JP2574357Y2 - 回転切削工具のストレートシャンク、ストレートコレット、および工具ホルダ - Google Patents

回転切削工具のストレートシャンク、ストレートコレット、および工具ホルダ

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JP2574357Y2
JP2574357Y2 JP1991111194U JP11119491U JP2574357Y2 JP 2574357 Y2 JP2574357 Y2 JP 2574357Y2 JP 1991111194 U JP1991111194 U JP 1991111194U JP 11119491 U JP11119491 U JP 11119491U JP 2574357 Y2 JP2574357 Y2 JP 2574357Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は回転切削工具のストレー
トシャンク、ストレートコレット、および工具ホルダに
係り、特に、回転切削工具やストレートコレットを工具
ホルダに取り付けた際の振れ精度や把握力を向上させる
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンドミル等の回転切削工具のシャンク
は、ストレートシャンクとテーパシャンクに大別され、
ストレートシャンクにはプレイン、フラット付き、ねじ
付き、ダブルフラット付き、コンビネーションなどのタ
イプがあるが、最近では工具ホルダの進歩とその取扱い
易さからストレートシャンクが広く用いられている。中
でも外径が50mm以下のエンドミルでは、殆どがプレ
イン、フラット付き、或いはねじ付きのストレートシャ
ンクである。図8の(a)は、円柱形状を成すプレイン
型ストレートシャンクの一例で、(b)は円柱形状の外
周面に平坦なフラット面80が設けられたフラット付き
ストレートシャンクの一例で、(c)は軸端部に雄ねじ
82が設けられたねじ付きストレートシャンクの一例で
ある。
【0003】一方、比較的直径の大きなエンドミルで重
切削を行うような場合、切削抵抗に比べて把握力が不足
するため、シャンクが工具ホルダ内で滑りを生じて徐々
に抜け出し、加工精度が低下したりエンドミルや工具ホ
ルダを損傷したりすることがある。このため、例えば実
公昭63−7456号公報や実開昭61−175312
号公報等に記載されているように、ストレートシャンク
の一部にテーパ部を設けたり、外周面に溝を設けたりす
ることにより、把握力を高めてストレートシャンクの抜
け出しを防止することが考えられている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに比較的大きな把握力が得られるストレートシャンク
と工具ホルダとの取付構造においても、工具ホルダの工
具取付穴の内周面やストレートシャンクの外周面に塵埃
等が付着していると、振れ精度や把握力が著しく低下す
るという問題があった。一般に加工現場では、切削時に
発生する微細な切粉や塵埃が混ざった切削油剤が飛散す
るため、切粉等の混ざった油膜が工具や工具ホルダに付
着することを防止することは極めて困難である。また、
工具ホルダとストレートシャンクとの嵌合は、充分な振
れ精度や把握力を確保する上でクリアランスが極めて小
さいため、その挿入は両者の軸心を高い精度で一致させ
た状態で行わなければならず、作業が面倒でかなりの経
験と熟練を要するという別の問題も含んでいた。なお、
このような問題はストレートコレットを介して回転切削
工具を工具ホルダに取り付ける場合にも、ストレートコ
レットと工具ホルダとの間で同様に生じることである。
【0005】本考案は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、回転切削工具やスト
レートコレットを工具ホルダに容易に取り付けることが
できるとともに充分な振れ精度や把握力が得られるよう
にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための第1の手段は、軸端部から工具ホルダの工具
取付穴内に嵌入されて相対回転不能且つ抜け出し不能に
保持される回転切削工具のストレートシャンクであっ
て、前記軸端部近傍の外周面に環状溝が設けられるとと
もに、外径がその外周面の径寸法より大きい柔軟性を有
するリング部材がその環状溝に嵌着されており、且つ、
その環状溝よりも軸端部側の外径はその環状溝よりも刃
部側の正規の外径より小さくされていることを特徴とす
る。なお、上記リング部材の外周面には螺旋状にねじれ
た複数条の突起が設けられることが望ましい。
【0007】
【第1の手段の作用および効果】このようなストレート
シャンクは、その軸端部から工具ホルダの工具取付穴内
に嵌入される際に、軸端部近傍に嵌着された柔軟性を有
するリング部材がその工具取付穴の内周面に密着させら
れた状態で押し込まれるため、工具取付穴の内周面に付
着している微細な切粉や塵埃、油膜などの汚れが払拭さ
れ、それ等の切粉や塵埃等の付着に起因する振れ精度や
把握力の低下が防止される。特に、リング部材の外周面
に螺旋状にねじれた複数条の突起を設けた請求項に記
載の回転切削工具のストレートシャンクは、その突起の
ねじれ方向と反対方向へ回転切削工具を回転させつつス
トレートシャンクを工具取付穴内へ挿入することによ
り、工具取付穴の内周面の清浄効果を更に高めることが
できる。上記振れ精度の向上は、仕上げ面粗さや加工精
度を向上させるとともに、びびり振動の発生を抑制して
重切削を可能とし、把握力の向上は、回転切削工具の抜
け出しを防ぎ、回転切削工具自体や被加工物,工具ホル
ダ等の損傷を防止する。
【0008】また、リング部材が工具取付穴の内周面に
密着させられることにより、その部分におけるストレー
トシャンクの軸心が工具取付穴の軸心と一致させられる
ため、ストレートシャンクの挿入作業が容易となる。特
に、リング部材が嵌着される環状溝よりも軸端部側の外
径をその環状溝よりも刃部側の正規の外径、すなわち工
具取付穴の内径と同じか少しだけ小さい径寸法より小さ
くした請求項に記載の回転切削工具のストレートシャ
ンクによれば、工具取付穴への挿入作業が一層簡単且つ
容易となる。
【0009】更に、上記リング部材は弾性変形させられ
た状態で工具取付穴の内周面に密着させられるため、そ
の摩擦力によって適度な摺動抵抗が得られ、工具ホルダ
からの突き出し長さの調整作業が容易になるとともに、
工具ホルダのシャンク締付けねじを緩めるなどして回転
切削工具を工具ホルダから取り外す際の回転切削工具の
落下が防止されるようになり、上記のように工具取付穴
への挿入作業の容易化と相俟って、回転切削工具の取り
付け取り外し作業を熟練を要することなく迅速に行い得
るようになる。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】前記目的を達成す
るための第2の手段は、一端部から複数のスリットが形
成された縮径可能な円筒形状を成して他端部から工具ホ
ルダの工具取付穴内に嵌入されるとともに、その円筒形
状の内部に回転切削工具のストレートシャンクが挿入さ
れた状態で縮径されることにより、その回転切削工具を
その工具ホルダに対して相対回転不能且つ抜け出し不能
に取り付けるストレートコレットであって、前記他端部
近傍の外周面に環状溝が設けられるとともに、外径がそ
の外周面の径寸法より大きい柔軟性を有するリング部材
がその環状溝に嵌着されており、且つ、その環状溝より
も他端部側の外径はその環状溝よりも前記一端部側の正
規の外径より小さくされていることを特徴とする。
お、上記リング部材の外周面には螺旋状にねじれた複数
条の突起が設けられることが望ましい。
【0011】
【第2の手段の作用および効果】このようなストレート
コレットは、その他端部から工具ホルダの工具取付穴内
に嵌入される際に、他端部近傍に嵌着された柔軟性を有
するリング部材がその工具取付穴の内周面に密着させら
れた状態で押し込まれるため、工具取付穴の内周面に付
着している微細な切粉や塵埃、油膜などの汚れが払拭さ
れ、それ等の切粉や塵埃等の付着に起因する振れ精度や
把握力の低下が防止される。特に、リング部材の外周面
に螺旋状にねじれた複数条の突起を設けた請求項に記
載のストレートコレットは、その突起のねじれ方向と反
対方向へ回転させつつ工具取付穴内へ挿入することによ
り、工具取付穴の内周面の清浄効果を更に高めることが
できる。上記振れ精度の向上は、ストレートコレットを
介して工具ホルダに取り付けられる回転切削工具による
仕上げ面粗さや加工精度を向上させるとともに、びびり
振動の発生を抑制して重切削を可能とし、把握力の向上
は、工具ホルダからのストレートコレットの抜け出し更
にはストレートコレットからの回転切削工具の抜け出し
を防ぎ、ストレートコレット自体や被加工物,回転切削
工具,工具ホルダ等の損傷を防止する。
【0012】また、リング部材が工具取付穴の内周面に
密着させられることにより、その部分におけるストレー
トコレットの軸心が工具取付穴の軸心と一致させられる
ため、ストレートコレットの挿入作業が容易となる。特
に、リング部材が嵌着される環状溝よりも他端部側の外
径をその環状溝よりも一端部側の正規の外径、すなわち
工具取付穴の内径と同じか少しだけ小さい径寸法より小
さくした請求項に記載のストレートコレットによれ
ば、工具取付穴への挿入作業が一層簡単且つ容易とな
る。
【0013】更に、上記リング部材は弾性変形させられ
た状態で工具取付穴の内周面に密着させられるため、そ
の摩擦力によって適度な摺動抵抗が得られ、工具ホルダ
のコレット締付けねじを緩めるなどしてストレートコレ
ットを工具ホルダから取り外す際のストレートコレット
の落下が防止されるようになり、上記のように工具取付
穴への挿入作業の容易化と相俟って、ストレートコレッ
トの工具ホルダに対する取り付け取り外し作業を熟練を
要することなく迅速に行い得るようになる。
【0014】
【課題を解決するための第3の手段】前記目的を達成す
るための第3の手段は、回転切削工具のストレートシャ
ンクまたはストレートコレットが嵌入される工具取付穴
を有し、その回転切削工具またはストレートコレットを
相対回転不能且つ抜け出し不能に保持して回転駆動する
工具ホルダであって、前記工具取付穴の開口部近傍の内
周面に環状溝が設けられるとともに、内径がその内周面
の径寸法より小さい柔軟性を有するリング部材がその環
状溝に嵌着されており、且つ、その環状溝よりも開口部
側の内径はその環状溝よりも内側の正規の内径より大き
くされていることを特徴とする。なお、上記リング部材
の内周面には螺旋状にねじれた複数条の突起が設けられ
ることが望ましい。
【0015】
【第3の手段の作用および効果】回転切削工具が直接取
り付けられる工具ホルダについて説明すると、回転切削
工具のストレートシャンクが工具取付穴内に嵌入される
際に、工具取付穴の開口部近傍の内周面に嵌着された柔
軟性を有するリング部材がストレートシャンクの外周面
に密着させられるため、ストレートシャンクの外周面に
付着している微細な切粉や塵埃、油膜などの汚れが払拭
され、それ等の切粉や塵埃等の付着に起因する振れ精度
や把握力の低下が防止される。特に、リング部材の内周
面に螺旋状にねじれた複数条の突起を設けた請求項
記載の工具ホルダは、その突起のねじれ方向と反対方向
へ回転切削工具を回転させつつストレートシャンクを工
具取付穴内へ挿入することにより、ストレートシャンク
の外周面の清浄効果を更に高めることができる。上記振
れ精度の向上は、仕上げ面粗さや加工精度を向上させる
とともに、びびり振動の発生を抑制して重切削を可能と
し、把握力の向上は、回転切削工具の抜け出しを防ぎ、
工具ホルダ自体や被加工物,回転切削工具等の損傷を防
止する。
【0016】また、リング部材がストレートシャンクの
外周面に密着させられることにより、その部分における
ストレートシャンクの軸心が工具取付穴の軸心と一致さ
せられるため、ストレートシャンクの挿入作業が容易と
なる。特に、リング部材が嵌着される環状溝よりも開口
部側の内径をその環状溝よりも内側の正規の内径、すな
わちストレートシャンクの外径と同じか少しだけ大きい
径寸法より大きくした請求項に記載の工具ホルダによ
れば、その工具取付穴へのストレートシャンクの挿入作
業が一層簡単且つ容易となる。
【0017】更に、上記リング部材は弾性変形させられ
た状態でストレートシャンクの外周面に密着させられる
ため、その摩擦力によって適度な摺動抵抗が得られ、回
転切削工具の工具ホルダからの突き出し長さの調整作業
が容易になるとともに、工具ホルダのシャンク締付けね
じを緩めるなどして回転切削工具を工具ホルダから取り
外す際の回転切削工具の落下が防止されるようになり、
上記のように工具取付穴への挿入作業の容易化と相俟っ
て、回転切削工具の工具ホルダに対する取り付け取り外
し作業を熟練を要することなく迅速に行い得るようにな
る。
【0018】なお、ストレートコレットを介して回転切
削工具が取り付けられる工具ホルダにおいては、予めそ
のストレートコレットが工具ホルダの工具取付穴内に装
着されるが、その工具取付穴の開口部近傍の内周面にリ
ング部材が設けられた本考案の工具ホルダによれば、ス
トレートコレットが工具取付穴へ挿入される際にそのス
トレートコレットの外周面がリング部材によって清浄化
されるなど、上記と同様の作用効果が得られる。
【0019】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0020】図1は、回転切削工具としてのエンドミル
10を軸心と直角な方向から見た正面図で、このエンド
ミル10は、円柱形状を成すストレートシャンク12と
刃部14とを備えている。ストレートシャンク12は、
その軸端部16側から図示しない工具ホルダの工具取付
穴内に嵌入されて相対回転不能且つ抜け出し不能に保持
される部分である。また、刃部14には、その外周部に
外周刃18が設けられているとともに先端部に底刃20
が設けられている。
【0021】上記ストレートシャンク12の軸端部16
の近傍の外周面には、図2に明らかに示されているよう
に環状溝22が設けられ、その環状溝22には柔軟性を
有する弗素樹脂製のリング部材24が嵌着されている。
リング部材24の外周面は、頂角θで外周側に凸となる
三角形状を成しており、その頂点における径寸法は、ス
トレートシャンク12の正規の外径、すなわち工具ホル
ダの工具取付穴の内径と同じか少しだけ小さい径寸法D
1 よりも大きく、その工具ホルダの工具取付穴の内径よ
り大きくされている。また、ストレートシャンク12の
上記環状溝22よりも軸端部16側の外径D2 は、上記
正規の径寸法D1 より僅かに小さくされている。図2に
示されている各部の寸法の具体例を説明すると、D1
25+0〜−0.013mm,D2 =25−0.040
〜−0.060mm,t1 =2mm,t2 =0.1±
0.05mm,d1 =2mm,d2 =3mm,θ=90
゜である。
【0022】なお、上記リング部材24は、必要に応じ
て接着剤などにより環状溝22に固着される。また、弗
素樹脂の替わりにフェノール樹脂やポリアミド樹脂,ポ
リアセタール樹脂等から成るリング部材を採用すること
もできる。
【0023】このようなエンドミル10は、工具ホルダ
の工具取付穴内にストレートシャンク12の軸端部16
側から嵌入され、相対回転不能且つ抜け出し不能に保持
されるとともに、フライス盤等の主軸に取り付けられて
工具ホルダと共に軸心まわりに回転駆動されることによ
り、金属材料の切削加工等に用いられるが、本実施例で
は軸端部16の近傍にリング部材24が設けられている
ため、優れた振れ精度や大きな把握力が得られる。すな
わち、上記リング部材24は、ストレートシャンク12
が工具ホルダの工具取付穴内に嵌入される際にその工具
取付穴の内周面に密着させられた状態で押し込まれるた
め、工具取付穴の内周面に付着している微細な切粉や塵
埃、油膜などの汚れが払拭され、それ等の切粉や塵埃等
の付着に起因する振れ精度や把握力の低下が防止される
のである。振れ精度の向上は、仕上げ面粗さや加工精度
を向上させるとともに、びびり振動の発生を抑制して重
切削を可能とし、把握力の向上は、工具ホルダからのエ
ンドミル10の抜け出しを防ぎ、エンドミル10自体や
被加工物,工具ホルダ等の損傷を防止する。
【0024】また、リング部材24が工具取付穴の内周
面に密着させられることにより、その部分におけるスト
レートシャンク12の軸心が工具取付穴の軸心と一致さ
せられるため、ストレートシャンク12を工具取付穴内
に挿入する作業が容易となる。特に、リング部材24よ
りも軸端部16側の外径D2 は正規の外径D1 より小さ
いため、その軸端部16は工具取付穴内に容易に挿入さ
れ得る一方、リング部材24の外周面は三角形状を成し
ているため、工具取付穴の開口部にそのリング部材24
の外周面の斜面が摺接させられることによってストレー
トシャンク12の軸端部16が心出しされ、挿入作業が
一層簡単且つ容易となるのである。
【0025】更に、上記リング部材24は弾性変形させ
られた状態で工具取付穴の内周面に密着させられるた
め、その摩擦力によって適度な摺動抵抗が得られ、工具
ホルダからのエンドミル10の突き出し長さを調整する
作業が容易になるとともに、工具ホルダのシャンク締付
けねじを緩めるなどしてエンドミル10を工具ホルダか
ら取り外す際のエンドミル10の落下が防止されるよう
になり、上記のように工具取付穴への挿入作業の容易化
と相俟って、エンドミル10の取り付け取り外し作業を
熟練を要することなく迅速に行い得るようになる。
【0026】次に、本考案の他の実施例を説明する。
【0027】図3の実施例は、前記エンドミル10のス
トレートシャンク12に、前記環状溝22よりも溝幅が
大きい環状溝28を形成し、外周面に螺旋状にねじれた
複数条の突起30が設けられた幅広のリング部材32を
装着したものである。この場合には、その突起30のね
じれ方向と反対方向、実施例では右まわりにエンドミル
10をねじりながらストレートシャンク12を工具取付
穴内へ挿入することにより、工具取付穴の内周面の清浄
効果を更に高めることができる。
【0028】図4の実施例は、円柱形状の外周面に平坦
なフラット面36が設けられたフラット付きのストレー
トシャンク38に本考案が適用された場合の一例で、軸
端部40の近傍に環状溝が設けられて前記リング部材2
4と同様なリング部材42が装着されている。また、図
5の実施例は、軸端部に雄ねじ46が設けられたねじ付
きのストレートシャンク48に本考案が適用された場合
の一例で、雄ねじ46の近傍に環状溝が設けられて前記
リング部材24と同様なリング部材50が装着されてい
る。
【0029】なお、上記フラット付きのストレートシャ
ンク38やねじ付きのストレートシャンク48に、前記
図3のリング部材32のように外周面に螺旋状にねじれ
た複数条の突起が設けられたリング部材を装着できるこ
とは勿論である。また、ダブルフラット付きやコンビネ
ーション等の他の形式のストレートシャンクにも本考案
は適用可能である。
【0030】図6は本考案のストレートコレットの一実
施例である。このストレートコレット54は、一端部で
あるフランジ56側から複数のスリット58が形成され
た縮径可能な円筒形状を成しており、他端部60側から
図示しない工具ホルダの工具取付穴内に嵌入されるとと
もに、円筒形状の内部に回転切削工具のストレートシャ
ンクが挿入された状態で縮径されることにより、その回
転切削工具を工具ホルダに対して相対回転不能且つ抜け
出し不能に取り付けるものである。そして、上記他端部
60の近傍の外周面には環状溝62が設けられ、その環
状溝62には弗素樹脂等から成る柔軟性を有するリング
部材64が装着されている。このリング部材64の外周
面は、外周側に凸となる三角形状を成しており、その頂
点における径寸法は、ストレートコレット54の正規の
外径、すなわち工具ホルダの工具取付穴の内径と同じか
少しだけ小さい径寸法よりも大きく、その工具ホルダの
工具取付穴の内径より大きくされている。また、ストレ
ートコレット54の上記環状溝62よりもフランジ56
側の外径は、スリット58の端末部で薄肉とされた部分
を除いて上記正規の外径とされているが、環状溝62よ
りも他端部60側の外径は正規の外径より僅かに小さく
されている。
【0031】このようなストレートコレット54におい
ては、他端部60側から工具ホルダの工具取付穴内に嵌
入される際に、その他端部60の近傍に配設されたリン
グ部材64がその工具取付穴の内周面に密着させられた
状態で押し込まれるため、工具取付穴の内周面に付着し
ている微細な切粉や塵埃、油膜などの汚れが払拭され、
それ等の切粉や塵埃等の付着に起因する振れ精度や把握
力の低下が防止される。上記振れ精度の向上は、ストレ
ートコレット54を介して工具ホルダに取り付けられる
回転切削工具による仕上げ面粗さや加工精度を向上させ
るとともに、びびり振動の発生を抑制して重切削を可能
とし、把握力の向上は、工具ホルダからのストレートコ
レット54の抜け出し更にはストレートコレット54か
らの回転切削工具の抜け出しを防ぎ、ストレートコレッ
ト54自体や被加工物,回転切削工具,工具ホルダ等の
損傷を防止する。
【0032】また、リング部材64が工具取付穴の内周
面に密着させられることにより、その部分におけるスト
レートコレット54の軸心が工具取付穴の軸心と一致さ
せられるため、ストレートコレット54を工具取付穴内
に挿入する作業が容易となる。特に、リング部材64よ
りも他端部60側の外径は正規の外径より小さいため、
その他端部60は工具取付穴内に容易に挿入され得る一
方、リング部材64の外周面は三角形状を成しているた
め、工具取付穴の開口部にそのリング部材64の外周面
の斜面が摺接させられることによってストレートコレッ
ト54の他端部60が心出しされ、挿入作業が一層簡単
且つ容易となるのである。
【0033】更に、上記リング部材64は弾性変形させ
られた状態で工具取付穴の内周面に密着させられるた
め、その摩擦力によって適度な摺動抵抗が得られ、工具
ホルダのコレット締付けねじを緩めるなどしてストレー
トコレット54を工具ホルダから取り外す際のストレー
トコレット54の落下が防止されるようになり、上記の
ように工具取付穴への挿入作業の容易化と相俟って、ス
トレートコレット54の工具ホルダに対する取り付け取
り外し作業を熟練を要することなく迅速に行い得るよう
になる。
【0034】なお、図示は省略するが、前記図3のスト
レートシャンク12のように、上記環状溝62よりも溝
幅が大きい環状溝を他端部60の近傍に形成するととも
に、外周面に螺旋状にねじれた複数条の突起が設けられ
た幅広のリング部材をその環状溝に装着し、突起のねじ
れ方向と反対方向へストレートコレット54をねじりな
がら工具取付穴内へ挿入するようにすれば、工具取付穴
の内周面の清浄効果が更に高められる。
【0035】図7は本考案の工具ホルダの一実施例であ
る。この工具ホルダ68はエンドミル等の回転切削工具
のストレートシャンクを直接把持するものであり、スト
レートシャンクが嵌入される工具取付穴70を有して、
その回転切削工具を相対回転不能且つ抜け出し不能に保
持するとともに、フライス盤等の主軸に取り付けられて
回転駆動するようになっている。上記工具取付穴70の
開口部72の近傍の内周面には環状溝74が設けられて
いるとともに、その環状溝74には弗素樹脂等から成る
柔軟性を有するリング部材76が装着されている。リン
グ部材76の内周面は、内周側に凸となる三角形状を成
しており、その頂点における径寸法は、工具取付穴70
の正規の内径、すなわち回転切削工具のストレートシャ
ンクの外径と同じか少しだけ大きい径寸法よりも小さ
く、そのストレートシャンクの外径より小さくされてい
る。また、工具取付穴70の上記環状溝74よりも内側
の内径は上記正規の内径とされているが、環状溝74よ
りも開口部72側の内径は正規の内径より僅かに大きく
されている。
【0036】このような工具ホルダ68においては、回
転切削工具のストレートシャンクが工具取付穴70内に
嵌入される際にリング部材76がストレートシャンクの
外周面に密着させられるため、ストレートシャンクの外
周面に付着している微細な切粉や塵埃、油膜などの汚れ
が払拭され、それ等の切粉や塵埃等の付着に起因する振
れ精度や把握力の低下が防止される。振れ精度の向上
は、仕上げ面粗さや加工精度を向上させるとともに、び
びり振動の発生を抑制して重切削を可能とし、把握力の
向上は、回転切削工具の抜け出しを防ぎ、工具ホルダ6
8自体や被加工物,回転切削工具等の損傷を防止する。
【0037】また、リング部材76がストレートシャン
クの外周面に密着させられることにより、その部分にお
けるストレートシャンクの軸心が工具取付穴70の軸心
と一致させられるため、ストレートシャンクの挿入作業
が容易となる。特に、リング部材76よりも開口部72
側の内径は正規の内径より大きいため、ストレートシャ
ンクがその工具取付穴70の開口部72内に容易に挿入
され得る一方、リング部材76の内周面は三角形状を成
しているため、ストレートシャンクの軸端部がそのリン
グ部材76の内周面の斜面に摺接させられることによっ
て心出しされ、その工具取付穴70内へのストレートシ
ャンクの挿入作業が一層簡単且つ容易となるのである。
【0038】更に、上記リング部材76は弾性変形させ
られた状態で工具取付穴の内周面に密着させられるた
め、その摩擦力によって適度な摺動抵抗が得られ、回転
切削工具の工具ホルダ68からの突き出し長さを調整す
る作業が容易になるとともに、工具ホルダ68のシャン
ク締付けねじを緩めるなどして回転切削工具を工具ホル
ダ68から取り外す際の回転切削工具の落下が防止され
るようになり、上記のように工具取付穴への挿入作業の
容易化と相俟って、回転切削工具の取り付け取り外し作
業を熟練を要することなく迅速に行い得るようになる。
【0039】なお、図示は省略するが、前記図3のスト
レートシャンク12のように、上記環状溝74よりも溝
幅が大きい環状溝を開口部72の近傍に形成するととも
に、内周面に螺旋状にねじれた複数条の突起が設けられ
た幅広のリング部材をその環状溝に装着すれば、その突
起のねじれ方向と反対方向へ回転切削工具をねじりなが
らストレートシャンクを工具取付穴70内に挿入するこ
とにより、ストレートシャンクの外周面の清浄効果を更
に高めることができる。
【0040】また、上記実施例では回転切削工具を直接
保持する工具ホルダ68について説明したが、ストレー
トコレットを介して回転切削工具が取り付けられる工具
ホルダにも本考案は適用され得る。
【0041】以上、本考案の幾つかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一具体例
であり、本考案は当業者の知識に基づいて種々の変更,
改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である回転切削工具としての
エンドミルを示す図である。
【図2】図1のエンドミルにおけるストレートシャンク
の軸端部近傍部分を示す一部を切り欠いた拡大図であ
る。
【図3】本考案の他の実施例におけるエンドミルのスト
レートシャンクの軸端部近傍部分を示す一部を切り欠い
た図である。
【図4】本考案がフラット付きストレートシャンクに適
用された場合の一例を示す一部を切り欠いた図である。
【図5】本考案がねじ付きストレートシャンクに適用さ
れた場合の一例を示す一部を切り欠いた図である。
【図6】本考案の一実施例であるストレートコレットを
示す一部を切り欠いた図である。
【図7】本考案の一実施例である工具ホルダの要部を示
す一部を切り欠いた図である。
【図8】従来のストレートシャンクの代表例を示す図で
ある。
【符号の説明】
10:エンドミル(回転切削工具) 12,38,48:ストレートシャンク 22,28:環状溝 24,32,42,50:リング部材 30:突起 54:ストレートコレット 62:環状溝 64:リング部材 68:工具ホルダ 70:工具取付穴 74:環状溝 76:リング部材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23B 51/00 B23B 31/20 B23Q 3/12

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸端部から工具ホルダの工具取付穴内に嵌
    入されて相対回転不能且つ抜け出し不能に保持される回
    転切削工具のストレートシャンクであって、 前記軸端部近傍の外周面に環状溝が設けられるととも
    に、外径が該外周面の径寸法より大きい柔軟性を有する
    リング部材が該環状溝に嵌着されており、且つ、該環状
    溝よりも該軸端部側の外径は該環状溝よりも刃部側の正
    規の外径より小さくされていることを特徴とする回転切
    削工具のストレートシャンク。
  2. 【請求項2】前記リング部材の外周面には螺旋状にねじ
    れた複数条の突起が設けられている請求項1に記載の回
    転切削工具のストレートシャンク。
  3. 【請求項3】一端部から複数のスリットが形成された縮
    径可能な円筒形状を成して他端部から工具ホルダの工具
    取付穴内に嵌入されるとともに、該円筒形状の内部に回
    転切削工具のストレートシャンクが挿入された状態で縮
    径されることにより、該回転切削工具を該工具ホルダに
    対して相対回転不能且つ抜け出し不能に取り付けるスト
    レートコレットであって、 前記他端部近傍の外周面に環状溝が設けられるととも
    に、外径が該外周面の径寸法より大きい柔軟性を有する
    リング部材が該環状溝に嵌着されており、且つ、該環状
    溝よりも該他端部側の外径は該環状溝よりも前記一端部
    側の正規の外径より小さくされていることを特徴とする
    ストレートコレット。
  4. 【請求項4】前記リング部材の外周面には螺旋状にねじ
    れた複数条の突起が設けられている請求項3に記載のス
    トレートコレット。
  5. 【請求項5】回転切削工具のストレートシャンクまたは
    ストレートコレットが嵌入される工具取付穴を有し、該
    回転切削工具またはストレートコレットを相対回転不能
    且つ抜け出し不能に保持する工具ホルダであって、 前記工具取付穴の開口部近傍の内周面に環状溝が設けら
    れるとともに、内径が 該内周面の径寸法より小さい柔軟
    性を有するリング部材が該環状溝に嵌着されており、且
    つ、該環状溝よりも該開口部側の内径は該環状溝よりも
    内側の正規の内径より大きくされていることを特徴とす
    る工具ホルダ。
  6. 【請求項6】前記リング部材の内周面には螺旋状にねじ
    れた複数条の突起が設けられている請求項5に記載の工
    具ホルダ。
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JPS61175312U (ja) * 1985-04-22 1986-10-31
JPH01110009U (ja) * 1988-01-13 1989-07-25

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