JP2576427C - - Google Patents

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JP2576427C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、超音波加熱装置、超音波化学反応促進装置、超音波破砕装置などの
超音波照射装置に係り、特に、悪性腫瘍の治療に好適な超音波療法装置に関する
。 【0002】 【従来の技術】 医療をはじめとする超音波照射の各応用分野において、単フォーカスによる超
音波焦域では、照射目標領域に比較して狭すぎる場合が、しばしばある。こよう
な場合に適する超音波照射装置としては、‘ウルトラサウンド・イン・メディシ
ン・アンド・バイオロジ’(Ultrasound in Med & Biol.)第8巻、第2号、17
7〜184ページ(1982年発行)記載の音響レンズを用いて円環状の焦域を
形成する装置が、従来、知られていた。しかし、この形式の装置には、円環状焦
域Aから再放射された音波が図1に断面図で示したように円環の中心軸上に長い 円柱状焦域Bを再び形成するという傾向がある。特に、円環の直経が超音波発生
器のそれより小さいと、この傾向が強く、円柱状の2次焦域が照射目標領域外に
あるとき、これが重大な問題となる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、かかる従来装置の問題点を解決し、問題となるような2次的
な焦域を形成することなしにし、適度な広さを持つ焦域を形成することのできる
超音波照射装置を実現することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】 かかる目的に従い、本発明においては、2次元アレイ型超音波発生器とそれを
構成する各素子(各振動子)を駆動する駆動回路と、駆動信号の位相および振幅
を制御する制御回路とを具備する超音波照射装置において、焦点面P上の音圧積
分値に関し、その符号付積分値が、常に、その絶対値の積分値に比較して実質上
無視し得るように、該駆動信号を制御することを提案する。 【0005】 さらに、上記の超音波照射装置は、照射用の超音波送波機構に加えて照射モニ
タ用撮像機構を備える。照射モニタ用撮像機構は、照射目標の位置ぎめに必要な
複数の超音波エコー断層像を得ることのできる構成とする。 【0006】 【作用】 例えば、図2に示すように、焦点面Pの上の円環状焦域の音圧の位相を円環に
沿って意図的に変調させ、符号付きの音圧積分値が実質的に零となるように制御
すると、2次の焦点Bを形成することなく、焦点面P上の円環状焦域A1および
A2に必要な音響エネルギーを集めることができる。すなわち、焦点Pの上に、
中心軸に関し反対称な焦域が形成される結果、中心軸上の音圧は常に零に保たれ
る訳である。このような符号付けされた円環状焦域からは、(数1)によりその
大きさの程度が表わされる角度ξの方向に、音波が再伝播する。 【0007】 【数1】 ここで、λOは超音波波長、γFは円環状焦域の半径である。従って、λに比較し
γFが極端に大きな場合には、ξが小さくなり、音波の再伝播による音響エネル
ギーの拡散が不十分となる場合がある。このような場合には、円環状焦域の符号
付けの極数を、図2の例の2極から、4極、6極、…、2n極と増加させれば、
ξは(数2)に従って増加するので、ξを必要な大きさに保つことができる。 【0008】 【数2】 さらに、音圧の位相が零となる点を、図2の太い矢印のように回転させれば、
円環上の時間平均音響エネルギーが均一化され、好ましい音響エネルギー照射パ
タンが得られる。 【0009】 照射モニタ用撮像機構は、照射目標の位置ぎめに必要な複数の超音波エコー断
層像を得ることのできる構成となっているので、照射目標の運動を検出しそれを
照射機構に追随させたり、照射領域からの反射エコー強度を計測することにより
、照射領域の温度上昇による音響インピーダンス変化を観測したり、照射領域に
おいて非線形音響効果により発生する高調波を観測したり、照射目標領域以外に
生ずるいわゆる‘ホットスポット’をそこに発生する高調波により監視するなど
の目的に便利である。 【0010】 【実施例】 以下、本発明を、実施例を参照して、さらに詳しく説明する。図3は、本発明
の一実施例たる超音波照射装置のブロック図であり、図4、図6、図8はそれを
構成する超音波発生器(送波器)のそれぞれ一実施例の外形および断面の図であ
る。 【0011】 円環状焦域の、超音波発生器からの距離、半径ならびに円環に沿っての変調モ ードの信号が主制御回路10から照射用送波制御回路11へ与えられ、それに従
って、照射用の超音波発生器を構成する各素子の駆動位相が演算され、mビット
・カウンタ8へロード・データとして転送される。そのロード・データを初期値
とし、主制御回路10からの周波数、((2のm乗)・fO)のクロックに従っ
て動作するmビット・カウンタ8は、その最上位ビットの信号を周波数fOの照
射用送波信号として照射用の超音波発生器を構成するの各素子1を、主制御回路
10からの信号に従った振幅により駆動する送信アンプ9へ出力する。 【0012】 次に、超音波発生器について説明する。図4、図6、図8のいずれの場合にお
いても、音響整合層、接地電極、ヒートシンクを兼ねた軽金属基板の表と裏に、
それぞれ、圧電セラミックスなどより成る周波数100kHz〜10MHzの電
圧素子1および高分子材料などより成る第2音響整合層3が接着されており、ま
た、照射対象物体との間の音響カップリングのための水袋4が取り付けられてい
る。さらに、図4、図6の軽金属板には、冷却用配管5が取り付けられている。
図8の場合には、軽金属板が音響カップリング用の水に直接する構造となってい
るので、冷却用配管は特に必要としない。 【0013】 図4の実施例では、図5にその断面図により示したように、照射目標領域を円
環状焦域Aの半径、深さを変化させて走査するに必要な超音波発生器を構成する
素子数をできる限り少なくするために、超音波発生器の音波放射面に有限の曲率
Rを与えている。このように、外側の素子の指向性の極大方位を内向きに設定す
ることにより、必要な素子数を平面状の超音波発生器の場合の半分程度に減ずる
ことができる。同様の効果は、超音波発生器を構成する素子が平面状に配置され
、この素子と音響レンズとを組合わせることによって得ることもでき、図6はそ
の例であり、音響レンズとして、上記の軽金属基板をフレネルレンズ状に加工し
たものを用いたものである。 【0014】 本発明を実施するに必要な、照射用の超音波発生器の各素子1の駆動位相の組
合わせの例を、図4、図6、図8の超音波発生器を用いる場合につき示す。 【0015】 はじめに、本発明の代表的実施例である図2に示したタイプの音場を形成する
に必要な駆動位相の組合わせを例を示す。図2のように、超音波発生器の回転対
称軸をZ軸、超音波生器とZ軸との交点を原点とする円筒座標系(Z、γ、θ)
をとり、超音波発生器を構成するk番目の素子の中心の座標を(ZK、γK、θK
)とし、円環状焦域の円環の座標をZ=ZF、γ=γFとする。このとき、各素子
に与えられるべき駆動位相ψKは(kは自然数)は、一般に、次の(数3)によ
り表わされる。 【0016】 【数3】 ここで、ωOは超音波の角周波数である。 【0017】 駆動位相を与える式の右辺のうち、(ZK、γK)の関数αの部分を算出するに
は、2つの方法がある。ひとつは、超音波発生器の断面図において、円環の位置
(ZF、γF)に音波が収束するように、各素子の駆動位相を決定する方法であり
、このとき、αは、(数4)で与えられる(√()は()の平方根を示す)。 【0018】 【数4】 他のひとつは、円環の中心(ZF、0)を焦点とするように計算した駆動位相に
、さらに、各素子の駆動極性を与えて、円環状焦域を形成する方法である。どの
ような駆動極性を与えるべきかを考えるには、音波の伝搬において時間軸を反転
してみるのが便利である。すなわち、半径γFの円環状音源による音場Aは、(
数5)により、JOを0次ベツセル関数、θを方位角として、 【0019】 【数5】 と表わされるから、距離ZFにある超音波発生器面上の半径γkの円周上では、お
よそJO((2πγF/λO)(γK/ZF))に比例する音場となるので、このこ
とから逆に、超音波発生器からZFの距離のところに半径γFの円環状焦域を形成
するには、超音波発生器を構成する各素子に次の駆動位相を与えればよい。0次
ベツセル関数の第h番目の零点をah(hを自然数とする)とし、 【0020】 【数6】 【0021】 【数7】 【0022】 (2)a2h-1γc<γk<a2hγcのとき、 【0023】 【数8】 【0024】 なお、図4に示したように、超音波発生器の音波放射面が一定の曲率半径Rを有
するときには、(数4)、(数7)、(数8)において、 【0025】 【数9】が成立ち、また、図6、図8に示したように、超音波発生器の音波放射面が無限
大の曲率半径を有するときには、 【0026】 【数10】 が成立つ。 【0027】 駆動位相を与える数式の右辺のうち、θkの関数βの部分は、次のように算出
される。図2のような2極の円環状焦域の場合には、 【0028】 【数11】 により与えられ、一般の2n極の場合には、 【0029】 【数12】 により与えられる。図6および図8の超音波発生器を用いたときの、(数3)の
右辺におけるβ(θK)+ωOtを、それぞれ図7および図9の(a)、(b)に示し
た。超音波発生器を構成する各素子の駆動位相が一定の位相差を保ったまま進ん
でいく結果、超音波発生器の音波放射面全体として見た場合、音圧の等位相点が
図に示したように回転していく。 【0030】 このようにして、(数3)により得られる駆動位相ψKには、2π/(2のm
乗)を単位として量子化され、その値の下mビットが、照射用送波制御回路11
から出力されて、mビット・カウンタ8のロード・データとなる。これにより、 各素子はψKにより指定される位相により駆動される。 【0031】 図8のような超音波発生器を用い、本発明の音場、すなわち、焦点面P上の音
圧積分値に関し、その符号付積分値が、その絶対値の積分値に比較して実質上無
視できるような音場を形成する方法としては、上記のような実施方法の他に、次
に述べるような実施方法もある。 【0032】 照射目標領域の中央の点(ZF、0)を焦点とするように計算した駆動位相に
、さらに、超音波発生器を構成する各素子の駆動極性を与えることにより、焦点
面Pの上に極性の異なる複数のスポットを同時に形成することがこの方法である
。このとき、(ZK、γK、θK)にある超音波発生器を構成する素子の駆動位相
ψKは、√( )は( )の平方根を示すものとして、(数13)で表わされる 【0033】 【数13】 ここで、γで指定される位相は、例えば、図10(a)、(b)、(c)により表わさ
れるものである。このように駆動位相を制御することにより、それぞれ、図11
(a)、(b)、(c)のような、極性の異なる複数のスポットを焦点面Pの上に同時
に形成することができる。図中(a)、(b)、(c)のモードを切替えながら照射す
ることにより、時間平均として円環状に超音波エネルギーを分布させることもで
きるし、(a)、(b)、(c)のうち特定のモードを用いることにより、回転対称で
ない照射目標領域に対し適した超音波エネルギーの分布を形成することもできる
。 【0034】 2次元アレイ型超音波発生器の音波放射面上(素子面上)の音圧の位相の分布
を表わす図7、図9、図10の例に共通してあてはまる特徴は、音波放射面上の 音圧積分値に関し、その符号付積分値が、常に、その絶対値の積分値に比較して
実質上無視し得る様に、超音波発生器を構成する各素子の駆動位相が制御されて
いることである。このように制御することは、焦点面上の音圧積分値に関し、そ
の符号付積分値が、その絶対値の積分値に比較して実質上無視し得る様な音場を
形成する有力な実施方法である。 【0035】 図3、図4、図5、図6、図8により示した本発明の実施例は、照射用の超音
波送波機構に加えて照射モニタ用撮像機構を備えたものであり、以下、これにつ
いて説明を加える。図中6は撮像用アレイ型送受信探触子であり、7はそれをZ
軸のまわりに回転させる回転機構であって、照射目標の位置ぎめに必要な複数の
超音波エコー断層像を得ることのできる構成となっている。照射モニタ用の探触
子6を構成するそれぞれの素子は、送受波アンプ13を介して送波制御回路12
と受信フォーカス回路14に接続されている。得られたエコー断層像17は、照
射領域マーク18と複数断層面の交線19と重畳されて、表示回路15により表
示器16に表示される。このような撮像機構を具備することは、照射目標の位置
ぎめに必要なだけでなく、照射目標の運動を検出し、それを照射機構に追随させ
たり、照射領域からの反射エコー強度を計測することにより、照射領域の温度上
昇による音響インピーダンス変化を観測したり、照射領域において非線形音響効
果により発生する高調波を観測したり、照射目標領域以外に生ずるいわゆる‘ホ
ットスポット’をそこに発生する高調波により監視するなどの目的に便利である
。 【0036】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、適度な広さを持つ超音波焦域を、問題
となるような2次的な焦域を伴うことなく形成することができ、しかも、様々な
大きさ、深さの照射目標領域を、その焦域を高速に走査することにより照射でき
る超音波照射装置を実現することができる。従って、このような超音波照射装置
を必要とする各産業分野ならびに医療における本発明の効果はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】 【図1】 公知の超音波照射装置とそれにより形成される焦域の断面図。 【図2】 本発明による超音波音場の例の概念図。 【図3】 本発明の一実施例たる超音波照射装置のブロック図。 【図4】 本発明の実施例における超音波発生器の外形図ならびに断面図。 【図5】 図4の超音波発生器とそれによる焦域の断面図。 【図6】 本発明の実施例における超音波発生器の外形図ならびに断面図。 【図7】 図4、図6の超音波発生器の駆動位相の例を示す図。 【図8】 本発明の実施例における超音波発生器の外形図ならびに断面図。 【図9】 図8の超音波発生器の駆動位相の例を示す図。 【図10】 図8の超音波発生器の駆動位相の例を示す図。 【図11】 図10の駆動位相により焦点面のP上に形成される超音波スポットの図。 【符号の説明】 1…超音波発生器を構成する素子、2…軽金属基板、3…第2整合層、4…水
袋、5…冷却用配管、6…照射モニタ用探触子、7…照射モニタ用探触子回転機
構、8…mビットカウンタ、9…送波用ドライバ、10…主制御回路、11…照
射用送波位相演算回路、12…撮像用送波制御回路、13…送受波アンプ、14
…受波フォーカス回路、15…表示回路、16…表示器、17…超音波エコー断
層像、18…照射領域マーク、19…複数断層面の交線。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 同心円状に分割され配列された複数の環状のトラックからなり、前記各トラッ
    クがトラックの周方向に複数のセクタに分割されてなる2次元アレイ型超音波発
    生器と、前記セクタのそれぞれを構成する素子を駆動する駆動回路と、前記各素
    子を駆動する駆動信号の位相及び振幅を制御する位相振幅制御回路とを具備する
    超音波照射装置において、前記位相振幅制御回路は、前記超音波発生器から送波
    された超音波の焦点面上での超音波の音圧の積分値に関し、前記音圧の符号付積
    分値が前記音圧の絶対値の積分値に比較して実質上無視しえるように前記駆動信
    号を制御し、照射モニタ用超音波撮像手段を配置するための孔が、前記超音波発
    生器の中心部に、前記複数のトラックと同心状に設けられたことを特徴とする超
    音波照射装置。

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