JP2575199B2 - カーボネート共重合体の製造方法 - Google Patents

カーボネート共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アルキレンオキサイド、エピハロヒドリン
及び二酸化炭素に基づく繰返し単位がランダムに配列し
たカーボネート共重合体の製造方法に関する。
(従来技術及び発明が解決しようとする課題) プロピレンオキサイドと二酸化炭素とを有機亜鉛系触
媒を用いて重合して得たポリプロピレンカーボネート
は、分子鎖中にカーボネート結合を有しており、生物分
解性や熱分解性を有している。このため、上記のポリプ
ロピレンカーボネートは、セラミックスのグリーンシー
ト作成用のバインダーや、ドラッグデリバリーシステム
における医薬品の担体としての利用が考えられる。
ドラッグデリバリーシステムにおける医薬品の担体
は、薬理活性物質や患部指向性物質を化学結合によって
導入でき、しかもその導入量をコントロールできること
が好ましく、そのために分子鎖中に化学的に活性な官能
基を任意の割合で含有することが望ましい。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、既にエピクロルヒドリンと二酸化炭素と
を共重合させ、エピクロルヒドリンに基づくクロルメチ
ル基を分子鎖中に有する重合体の製造に成功している
(特願昭63−185394号)。
そこで、上記のポリプロピレンカーボネートの分子鎖
中にエピハロヒドリンに基づく繰返し単位を導入し、化
学的に活性なハロメチル基を付与することを目的とし
て、アルキレンオキサイドと二酸化炭素にエピハロヒド
リンを加えて共重合することを試みた。その結果、アル
キレンオキサイドとエピハロヒドリン及び二酸化炭素の
3成分に基づく繰返し単位がランダムに配列した共重合
体が得られること、しかも、上記3成分に基づく繰返し
単位の組成比を容易に変えられること、さらに、共重合
体の分子量分布が狭く、前記したドラッグデリバリーシ
ステムにおける医薬品等の担体として好適な共重合体が
得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、 アルキレンオキサイド、エピハロヒドリン及び二酸化
炭素を、ポルフィリンアルミニウム錯体及び活性水素化
合物の存在下に重合することを特徴とする、下記式
[A]、[B]及び[C]で示される繰返し単位のモル
%の総和が100であり、且つ ア)式[A] (但し、Rは水素原子又はアルキル基である。) で示される繰返し単位5〜70モル%、 イ)式〔B〕 (但し、Xはハロゲン原子である。) で示される繰返し単位5〜70モル%、及び ウ)式〔C〕 で示される繰返し単位25〜50モル% がランダムに配列し(但し、式〔C〕で示される繰返し
単位が2つ以上連続して配列することはない。)、数平
均分子量が500〜50,000であるカーボネート共重合体の
製造方法である。
前記式〔A〕中、Rで示されるアルキル基は、その炭
素数に特に制限されないが、重合性の点から炭素数1〜
4であることが好ましい。また、前記式〔B〕中、Xで
示されるハロゲン原子は、塩素、臭素、ヨウ素の各ハロ
ゲン原子が好適である。
前記式〔A〕,〔B〕及び〔C〕で示される各繰返し
単位の比率は、式〔A〕及び〔B〕で示される繰返し単
位が、それぞれ5〜70モル%であり、式〔C〕で示され
る繰返し単位が25〜50モル%である。式〔B〕で示され
る繰返し単位の割合が高くなればなる程、化学的に活性
な官能基の数が増加し、化学修飾しやすくなるが、一
方、生体中における分解後の生体毒性等の問題が生じる
惧れがある。このため、式〔B〕で示される繰返し単位
は10〜50モル%、さらに15〜40モル%であることが好ま
しい。式〔C〕で示される繰返し単位は、得られるカー
ボネート共重合体中に最大50モル%迄入り得る。式
〔C〕で示される繰返し単位の割合が高くなれば、得ら
れるカーボネート共重合体の生物分解性が向上するた
め、本発明に於いては30〜50モル%、さらに40〜50モル
%の範囲であることが好ましい。
本発明の製造方法により得られるカーボネート共重合
体は、上記の式〔A〕,〔B〕及び〔C〕で示される繰
返し単位がランダムに配列している。但し、式〔C〕で
示される繰返し単位が2つ以上連続して配列することは
化学結合上あり得ないため、式〔C〕で示される繰返し
単位は、その両隣が必ず式〔A〕又は〔B〕で示される
繰返し単位で占められている。従って、前記式〔C〕で
示される繰返し単位は、必ず エ)式〔D〕 (但し、Rは水素原子又はアルキル基である。) オ)式〔E〕 (但し、Xはハロゲン原子である。) で示される各繰返し単位の形でカーボネート共重合体の
分子鎖中に含まれている。
本発明の製造方法により得られるカーボネート共重合
体は、通常、数平均分子量が500〜50,000の範囲であ
る。本発明の製造方法により得られるカーボネート共重
合体を前述のドラッグデリバリーシステムの医薬品の担
体として用いる場合には、成形加工性の点から数平均分
子量は1,000〜20,000の範囲であることが好ましい。
また、本発明の製造方法により得られるカーボネート
共重合体は、重量平均分子量(w)と数平均分子量
(n)との比で表わされる分子量分布が小さく、通常
はw/n≦1.5であり、さらにw/n≦1.3とするこ
ともできる。このように本発明の製造方法により得られ
るカーボネート共重合体は、分子量分布が小さいために
生体内における分子量依存性を小さくすることができ、
前記したドラッグデリバリーシステムの医薬品の担体と
してより適していると言える。
本発明の製造方法により得られるカーボネート共重合
体の末端基は、一方の末端が活性水素化合物から水素原
子が脱離した残基であり、他方の末端は水酸基である。
このため、活性水素化合物として分子内に二重結合を有
する化合物を選択した場合には、分子末端に二重結合を
有するカーボネート共重合体を得ることができる。
また、共重合により得られたカーボネート共重合体
と、アリルブロマイド、アクリル酸クロライド又はメタ
クリル酸クロライド等のような分子内に二重結合とハロ
ゲン原子を有する化合物とを反応させることにより、カ
ーボネート共重合体の水酸基側の末端に二重結合を導入
することができる。このようなカーボネート共重合体
は、分子末端の二重結合の反応性を利用して刺激応答性
ゲル化合物の合成材料としてや塩化ビニルやプロピレン
などとの共重合による特殊グレードの合成樹脂材料に使
用することができる。上記の二重結合を有する末端基と
しては、アリルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタ
クリロイルオキシ基、スチリルオキシ基等が挙げられ
る。
本発明の製造方法により得られるカーボネート共重合
体は、一般に高分子の場合は白色粉体として、又、低分
子の場合は無色透明のろう状物として存在し、クロロホ
ルム、塩化メチレン、アセトンテトラヒドロフラン等の
一般的有機溶媒に溶解するが、メタノール、水等には不
溶である。
本発明の製造方法により得られるカーボネート共重合
体の構造は、赤外吸収スペクトル(以下、単にIRと呼
ぶ)、1H−核磁気共鳴スペクトル(以下、単に1H−NMR
と呼ぶ。)及び元素分析によって確認することができ
る。
また、数平均分子量(n)及び重量平均分子量(
w)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以
下、単にGPCと呼ぶ)により求めることができる。又、
示差走査熱量測定(以下、単にDSCと呼ぶ)によってポ
リマーのガラス転移点(以下単にTgと呼ぶ)を知ること
ができる。
本発明の製造方法に用いるアルキレンオキサイドとし
てはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、ペンチレンオキサイド等の公知の化合
物が採用できる。また、エピハロヒドリンとしては、エ
ピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒ
ドリン等の公知の化合物が採用できる。
触媒として使用するポルフィリンアルミニウム錯体
は、特に制限されるものではないが、下記式〔F〕で示
される化合物が、上記三成分の良好な共重合が行なえる
ために本発明において好適に使用される。
上記式〔F〕で示されるポルフィリンアルミニウム錯
体は、下記式〔G〕で示されるポルフィリン化合物と有
機アルミニウム化合物を反応させることにより得られ
る。
〔但し、R1〜R20は、上記式〔F〕と同様である。〕 上記式〔G〕で示されるポルフィリン化合物としては
テトラベンズポルフィリン、テトラナフトポルフィリ
ン、テトラフェニルテトラベンズポルフィリン、テトラ
フェニルテトラナフトポルフィリンなどが具体的に例示
される。
上記式〔F〕で示されるポルフィリンアルミニウム錯
体の原料である有機アルミニウム化合物としては、ジエ
チルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブ
ロマイドのような炭素数4以下のアルキル基を有するジ
アルキルアルミニウムハライド類;トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニ
ウム、トリイソブチルアルミニウムなどのような炭素数
4以下のアルキル基を有するトリアルキルアルミニウム
類;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチル
アルミニウムハイドライドなどのような炭素数4以下の
アルキル基と水素原子を有するアルキルアルミニウムハ
イドライド類が有効に使用される。就中、ジアルキルア
ルミニウムハイドライド類が好ましい。
上記ポルフィリン化合物と有機アルミニウム化合物と
の反応条件は用いる原料や溶媒の種類によって異なるの
で、予め好適な条件を選定して実施すればよい。一般に
は、窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下、溶媒の存
在下で0〜50℃の温度で数十分〜十時間、ポルフィリン
化合物にほぼ等モルの有機アルミニウム化合物を加えて
反応が行なわれる。
又、反応圧力は、一般には常圧で充分反応が進行する
が、必要に応じて加圧あるいは減圧にすればよい。
反応溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化
水素類や塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン
等のハロゲン化炭化水素類が使用される。
このようにして得られたアルミニウムポルフィリン錯
体の前記式〔F〕に於けるXが水素原子又はアルキル基
である場合は、水酸基を含有する有機化合物や水と反応
させてXをアルコキシ基、フェノキシ基、水酸基に変換
することができ、このような錯体化合物も本発明におい
て触媒として使用できる。本発明で好適に使用し得るポ
ルフィリンアルミニウム錯体としては、テトラベンズポ
ルフィリンアルミニウムクロリド錯体、テトラナフトポ
ルフィリンアルミニウムクロリド錯体、テトラフェニル
テトラベンズポルフィリンアルミニウムクロリド錯体、
テトラフェニルテトラナフトポルフィリンアルミニウム
クロリド錯体、テトラベンズポルフィリンアルミニウム
メチル錯体、テトラナフトポルフィリンアルミニウムメ
チル錯体、テトラフェニルテトラベンズポルフィリンア
ルミニウムメチル錯体、テトラフェニルテトラナフトポ
ルフィリンアルミニウムメチル錯体、テトラベンズポル
フィリンアルミニウムエチル錯体等が挙げられる。
本発明のポルフィリンアルミニウム錯体と組み合わせ
て用いる活性水素化合物としては、例えば、水酸基又は
カルボン酸基を1分子中に1又は2個以上含むアルコー
ル類、フェノール類、カルボン酸類が有効に使用され
る。アルコール類としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール類;
アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トなどの不飽和アルコール類;エチレングリコール、ト
リエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グ
リセリン、ペンタエリスリトールなどの脂肪族多価アル
コールが挙げられる。フェノール類としてはフェノー
ル、ビスフェノール、ビニルフェノール、アリルフェノ
ールなどのフェノール類;レゾルシン、P−ジヒドロキ
シベンゼン、2,4−トルエンジオールなどの多価フェノ
ールが挙げられる。カルボン酸類としては、酢酸、アク
リル酸、メタクリル酸などのカルボン酸類、アジピン
酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸
などの多価カルボン酸が挙げられる。
活性水素化合物としては、上記の具体的に示されたも
のに限定されるものでなく、各種アルコール類、フェノ
ール類、カルボン酸類が有効に使用される。
本発明における重合条件は、実質的に反応モノマーガ
ス以外の活性気体の不存在雰囲気下、溶媒中で重合を行
なう。該溶媒としては、モノマー或いはポルフィリンア
ルミニウム錯体と反応しない非水溶媒なら特に限定され
ない。例えば、塩化メチレン、ベンゼンなどが使用され
る。
アルキレンオキサイド及びエピハロヒドリンの量は、
目的とするカーボネート共重合体中の上記各成分に基づ
く繰返し単位の割合に応じて決定すれば良い。
ポルフィリンアルミニウム錯体の使用量は、アルキレ
ンオキサイド及びエピハロヒドリンの合計1モルに対
し、0.001〜1モルの範囲で、特に0.001〜0.1モルの範
囲で使用するのが好ましい。又、活性水素化合物の使用
量は、ポルフィリンアルミニウム錯体に対して1〜50倍
モル、好ましくは1〜25倍モルの範囲である。
二酸化炭素の圧力は、得られるカーボネート共重合体
中の前記式〔C〕で示される繰返し単位の割合に影響を
与える。本発明のカーボネート共重合体を得るために
は、二酸化炭素の圧力は1〜50気圧の範囲から選択すれ
ば十分であり、好ましくは25〜50気圧の範囲から選ばれ
る。
重合温度は、一般に−20〜100℃の範囲から採用され
る。重合温度を高くすると環状カーボネートが副生しや
すくなるため、50℃以下で重合することが好ましい。
このようにして、前記式[A]で示される繰返し単位
5〜70モル%、前記式[B]で示される繰返し単位5〜
70モル%、及び前記式[C]で示される繰返し単位25〜
50モル%がランダムに配列し(但し、式[C]で示され
る繰返し単位が2つ以上連続して配列することはな
い。)、数平均分子量が500〜50,000であるカーボネー
ト共重合体を得ることができる。
また、本発明の製造方法により得られるカーボネート
共重合体のうち、前記式〔B〕中のXが臭素又はヨウ素
原子であるものは、Xが塩素であるカーボネート共重合
体にKBr,KI等のアルカリ金属臭化物又はアルカリ金属ヨ
ウ化物を反応させることによっても製造することができ
る。
(効果) 本発明の製造方法により得られるカーボネート共重合
体は、分子鎖中に化学的活性なハロアルキル基を有する
ため、この活性部位を化学修飾することにより従来のポ
リプロピレンカーボネートにない機能を発現させること
ができる。また、カーボネート共重合体中のハロアルキ
ル基の量は、エピハロヒドリンに基づく繰返し単位の量
に応じて任意にコントロールできるため、化学修飾物の
種類に応じて適当な導入量にすることができる。さら
に、本発明の製造方法により得られるカーボネート共重
合体は、分子量分布が狭いため、医薬用高分子のように
効果の発現に分子量依存性があるものに最適に用いられ
る。
従って、本発明で製造される如き構造を有するカーボ
ネート共重合体は、ハロアルキル基に薬理活性物質や患
部指向性物質を反応させることによって固定化し、生体
内の患部までこれらの物質を選択的に運搬し、そこで分
解することによってこれらの物質を徐放するというドラ
ッグデリバリーシステムにおける医薬品の担体として使
用することができる。
(実施例) 以下実施例をもって本発明を説明するが本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。
実施例1 フタルイミドカリウム21g、マロン酸14.7g、酢酸亜鉛
2水和物18.9gの混合物を窒素気流下、360〜370℃で2
時間反応して得られたテトラベンズポルフィリンの亜鉛
錯体を硫酸で脱金属化してテトラベンズポルフィリンを
得た。
このテトラベンズポルフィリン0.05mmolとジエチルア
ルミニウムクロリド0.10mmolを1mlの塩化メチレン中、
窒素下で5時間反応させた後、過剰のジエチルアルミニ
ウムクロライドを留去するために50℃で3時間真空乾燥
して青緑色の粉体を得た。
このテトラベンズポルフィリンアルミニウムクロリド
錯体(以下、(TBP)AlClと呼ぶ)0.05mmolの入ったナ
スフラスコに5倍モルのメタノールを窒素雰囲気下で入
れ、次いでプロピレンオキサイド0.9mlエピクロルヒド
リン1.0mlを入れ均一にした混合物をあらかじめCO2置換
した内容積50ccのSUS製オートクレーブに窒素気流下で
移し、CO2を50kg/cm2で加圧充填し、室温で101時間重合
させた。得られた反応物をクロロホルムに溶解させメタ
ノールで沈殿させて再沈精製し未反応のモノマー等を除
去した後真空乾燥させた。
このポリマーを以下のような分析手段によって構造決
定した。
〔分子量及び分子量分布〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よって標準ポリスチレンによる校正曲線をもとに数平均
分子量(n)、重量平均分子量(w)及びその比
w/nを求めた。その結果、n=3600、w/n=1.
30であった。
〔分子構造〕 赤外吸収スペクトル(IR)によって鎖中に存在する
官能基を特定(第1図にそのチャートを示す)した。
1740及び1230cm-1にカーボネート結合に由来するピーク 750〜780cm-1にクロルメチル基に由来するピーク 1100cm-1にエーテル結合に由来するピーク 1H−NMRスペクトルによってそのケミカルシフト値
から下記の分子構造に帰属されるプロトン種を検出し
た。
又、その積分比よりポリマー鎖中の上記(I)〜(I
V)で示される繰返し単位のモル比を求めた。その結
果、(I):(II):(III):(IV)=44:36:13:7
(モル%)であった。
13C−NMRスペクトル測定によってポリマー中に存在
する炭素種を検出した。測定はプロトン完全デカップリ
ング法により行ない、溶媒は重ベンゼンと軽ベンゼン1:
1混合物を用いた。第2図にそのチャートを示す。ま
た、第3図(a)には特にカルボニル炭素に基づく領域
の拡大図を示す。これらのピークの中にはプロピレンオ
キサイドと二酸化炭素の二元重合体(第3図(b))及
びエピクロルヒドリンと二酸化炭素の二元共重合体(第
3図(c))には存在しないピークが検出された。
このことより、得られたポリマーがプロピレンオキサ
イドと二酸化炭素あるいはエピクロルヒドリンと二酸化
炭素の各共重合体の単なる混合物やブロック共重合体で
なく、上記3成分のランダム共重合体であることを確認
した。
元素分析によってポリマーを構成している元素の比
を求めることができ下記値を得た。
実測重量比C40.3%,H4.6%,O35.0%,Cl20.1%又、1H−N
MRから求めたプロピレンオキサイド:エピクロルヒドリ
ン:二酸化炭素のモル比(25:35:40)から求めた理論元
素分析値は下記になる。
理論重量比C40.9%,H5.0%,O34.7%,Cl19.3%両者が
よく一致することからも1H−NMRから求めた組成比が正
しいことが確認できた。
〔熱的性質〕
示差走査熱量(DSC)を測定し、ポリマーのガラス転
移点(Tg)を求めた。Tg=−16℃の1点が観察された。
実施例2〜5 実施例1と同様にして調製した(TBP)AlCl錯体とメ
タノールによって、表1に記載した条件でプロピレンオ
キサイドとエピクロルヒドリン及び二酸化炭素の三元共
重合反応を行なった。得られたポリマーの分析結果もあ
わせて表1に記載した。
また、13C−NMRの結果から、いずれのポリマーもラン
ダム共重合体であることを確認した。
実施例7 実施例1と同様にして得られたテトラベンズポルフィ
リン0.05mmolとトリエチルアルミニウム0.1mmolを1ml塩
化メチレン中、窒素下で5時間反応させた後、過剰のト
リエチルアルミニウムを留去するために空温で3時間真
空乾燥して青緑色の粉体を得た。このテトラベンズポル
フィリンアルミニウムエチル錯体(以下、(TBP)AlEt
と呼ぶ。)0.05mmolの入ったナスフラスコに0.06mmolの
アリルアルコール1mlの塩化メチレンを加え、室温で24
時間反応させた後、溶媒と未反応で残存するアリルアル
コールを減圧下で除去した。この錯体0.05mmolの入った
ナスフラスコに5倍モルのアリルアルコールを窒素雰囲
気下に入れ、次いでプロピレンオキサイド0.9mlエピク
ロルヒドリン1mlを入れ均一にした混合物をあらかじめC
O2置換した内容積50ccのSUS製オートクレーブに窒素気
流下で移し、CO2を50kg/cm2で加圧充填し、室温で100時
間重合させた。
得られた反応物を2分し、一方には0.5mmolのアリル
ブロマイドを加え、50℃で5時間反応させた。両反応液
を、クロロホルム−メタノールで再沈精製し、真空乾燥
して2種のカーボネート共重合体を得た。
この2種のカーボネート共重合体を以下のような分析
手段によって構造決定した。
〔分子量及び分子量分布〕
GPCによって求めた。その結果、数平均分子量(
n)はいずれのカーボネート共重合体もn=4000で分
子量分布はw/n=1.25であった。
〔分子構造〕 IRスペクトルで次のピークを検出した。
1740,1230cm-1にカーボネート結合のピーク 750〜780cm-1にクロルメチル基のピーク 1100cm-1にエーテル結合のピーク 1H−NMRスペクトルで実施例1の(I)〜(IV)で
示される繰返し単位に帰属されるピーク及び次式のよう
に帰属されるピークを検出した。
又、その積分比から求められる分子末端の上記アリル
オキシ基1コあたりのカーボネート共重合体の分子量
は、アリルブロマイドと反応させたカーボネート共重合
体がn=2700反応させないものがn=4200であっ
た。GPCの結果より両末端及び片末端がアリルオキシ基
であるとして推定した末端基1コあたりのカーボネート
共重合体の分子量はそれぞれn=2000及びn=4000
であるから、上記の2種のカーボネート共重合体へのア
リルオキシ基の導入率は各々両末端の75%及び50%であ
った。
又、積分比により求められる組成比は実施例1におけ
る(I)〜(IV)で示される繰返し単位のモル比で、
(I):(II):(III):(IV)=56:36:4:4であっ
た。
13C−NMRスペクトルにより、得られたポリマーがラ
ンダム共重合体であることを確認した。
〔熱的性質〕
DSCスペクトルにより、得られたポリマーのTgは−13
℃であった。
実施例8〜14 実施例7のアリルアルコール及びアリルブロマイドを
各種変化させて末端基構造の異なる三元ランダム共重合
体を合成した。反応条件及び分析結果を表2にまとめ
た。
但し、触媒、活性水素化合物、プロピレンオキサイ
ド、エピクロルヒドリンの仕込量は、それぞれ、0.05mm
ol,0.25mmol,12.5mmol及び12.8mmolであり、二酸化炭素
の圧力は50kg/cm2であった。
実施例15 実施例1で得られたカーボネート共重合体1gを100ml
のアセトンに溶解させ、5g(30mmol)のKIを加え、室温
遮光下で100時間反応させ、反応生成物であるKCl及び未
反応KIでアセトンに溶解しないものを別した。有機相
をドライアップし、クロロホルムに変換した後、水で充
分有機相を洗浄し、混入しているKIを除去し、有機相を
硫酸マグネシウムで乾燥させた後、クロロホルムを留去
しカーボネート共重合体を得た。
得られたカーボネート共重合体の収量は1.4gであり、
すべてのクロルメチル基がヨウ化メチル基に変換したと
して求めた理論収量に非常によく一致した。
又、得られたカーボネート共重合体のGPC分析によ
り、数平均分子量(n)と重量平均分子量(w)の
比w/nが1.30であり反応前後で分子量分布に乱れが
ないことから副反応も生じていないことがわかる。
又、得られたポリマーの1H−NMRにより次のように帰
属されるピークを検出した。
又、クロルメチル基に由来する3.7ppm及び3.58ppmの
ピークは消失していることから反応が100%進行したこ
とを確認した。又、その積分比より得られたポリマーが
上記(I)〜(IV)で示される繰返し単位のモル比で、
(I):(II):(III):(IV)=44:36:13:7である
三元ランダム共重合体であると結論した。
実施例16 KIをKBrに変えることの他はすべて実施例15に記載し
た方法で、実施例1で得られたカーボネート共重合体中
のクロルメチル基を臭化メチルに変換する反応を行なっ
た。
得られたポリマーの1H−NMRにより、次のように帰属
されるピークを検出した。
又、クロルメチル基に由来する3.70ppmのピークが消
失していることから反応が100%進行したことがわかっ
た。又GPC分析により求めたw/nに変化がなく分子
量の低下も認められないことから得られたポリマーが、
上記(I)〜(IV)で示される繰返し単位のモル比で、
(I):(II):(III):(IV)=44:36:13:7である
三元ランダム共重合体であると結論した。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第2図は、実施例1で得られた本発明のカー
ボネート共重合体の赤外吸収スペクトルおよび13C−核
磁気共鳴スペクトルのチャートをそれぞれ示す。第3図
は同じく実施例1で得られたカーボネート共重合体、プ
ロピレンオキサイドと二酸化炭素の共重合体、及びエピ
クロルヒドリンと二酸化炭素の共重合体の13C−核磁気
共鳴スペクトルのカルボニル炭素領域をそれぞれ示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルキレンオキサイド、エピハロヒドリン
    及び二酸化炭素を、ポルフィリンアルミニウム錯体及び
    活性水素化合物の存在下に重合することを特徴とする、
    下記式[A]、[B]及び[C]で示される繰返し単位
    のモル%の総和が100であり、且つ ア)式[A] (但し、Rは水素原子又はアルキル基である。) で示される繰返し単位5〜70モル%、 イ)式[B] (但し、Xはハロゲン原子である。) で示される繰返し単位5〜70モル%、及び ウ)式[C] で示される繰返し単位25〜50モル% がランダムに配列し(但し、式[C]で示される繰返し
    単位が2つ以上連続して配列することはない。)、数平
    均分子量が500〜50,000であるカーボネート共重合体の
    製造方法。
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