JP2568645B2 - ガスタービンシュラウドの冷却構造 - Google Patents

ガスタービンシュラウドの冷却構造

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はガスタービンのシュラウドの冷却構造に係り
特にシュラウドの冷却に必要な冷却空気をより有効にす
るシュラウド冷却構造に関する。
[従来の技術] 第3図は従来のガスタービンのシュラウド冷却構造を
示す。タービン動翼(不図示)との間にガス通路を形成
するシュラウド11はシュラウドリングの形をしており、
静止部材14(ガスタービンケーシングの一部)に取付け
られている。シュラウドリングの冷却は、シュラウドリ
ングを成す各シュラウド(シュラウドセグメントとい
う)11に夫々取付けられたインピンジカバー12の多数個
の孔にキャビティ16内に送入された冷却空気13を通過さ
せてその流速を増加させ、シュラウドセグメント11のガ
ス通路面の反対側に冷却空気を吹き付けることにより行
なわれる。該冷却に使用された空気は、シュラウドセグ
メント11自体にあけられた対流冷却孔15を通り、ガス通
路に排出される。かかるシュラウド冷却構造は例えば、
U.S.DEPARTMENT OF ENERGY,HIGH TEMPERATURE TECHNOLO
GY PROGRAM,5−34頁に示されている。
[発明が解決しようとする課題] 上述の構造において、インピンジカバー12の孔を通過
する際の冷却空気の差圧は通常の0.3〜0.5(kg/cm2)と
ならなければならない。このためキャビティ16の内圧は
必然的に高めなければならない。しかし、シュラウドリ
ングは周方向に分割配置されたシュラウドセグメントよ
り構成されているため、シュラウンドセグメント間のギ
ャップから一部の冷却空気が、インピンジカバーを通過
せずに、ガス通路内に漏洩してしまうことになる。この
リーク空気流量は、ガス通路内の温度を下げ、タービン
性能を低下させる。このリーク空気流量はシュラウドリ
ングの分割数に比例して増加するものである。また、こ
のリーク面積(シュラウドセグメント間ギャップの面
積)が増大すると、キャビティ16の内圧を下げることに
なり、この圧力減少が進むと、キャビティ16内の内圧が
ガス通路内圧力以下となる。そのときは、ガス通路内よ
りシュラウドのキャビティ16に高温ガスが流入する不都
合が生じることとなる。このように従来技術によるシュ
ラウド冷却は、そのシュラウドセグメント間のギャッブ
等に強く依存した構造となっている。
更に、上記従来技術は、ガスタービンの燃焼温度がさ
らに高くなった場合に、ガス通路を構成するシュトラウ
ドリンクのメタル温度が上昇するのを防ぐため冷却を強
化する必要があるときには、冷却強化のため、インピン
ジカバーの孔を通る冷却空気の流量を増加させること、
引いては冷却空気流量を増加させることとなるが、そう
すると、インピンジカバー前圧が上昇し、より一層冷却
空気のリーク流量が増し、シュラウド冷却のため流して
いる冷却空気の大半がリークしてしまい、シュラウド冷
却不足の状態となるという問題がある。
また従来技術においては始めからシュラウドセグメン
ト間ギャップからのリーク空気流量を見込んで冷却空気
流量を設定していたが、より高温のガスタービンの場合
においては、性能を確保するために、限られた冷却空気
流量の中でガスタービンロータ、バケット(動翼)、ノ
ズル(静翼)等の主要部材をも冷却しなければならない
ことなり、運転中の熱伸び、摩耗によるギャップの拡大
等によりリーク空気流量が予測し難くなって、シュラウ
ドリングの冷却空気流量を把握できず、信頼性のある冷
却設計を実施し得ないという問題があった。
本発明の目的は、リーク空気流量を少なくし、ガスタ
ービンシュラウドを最小の供給冷却空気流量で有効に冷
却し得るガスタービンシュラウドの冷却構造を提供する
にある。
[課題を解決するための手段] 本発明のガスタービンシュラウドの冷却構造は、ガス
タービン回転動翼の外周に位置してそれとの間にガス通
路を形成するシュラウドリングが周方向に分割されたシ
ュラウドセグメントより構成され、各シュラウドセグメ
ントがガスタービンケーシングの部分を成す静止部材に
取付けられており、各シュラウドセグメントに対する該
静止部材内のキャビティの開口を覆う箱状の且つ多数の
孔を有するインピンジカバーが該静止部材に封着されて
おり、該静止部材内のキャビティに導入された冷却空気
の全てが上記インピンジカバーの多数の孔を通ってシュ
ラウドセグメントに吹き付けられるようにしたことを特
徴とする。
[作用] シュラウド冷却空気はガスタービンケーシングの部分
をなす静止部材内に設けられたキャビティ内に導かれ
る。そのキャビティは、箱形のインピンジカバーにより
完全に封鎖されているため、冷却空気は他の部所にリー
クすることはなくインピンジカバーの多数の孔を通過し
てシュラウドセグメントに吹き付けられる。これによ
り、シュラウドセグメントのメタル温度を許容温度に下
げるようにシュラウドセグメントを有効に冷却すること
が可能となる。本発明の構成により、シュラウド冷却に
必要な冷却空気流量が従来の約半分となり、最小の冷却
空気流量にて最大の冷却効果を生ずることができる。
[実 施 例] 以下、本発明の実施例を第1図、第2図により説明す
る。
第1図において、ガスタービンの各シュラウドセグメ
ント4は、外側の静止部材(ガスタービンケーシングの
一部)10のフック部10′に該シュラウドセグメント4の
フック部4′により取付けられている。各シュラウドセ
グメント4はガスタービンの軸心の周りに環状配列され
ているシュラウドリングを構成している。各シュラウド
セグメント4の相互の隣接する側面に設けられた溝5に
は、隣接シュラウドセグメント4巻に架け渡されたシー
ルプレート(不図示)が溝5全体に亘って嵌着されてお
り、これによりシュラウドセグメント4同志が互いにシ
ール状態で連結されている。6はガスタービンの動翼で
あり、これとシュラウド4との間隙がガス通路をなす。
上記シールプレートは、このガス通路からシュラウドリ
ング内へのホットガスの侵入および後記冷却空気のシュ
ラウドセグメント間からガス通路へのリークを防ぐ役を
している。
シュラウドを冷却するための冷却空気aは、外側の静
止部材10に設けられたオリフィス1にて流量を調整され
た後、通気孔2を通り、静止部材1内の空気キャビティ
3に導かれる。そして冷却空気は、空気キャビティ3を
密閉するように取付けられた弁当箱状のインピンジカバ
ー9の多数の孔を通り、被冷却体であるシュラウドセグ
メント4に吹き付けられる。尚、個々のシュラウドセグ
メント4に対して個々の箱状インピンジカバー9が設け
てある。この冷却空気吹付けの効果によりシュラウドセ
グメトのメタル温度を設計メタル温度にすることがで
き、これにより、カスタービン動翼6とシュラウド4と
の間隙を所定の値にする事ができ、動翼先端からのガス
リークを最小にし、タービン性能の低下を抑えることが
可能となる。
このようにしてシュラウドセグメント4の冷却に寄与
した冷却空気は、相隣るシュラウドセグメント4と外側
静止部材10とシールプレートとで形成されたリーク間隙
を矢印のように通ってガス通路へリークするものと、シ
ュラウドセグメント4に設けられたシュラウド後縁部冷
却用対流冷却孔7を通ってガス通路に排出されるものと
に別れる。このように、シュラウドの冷却空気流量は、
シュラウドセグメント間の上記リーク間隙を通るリーク
流量に左右されることなく、オリフィス1にて調整する
ことができ、かつ、シュラウドの冷却空気の熱伝達率
は、冷却空気流量の調整により調整することが可能であ
る。
第2図は外側静止部材10に設けられたオリフィス1の
径により、シュラウドを冷却するインピンジカバー通過
空気流量(Gimp)と、冷却に寄与した空気がシュラウド
4と外側静止部材10との間の前記リーク間隙から排出さ
れるリーク流量Glと、シュラウド4の後縁部の冷却のた
め設けられた対流冷却孔7を通る冷却空気流量Gooが如
何に変化するかを示している。本発明では、外側静止部
材10内の空気キャビティ3のシュラウド側開口を覆うよ
うに箱状のインピンジカバー9が該静止部材10に気密に
取付けられているため、シュラウド4と外側静止部材10
との間の前記リーク間隙8からのリーク空気流量Gl
も、シュラウド冷却用のインピンジカバー通過空気流量
Gimpに含ましめることが可能となる。さりにオリフィス
1の径を変えることにより、対流冷却孔7に流れること
なく、前記リーク間隙から無駄に捨てられるリーク空気
流量Glを最小にするようにコントロールすることがで
き、リーク空気流量の増加によるガスタービンの性能の
低下を防止することが可能となる。さらに、インピンジ
カバー9と対流冷却孔7の孔径及び孔数を適宣に設計・
選択することにより、シュラウド冷却空気の熱伝達率を
調整することができる。
[発明の効果] 本発明によれば、ガスタービンのガス通路構成部品で
あるシュラウドを従来より少ない冷却空気流量にて効果
的に冷却することが可能であり、かつ、従来無駄に排出
されていたシュラウドと静止部材の間の間隙からのリー
ク空気流量をもシュラウド冷却に有効に活用でき、より
高温、高性能のガスタービンシュラウドの製作が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図、第2図はオリ
フィス径と各部の冷却空気流量の変化の関係を示すグラ
フ、第3図は従来技術を示す断面図である。 1……オリフィス、2……通気孔 3……キャビティ、4……シュラウドセグメント 5……シールプレート溝、6……タービン動翼 7……対流冷却孔、9……インピンジカバー 10……外側静止部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−153903(JP,A) 特開 昭60−222505(JP,A) 特開 昭61−135905(JP,A) 特開 昭63−239301(JP,A) 実開 昭60−88002(JP,U) 実開 昭63−63504(JP,U) 特公 昭48−24086(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスタービン回転動翼の外周に位置してそ
    れとの間にガス通路を形成するシュラウドリングが周方
    向に分割されたシュラウドセグメントより構成され,各
    シュラウドセグメントがガスタービンケーシングの部分
    を成す静止部材に取付けられており、各シュラウドセグ
    メントに対する該静止部材内のキャビティの開口を覆う
    箱状の且つ多数の孔を有するインピンジカバーが該静止
    部材に封着されており、該静止部材内のキャビティに導
    入された冷却空気の全てが上記インビンジカバーの多数
    の孔を通ってシュラウドセグメントに吹き付けられるよ
    うにしたことを特徴とするガスタービンシュラウドの冷
    却構造。
  2. 【請求項2】上記冷却空気を上記キャビティに導入する
    静止部材側に冷却空気流量調整手段を設けた請求項1記
    載のガスタービンシュラウドの冷却構造。
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