JP2569074B2 - α−窒化ケイ素粉末及びその製造方法 - Google Patents
α−窒化ケイ素粉末及びその製造方法Info
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- JP2569074B2 JP2569074B2 JP62238671A JP23867187A JP2569074B2 JP 2569074 B2 JP2569074 B2 JP 2569074B2 JP 62238671 A JP62238671 A JP 62238671A JP 23867187 A JP23867187 A JP 23867187A JP 2569074 B2 JP2569074 B2 JP 2569074B2
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- silicon nitride
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、α−窒化ケイ素粉末及びその製造方法に関
する。窒化ケイ素は、高温構造材料として注目され、用
途としては、軸受、ノズル、タービン部材等がある。
する。窒化ケイ素は、高温構造材料として注目され、用
途としては、軸受、ノズル、タービン部材等がある。
従来、高α化率の窒化ケイ素粉末を製造することを目
的として、含窒素化合物及び/又は、非晶質窒化ケイ素
に結晶質の窒化ケイ素を種として添加し結晶化すること
が知られている(特開昭59−21507号公報)。しかしな
がら、高α化率の窒化ケイ素粉末を製造することは必ず
しも高靭性かつ1,200℃を越える高温に耐え得る窒化ケ
イ素焼結体を製造したことにはならない問題点があつ
た。
的として、含窒素化合物及び/又は、非晶質窒化ケイ素
に結晶質の窒化ケイ素を種として添加し結晶化すること
が知られている(特開昭59−21507号公報)。しかしな
がら、高α化率の窒化ケイ素粉末を製造することは必ず
しも高靭性かつ1,200℃を越える高温に耐え得る窒化ケ
イ素焼結体を製造したことにはならない問題点があつ
た。
本発明者は、従来技術における問題点、即ち、種から
結晶成長したα−窒化ケイ素粉末の焼結体時に於ける粒
界相への溶解−析出する条件を種々検討した結果、焼結
体の高靭性、高温耐久性等の特性(以下、焼結体特性と
いう)を向上せしめる均一組織、具体的にはβ−柱状晶
の均一化にはβ−Si3N4の種が重要な役割をなしている
ことを見いだし本発明を完成したものである。
結晶成長したα−窒化ケイ素粉末の焼結体時に於ける粒
界相への溶解−析出する条件を種々検討した結果、焼結
体の高靭性、高温耐久性等の特性(以下、焼結体特性と
いう)を向上せしめる均一組織、具体的にはβ−柱状晶
の均一化にはβ−Si3N4の種が重要な役割をなしている
ことを見いだし本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の第1の発明は、β化率90%以上の
窒化ケイ素を包晶してなることを特徴とするα−窒化ケ
イ素粉末であり、また、第2の発明は、含窒素化合物及
び/又は非晶質窒化ケイ素を原料とし、この原料にβ化
率90%以上、比表面積10〜20m2/g且つFe,Al,Ca及びMgの
合計が1,000ppm以下の窒化ケイ素粉末を、前記原料から
生成される理論窒化ケイ素に対して2〜10重量%添加混
合し、次いでこれを窒素又はアンモニアを含む非酸化性
雰囲気下1,450℃以上の温度で加熱結晶化することを特
徴とするβ化率90%以上の窒化ケイ素を包晶してなるα
−窒化ケイ素粉末の製造方法である。
窒化ケイ素を包晶してなることを特徴とするα−窒化ケ
イ素粉末であり、また、第2の発明は、含窒素化合物及
び/又は非晶質窒化ケイ素を原料とし、この原料にβ化
率90%以上、比表面積10〜20m2/g且つFe,Al,Ca及びMgの
合計が1,000ppm以下の窒化ケイ素粉末を、前記原料から
生成される理論窒化ケイ素に対して2〜10重量%添加混
合し、次いでこれを窒素又はアンモニアを含む非酸化性
雰囲気下1,450℃以上の温度で加熱結晶化することを特
徴とするβ化率90%以上の窒化ケイ素を包晶してなるα
−窒化ケイ素粉末の製造方法である。
以下、さらに詳しく本発明について説明する。
第1の発明において、包晶される物質をβ化率90%以
上の窒化ケイ素に限定した理由は、それ以外の物質で
は、粒界相におけるα−窒化ケイ素の溶解−析出に伴う
核になり得ず、結果として、不均一なβ−柱状晶にな
り、焼結体特性、特に高温強度が向上しないからであ
る。なお、前記粒界相は、窒化ケイ素を焼結させる際に
加えられた焼結助剤によつて生成する。またβ化率90%
未満の窒化ケイ素であると、粒界相におけるα−窒化ケ
イ素の溶解−析出に伴う核にはなり得るが、この窒化ケ
イ素に含まれるα−窒化ケイ素も溶解し、溶解−析出に
伴うβ−柱状晶の成長度合、特に太さ方向に対して不均
一な組織となり、α−窒化ケイ素を種として添加した場
合とほとんど大差がなくなり、焼結体特性、特に強度的
な向上が認められなくなる。
上の窒化ケイ素に限定した理由は、それ以外の物質で
は、粒界相におけるα−窒化ケイ素の溶解−析出に伴う
核になり得ず、結果として、不均一なβ−柱状晶にな
り、焼結体特性、特に高温強度が向上しないからであ
る。なお、前記粒界相は、窒化ケイ素を焼結させる際に
加えられた焼結助剤によつて生成する。またβ化率90%
未満の窒化ケイ素であると、粒界相におけるα−窒化ケ
イ素の溶解−析出に伴う核にはなり得るが、この窒化ケ
イ素に含まれるα−窒化ケイ素も溶解し、溶解−析出に
伴うβ−柱状晶の成長度合、特に太さ方向に対して不均
一な組織となり、α−窒化ケイ素を種として添加した場
合とほとんど大差がなくなり、焼結体特性、特に強度的
な向上が認められなくなる。
以上のような第1の発明のα−窒化ケイ素粉末を製造
するには、以下に説明する第2の発明によればよい。
するには、以下に説明する第2の発明によればよい。
次に、第2の発明について説明する。
先ず、含窒素化合物及び/又は非晶質窒化ケイ素原
料、つまり、熱分解して窒化ケイ素になるような前駆
体、例えば、ハロゲン化ケイ素、モノシランガス等とア
ンモニアガスを気相で反応させて得られる含窒素化合物
及び/又はそれを仮焼して得られた非晶質窒化ケイ素原
料に、その原料から生成する理論窒化ケイ素量に対し
て、比表面積が10〜20m2/gで且つFe,Al,Ca及びMgの合計
(以下、金属不純物という)が1,000ppm以下のβ化率90
%以上の窒化ケイ素粉末を内割で2〜10重量%添加混合
する。
料、つまり、熱分解して窒化ケイ素になるような前駆
体、例えば、ハロゲン化ケイ素、モノシランガス等とア
ンモニアガスを気相で反応させて得られる含窒素化合物
及び/又はそれを仮焼して得られた非晶質窒化ケイ素原
料に、その原料から生成する理論窒化ケイ素量に対し
て、比表面積が10〜20m2/gで且つFe,Al,Ca及びMgの合計
(以下、金属不純物という)が1,000ppm以下のβ化率90
%以上の窒化ケイ素粉末を内割で2〜10重量%添加混合
する。
ここで、10〜20m2/gの比表面積に限定した理由は、10
m2/g未満になると熱分解して生じる窒化ケイ素自身の粒
子が大きくなり、焼結体特性を向上させることはできな
い。一方、20m2/gをこえると生成する窒化ケイ素が微粉
末になり過ぎて取扱い性と成形性が悪くなる。また、金
属不純物を1,000ppm以下に限定した理由は、1,000ppmを
こえると粒界相中の金属不純物の濃縮に起因すると推定
される高温強度の劣化が認められる。さらに、添加量が
2重量%未満であると熱分解して生じる窒化ケイ素自身
の粒子が大きくなり、焼結体特性の向上につながらな
い。一方、10重量%を越えると生成する窒化ケイ素が微
粉末になり過ぎて取扱い性と成形性が悪くなり、また経
済的にも不利である。
m2/g未満になると熱分解して生じる窒化ケイ素自身の粒
子が大きくなり、焼結体特性を向上させることはできな
い。一方、20m2/gをこえると生成する窒化ケイ素が微粉
末になり過ぎて取扱い性と成形性が悪くなる。また、金
属不純物を1,000ppm以下に限定した理由は、1,000ppmを
こえると粒界相中の金属不純物の濃縮に起因すると推定
される高温強度の劣化が認められる。さらに、添加量が
2重量%未満であると熱分解して生じる窒化ケイ素自身
の粒子が大きくなり、焼結体特性の向上につながらな
い。一方、10重量%を越えると生成する窒化ケイ素が微
粉末になり過ぎて取扱い性と成形性が悪くなり、また経
済的にも不利である。
次いで、これを窒素又はアンモニアを含む非酸化性雰
囲気下加熱結晶化し、添加したβ化率90%以上の窒化ケ
イ素粉末表面上に包晶反応的にα−窒化ケイ素を析出さ
せる。この際の加熱結晶化温度は1,450℃以上である。
1,450℃未満では非晶質部分が残り、生成窒化ケイ素に
酸化・変質が生じ、十分な焼結体特性が得られなくな
る。
囲気下加熱結晶化し、添加したβ化率90%以上の窒化ケ
イ素粉末表面上に包晶反応的にα−窒化ケイ素を析出さ
せる。この際の加熱結晶化温度は1,450℃以上である。
1,450℃未満では非晶質部分が残り、生成窒化ケイ素に
酸化・変質が生じ、十分な焼結体特性が得られなくな
る。
以下、実施例をあげてさらに具体的に本発明を説明す
る。
る。
実施例1〜9 比較例1〜8 NH3とSiCl4を反応温度120℃,NH3/SiCl4モル比6.8の気
相状態で反応させて含窒素化合物を得た。次に、この粉
末に無添加も含め、各種β−窒化ケイ素粉末を前記窒素
化合物から理論的に生成される窒化ケイ素に対し添加量
(内割)を変えて混合し、N2雰囲気下、1550℃×2Hr加
熱し、結晶化させてβ−窒化ケイ素を包晶するα−窒化
ケイ素粉末を得た。
相状態で反応させて含窒素化合物を得た。次に、この粉
末に無添加も含め、各種β−窒化ケイ素粉末を前記窒素
化合物から理論的に生成される窒化ケイ素に対し添加量
(内割)を変えて混合し、N2雰囲気下、1550℃×2Hr加
熱し、結晶化させてβ−窒化ケイ素を包晶するα−窒化
ケイ素粉末を得た。
得られたα−窒化ケイ素粉末についてα化率、比表面
積の測定を行つた。
積の測定を行つた。
次に、この粉末90重量部に、焼結助剤として、平均粒
子径0.5μmのMgO 3重量部、平均粒子径0.8μmのAl2O3
2重量部及び平均粒子径2.5μmのY2O3 5重量部を添加
し、更に、1,1,1−トリクロルエタンを加えて4時間ボ
ールミルで湿式混合し、乾燥後、100kg/cm2の成形圧で
6×10×60mm形状に金型成形した後、2000kg/cm2の成形
圧でCIP成形した。
子径0.5μmのMgO 3重量部、平均粒子径0.8μmのAl2O3
2重量部及び平均粒子径2.5μmのY2O3 5重量部を添加
し、更に、1,1,1−トリクロルエタンを加えて4時間ボ
ールミルで湿式混合し、乾燥後、100kg/cm2の成形圧で
6×10×60mm形状に金型成形した後、2000kg/cm2の成形
圧でCIP成形した。
これらの成形体をカーボンルツボにセツトし、N2ガス
雰囲気中、1,700℃×4Hrで焼成して焼結体を得た。得ら
れた焼結体は研削後、相対密度と3点曲げの常温、高温
(1200℃)強度を測定した。それらの結果を第1表に示
す。
雰囲気中、1,700℃×4Hrで焼成して焼結体を得た。得ら
れた焼結体は研削後、相対密度と3点曲げの常温、高温
(1200℃)強度を測定した。それらの結果を第1表に示
す。
また、実施例2と比較例2のKIC(破壊靭性値)をID
法で測定したところ、それぞれ8MPa・m1/2と4MPa・m
1/2であつた。
法で測定したところ、それぞれ8MPa・m1/2と4MPa・m
1/2であつた。
なお、表に示した測定値は次の方法によつた。
(1).α化率,β化率……理学電機(株)製のガイガ
ーフラツクスRAD−II B型のX線回折による。
ーフラツクスRAD−II B型のX線回折による。
(2).比表面積……湯浅アイオニクス社製のカンター
ブJrBET 1点法による。
ブJrBET 1点法による。
(3).金属不純物(Fe,Al,Ca,Mg)……JIS−G−1322
に準拠。
に準拠。
実施例10〜18 比較例9〜16 実施例1〜9で得られたα−窒化ケイ素粉末93重量部
に、焼結助剤として、Al2O3 2重量部及びY2O3 5重量部
としたこと、並びにCIP成形体の焼結条件を1,850℃×4H
rとしたこと以外は実施例1〜9と同様にして試験し
た。その結果を第2表に示す。
に、焼結助剤として、Al2O3 2重量部及びY2O3 5重量部
としたこと、並びにCIP成形体の焼結条件を1,850℃×4H
rとしたこと以外は実施例1〜9と同様にして試験し
た。その結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のα−窒化ケイ素粉末を使用すれば、焼結体特
性、すなわち、高温強度と靭性にすぐれた窒化ケイ素焼
結体を製造することができる。
性、すなわち、高温強度と靭性にすぐれた窒化ケイ素焼
結体を製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】β化率90%以上の窒化ケイ素を包晶してな
ることを特徴とするα−窒化ケイ素粉末。 - 【請求項2】含窒素化合物及び/又は非晶質窒化ケイ素
を原料とし、この原料にβ化率90%以上、比表面積10〜
20m2/g且つFe,Al,Ca及びMgの合計が1,000ppm以下の窒化
ケイ素粉末を、前記原料から生成される理論窒化ケイ素
に対して2〜10重量%添加混合し、次いでこれを窒素又
はアンモニアを含む非酸化生雰囲気下1,450℃以上の温
度で加熱結晶化することを特徴とするβ化率90%以上の
窒化ケイ素を包晶してなるα−窒化ケイ素粉末の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62238671A JP2569074B2 (ja) | 1987-09-25 | 1987-09-25 | α−窒化ケイ素粉末及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62238671A JP2569074B2 (ja) | 1987-09-25 | 1987-09-25 | α−窒化ケイ素粉末及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6483505A JPS6483505A (en) | 1989-03-29 |
JP2569074B2 true JP2569074B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=17033585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62238671A Expired - Fee Related JP2569074B2 (ja) | 1987-09-25 | 1987-09-25 | α−窒化ケイ素粉末及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2569074B2 (ja) |
-
1987
- 1987-09-25 JP JP62238671A patent/JP2569074B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPS6483505A (en) | 1989-03-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |