係数、ガラス転移温度 直径4mm×15mmの試験片を用いて、ディラトメー
ターにより毎分5℃の速さで昇温した時の値を測定し
た。 (ニ)耐クラック性 9.0×4.5×0.5mmの大きさのシリコンチップ
を14PIN−ICフレーム(42アロイ)に接着し、
これにエポキシ樹脂組成物を成形条件180℃×2分で
成形し、180℃で4時間ポストキュアーした後、−1
96℃×1分〜260℃×30秒の熱サイクルを繰り返
して加え、300サイクル後の樹脂クラック発生率を測
定した(測定数=50)。 (ホ)吸湿半田後の耐クラック性(I) 8.0×10.0×0.5mmの大きさのシリコンチッ
プを10×14×2.3mmの大きさのフラットパッケ
ージに接着し、これにエポキシ樹脂組成物を成形条件1
80℃×2分で成形し、180℃で4時間ポストキュア
ーした。これを85℃/85%RHの雰囲気中に72時
間放置した後、温度240℃の半田浴に浸漬し、パッケ
ージクラックが発生するまでの時間(秒)を測定した。 (ヘ)吸湿半田後の耐クラック性(II) 2×4×0.4mmの大きさのシリコンチップを4×1
2×1.8mmのSOパッケージに接着し、これにエポ
キシ樹脂組成物を成形条件175℃×2分で成形し、1
80℃で4時間ポストキュアーした。これを85℃/8
5%RHの雰囲気中に72時間放置した後、温度260
℃の半田浴に浸漬した。次に、このパッケージを解体
し、内部クラックの発生の有無を光学顕微鏡で観察し
た。内部クラックが発生した状態を図1に示す。なお、
図中1はシリコンチップ、2はフレーム、3は封止樹
脂、4はクラックである。 (ト)接着性 図2に示すパッケージを成形条件175℃×2分で成形
し、180℃で4時間ポストキュアーした後、フレーム
(材質:42アロイ、厚さ:0.25mm)の引き抜き
力を測定した。なお、図2において、5はフレーム、6
は封止樹脂である。また、寸法はmmである。 (チ)耐湿性 9.0×4.5×0.5mmの大きさのシリコンチップ
を20PINのPLCCフレームに接着し、これにエポ
キシ樹脂組成物を成形条件180℃×2分で成形し、1
80℃で4時間ポストキュアーした。これを130℃/
85%RHの雰囲気中に放置し、20Vのバイアスを印
加して100時間後のアルミニウム腐食による不良率を
測定した。 (リ)吸水率 180℃、70kg/cm、成形時間2分の条件で直
径50mm×2mmの円板を成形し、180℃で4時間
ポストキュアーしたものを121℃/100%PCT中
に24時間放置し、吸水率を測定した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【化22】
【0061】
【化23】
【0062】硬化触媒 1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7
とフェノールノボラック樹脂(TD2131、大日本イ
ンキ社製)とを20/80重量比の割合で130℃×3
0分加熱溶融混合した後、50μm以下に微粉砕したも
の。石英粉末(1) 比表面積1.4m/g、平均粒径15μmの溶融球状
シリカ(75μm以上の粗粒0.1%以下)石英粉末(2) 比表面積2.5m/g、平均粒径10μmの溶融破砕
シリカ(75μm以上の粗粒0.1%)石英粉末(3) 比表面積10m/g、平均粒径1.0μmの溶融球状
シリカ石英粉末(4) 比表面積1.0m/g、平均粒径30μmの球状シリ
カ(75μm以上の粗粒0.1%)と比表面積3.2m
/g、平均粒径8μmの破砕シリカ(75μm以上の
粗粒0.1%)と、上記石英粉末(3)とを70:2
0:10重量部の割合で混合したものをγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン0.60重量%で表面処
理した溶融シリカ
【0063】表1の結果より、本発明にかかる組成物は
流動性が良く、ガラス転移温度(Tg)が高く、吸湿半
田後の耐クラック性(I及びII)に優れ、接着力が強
く、吸水率が少ない硬化物を与えることが認められる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエポキシ
樹脂組成物は、上述した成分の組み合わせとしたことに
より、流動性が良好で、しかも低応力で線膨張係数が小
さく、低吸湿率で高いガラス転移温度を有し、良好な耐
湿性、機械的強度を有する硬化物を得ることができるも
のであり、このため本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化
物で封止された半導体装置は信頼性に優れたものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸湿半田後の耐クラック性(II)試験で使用
したSOパッケージにクラックが生じた状態を示す断面
図である。
【図2】接着性試験で使用したパッケージを示す斜視図
である。
【符号の説明】 1 シリコンチップ 2 フレーム 3 封止樹脂 4 クラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−258830(JP,A) 特開 平2−189326(JP,A) 特開 昭63−227621(JP,A) 特開 平4−155939(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1) 【化1】 で示されるエポキシ樹脂、 (B)下記一般式(2) 【化2】 で示されるトリフェノールアルカン型樹脂を主成分とす
    る硬化剤、 (C)無機質充填剤 を含有してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)下記一般式(1) 【化3】 で示されるエポキシ樹脂、 (B)置換もしくは非置換のノボラック型フェノール樹
    脂及び/又は下記一般式(2) 【化4】 で示されるトリフェノールアルカン型樹脂を主成分とす
    る硬化剤、 (C)無機質充填剤、 (D)下記一般式(3) 【化5】 で示される有機重合体と下記一般式(4) 【化6】 で示されるオルガノポリシロキサンとの付加反応により
    得られるブロック共重合体を含有してなることを特徴と
    するエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成
    物の硬化物で封止された半導体装置。
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