JP2569941B2 - 二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフイルム

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JP2569941B2 JP27489090A JP27489090A JP2569941B2 JP 2569941 B2 JP2569941 B2 JP 2569941B2 JP 27489090 A JP27489090 A JP 27489090A JP 27489090 A JP27489090 A JP 27489090A JP 2569941 B2 JP2569941 B2 JP 2569941B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二軸配向ポリエステルフイルムに関するもの
である。
[従来の技術] 二軸配向ポリエステルフィルムとしては、ポリエステ
ルにコロイド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ
粒子を含有せしめたフィルムが知られている(たとえば
特開昭59−171623号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の二軸配向ポリエステルフィルム
は、フィルムの加工工程、たとえば包装用途における印
刷工程、磁気媒体用途における磁性層塗布・カレンダー
工程あるいは感熱転写用途における感熱転写層塗布など
の工程速度の増大にともない、接触するロールによって
フィルム表面が削られて発生した粉が、工程上、製品性
能上の問題となってきてきている。
さらに、フイルムの主要な用途であるビデオテープ
は、最近、ソフト用(制作された映像作品をパッケージ
媒体に記録固定、複製・増製したもの)に用いられるケ
ースが多く、この場合、上記従来のビデオテープでは、
「映像作品を録画する工程」でマスターテープから高速
でダビング(記録複写)する時のS/N(シグナル/ノイ
ズ比、画質のパラメータ)の低下が大きく画質が悪くな
るという問題点も出てきている。
本発明はかかる問題点を改善し、表面が削られにくく
(以下耐削れ性良好という)、かつ、ダビングによる画
質(S/N)の低下が少ない(以下耐ダビング性という)
フイルムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために、少なくとも1種
類の粒子を3〜20重量%含有するポリエステルAからな
るA層をポリエステルBからなるB層の少なくとも片面
に積層してなる二軸配向フイルムであって、該A層の厚
さtとA層に含有される粒子の平均粒径dの比t/dが0.1
〜2.5、該ポリエステルA層の表面の粗大突起数が100個
/100cm2以下であることを特徴とする二軸配向ポリエス
テルフイルムとしたものである。
本発明のA層を構成するポリエステルAは特に限定さ
れないが、エチレンテレフタレート、エチレンα,β−
ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカル
ボキシレート、エチレン2,6−ナフタレート単位等から
選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とす
る場合に耐削れ性、耐ダビング性がより一層良好となる
ので望ましい。また、本発明を構成するポリエステルA
は結晶性である場合に耐削れ性、耐ダビング性がより一
層良好となるのできわめて望ましい。ここでいう結晶性
とはいわゆる非晶質ではないことを示すものであり、定
量的には示差走査熱量計の測定で冷結晶化温度Tccが検
出され、かつ結晶化パラメータΔTcgが150℃以下のもの
である。さらに、示差走査熱量計で測定された融解熱
(融解エンタルピー変化)が7.5cal/g以上の結晶性を示
す場合に耐削れ性、耐ダビング性がより一層良好となる
のできわめて望ましい。なお、本発明を阻害しない範囲
内で、2種以上のポリエステルを混合しても良いし、共
重合ポリマを用いても良い。
本発明のA層中の粒子は粒径比(粒子の長径/短径)
が1.0〜1.3の粒子、特に、球形状の粒子の場合に耐削れ
性がより一層良好となるので望ましい。
また、本発明のA層中の粒子はフイルム中での単一粒
子指数が0.7以上、好ましくは0.9以上である場合に耐削
れ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望ま
しい。
また、本発明のA層中の粒子は相対標準偏差が0.6以
下、好ましくは0.5以下の場合に耐削れ性、耐ダビング
性がより一層良好となるので望ましい。
A層中の粒子の種類は特に限定されないが、上記の好
ましい粒子特性を満足するにはアルミナ珪酸塩、1次粒
子が凝集した状態のシリカ、内部析出粒子などは好まし
くなく、コロイダルシリカに起因する実質的に球形のシ
リカ粒子、架橋高分子による粒子(たとえば架橋ポリス
チレンや架橋ジビニルベンゼン)などがあげられる。
しかしながら、その他の粒子、例えば炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン、アルミナ等の粒子でもフイルム厚さ
と平均粒径の適切なコントロールにより十分使いこなせ
るものである。
粒子の大きさは、特に限定されないが、ポリエステル
A層中での平均粒径が0.03〜1.5μm、特に0.03〜1μ
mの場合に耐削れ性、耐ダビング性がより一層良好とな
るので望ましい。
本発明のA層中の粒子の含有量は3〜20重量%、好ま
しくは4〜15重量%、さらに好ましくは4〜10重量%で
あることが必要である。粒子の含有量が上記の範囲より
少ないと耐削れ性が不良となり、逆に多いと耐削れ性、
耐ダビング性が不良となるので好ましくない。
上記A層はポリエステルAと粒子からなる組成物を主
要成分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、
他種ポリマをブレンドしてもよいし、また帯電防止剤、
導電剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤な
どの有機添加剤が通常添加される程度添加されていても
よい。
本発明フイルムは上記ポリエステルAと粒子を主成分
とする組成物を、ポリエステルBを主成分とする組成物
の少なくとも片面に積層してなる二軸配向ポリエステル
フイルムである。一軸あるいは無配向フイルムでは耐削
れ性が不良となるので好ましくない。この配向の程度は
特に限定されないが、高分子の分子配向の程度の目安で
あるヤング率が長手方向、幅方向ともに350kg/mm2以上
である場合に耐削れ性がより一層良好となるのできわめ
て望ましい。分子配向の程度の目安であるヤング率の上
限は特に限定されないが、通常、1500kg/mm2程度が製造
上の限界である。
また、本発明フイルムは、ヤング率が上記範囲内であ
っても、フイルムの厚さ方向の一部分、例えば、表層付
近のポリマ分子の配向が無配向、あるいは、一軸配向に
なっていない、すなわち、厚さ方向の全部分の分子配向
が二軸配向である場合に耐削れ性、耐ダビング性、摩擦
係数がより一層良好となるので特に望ましい。
特にアッベ屈折率計、レーザーを用いた屈折率計、全
反射レーザーラマン法などによって測定される分子配向
が、表面、裏面ともに二軸配向である場合に耐削れ性、
耐ダビング性がより一層良好となるので特に望ましい。
さらにポリエステルAが結晶性ポリエステルであり、
その表面の全反射ラマン結晶化指数が20cm-1以下、好ま
しくは18cm-1以下、さらに17cm-1以下の場合に耐削れ
性、耐ダビング性がより一層良好となるのできわめて望
ましい。
また、本発明フイルムのA層の積層厚さtとA層中に
含有される粒子の平均粒径dの比、t/dは0.1〜2.5、好
ましくは0.2〜2、さらに好ましくは0.3〜0.9の範囲で
ある必要がある。t/dが上記の範囲より大きいと耐ダビ
ング性、耐削れ性ともに不良となり、逆に小さいと耐削
れ性が不良となるので好ましくない。
本発明フイルムは、光の干渉を利用したニュートン環
法から求めたA層の表面の粗大突起数H1が100個/100cm2
以下、特に50個/100cm2、さらに好ましくは40個/100cm2
以下であることが必要である。H1数が上記の範囲より大
きいと、耐削れ性が不良となるので好ましくない。
本発明フイルムはA層の積層厚さが0.01〜2μm、好
ましくは0.03〜1.5μm、さらに好ましくは0.04〜0.5μ
mの場合に耐削れ性、耐ダビング性がより一層良好とな
るのできわめて望ましい。
本発明フイルムは、A層の表面突起高さがA層中に含
有される粒子の平均粒径の1/3以上、特に1/(3.5)以上
である場合に耐削れ性、耐ダビング性がより一層良好と
なるのできわめて望ましい。
また本発明フイルムは、A層の表面突起の平均高さが
20〜800nm、特に、30〜600nmの範囲である場合に耐削れ
性、耐ダビング性がより一層良好となるのできわめて望
ましい。
本発明のポリエステルAのフイルムの2次イオンマス
スペクトルによって測定される表層粒子濃度比は特に限
定されないが、ポリエステルA面の表層粒子濃度比が1/
10以下、特に1/50以下である場合に耐削れ性がより一層
良好となるので特に望ましい。
本発明フイルムはA層の固有粘度が0.5以上、好まし
くは0.55以上、さらに好ましくは0.6以上の場合に耐削
れ性がより一層良好となるので特に望ましい。なお、A
層の固有粘度の測定はフイルム表面からA層を削り取っ
た試料で行なうが、A層が薄く削り取るのが難しい場合
には、工程中でサンプリングした延伸前の厚いフイルム
の表面からA層を削り取った試料で行なっても良い(通
常の延伸、熱処理では固有粘度は変化しない)。
本発明フイルムは、A層の表面の中心線平均粗さRaと
最大高さRtの比、Rt/Raが9.0以下、特に8.5以下の場合
に耐削れ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特
に望ましい。
本発明フイルムのB層を構成するポリエステルBはポ
リエステルAと同種でも異種でも良いが、ポリエステル
Bも結晶性であることが望ましく、特に、結晶性パラメ
ータΔTcgが20〜100℃の範囲の場合に、耐ダビング性が
より一層良好となるので望ましい。具体例として、エチ
レンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−クロ
ルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、
エチレン2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくと
も一種の構造単位を主要構成成分とする場合に耐ダビン
グ性が特に良好となるので望ましい。ただし、本発明を
阻害しない範囲内、望ましい結晶性を損なわない範囲内
で、好ましくは5モル%以内であれば他成分が共重合さ
れていてもよい。
本発明のB層中にも、本発明の目的を阻害しない範囲
内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸化防
止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添加剤
が通常添加される程度添加されていてもよい。
本発明のB層中には粒子が含有されている必要はない
が、平均粒径が0.03〜1.5μmの1種以上の粒子が0.001
〜0.4重量%含有されていると、耐削れ性がより一層良
好となるのみならず、フイルムの巻姿が良好となるので
望ましい。含有する粒子の種類はA層に望ましく用いら
れるものを使用することが望ましい。A層とB層に含有
する粒子の種類、大きさは同じでも異なっていても良
い。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
まず、ポリエステルAに粒子を含有せしめる方法とし
ては、ポリエステルの重合工程で粒子を含有せしめる方
法、粒子を実質的に含有しないポリエステルをあらかじ
め重合しておきそこにベント式二軸混練機等を用いて粒
子を練り込む方法等特に限定さないが、粒子を添加する
前に、使用するポリエステルのジオール成分の中で、0.
5〜1時間程度煮沸処理することが本発明範囲の粗大突
起数を得、また、本発明範囲のt/dのフイルムを延伸破
れなく安定して製造するのに有効である。
かくして、粒子を含有するポリエステルのペレット
を、必要に応じて、実質的に粒子を含有しないポリエス
テルで希釈し、乾燥したのち、公知の溶融押出機1に供
給し(ポリエステルA)、ポリエステルB(A、Bは同
種、異種どちらでもよい)を押出機2に供給し、2また
は3層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、ポ
リエステルAをポリエステルBの少なくとも片面に積層
し、スリット状の口金から2または3層のシートを押し
出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フイルム
を作る。この場合、合流断面が矩形の合流ブロックを用
いて積層する方法が、ポリエステルA層の厚さをフイル
ム幅方向に均一にし、本発明範囲のt/dのフイルムを延
伸破れなく、安定して製造するのに有効である。
この場合、粒子を含有するポリエステルAのペレット
を押出機に投入してからポリエステルBと合流するまで
の滞留時間Aを60分以下とし、かつ、粒子を含有するポ
リエステルAの濾過をリーフディスク式のステンレス製
フィルターで行なうことが本発明範囲の粗大突起数を得
るのに有効である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せし
める。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二
軸延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、
長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦延伸倍率を
3.5〜6.5倍で行なう方法は延伸破れなく、本発明範囲の
厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範囲の配向状
態、表層粒子濃度比のフイルムを得るのに有効である。
長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異なり
一概には言えないが、通常、その1段目を50〜130℃の
範囲とすることが、本発明範囲の厚さと平均粒径の関
係、含有量、望ましい範囲の配向状態、平均突起高さ、
表層粒子濃度比のフイルムを得るのに有効である。長手
方向延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が好適であ
る。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる方法が
一般的である。延伸倍率は、3.0〜5.0倍の範囲が適当で
ある。幅方向の延伸速度は、1000〜20000%/分、温度
は80〜160℃の範囲が好適である。また、いったん二軸
延伸されたフイルムを少なくとも一方向にさらに延伸し
ても良い。次にこの延伸フィルムを熱処理する。この場
合の熱処理温度は170〜200℃、特に170〜190℃、時間は
0.5〜60秒の範囲が好適である。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)粒子の平均粒径 フィルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法
(たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子を露
出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが粒子
はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走
査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によって
できる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケ
ンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観
察箇所を変えて粒子数5000個以上で次の数値処理を行な
い、それによって求めた数平均径Dを平均粒径とする。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
(3)結晶化パラメータΔTcg、融解熱 パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。
すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃の温度
で5分間溶解した後、液体窒素中に急冷する。この急冷
試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。
さらに昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピーク
温度をもって冷結晶化温度Tccとした。さらに昇温を続
け、融解ピークから融解熱を求めた。ここでTccとTgの
差(Tcc−Tg)を結晶化パラメータΔTcgと定義する。
(4)表面の分子配向(屈折率) ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈折
率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレン
を用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの二軸配向
性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN1、N2、N3
とした時、(N1−N2)の絶対値が0.07以下、かつ、N3/
[(N1+N2)/2]が0.95以下であることをひとつの基準
とできる。また、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を
測定しても良い。さらに、この方法では測定が難しい場
合は全反射レーザーラマン法を用いることもできる。レ
ーザー全反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Ramanor
U−1000ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクト
ルを測定し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸縮振
動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比など。ここ
でYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対して平行な
ラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向をXにしてXに
対して平行なラマン光検出)が分子配向と対応すること
を利用できる。ポリマの二軸配向性はラマン測定から得
られたパラメータを長手方向、幅方向の屈折率に換算し
て、その絶対値、差などから判定できる。この場合の測
定条件は次のとおりである。
光源 アルゴンイオンレーザー(5145Å) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レーザの
プリズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System (Hamamatsu C1230)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (5)全反射ラマン結晶化指数 Jobin−Yvon社製Ramanor U−1000ラマンシステムによ
り、全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基の
伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射
ラマン結晶化指数とした。測定条件は次のとおりであ
る。測定深さは、表面から500〜1000オングストローム
程度である。
光源 アルゴンイオンレーザー(5145Å) 試料のセッティング レーザー偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平
行となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向と
の角度)は60゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System (Hamamatsu C1230)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (6)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面の高さ
を0として走査した時の突起の高さ測定値を画像処理装
置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送り、画像
処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築する。次
に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得られた
個々の突起の面積から円相当径を求めこれをその突起の
平均径とする。また、この2値化された個々の突起部分
の中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の
突起について求める。この測定を場所をかえて500回繰
返し、突起個数を求め、測定された全突起についてその
高さの平均値を平均高さとした。また個々の突起の高さ
データをもとに、高さ分布の標準偏差を求めた。また走
査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間の値を選択
する。なお、場合によっては、高精度光干渉式3次元表
面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜200
倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる高さ
情報を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
(7)中心線平均表面粗さRa、最大高さRt小坂研究所製
の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて測定した。条件
は下記のとおりであり、20回の測定の平均値をもって値
とした。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、Rtの定義は、たとえば、奈良治郎著「表面
粗さの測定・評価法」(総合技術センター、1983)に示
されているものである。
(8)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、イン
ストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65%
RHにて測定した。
(9)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フイル
ム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元素
とポリエステルの炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚
さ方向の分析を行なう。SIMSによって測定される最表層
粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさらに深
さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/Bを
表層濃度比と定義した。測定装置、条件は下記のとおり
である。測定装置、条件は下記のとおりである。
測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) ***、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:6.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A (10)A層の積層厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から
深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっとも高濃
度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃
度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ3000nmま
で厚さ方向の分析を行なう。表層では表面という界面の
ために粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃
度は高くなる。本発明フィルムの場合はいったん極大値
となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲
線をもとに表層粒子濃度がの極大値の1/2となる深さ
(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、こ
れを積層厚さとした。条件は次の通り。
(1) 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) ***、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 (2) 測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:5.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く含有
する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難し
いので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子
分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプ
ロファイルを測定し積層厚さを求めても良いし、また、
電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変化状態やコ
ントラストの差から界面を認識し積層厚さを求めること
もできる。
(11)粒径化 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値
/短径の平均値の比である。
すなわち、下式で求められる。
長径=ΣD1i/N 短径=ΣD2i/N D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大径)、短
径(最短径)、Nは総個数である。
(12)粒径の相対標準偏差 上記(1)の方法で測定された個々の突起径Di、平均
径D、粒子総数Nから計算される標準偏差 を平均径Dで割った値(σ/D)で表わした。
(13)表面粗大突起数H1 測定面(100cm2)同士を2枚重ね合わせて静電気力で
密着させる(印加電圧5.4kV)。
2枚のフイルム間で粗大突起部分の光の干渉によって
生じるニュートン環から粗大突起の高さを判定し、1重
環以上の粗大突起数をH1とした。H1の単位は、100cm2
2枚重ねているため個/200cm2となる。なお、光源はハ
ロゲンランプに564nmのバンドパスフィルターをかけて
用いた。
(14)固有粘度[η](単位はdl/g) オルソクロルフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から下記式から計算される値を用いる。すなわち、 ηSP/C=[η]+K[η]・C ここで、ηSP=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶
媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.
2)、Kはハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘
度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(15)耐削れ性 幅270mmのフィルムを、金属ロールと弾性ロールから
なる1段カレンダ装置を用いて、下記条件で処理した
後、弾性ロールに付着した削れ物を純水で水洗し、その
中に含有する3μm以上の削れ粉の個数をカウントする
(He−Neレーザー散乱による粒度分布測定装置使用)。
通過フイルム面積1m2あたりに換算した3μm以上の削
れ粉の個数が100個未満の場合は耐削れ性良好、100個以
上の場合は不良と判定した。
・延べ走行長 :3000m ・走行速度 :80m/分 ・金属ロール温度:95℃ ・線圧 :200kg/cm (16)耐ダビング性 フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールによ
り塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テ
ストカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロー
ル、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー
処理した後、70℃、48時間キュアリングする。上記テー
プ原反を1/2インチにスリットし、パンケーキを作成し
た。このパンケーキから長さ250mの長さをVTRカセット
に組み込みVTRカセットテープとした。
(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2/g) :100 重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビ ニル共重合体 : 10 重量部 .ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリ ウレタンエラストマ) : 10 重量部 ・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシ アネート) : 5 重量部 ・レシチン : 1 重量部 ・メチルエチルケトン : 75 重量部 ・メチルイソブチルケトン : 75 重量部 ・トルエン : 75 重量部 ・カーボンブラック : 2 重量部 ・ラウリン酸 : 1.5重量部 このテープに家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706)により100%クロマ信号を
記録し、その再生信号からジバソク製カラービデオノイ
ズ測定器(925D/1)でクロマS/Nを測定しAとした。ま
た上記と同じ信号を記録したマスターテープのパンケー
キを磁界転写方式のビデオソフト高速プリントシステム
(たとえばソニーマグネスケール(株)製のスプリン
タ)を用いてAを測定したのと同じ試料テープ(未記
録)のパンケーキへダビングした後のテープのクロマS/
Nを上記と同様にして測定し、Bとした。このダビング
によるクロマS/Nの低下(A−B)が3dB未満の場合は耐
ダビング性:優、3dB以上5dB未満の場合は良、5dB以上
は不良と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には
使用可能である。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜5、比較例1〜5 粒径の異なるいくつかの種類の粒子をエチレングリコ
ールにスラリーの形で分散せしめ、テレフタル酸ジメチ
ルとエステル交換反応後、重縮合し、該粒子を所定量含
有するポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記す
る)のチップを作った。
また、常法によって、実質的に粒子を含有しないPET
を製造し、ポリエステルBとした。
これらのポリマをそれぞれ180℃で3時間減圧乾燥(3
Torr)し、それぞれを2台の押出機に供給し290℃で溶
融し、これらのポリマを、2または3層用の矩形の合流
ブロック(フィードブロック)で合流積層し、静電印加
キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティング・ド
ラムに巻きつけて冷却固化し、2〜3層構造の未延伸フ
ィルムを作った。この時、それぞれの押出機の吐出量を
調節し総厚さ、ポリエステルA層の厚さを調節し、ま
た、その装置の管径等を変更して滞留時間Aの異なるフ
ィルムを作った。この未延伸フィルムを温度80℃にて長
手方向に4.5倍延伸した。この延伸は2組のロールの周
速差で行なった。この一軸延伸フイルムをステンタを用
いて延伸速度2000%/分で100℃で幅方向に4.0倍延伸
し、定長下で、140℃にて5秒間熱処理し、さらに縦方
向に1.6倍延伸した後、200℃で5秒間熱処理して、総厚
さ7.5μmの二軸配向積層ポリエステルフィルムを得
た。これらのフィルムの本発明のパラメータは第1表に
示したとおりであり、本発明のパラメータが範囲内の場
合は、耐削れ性、耐ダビング性ともに優れたフイルムで
あるが、そうでない場合は目的を達し得ないことがわか
る。
[発明の効果] 本発明は、粒子を含有するポリエステルの層厚さと平
均粒径の関係、含有量を特定範囲とし、かつ、製法の工
夫によりその粗大突起数を特定範囲に少なくしたので、
耐削れ性、耐ダビング性が優れたフイルムとなり、各用
途でのフイルム加工速度の増大に対応できるものであ
る。本発明フイルムの用途は特に限定されないが、加工
工程でのフィルム表面の削れが加工工程上、製品性能上
特に問題となる磁気記録媒体用ベースフィルムとして特
に有用である。また、本発明フイルムのうち2層構造の
ものはポリエステルA層の表面が走行面(磁気記録媒体
用では磁性層を塗布しない面、その他の用途では印刷や
その他塗材の塗布などの処理がほどこされない面)とし
て用いることが好ましい。
また、本発明は製膜工程内で、コーティングなどの操
作なしで直接複合積層によって作ったフイルムであり、
製膜工程中あるいはその後のコーティングによって作ら
れる積層フイルムに比べて、強い突起構造となり、表面
の耐削れ性もはるかに優れ、しかもコスト面、品質の安
定性などにおいて有利であるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 9:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1種類の粒子を3〜20重量%含
    有するポリエステルAからなるA層をポリエステルBか
    らなるB層の少なくとも片面に積層してなる二軸配向フ
    イルムであって、該A層の厚さtとA層に含有される粒
    子の平均粒径dの比t/dが0.1〜2.5、該ポリエステルA
    層の表面の粗大突起数が100個/100cm2以下であることを
    特徴とする二軸配向ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】A層の厚さが0.01〜2μmの範囲である請
    求項(1)に記載の二軸配向ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】ポリエステルAが結晶性ポリエステルであ
    り、かつ、A層の表面の全反射ラマン結晶化指数が20cm
    -1以下であることを特徴とする請求項(1)または
    (2)に記載の二軸配向ポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】A層の固有粘度が0.5以上であることを特
    徴とする請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の二軸
    配向ポリエステルフイルム。
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