JP2571435B2 - 円筒形ベルトコンベアのベルトクリーナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、円筒形ベルトコンベアのベルトクリーナに
関するものである。

〔従来の技術とその課題〕

一般に円筒形ベルトコンベアは、ベルトの両耳部をラ
ップ状に接合したり、ベルトの両耳部を外方に突出して
合掌させたりして円筒が形成されたベルトコンベアであ
って、砂、石炭、鉱石などの湿性、粘性をもつ粉体やば
ら物を荷こぼれや飛散させることなく、また風雨や日光
にさらされることなく、しかも急傾斜でも運搬できる特
長をもっている。

このように、円筒形ベルトコンベアは外気にさらされ
て使用される場合があるため、雨、雪、粉塵などがキャ
リア側ベルトの外周に付着する。その付着物がベルトに
運ばれヘッドプーリなどに付着することによって、ベル
トがスリップしたり、蛇行したりする問題が発生してい
る。

一方、通常のベルトコンベア（例えば、トラフ形ベル
トコンベア）では、粘着性のあるばら物を運搬する場
合、ベルトの表面（運搬物の載置側）に運搬物の一部が
付着し、これがスナブプーリ、ベンドプーリ、リターン
ローラなどに移転してこれらのプーリやローラの径を変
化させ、ベルトを上下方向に揺動させたり、更にはベル
トを損傷したりするので、これを清掃するために、スク
レーパ式、回転ブラシ式、または高圧水洗式などのベル
トクリーナが用いられている。例えば、このスクレーパ
式ベルトクリーナではゴム板を使用してベルトの張力と
ゴム板を押付ける力とで、ベルト表面の付着物をかき取
り清掃を行っている。

ところで、従来の円筒形ベルトコンベアでは、前記の
ように雨、雪、粉塵等がキャリア側ベルトの外周に付着
するが、そのため、これらの付着物を付着させないよう
にカバーを施したり、第４図（ａ）（ｂ）に示すような
ベルトクリーナを付設している。このベルトクリーナは
ベルト３が円筒に形成されている箇所においてフレーム
15に取付けられたゴム板６′で囲撓した構造としてい
る。

したがって、かかる円筒形ベルトコンベアのベルトク
リーナでは、ゴム板６′の弾力性を利用するだけで通常
のベルトコンベアのベルトクリーナのようにベルト張力
がベルトクリーナに対し作用せず、したがってこのゴム
板６′にはかき取り力が十分発揮されず、不完全な清掃
となっており、しかもゴム板６′が摩耗すると、隙間が
でき付着した雨水などの清掃は不可能となる。

〔課題を解決するための手段〕

そこで本発明は、かかる問題を解決するために創作さ
れたもので、その要旨とするところは、テールプーリと
ヘッドプーリとに懸回され、かつ、これらのプーリによ
って円筒形状からフラット状に展開されるトラフ変換部
をもつ円筒形ベルトコンベアにおいて、前記トラフ変換
部に、常時ベルトに押圧されたゴム板または回転ブラシ
などのベルトクリーナを設けたことを特徴とする円筒形
ベルトコンベアのベルトクリーナにある。

〔実施例〕

本発明の構成を作用とともに添付図面に示す実施例に
より詳細に説明する。

第１図は本発明の実施例の側面図、第２図は第１図の
平面図、第３図は第１図のＡ矢視断面図である。

これらの図において、１は円筒形ベルトコンベアを示
し、この円筒形ベルトコンベア１はゴム質等の可撓性材
料で構成されており、この円筒形ベルトコンベア１の底
部および側部などに、図示しないが１個または１対の保
形ローラを対向させ、また肩部に１対の肩部ローラを対
向させ、耳部に１対のガイドローラを対向させて合掌状
とし、更に耳部端面を１個の押えローラで押圧して、い
わゆる合掌状円筒形ベルトコンベアを形成している。こ
の合掌状円筒形ベルトコンベア１は、その輸送能力が例
えばベルト巾400mmから2600mm（したがって、円筒内径1
00mmから700mmとなる）、搬送速度40m/minから250m/min
で、しかも、屋外に設置可能となっている。

この合掌状円筒形ベルトコンベア１はテールプーリ
（図示せず）とヘッドプーリ２との間に懸回され、ベル
ト３がこのヘッドプーリ２の位置にくるとトラフ状から
フラット状に展開されて運搬物を排出する。すなわち、
今迄円筒形となっていたベルト３はトラフ状に展開さ
れ、次いでフラット状に展開される、いわゆるトラフ変
換部４を形成している。

ここで本実施例では、このトラフ変換部４においてキ
ャリア側におけるベルト３の外側に、次のようなベルト
クリーナ５を取付けている。すなわち、このベルトクリ
ーナ５は第３図に示すように、ベルト３の断面形状（ト
ラフ形状となっている形状）に合わせたゴム板６と、こ
のゴム板６を添着した基板７と、この基板７を固着した
支持パイプ８と、この支持パイプ８をブラケット９に支
持するロッド10と、この支持パイプ８とブラケット９と
の間に設けられたバネ11とから構成されている。このベ
ルトクリーナ５の下方には受皿12を設け、この受皿12の
底部最下位には排出筒13を吊設している。

なお、第１図中、14はスナブプーリ、16はベルト表面
側のベルトクリーナで、通常のトラフ形ベルトコンベア
のベルトクリーナと同様のものを使用している。

しかして、円筒状からフラット状に変更される箇所で
はベルト張力が作用して緊張状態となり、この緊張部に
バネ11により押圧力が付与されたゴム板６が密着され、
円筒形のベルト３の外周に付着されて運ばれてきた雨
水、雪、塵埃等の付着物ｄはゴム板６により均一な密着
状態でかき取ることができ、かき取られた付着物ｄは受
皿12に集められて排出することができる。その結果、付
着物ｄはヘッドプーリ２へ運ばれず、ヘッドプーリ２に
移転して付着することがない。

そして、ゴム板６は摩耗してもバネ11により常に押し
付けられているので、ベルト３の外面とゴム板６との間
に隙間が発生せず、常に付着物ｄをかき取ることができ
る。

なお、本発明は、前述の合掌状円筒形ベルトコンベア
に限らず、他の例えばラップ状円筒形ベルトコンベアに
も適用できる。また、ベルトクリーナはスクレーパ式ゴ
ム板に限らず、バネ等で押圧力が付与されている回転ブ
ラシ式ベルトクリーナでもよい。また、キャリア側に限
らずリターン側に設置しても、また複数個設置してもよ
い。

〔発明の効果〕

本発明によれば、円筒形ベルトコンベアの外周に付着
した付着物を、ベルトのトラフ変換部でベルトクリーナ
によりかき取り清掃するので、円筒形ベルトコンベアを
正常運転することができ、安心して屋外に設置すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の側面図、第２図は第１図の平
面図、第３図は第１図のＡ矢視断面図、第４図（ａ）
（ｂ）は従来例の断面図である。 １……円筒形ベルトコンベア、２……ヘッドプーリ、３
……ベルト、４……トラフ変換部、５……ベルトクリー
ナ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テールプーリとヘッドプーリとに懸回さ
   れ、かつ、これらのプーリによって円筒形状からフラッ
   ト状に展開されるトラフ変換部をもつ円筒形ベルトコン
   ベアにおいて、 前記トラフ変換部に、常時ベルトに押圧されたゴム板ま
   たは回転ブラシなどのベルトクリーナを設けたことを特
   徴とする円筒形ベルトコンベアのベルトクリーナ。