JP2566482B2 - 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

鉄道車両用ディスクブレーキ装置

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JP2566482B2 JP2162343A JP16234390A JP2566482B2 JP 2566482 B2 JP2566482 B2 JP 2566482B2 JP 2162343 A JP2162343 A JP 2162343A JP 16234390 A JP16234390 A JP 16234390A JP 2566482 B2 JP2566482 B2 JP 2566482B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、駆動車両により牽引される車両に取り付け
られる鉄道車両用ディスクブレーキ装置に係り、特に、
当該ディスクブレーキ装置にて発生する熱に対処するた
めの技術に関する。
〔従来の技術〕
周知のように、駆動車両により牽引される車両(以
下、牽引車両という)は、駆動用電動機を有していない
ため、そのブレーキ装置の研究開発の途は当然の事なが
ら駆動車両とは異なっている。具体的には、駆動車両に
ついては、例えば実開昭64−4933号や実開平1−117972
号に示されているように、車軸に回転を付与する駆動用
電動機の回転子軸にディスクを固着し且つ該ディスクの
両側面を圧接挟持するキャリパーを備えてなる構成が公
知となっているのに対し、牽引車両については、第9図
及び第10図に示す型式のブレーキ装置を採用しているの
が一般的である。
即ち、第9図に示す型式のものは、牽引車両の車軸10
0にディスク102を固着し、リンク機構でなるキャリパー
103をブレーキシリンダ104が連係作動させることによ
り、一対のライニング105,105が前記ディスク102の両側
面を圧接挟持する構成としたものである。
また、第10図に示す型式のものは、牽引車両の車輪11
1の両側面111a,111bに直接ディスクを取り付け、リンク
機構でなるキャリパー112を油圧シリンダ113が連係作動
させることにより、一対のライニング114,114が前記車
輪111の両側面(両ディスク)111a,111bを圧接挟持する
構成としたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記第9図に示す型式のブレーキ装置
は、近年における鉄道車両の高速化に対しては充分に対
処できるものではない。即ち、制動時特に高速走行から
の制動が続いた時には、ディスク102と一対のライニン
グ105,105との摺動部に多量の摩擦熱が発生し、ディス
ク102の強度が熱により急激に低下して該ディスク102に
偏摩耗や亀裂が生じ、寿命の低下を余儀無くされるとい
う難点がある。これに加えて、高温状態のディスク102
から車軸100に多量の熱が伝導されて、車軸100の強度及
び耐久性が低下すると共に、車軸100と車輪101との結合
部が損傷するといった不具合をも生ぜしめる。
一方、第10図に示す型式のブレーキ装置によるにして
も、ディスク111a,111b及び車輪111が高温状態となるこ
とに起因して、上記と同様に、ディスク111a,111bの寿
命の低下、車軸110への多量の熱伝導による車軸強度の
低下、車軸110と車輪111との結合部の損傷等の不具合を
生ずることとなる。
本発明は、上記諸事情に鑑みてなされたものであり、
ディスクの構成自体に改良を加えて当該ブレーキ装置の
高温化をできるだけ防止するのはもとより、高速走行か
らの制動時に当該ブレーキ装置の構成要素が高温状態と
なっても他の部位への熱伝導を可及的軽減させ得るよう
にすることを技術的課題とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記技術的課題を解決するための具体的手段とすると
ころは、鉄道車両の車軸に伝達装置を介して取付けら
れ、前記伝達装置に設けた回転軸部と共に回転する炭素
系複合材料からなる複数のロータ部材と回転不能に固定
された炭素系複合材料からなる複数のステータ部材とを
押圧部材の押圧によって摩擦による制動力を発生させる
鉄道車両用ディスクブレーキにおいて、前記回転軸部の
内部に小内径孔を形成し、この回転軸部をその内孔内に
嵌入して回転軸部と共に回転するブレーキ軸と、このブ
レーキ軸に前記ロータ部材が共に回転し且つ軸方向にの
み摺動自在となるように外嵌して設け、ケースに固定さ
れたキー部材に軸方向にのみ摺動自在となるように前記
ステータ部材を外嵌して設け、前記キー部材の外周にお
いて、ケース内周面とキー部材との間に隙間を形成する
ように金属環板を設け、前記回転軸部の小内径孔と前記
隙間とに、前記ステータ部材及びロータ部材に直接に吹
き掛けることなく、冷却用空気を導入する冷却空気導入
手段とを設けたことにある。
〔作用〕
上記手段によると、当該ディスクブレーキ装置は、押
圧部材による制動力の非作用時においては、車軸の回転
が伝達装置を介して伝達される回転軸部ひいてはブレー
キ軸と共に回転する複数枚のロータ部材が、キー部材に
取り付けられた複数枚のステータ部材に対して自由に回
転することとなるが、その一方において、押圧部材によ
る制動力の作用時においては、ロータ部材及びステータ
部材が軸方向一方側に摺動し且つ押し集められて該各部
材間は圧接した状態となり、この時に生じる摩擦によっ
てロータ部材のステータ部材に対する相対回転が阻止さ
れる。つまり、ステータ部材が取り付けられているキー
部材は、台車に支持される伝達装置等の車両側部材に対
して固定状態とされるものであるため、上記のようにロ
ータ部材のステータ部材に対する相対回転が阻止された
場合には、ロータ部材と共に回転するブレーキ軸ひいて
は回転軸部に伝達装置を介して回転伝達可能に接続され
ている車軸の回転が止まることになる。
そして、本発明は、炭素系複合材料からなる複数枚の
ロータ部材と炭素系複合材料からなる複数枚のステータ
部材及び押圧部材とからなる多板式のディスクブレーキ
装置を牽引車両に採用したことにより、当該車両の高速
走行からの制動時に発生する熱は前記複数枚のロータ部
材及びステータ部材の各相互間の摩擦熱に分散されて、
個々の部材についての発熱量が大幅に軽減される。
更に、本発明は、前記多板式のディスクブレーキ装置
のブレーキ軸に形成した内孔内に、車軸に伝達装置を介
して回転伝達可能に接続されその内部に小内径部を形成
した回転軸部を嵌入し、且つ該内孔とケース内周面とキ
ー部材との間に形成された隙間に冷却用空気を導入する
ように構成したので、近年における鉄道車両の高速化に
伴って、仮に当該車両の高速走行からの制動時に前記ブ
レーキ装置のロータ部材及びステータ部材が高温状態と
なったとしても、前記小内径孔や隙間に冷却空気導入手
段によって冷却用空気が導入されるので、これによって
ロータ部材及びステータ部材の外周に溜まった摩擦熱や
回転軸部に伝わった摩擦熱が冷却される。尚、前記内孔
や隙間に導入された冷却用空気は、別途設けられた排出
通路から大気中に排出される。これにより、ロータ部材
とステータ部材との間で発生した摩擦熱がブレーキ軸し
いては回転軸部に伝導されるといった事態は可及的軽減
され、これらの軸を回動自在に保持している軸受の損傷
等が回避されることとなる。又、ロータ部材及びステー
タ部材に炭素系複合材料を用いたことによって、軽量,
高弾性,異方性の少ない微細組織,優れた摺動性及び耐
耗性が得られる。
更に、炭素系複合材料に直接に多量の冷却用空気を接
触させると、酸化により風化して使用できなくなるが、
この発明では前記のように、回転子軸部の小内孔やケー
ス内周面とキー部材との間に金属環板によって形成した
隙間に冷却用空気を導入して冷却するように構成したの
で、冷却用空気が前記ロータ部材及びステータ部材に直
接に接触することなく、ロータ部材及びステータ部材の
より一層の耐久性が向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図乃至第8図に基づいて
説明する。
先ず、第1図に示す概略構成に基づいて、本発明に係
るディスクブレーキ装置1の取付状態を説明すると、牽
引車両における台車50の下方には軸バネ(不図示)を介
して軸箱51,51が取り付けられていると共に、この軸箱5
1,51に車軸2の両端が回動自在に保持され、且つこの車
軸2に一対の車輪53,53が圧入されている。そして、台
車50の突出フレーム50aと車軸2とにまたがって伝達装
置3が保持されており、この伝達装置3の一側面(当該
装置3のケースの一側面)にはブラケット4,4を介して
ディスクブレーキ装置1が固設されている。前記伝達装
置3は、ディスクブレーキ装置1の構成要素であるブレ
ーキ軸9(後述する)と共に回転する回転軸部30に車軸
2の回転を伝達させるための歯車伝達機構を内蔵してい
る。
次に、前記ディスクブレーキ装置1の細部にわたる構
造を、第2図及び第3図に基づいて説明する。
このディスクブレーキ装置1は、前記伝達装置3にブ
ラケット4,4を介して固定されたドラム状のケース7を
有し、該ケース7の内周面部には複数のキー部材8…8
が固定されていると共に、該ケース7の内方中心部には
前記回転軸部30が挿入されている。そして、この回転軸
部30は、内孔90を有するブレーキ軸9に嵌入され且つピ
ン91を用いて固定されており、該内孔90と回転軸部30外
周との間には冷却空間92が形成されている。更に、前記
回転軸部30は、左端が開口する小径内孔31を有してお
り、該小径内孔31はフィルター62を介して大気に連通さ
れ且つ通孔32…32を介して前記冷却空間92に連通されて
いる。従って、この実施例においては、前記回転軸部30
の小径内孔31と通孔32とが、冷却空間92に冷却用空気を
導入するための空気連通路とされている。
一方、前記ブレーキ軸9の外周には、該ブレーキ軸9
と共に回転し且つ軸方向(第2図a−b方向)に摺動自
在な二枚のロータ部材10,10が取り付けられ、また前記
キー部材8…8の内周には、軸方向にのみ摺動自在な三
枚のステータ部材11…11が取り付けられている。詳述す
れば(第3図参照)、前記ブレーキ軸9には等角度間隔
で外方に突出する複数の凸条9a…9aが軸方向に沿うよう
に一体形成されていると共に該ブレーキ軸9の外形と同
形状の貫通孔10aが前記ロータ部材10の中心部に形成さ
れ且つこの両者が嵌合されることによりロータ部材10が
ブレーキ軸9と共に回転し而も軸方向に摺動自在とされ
ているのに対し、前記キー部材8…8は等角度間隔毎に
配設されてケース7に固定支持されていると共にこれら
のキー部材8…8の外形と同形状の切欠分11a…11aがス
テータ部材11の外周縁に形成され且つこの両者が嵌合さ
れることによりステータ部材11がキー部材8…8に対し
て軸方向にのみ摺動自在とされている。この場合、前記
ロータ部材10とステータ部材11とは軸方向に交互に配設
されており、ロータ部材10の外周面10bとキー部材8…
8の内周面との間、及びステータ部材11の内周面11bと
ブレーキ軸9の外周面との間には、僅かな隙間が存在し
ている。尚、前記ロータ部材10及びステータ部材11の枚
数は、第2図示のものに限定されるものではなく、これ
以上或いはこれ以下の枚数であっても差し支えない。
更に、第2図に示すように、前記各部材のうちの左端
に配設されたステータ部材11の左側方には熱強度,伝導
性の良い金属材料でなるリング状の加圧プレート12が近
接配置されており、この加圧プレート12は前記ステータ
部材11と同様にしてキー部材8…8に軸方向に摺動自在
に嵌合されていると共に、前記各部材のうちの右端に配
設されたステータ部材11の右側方には前記加圧プレート
12と同様の金属材料でなるリング状のストッパプレート
13が配置されており、このストッパプレート13はその右
側面がケース7の右側壁7a内面に当接した状態で前記キ
ー部材8…8に堅固に固定されている。また、前記複数
のキー部材8…8には、ロータ部材10,10及びステータ
部材11…11の外周部を全周にわたって覆うように薄肉の
金属環板63(例えばステンレス製)が取り付けられてい
る。従って、ロータ部材10,10及びステータ部材11…11
の両側方及び外周は、前記加圧プレート12とストッパプ
レート13と金属環板63とにより覆われた状態となってい
る。この場合、前記加圧プレート12には、第4図に示す
ように、その一側面に多数の溝12x…12xが放射状に形成
されている(符号12y…12yは凸部、符号12a…12aはピス
トン15先端が当接する平坦部、符号12b…12bはピストン
ロッド21が嵌入される孔部、符号12c…12cはキー部材8
が嵌合される切欠部を示す)。また、前記ストッパプレ
ート13にも、第5図に示すように、多数の溝13x…13xが
放射状に形成されている(符号13y…13yは凸部、符号13
c…13cはキー部材8が嵌合される切欠部を示す)。更
に、前記金属環板63には、第6図に示すように、多数の
貫通孔63x…63xが形成されている(符号63y…63yはリベ
ット等の固定部材を示す)。そして、第2図に示すよう
に、ケース7の右側壁7aとストッパプレート13との間の
隙間(溝13x)は、ブレーキ軸9の右端部に穿設された
通孔93を介して前記冷却空間92に通じていると共に、ケ
ース7の左側壁7bと加圧プレート12との間の隙間14x
は、ブレーキ軸9の左端部に穿設された通孔94を介して
前記冷却空間92に通じている。また、前記金属環板63と
ケース7内周面との間の隙間Wは、空気排出口66を介し
て大気に通じており、この空気排出口66の内方にはフィ
ルター66aが装着されている。
一方、前記ケース7の左側壁7bはボルト57…57を用い
て取り外し可能に固定されており、該左側壁7bには、そ
の先端が前記加圧プレート12に当接する複数個のピスト
ン(押圧部材)15…15が軸方向に摺動自在に嵌合保持さ
れていると共に、該ピストン15の後面に液圧(例えば油
圧)を作用させる液圧室16が形成されている。そして、
該液圧室16は第3図示のように液圧通路17を介して液圧
供給口18(液圧源に通じている)に連通されている。
更に、前記ケース7の左側壁7bには、複数の隙間調整
機構19…19が設けられている。この隙間調整機構19は、
第2図に示すように、圧縮コイルバネ20により左方に付
勢されたピストンロッド21と、該ピストンロッド21の段
付面が当接してその左動を規制するストッパ板22と、該
ストッパ板22に固定されたリテーナ23の右動を規制する
フリクションリング24とを有する。そして、前記ピスト
ンロッド21の右端部は前記加圧プレート12に固定されて
おり、従って加圧プレート12は前記圧縮コイルバネ20に
より左方に付勢された状態にある。また、前記フリクシ
ョンリング24は所定力以上の力が作用することにより左
右動し、この左右動に応じて、前記ピストンロッド21に
嵌着された鍔部材25と前記リテーナ23との間の隙間Xつ
まりピストンロッド21の移動範囲が変化するようになっ
ている。
尚、この実施例においては、第1図に示すように、当
該ディスクブレーキ装置1の重量を受止している伝達装
置3が台車50と車軸2とにまたがって保持されている関
係上、台車50(突出フレーム50a)と伝達装置3との連
結支点Zから車軸2までの寸法をl1、連結支点Zからブ
レーキ軸9までの寸法をl2とすれば、車軸2に対するデ
ィスクブレーキ装置1の重量の負担W1はl2/l1となる。
この場合、ディスクブレーキ装置1は、その重量が比較
的軽い場合には上記のように伝達装置3に固設すればよ
いが、その重量が重い場合には台車50(突出フレーム50
a)に固設することも可能である。
また、この実施例においては、第2図及び第3図に示
すロータ部材10及びステータ部材11が双方共に、C/Cコ
ンポジットで構成されている。このC/Cコンポジット(C
arbon/Carbon Composites)は、炭素繊維をレジン、ピ
ッチ等で結合強化した後に炭化及び黒鉛化熱処理を行っ
て製造された炭素繊維/炭素複合材料である。そして、
第7図に示すように、その温度特性は、鋼が符号(イ)
で示す特性曲線を有するのに対し、C/Cコンポジットは
符号(ロ)で示す特性曲線を有する。つまり、C/Cコン
ポジットは、高温状態にある場合においても常温と変わ
らぬ或いはそれ以上の引張強度を有するのである。これ
以外にも、C/Cコンポジットの特性としては、軽量、高
弾性、異方性の少ない微細組織、優れた摺動性及び耐摩
耗性等が挙げられる。
次に、上記実施例の作用を説明する。
当該牽引車両の走行時には、車軸2の回転が伝達装置
3(歯車伝達機構)を介して回転軸部30及びブレーキ軸
9に伝達されて、ロータ部材10,10が回転することにな
るが、この場合には、ピストン15の後面を液圧室16が無
圧状態となっているため、該ピストン15が加圧プレート
12を第2図右方へ押圧するための力は発生せず、従って
前記ロータ部材10,10はステータ部材11…11に対して自
由に回転できることとなる。一方、ブレーキ指令が発せ
られた時には、前記液圧室16が加圧状態となり、これに
伴ってピストン15が右方へ移動して加圧プレート12を押
圧し且つロータ部材10,10及びステータ部材11…11をス
トッパプレート13に対して押し付け、この時に生じるロ
ータ部材10,10とステータ部材11…11との各相互間の摩
擦によって、ロータ部材10,10、ブレーキ軸9、回転軸
部30及び車軸2の回転が止まる。そして、ブレーキ指令
が解除された場合には、前記液圧室16が無圧状態とな
り、加圧プレート12は隙間調整機構19の圧縮コイルバネ
20のバネ力により左方へ移動して当初の状態に復帰す
る。
この場合において、前記車両の制動時に発生する熱
は、ロータ部材10,10とステータ部材11…11との各相互
間に発生する複数箇所の摩擦熱として分散されることに
なるので、個々の部材10,10,11…11についての発熱量は
大幅に軽減されることになる。
更に、この場合においては、ケース7の左側壁7bに装
着されたフィルター62を介して回転軸部30の小径内孔31
に流入した冷却用空気は、第2図に矢印で示すように通
孔32を通過して冷却空間92に導入され、この冷却空間92
にてブレーキ軸9及び回転軸部30に対して所要の冷却作
用を行った後、通孔93,94を通過して隙間13x,14xに流入
し、更に隙間Wに流入した後にフィルター66aを介して
空気排出口66より大気中に排出される。このように、冷
却用空気が前記冷却空気92においてブレーキ軸9及び回
転軸部30を冷却することにより、仮に高速走行からの制
動時にロータ部材10,10及びステータ部材11…11が高温
状態となったとしても、回転軸部30への熱伝導は可及的
抑制される。これにより、回転軸部30の高温化に伴う種
々の弊害、例えば回転軸部30の左端部を回動自在に保持
している軸受95の早期損傷や、該回転軸部30の右端部を
回動自在に保持している伝達装置3内の軸受(不図示)
の早期損傷等が効果的に防止される。
尚、上記のようにして冷却用空気がケース7内を流れ
る際には、既述のように表面積が広くなっている加圧プ
レート12及びストッパプレート13と金属環板63とから放
熱が行われて、ロータ部材10,10及びステータ部材11…1
1の過度な温度上昇が防止されると共に、ロータ部材10,
10及びステータ部材11…11がC/Cコンポジットで構成さ
れるので、各部材相互間の摺動により発生した粉塵が金
属環板63の貫通孔63x…63xを介して隙間Wに流出し且つ
空気排出口66内方のフィルター66aにより捕集される。
第8図は、本発明の他の実施例を示すものであり、既
述の実施例と共通の構成要件については同一符号を付し
てその説明を省略する。
同図に示すように、当該他の実施例が既述の実施例と
異なるところは、ブレーキ軸9と回転軸部30とを固定す
るピン91の配設位置を変更した点と、ブレーキ軸9が軸
受95により保持されている点(既述の実施例では回転軸
部30が軸受95に保持されている)と、ブレーキ軸9の内
孔を大径内孔90aと小径内孔90bとから構成した点と、回
転軸部30の左端面とブレーキ軸9の内端面との間に隙間
を形成し且つこの隙間を空気通路とした点とである。従
って、フィルター62を介してブレーキ軸9の小径内孔90
bに流入した冷却用空気は、矢印で示す経路を通過して
冷却空間92に導入されると共に、通孔93,94を介して隙
間13x,14xに流出していくことになる。そして、この実
施例においても、冷却用空気が冷却空間92を通過する際
にブレーキ軸9及び回転軸部30を好適に冷却することに
なるので、ロータ部材10,10及びステータ部材11…11相
互間で発生した摩擦熱がブレーキ軸9及び回転軸部30に
伝導される度合が可及的軽減され、この両軸9,30の高温
化に伴う種々の弊害が効果的に防止されることとなる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、牽引車両に取り付けら
れるブレーキ装置として、炭素系複合材料からなる複数
枚のロータ部材と複数枚のステータ部材とを有してなる
多板式のディスクブレーキ装置を用いたことにより、当
該車両の制動時に発生する熱が、前記各部材相互間の複
数箇所にて生じる摩擦熱となって分散されることにな
り、各部材の発熱量が軽減されて、偏摩耗の発生や寿命
の低下等の不具合が回避されると共に、当該装置のレイ
アウトの簡素化や取付性の容易化等をも図り得るという
利点が得られることとなる。
そして、特に本発明によれば、前記ロータ部材が取り
付けられているブレーキ軸の内孔に、車軸の回転が伝達
装置を介して伝達される回転軸部を嵌合すると共に、回
転軸の小内径孔及びケース内周面と金属環板との隙間に
対して冷却用空気を導入する空気連通路を形成したか
ら、前記冷却空間に導入される冷却用空気の作用により
ブレーキ軸ひいては回転軸部が好適に冷却されることに
なり、これによりロータ部材及びステータ部材相互間で
発生した摩擦熱の他の部位への伝導が可及的軽減される
と共に、前記ブレーキ軸ひいては回転軸部の高温化に伴
う種々の弊害(例えば軸受の損傷等)が回避される。ま
た、従来のように摩擦熱が車軸に伝導されるといった不
具合は確実に回避されることになる。又、ロータ部材及
びステータ部材に炭素系複合材料を用いたことによっ
て、軽量,高弾性,異方性の少ない微細組織,優れた摺
動性及び耐耗性が得られる。
更に、炭素系複合材料に直接に多量の冷却用空気を接
触させると、酸化により風化して使用できなくなるが、
この発明では前記のように、回転子軸部の小内孔やケー
ス内周面とキー部材との間に金属環板によって形成した
隙間に冷却空気を導入して冷却するように構成したの
で、ロータ部材及びステータ部材のより一層の耐久性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は本発明の一実施例を示すもので、第
1図は鉄道車両用ディスクブレーキ装置の取付状態を示
す概略平面図、第2図は鉄道車両用ディスクブレーキ装
置の内部構造を示す要部縦断正面図、第3図は鉄道車両
用ディスクブレーキ装置の内部構造を示す要部縦断側面
図、第4図は加圧プレートの単体側面図、第5図はスト
ッパプレートの単体側面図、第6図はキー部材に金属環
板が取り付けられた状態を示す斜視図、第7図はC/Cコ
ンポジットの特性を示すグラフである。また、第8図は
本発明の他の実施例を示すもので、鉄道車両用ディスク
ブレーキ装置の内部構造を示す要部縦断正面図である。
更に、第9図は一の従来例を示す概略平面図、第10図は
他の従来例を示す概略平面図である。 1…ディスクブレーキ装置 2…車軸 3…伝達装置 8…キー部材 9…ブレーキ軸 10…ロータ部材 11…ステータ部材 15…押圧部材(ピストン) 30…回転軸部 90…内孔 90a…内孔(大径内孔) 92…冷却空気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−43073(JP,A) 特公 昭41−5210(JP,B1) 特公 昭39−25912(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道車両の車軸に伝達装置を介して取付け
    られ、前記伝達装置に設けた回転軸部と共に回転する炭
    素系複合材料からなる複数のロータ部材と回転不能に固
    定された炭素系複合材料からなる複数のステータ部材と
    を押圧部材の押圧によって摩擦による制動力を発生させ
    る鉄道車両用ディスクブレーキにおいて、 前記回転軸部の内部に小内径孔を形成し、 この回転軸部をその内孔内に嵌入して回転軸部と共に回
    転するブレーキ軸と、 このブレーキ軸に前記ロータ部材が共に回転し且つ軸方
    向にのみ摺動自在となるように外嵌して設け、 ケースに固定されたキー部材に軸方向にのみ摺動自在と
    なるように前記ステータ部材を外嵌して設け、 前記キー部材の外周において、ケース内周面とキー部材
    との間に隙間を形成するように金属環板を設け、 前記回転軸部の小内径孔と前記隙間とに、前記ステータ
    部材及びロータ部材に直接に吹き掛けることなく、冷却
    用空気を導入する冷却空気導入手段とを設けたことを特
    徴とする鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
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