JP2566234Y2 - 自動給水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は自動給水装置、更に詳し
くは、吐水開始後に所定条件が成立すると、自動的に吐
水停止させる制御装置を備えてなる自動給水装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】給水装置には、吐出口の位置により吐出
水の使用態様が異なるものがあり、例えば吐出口の向き
を浴槽側と、洗い場側若しくは浴槽に隣接させて設けた
洗面器側に変えて、浴槽へのお湯張りのための用途と、
洗顔、洗体用の湯を吐出するための用途に兼用する形式
の浴室用混合栓等がこの種の給水装置に属する。 ところ
が、上記のような浴室用混合栓は、予め設定された所定
量の湯、水を吐水して自動的に吐水を停止する自動給水
装置に構成した場合、設定吐水量をお湯張り用に固定す
ると洗顔や体を洗う用途には使えず、逆に洗顔用等に固
定するとお湯張り用には使えなくなるため、開閉弁を手
動操作により開閉させるもの以外には提供されていな
い。即ち、この種の給水装置としては自動給水装置は提
供されていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】もっとも、上記浴室用
混合栓等のような給水装置でも、予め設定された所定量
の湯、水を吐水して自動的に吐水を停止する形式で、ボ
タン操作などにより設定吐水量を任意に設定できる設定
器を装備する構造として、混合栓使用の都度その使用目
的に応じて吐水量を設定できるようにすることも可能で
はあるが、使用の都度用途に応じた吐水量を設定器で設
定する操作が必要になり、操作が面倒になるばかりでな
く、制御回路も複雑になるため製品コストの上昇をもた
らす。本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので、
その目的とする処は、給水装置を使用する都度、面倒な
ボタン操作等により、吐出量を設定しなくても、吐出水
の使用態様に応じた、所定量の吐水を行って自動的に吐
水を停止することができるようにすることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案の自動給水装置では、吐水開始後に所定条件が
成立すると、自動的に吐水停止させる制御装置を備えて
なる自動給水装置において、位置変更可能な吐出口の位
置が、第１の位置の場合、吐出水を受ける部分が第１の
形態であり、第２の位置の場合、吐出水を受ける部分が
第２の形態であり、第１、第２の形態は、吐出水を使用
する態様が互いに異なるように構成されると共に、吐出
口の位置を検知する検知手段を設け、前記制御装置を、
前記第１、第２の位置に応じて、異なる前記所定条件を
有するように構成するものである。

【０００５】

【作用】以上のように構成した自動給水装置にあって
は、吐出口を動かして、吐出口を第１の位置若しくは第
２の位置の内、所望の位置に向ければ、その吐出口の位
置 での吐出水の使用態様に応じた吐水停止のための所定
の条件が自動的に設定され、吐水開始後は上記所定条件
が成立したところで自動的に吐水が停止される。

【０００６】

【実施例】以下、図に基づいて本考案の実施の一例を説
明する。図は本考案発明の自動給水装置を浴室用混合栓
に実施した場合を示しており、図中Ａは混合栓の本体
で、順次連絡する湯水混合部ａ、量水部ｂ、開閉部ｃか
らなり、浴槽Ｄの洗い場Ｅに隣接する上縁面部１に設置
され、湯水混合部ａの温度設定ハンドル２と、開閉部ｃ
の出口３に接続されるスパウトｄとを上縁面部１表面側
に、その他の部分を上縁面部１裏面に配置している。

【０００７】上記湯水混合部ａはワックス型感温器４
と、該感温器４のワックスの熱膨張、収縮により作動さ
れて湯側、水側の開度比を可変する湯水混合弁５を備え
る従来周知のサーモスタットミキシングバルブからな
り、混合弁５の湯側、水側夫々の一次側を夫々逆止弁
６、ストレーナ７及び止水栓８を備える給湯管９、給水
管10に接続し、二次側を上記感温器４を収容した混合室
11を経由する混合流路12介して量水部ｂに連絡してい
る。

【０００８】量水部ｂは、一方が上記湯水混合部ａの混
合流路12出口に連絡し、他方が連結管13を介して開閉部
ｃの入り口14に連絡する管路状に形成され、その途中に
水量センサ15と定流量弁16を装備している。水量センサ
15は量水部ｂにおいて流路17内に配備されて流水により
回転する羽根車18に取り付けた磁石15a と流路17外周面
の適所に配備され上記磁石15ａの磁界の切り替わりを検
知するＭＲセンサ15b からなり、羽根車18の回転による
磁界の切り替わりをＭＲセンサ15b が検知する都度信号
を発生する。

【０００９】開閉部ｃは、出口19が浴槽Ｄの上縁面部１
を貫通して上縁面部１表面側に突出状に開口してスパウ
トｄを回転自在に接続しており、前記連結管13を接続し
た入口14と上記出口19との間には電磁弁20を装備してい
る。また、開閉部ｃは上記スパウトｄの吐出口d1が向い
ている方向、即ち吐出口の位置を検知する位置検知セン
サ21を備えている。

【００１０】上記電磁弁20は、従来周知のダイヤフラム
式の電磁弁であり、後述する制御装置Ｂからの出力によ
り開弁し、出力の消滅により閉弁する。

【００１１】位置検知センサ21は、１個の磁石21a と２
個のＭＲセンサ21b 、21c からなり、スパウトｄを吐出
口d1と該吐出口d1の基部において吐出口d1に対して直角
方向に連続して形成された接続部d2とで構成して、接続
部d2を開閉部ｃの出口19に挿入して360 度もしくは180
度回転自在に接続し、この開閉部出口19に挿入された接
続部d2の周面に磁石21a を取り付けると共に開閉部ｃ側
の周面にはその相対位置２箇所にＭＲセンサ21b 、21c
を取り付け、スパウトｄが回転して吐出口d1が浴槽Ｄ側
に向いているときには一方のＭＲセンサ21b （浴槽用Ｍ
Ｒセンサ）が磁石21a の磁界を検知して検知信号を発生
し、吐出口d1が洗い場Ｅ側を向いているときには他方の
ＭＲセンサ21c （洗い場用ＭＲセンサ）が磁石21a の磁
界を検知して検知信号を発生するようになっている。

【００１２】一方、浴槽Ｄの上縁面部１表面には吐水ス
イッチ22、設定量増減操作スイッチ23、設定量表示部24
を有する操作パネルＣを一体的に備えたカバープレート
25が配置され、水栓本体Ａを上縁面１に取り付けること
により本体Ａに設けられて上縁面部１裏面に係止する段
部26と上縁面部１表面側から本体Ａに取り付けられる押
さえ部材27とにより上縁面１に締め付け固定されてい
る。

【００１３】吐水スイッチ22は押圧操作により吐水信号
を発生し、次の押圧操作により吐水信号を消滅するよう
になっている。また、設定量増減操作スイッチ23は設定
給水量をスイッチの押圧操作により増減させるもので、
設定量を増加させるプラス側スイッチ23a と設定量を減
少させるマイナス側スイッチ23b とからなり、夫々その
押圧操作により増加用の設定信号、減少用の設定信号を
出力する。

【００１４】表示部24は設定された設定給湯量をデジタ
ル表示するもので、その表示は制御装置Ｂにより表示制
御される。

【００１５】制御装置Ｂは、マイクロコンピュータから
なり、中央処理装置（ＣＰＵ）28と、入出力インターフ
ェース29 30 、と、メモリー31とで構成されて上記操作
パネルＣの裏面に一体に配備され、入力インターフェー
ス29には水量センサ15、位置検出センサ21、吐水スイッ
チ22、設定量増減操作スイッチ23が、出力インターフェ
ース30には電磁弁20のソレノイド20a 、表示部24が夫々
接続しており、メモリー31には上記電磁弁20、表示部24
を制御するためのプログラムを記憶させてある。

【００１６】この制御装置Ｂにおいては、吐出口d1の向
きにより給湯量の初期設定が予め定められており、吐出
口d1が浴槽Ｄ側を向いているときの初期設定量は例えば
250ｌ、洗い場Ｅ側を向いているときの初期設定量は例
えばほぼ洗面器一杯分に相当する10 ｌに設定されてい
る。

【００１７】そして、制御装置Ｂは吐水スイッチ22また
は設定量増減操作スイッチ23が押圧操作されると、位置
検出センサ21からの検知信号を入力し、その検知信号が
浴槽用21b 、洗い場用21c いずれのＭＲセンサからのも
のかを判別して、検知信号を発生したＭＲセンサに対応
する初期設定量を記憶し、かつ表示部24に表示する。即
ち、浴槽用ＭＲセンサ21b の検知信号を入力したときに
は設定量250 ｌ、洗い場用ＭＲセンサ21c の検知信号を
入力したときには設定量10 ｌを夫々記憶し、かつ表示
部24に表示する。

【００１８】尚、設定量を上記吐出口d1の向きにより設
定された250 ｌまたは10ｌ以上若しくは以下にしたいと
きには、設定量増減スイッチ23の１回の押圧操作によ
り、所定の範囲で設定量を所定量（吐出口の向きにより
10ｌまたは１ｌ）毎増減することができる。

【００１９】一方、吐水スイッチ22の投入信号の発生に
より、電磁弁20の電磁ソレノイド20a に出力を発生して
電磁弁20を開弁させ吐水を開始すると共に、水量センサ
15からの信号を入力してそのパルス数に基づいて給水量
を積算し、この積算値を設定給水量と比較して、積算流
量が設定給水量に達した時、電磁弁20への出力を消滅し
て電磁弁20を閉弁させ吐水を停止する。この時、吐水ス
イッチ22の投入信号も消滅させる。

【００２０】

【効果】本考案は以上のように構成したので、下記する
ような効果を奏する。 （１）．スパウトを回転させ、使用目的に応じて吐出口
を第１位置若しくは第２位置に向けるだけで、この吐出
口の位置に対応する吐出水を受ける部分の形態における
吐出水の使用態様に応じた吐水停止条件、例えば給水量
が自動的に設定されるので、予め設定された所定の条件
が成立すると自動的に吐水を停止する自動給水装置であ
るにも拘らず、例えば浴槽へのお湯張り用と、洗顔若し
くは洗体用等異なる吐出水の使用態様にも使用すること
ができ、しかも、吐出水の使用態様が変わる度操作部を
操作して設定量を設定し直すような繁雑な作業を必要と
しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案自動給水装置を浴室用混合栓に実施した
状態の全体構成を示すブロック図。

【図２】浴室用混合栓の具体的構造の一例を示す正面図
で、一切欠して示している。

【図３】平面図で浴槽の上縁面に取り付けた状態を示し
ている。

【符号の説明】

Ａ 混合栓の本体 Ｂ 制御装置 d1 吐出口 15 水量センサ 20 電磁弁 22 吐水スイッチ 21 位置検出センサ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】吐水開始後に所定条件が成立すると、自動
   的に吐水停止させる制御装置を備えてなる自動給水装置
   において、 位置変更可能な吐出口の位置が、 第１の位置の場合、吐出水を受ける部分が第１の形態で
   あり、 第２の位置の場合、吐出水を受ける部分が第２の形態で
   あり、 第１、第２の形態は、吐出水を使用する態様が互いに異
   なるように構成されると共に、 吐出口の位置を検知する検知手段を設け、 前記制御装置を、 前記第１、第２の位置に応じて、異なる前記所定条件を
   有するように構成したことを特徴とする自動給水装置。