JP2564947Y2 - バレルフェイス形ピストンリング - Google Patents

バレルフェイス形ピストンリング

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JP2564947Y2 JP1991063594U JP6359491U JP2564947Y2 JP 2564947 Y2 JP2564947 Y2 JP 2564947Y2 JP 1991063594 U JP1991063594 U JP 1991063594U JP 6359491 U JP6359491 U JP 6359491U JP 2564947 Y2 JP2564947 Y2 JP 2564947Y2
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piston ring
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一憲 日馬
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、優れた初期なじみ性
を有する内燃機関用バレルフェイス形ピストンリングに
関連する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼル機関用ピストンリン
グでは、シリンダ径に対するピストンの長さが短くなる
と、スカッフィングの原因となるピストンの首振り運動
が生じやすい。また、熱ひずみの大きいシリンダでは初
期なじみの期間にスカッフィングを起こすおそれがあ
る。スカッフィングを減少するため、すべり面にあらか
じめ丸みを与えたバレルフェイス形ピストンリングが採
用される。バレルフェイス形ピストンリングは、シリン
ダ壁上部に油膜形成を助長してシリンダ壁を破傷するお
それが少なく、初期なじみがつきやすくかつオイル消費
量を低減することができる。バレルフェイス形ピストン
リングのすべり面の丸みの度合いはリングの幅寸法に殆
ど無関係に一定の円弧で与えられる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】燃焼室に最も近い位置
でピストンのリング溝に装着されるピストンリング、特
にディーゼルエンジン用の圧力リングには、ガス窒化に
より表面処理したピストンリングを用いるため、シリン
ダ壁との良好な初期なじみ性を生ずることが必要とな
る。また、エンジンの運転中に、ピストンの往復運動に
伴ってピストンが角度1°程度の首振り運動を行うた
め、従来の圧力リングでは、ピストンの首振り運動への
追従が困難であり、シリンダ壁の上部では所望の厚さの
油膜が形成されない問題がある。従って、この考案は、
初期なじみ性に優れたバレルフェイス形ピストンリング
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この考案によるバレルフ
ェイス形ピストンリング(10、20)は、径方向に互いに
平行に形成されたリング下面(13、23)及びリング上面
(14、24)と、リング下面(13、23)とリング上面(1
4、24)との間に形成されたバレルフェイス形の外周面
(11、21)とを有する。外周面(11、21)は、テーパ面
部(12、22)と、テーパ面部(12、22)とリング上面
(14、24)との間に形成された上部円弧面(11a、21a)
と、テーパ面部(12、22)とリング下面(13、23)との
間に形成された下部円弧面(11b、21b)を備えている。
テーパ面部(12、22)のテーパ角度(θ)はリング下面
(13、23)からリング上面(14、24)に向かって内側に
傾斜して外周面(11、21)が縮径される。上部円弧面
(11a、21a)及び下部円弧面(11b、21b)は、それぞれ
同一曲率の円弧面又は円滑な連続する曲面を構成する異
なる曲率の複数の円弧面の組み合わせにより形成され
る。上部円弧面(11a、21a)の全ての曲率半径は下部円
弧面(11b、21b)の全ての曲率半径よりも大きい。上部
円弧面(11a、21a)とテーパ面部(12、22)との境界部
及び下部円弧面(11b、21b)とテーパ面部(12、22)と
の境界部はエッジなしに円滑に成形される。この考案の
実施例では、テーパ面部(12、22)のテーパ角度(θ)
は20’〜1°であり、テーパ面部の長さ(L1、L2)は
リング幅の1/3〜1/2である。
【0005】テーパ面部(12、22)のテーパ角度(θ)
はリング下面(13、23)からリング上面(14、24)に向
かって内側に傾斜して外周面(11、21)が縮径されるの
で、バレルフェイス形ピストンリング(10、20)はピス
トンの首振り運動にも十分に追従することができる。上
部円弧面(11a、21a)とテーパ面部(12、22)との境界
部はエッジが生じないように円滑に成形されるため、シ
リンダ壁面と円滑に摺動接触しかつ過剰量のオイルを掻
き上げないので、摩耗時又はピストンの首振り時に、シ
リンダ壁面と外周面(11、21)との間に好適な厚さの油
膜が形成される。また、下部円弧面(11b、21b)とテー
パ面部(12、22)との境界部はエッジが生じないように
円滑に成形されるため、良好な初期なじみ性が得られる
と共に、ピストンの首振り運動にもバレルフェイス形ピ
ストンリング(10、20)に過度な応力を発生させず、円
滑に追従させることができる。
【0006】
【実施例】以下、この考案によるバレルフェイス形ピス
トンリングの実施例を図1〜図4について説明する。図
1に示すように、この考案によるバレルフェイス形ピス
トンリング10は、径方向に互いに平行に形成されたリ
ング下面13及びリング上面14と、リング下面13と
リング上面14との間に形成されたバレルフェイス形の
外周面11とを有する。外周面11は、テーパ面部12
と、テーパ面部12とリング上面14との間に形成され
た上部円弧面11aと、テーパ面部12とリング下面1
3との間に形成された下部円弧面11bとを備えてい
る。図示の実施例では、上部円弧面11aの全ての曲率
半径は下部円弧面11bの全ての曲率半径よりも大きい
が、上部円弧面11a及び下部円弧面11bは、それぞ
れ同一曲率の円弧面又は円滑な連続する曲面を構成する
異なる曲率の複数の円弧面の組み合わせにより形成され
る。テーパ面部12はリング中心軸線に対して20’〜
1°のテーパ角度θで傾斜し、テーパ面部12の長さL
1はリング幅(B)の約1/3〜1/2に相当する。特
定の外周面11の形状では、理論計算値及び実験から例
えばテーパ角度θ=30’で油膜厚さが最適となり、オ
イル消費量を低減できることが判明した。テーパ角度θ
はリング下面13からリング上面14に向かって内側に
傾斜して外周面11が縮径され、テーパ面部12、上部
円弧面11a及び下部円弧面11bは図示しないシリン
ダ壁に摺接するため、上部円弧面11a及び下部円弧面
11bとテーパ面部12との各境界部は極力エッジが生
じないように円滑に成形される。
【0007】エンジンの稼動中に、ピストンは往復運動
に伴い角度約1°で首振り運動を行うが、バレルフェイ
ス形ピストンリング10では、テーパ面部12のテーパ
角度θはリング下面13からリング上面14に向かって
リング中心軸線に対して20’〜1°のテーパ角度θで
内側に傾斜して外周面11が縮径されるので、ピストン
の首振り運動にも十分に追従することができる。特に、
ディーゼルエンジンでは、運転の際の初期なじみ性に優
れ、全運転期間を通じて安定したオイル消費性能が得ら
れる。上部円弧面11aとテーパ面部12との境界部は
エッジが生じないように円滑に成形されるため、シリン
ダ壁面と円滑に摺動接触しかつ過剰量のオイルを掻き上
げないので、摩耗時又はピストンの首振り時に、シリン
ダ壁面と外周面11との間に好適な厚さの油膜が形成さ
れる。また、下部円弧面11bとテーパ面部12との境
界部はエッジが生じないように円滑に成形されるため、
良好な初期なじみ性が得られると共に、ピストンの首振
り運動にもバレルフェイス形ピストンリング10に過度
な応力を発生させず、円滑に追従させることができる。
下部円弧面11bとテーパ面部12との境界部はバレル
フェイス形ピストンリング10で最も外側に位置してシ
リンダ壁面に強く当接するため、境界部にエッジが形成
されると、初期なじみ性が著しく低下すると共に、適正
な厚さの油膜を形成することができない。
【0008】図3は、従来のバレルフェイス形ピストン
リングのオイル消費率を100%としてこの考案の実施
例によるバレルフェイス形ピストンリング10のオイル
消費率と比較するグラフである。図3に示すように、こ
の考案のバレルフェイス形ピストンリング10のオイル
消費量は従来のバレルフェイス形ピストンリングに比べ
て大幅に低下している。図4は、従来のバレルフェイス
形ピストンリングとこの考案の実施例によるバレルフェ
イス形ピストンリング10との200時間の運転により
得られたオイル消費率の変化を示すグラフである。図4
は、運転の初期段階からこの考案によるバレルフェイス
形ピストンリング10が従来のバレルフェイス形ピスト
ンリングに比べて顕著に低いオイル消費率を生ずること
及び運転時間の経過と共にさらに低下するが、50時間
経過前にほぼ一定のオイル消費率となることを示す。従
って、この考案によるバレルフェイス形ピストンリング
10が良好な初期なじみ性を備え、初期なじみ性の改善
によりならし運転の期間短縮が可能となることが理解さ
れよう。
【0009】図2は、図1の実施例のテーパ面部12よ
りリング幅Bに対し長さL2が大きいテーパ面部22を
有する外周面21を備えたこの考案による他の実施例の
バレルフェイス形ピストンリング20を示す。
【0010】
【考案の効果】前記のように、この考案によるバレルフ
ェイス形ピストンリングは、ピストンの首振り運動にも
十分に追従でき、好適な初期なじみ性が得られ、運転初
期を含み全運転期間を通じてオイル消費率を低減しかつ
安定化することができるので、エンジンの性能を向上す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この考案によるバレルフェイス形ピストンリ
ングの実施例を示す断面図
【図2】 他の実施例の断面図
【図3】 従来のバレルフェイス形ピストンリングとこ
の考案の実施例によるバレルフェイス形ピストンリング
のオイル消費率と比較するグラフ
【図4】 従来のバレルフェイス形ピストンリングとこ
の考案の実施例によるバレルフェイス形ピストンリング
との200時間の運転により得られたオイル消費率の変
化を示すグラフ
【符号の説明】
10・・バレルフェイス形ピストンリング、 11・・
外周面、 11a・・上部円弧面、 11b・・下部円
弧面、 12..テーパ面部、 13・・リング下面、
14・・リング上面、

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向に互いに平行に形成されたリング
    下面(13、23)及びリング上面(14、24)と、前記リン
    グ下面(13、23)と前記リング上面(14、24)との間に
    形成されたバレルフェイス形の外周面(11、21)とを有
    するピストンリング(10、20)において、 前記外周面(11、21)は、テーパ面部(12、22)と、該
    テーパ面部(12、22)と前記リング上面(14、24)との
    間に形成された上部円弧面(11a、21a)と、前記テーパ
    面部(12、22)と前記リング下面(13、23)との間に形
    成された下部円弧面(11b、21b)を備え、 前記テーパ面部(12、22)のテーパ角度(θ)は、前記
    リング下面(13、23)から前記リング上面(14、24)に
    向かって内側に傾斜して前記外周面(11、21)が縮径さ
    れ、 前記上部円弧面(11a、21a)及び前記下部円弧面(11
    b、21b)は、それぞれ同一曲率の円弧面又は円滑な連続
    する曲面を構成する異なる曲率の複数の円弧面の組み合
    わせにより形成され、 前記上部円弧面(11a、21a)の全ての曲率半径は前記下
    部円弧面(11b、21b)の全ての曲率半径よりも大きく、 前記上部円弧面(11a、21a)と前記テーパ面部(12、2
    2)との境界部及び前記下部円弧面(11b、21b)と前記
    テーパ面部(12、22)との境界部はエッジなしに円滑に
    成形されることを特徴とするバレルフェイス形ピストン
    リング。
  2. 【請求項2】 前記テーパ面部(12、22)のテーパ角度
    (θ)は20’〜1°である請求項1に記載のバレルフ
    ェイス形ピストンリング。
  3. 【請求項3】 前記テーパ面部の長さ(L1、L2)はリン
    グ幅の1/3〜1/2である請求項1又は請求項2のい
    ずれか1項に記載のバレルフェイス形ピストンリング。
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