JP2564405B2 - 知識獲得方法並びにプロセス運転支援方法 - Google Patents

知識獲得方法並びにプロセス運転支援方法

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JP2564405B2
JP2564405B2 JP1271677A JP27167789A JP2564405B2 JP 2564405 B2 JP2564405 B2 JP 2564405B2 JP 1271677 A JP1271677 A JP 1271677A JP 27167789 A JP27167789 A JP 27167789A JP 2564405 B2 JP2564405 B2 JP 2564405B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般プロセスの運転支援制御にかかわり、
特に、ファジィ応用システムのためのファジィルール自
動獲得、並びにそれを利用した運転支援と制御に関す
る。
〔従来の技術〕
従来のプロセス制御法として、プロセスの数学的モデ
ル化が構築困難な場合には、人間の思考をモデル化する
方法が用いられる。この方法のひとつにファジィ論理を
応用した方法が知られている。ファジィ論理を応用する
場合には、人間のあいまいな感覚を定量的に取り扱うこ
とがポイントになり、この定量化関数をメンバーシップ
関数という。また、あいまなルール(知識)を用いて、
推論を行ない、人間のようにあいまいな結論を導くこと
ができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ファジィ応用システムでは、ポイントとなるメンバー
シップ関数の設定は試行錯誤に異存しており、論理的な
決定方法は確立されていない。また、ファジィルールに
ついてもあいまいな「もし…ならば…せよ」といった関
係を確信度を用いて表現(これを「確信度付きファジィ
ルール」という)するが、この方法はオペレータへのイ
ンタビューを通してなされている。このようにして得ら
れたメンバーシップ関数と確信度付きファジルールは両
者がうまく調和しないと制御への応用が困難である。
このため、システム運用前には前述の作業に経験と多
大の労力とを必要とする。さらに、システム運用後には
メンバーシップ関数とファジィルールの追加、削除、改
良などソフトウェアメンテナンスにも多大の労力を要す
る。
一例として下水処理場では、オペレータはプラントの
操作を行なう際、過去の経験と運転実績に着目すると共
に、現時点の状況を踏まえて行なっており、煩雑で継続
的な監視と手動制御が不可欠であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、未知のメンバーシップ関数の確信度付きフ
ァジィルールとの内、メンバーシップ関数を人間が設定
すると、確信度付きファジィルールが自動生成すること
を第1の目的とし、これらを利用した運転支援制御を行
なうことを第2の目的とする。これを達成するために、
ニューラルネット(神経回路モデル)を利用する。
本発明では、過去の実績に基づくプラント評価と操作
(制御)をニューラルネット行なうことを特徴とする。
本発明では、具体的には、入力層と少なとも1層の中
間層及び出路層を有する階層構造の神経回路モデルを用
い、入力層にプロセスの過去を任意の時刻tにおける計
測値とそれより過去にさかのぼって複数時点での計測値
と操作量をメンバーシップ値に変換して入力し、教師信
号値には、プロセスの前記時刻tにおける操作量をメン
バーシップ値に変換したものを用いて、神経回路モデル
の出力層からの出力値と教師信号値との差が小さくなる
ように重み係数の大きさを修正することにより入力値と
教師信号値との関係を学習する。
そして、学習済みの前記神経回路モデルの入力層から
中間層に至る重み係数と中間層から出力層に至る重み係
数とに基づいて、入力信号と教師信号との間の知識をフ
ァジィルールとして獲得する。
得られたファジルールに基づき、推論を実行し運転操
作を支援または制御する。
〔作用〕 本発明では、ニューラルネットによる学習・予測能力
をファジィ制御における確信度付きファジィルールの自
動獲得方法とその利用に適用した。
本発明では、予め設定したメンバーシップ関数を用い
て変換されたメンバーシップ値をニューラルネットに入
力し、過去の履歴を学習するようにしたので、オペレー
タの持つあいまいな推理を自動的に行ない得るものであ
る。
〔実施例〕
本発明は、まず、過去の複数時点での外乱、プロ
セス状態量、評価量、プロセス操作量を、予め設定
したメンバーシップ関数でメンバーシップ値に変換し、
この変換値をニューラルネットに入力して〜の関係
を学習する。学習済みニューラルネットの重み係数分布
から、確信度付きファジィルールを導出し、これに基づ
き推論を実行し運転操作を支援または制御するものであ
る。この実行工程は以下のとおりである。
(1)メンバーシップ関数で〜の値をメンバーシッ
プ値に変換 (2)学習用ニューラルネットによる学習工程 (3)学習済みニューラルネットからの確信度付きファ
ジィルール獲得工程 (4)ファジィルール診断工程 (5)ファジィ推論工程 (6)学習済みニューラルネットの予測工程 (7)プロセス運転操作制御工程からなる。
本発明を下水処理プロセスに適用した実施例を第1図
を用いて説明する。
下水処理プロセスの構成と動作を以下に説明する。最
初沈殿池9では、流入下水中の浮遊物質の一部が重力沈
降により除去される。曝気槽15には最初沈殿池9から越
流した下水と返送汚泥管16P1からの返送汚泥が流入す
る。曝気槽15にはブロワー17から制御バルブ17A,17Bを
経て空気が供給され、下水と返送汚泥が混合攪拌され
る。返送汚泥(活性汚泥)は供給された空気中の酸素を
吸収し、下水中の有機物が分解されて最終沈殿池16に導
かれる。最終沈殿池16では活性汚泥の重力沈降により活
性汚泥が沈降し上澄水は放流される。最終沈殿池16内に
沈降した活性汚泥は引き抜かれて、大部分の活性汚泥
は、返送汚泥として返送汚泥ポンプ16C1から返送汚泥管
16P1を通して曝気槽15に返送される。残りは余剰汚泥と
して余剰汚泥管16P2と余剰汚泥ポンプ16C2により排出さ
れる。
次に計測器について説明する。最初沈殿池9、曝器槽
15、最終沈殿池16には各々計測器9M,15M,16Mが設置され
る。計測項目は、流入下水量、浮遊物質濃度、化学的酸
素要求量、pH、窒素濃度、アンモニア濃度、硝酸性窒素
濃度、亜硝酸性窒素濃度、リン濃度、溶存酸素濃度、汚
泥界面高さ(SVI:Sludge Volume Index,など)、並びに
微生物や浮遊性物質の画像情報などである。
続いて、予測運転制御装置80の構成を説明する。予測
運転制御装置80のコンピュータシステムであり本発明の
説明を容易にするために第1図には処理のフロー図を示
してある。まず、履歴パターンデータファイル71Fは計
測器9M,15M,16Mのデータを順次記憶し、選択されたデー
タ列をメンバーシップ変換工程69に出力する。メンバー
シップ変換工程69は〜の値をメンバーシップ値に変
換しこの信号を学習用ニューラルネット71に出力する。
予測用ニューラルネット72は学習用ニューラルネット71
から信号71S1と71S2を受けて信号72Sを出力する。一
方、ファジィルール獲得工程73は学習用ニューラルネッ
ト71から信号71S1と71S2を受ける。ファジィルール診断
工程74は交信手段46からの信号とファジィルール獲得工
程73から信号を受け、ファジィルール候補ベース60Bま
たはファジイルールベース60Aに記憶する。ファジィ論
理機構61はファジィルールベース60A,60Cからの信号を
受けて運転制御工程75に信号61Sを出力する。運転制御
工程75は信号61Sと信号72Sを受けて信号75Sを出力し、
余剰汚泥ポンプ16C2、返送汚泥ポンプ16C1、ブロワー1
7、制御バルブ17A,17Bを制御する。交信手段46はオペレ
ータ101の介在により履歴パターンデータファイル71F、
学習用ニューラルネット71、予測用ニューラルネット7
2、運転制御工程75及びファジィルール診断工程74と交
信する。なお、図中「ネットワーク」と記載されている
部分は後述する第5図の実線702に相当する多数の配線
(または情報の連絡経路)を示す。
次に、予測運転制御装置80の動作を説明する。
履歴パターンデータファイル71Fは、計測器9Mで計
測した外乱特性、計測器15Mで計測したプロセス状態
量、計測器16Mで計測したプロセス評価量、余剰汚
泥ポンプ16C2、返送汚泥ポンプ16C1、ブロワー17、制御
バルブ17A,17Bなどのプロセス操作量、以上〜の時
系列データを記憶する。
メンバーシップ変更工程69は、履歴パターンデータフ
ァイル71Fの中から自動的にまたは交信手段46からの指
示71Sにより、外管特性、プロセス状態量、プロ
セス評価量、プロセス操作量、以上〜の各々から
選択されたデータ列D1,D2,D3,D4を受け、メンバーシッ
プ値に変換する。各データ列は実際には複数の項目を含
むが、本実施例では説明を容易にするため代表の記号D1
〜D4で表すものとする。
学習用ニューラルネット71は変換されたメンバーシッ
プ値を用いて学習を実行し、実行結果71S1と71S2とが、
ファジィルール獲得工程73と予測用ニューラルネット72
とに出力される。
ファジィルール獲得工程73では71S1と71S2に基づいて
前記〜に関するファジィルール候補を記号または言
葉に変換する。ファジィルール診断工程74では、ファジ
ィルール獲得工程73で得たファジィルールを交信手段46
からの指示によりファジィルール候補ベース60Bまたは
ファジィルールベース60Aに格納する。ファジィ推論機
構61はファジィルールベース60Aと、あらかじめ入力し
たファジィルールベース60Cを受けて推論を実行し、運
転制御工程75に信号61Sを出力する。
一方、予測用ニューラルネット72では履歴パターンデ
ータファイル71Fの中から予測に必要なデータを選択し
て予測に使用する。予測結果の信号72Sは交信手段46に
表示すると共に、運転制御工程75に出力する。
運転制御工程75は予測信号72Sと信号61Sとを受け、信
号75Sを出力して余剰汚泥ポンプ16C、返送汚泥ポンプ
16C1、ブロワー17、制御バルブ17A,17Bなどのプロセス
操作量を制御する。同時に、制御目標値信号75Sを交信
手段46に表示して、必要に応じてオペレータ101の選択
により実際の制御量を補正する。補正値は再び出力す
る。
次に、第1図を用い本発明の動作を詳細に説明する。
説明には第2図以降を用いる。
まず、データを履歴パターンデータファイル71Fへ記
憶する方法について第2図を用いて説明する。時刻t=
0の履歴パターンデータD1(0)〜D4(0)を履歴パタ
ーンデータファイル71Fに記憶する。これを繰り返して
t=0,−1,−2,…のデータを順次記憶する。時間間隔は
例えば1時間であるがこの時間設定により本発明の実施
は制約を受けない。
メンバーシップ変換工程69を第3図を用いて説明す
る。第3図は予め設定したメンバーシップ関数の変換例
を表す。第3図ではD2の代表が溶存酸素濃度(以下DOと
略称する)の場合を例示し、DOの「高い」「普通」「低
い」という状態を各々メンバーシッ変換機能691H,691M,
691Lで変換して変換値D2H,D2M,D2Lとする。なお、変換
値D2H,D2M,D2Lを一括総称して記号でDF2と記す。変換機
能の横軸はプロセス状態量であるDOを示し、縦軸はそ
の度合いを0〜1の値で表す。一例としてメンバーシッ
プ変換機能691Lについて説明すると、DO値=0.5のメン
バーシップ値=0.9であり、このことは、DO値=0.5なら
ば0.9の度合い(メンバーシップ値)で「DOが低い」こ
とを表す。このようにして、全ての変数についてメンバ
ーシップ関数を予め定義しておき、データ例D1,D2,D3,D
4にメンバーシップ値に変換してDF1,DF2,DF3,DF4を得
る。なお、本例では「高い」「普通」「低い」の3つに
分類したが分類数は任意である。
続いて、学習工程における学習用ニューラルネット71
の動作を以下に説明する。学習用ニューラルネット71は
メンバーシップ値を受けて学習を実行する。このデータ
選択と学習方法を第4図を用いて以下に説明する。第4
図に示すように、DF1(すなわちD1H,D1M,D1L)〜DF4
(すなわちD4H,D4M,D4L)について任意の時刻t=t1
基準に過去にさかのぼってt1−1,t1−2,…をまず学習す
る。同様に、t=t2(t2≠t1)を基準にしてt2−1,t2
2,…のパターンデータを学習し、合計q個のパターンデ
ータを学習する。q個のパターン選択は過去の代表的な
パターンが望ましい。時刻tiは任意の時刻であるので、
常時学習を行えば新たな状況に対応する新たなファジィ
ルールを自動獲得できる。
学習はこれら一群のデータを入力用データと教師用デ
ータとに分けて行なう。第4図に示すように、入力層71
0には任意の時刻t(ただしt=t1,t2,…)におけるDF1
(t),DF2(t)と、時刻tから過去にさかのぼってDF
1(t−1)〜DF4(t−1)を順次入力する。ここで、
DF3(t−1),DF4(t−1)が追加されることに注意
されたい。以下t=t−2,t−3,…について同様であ
る。一方、教師層750には、DF3(t),DF4(t)を入力
する。学習は、入力層710、中間層720、出力層730、比
較層740、教師層750からなる構成の学習用ニューラルネ
ット71で行なう。
学習の信号処理方法を以下に第5図を用いて説明す
る。第5図の構成と信号処理方法とは、前述した入力デ
ータと教師層750の設定法を除いて公知である。すなわ
ち、第5図の構成と信号処理方法はRumelhartによって
考案された公知技術(詳細は文献:Parallell Distribut
ed Processing,MIT Press,Vol.1,(1986))を参照され
たい。
第5図の構成と動作を説明する。第5図で○は、積分
演算とシグモイド変換機能を有するニューロン素子モデ
ル701であり、○と○とを連結する実線702はニューロン
素子モデル701間の情報のやりとりがあることを示す。
ここで、各層は有限数のニューロン素子モデルからな
り、隣接する各層のニューロン素子モデル間が全て連結
される。中間層720は複数層あって良いが、本実施例で
は説明の簡単のため中間層の数が一つの例を示す。ま
た、第5図において出力層730、比較層740、教師層750
はDF3(t),DF4(t)の2つであるが、一般的な表現
として複数の場合を図示した。第5図の構成をニューラ
ルネット(神経回路モデル)と称する。
次に、ニューロン素子モデル701の基本演算を第6図
で説明する。入力層710に入力するデータDF1〜DF4の各
々の時系列を一括(全部でn個あるとする)して第6図
に示すようにn個の変数値Y1〜Ynと記す。入力された信
号値Y1〜Ynの各々に重み係数Wjiを乗じ、さらにこれら
を加算する演算(積和演算)を(1)式で計算する。
ここで、Yi(1):入力層(第1層)のYi値、Wji
(2←1):入力層(第1層)のi番目の変数から中間
層(第2層)のj番目のニューロン素子モデルへの重み
係数、Zj(2):中間層(第2層)のj番目のニューロ
ン素子モデルへの入力総和値である。
ニューロン素子モデル701では、Zj(2)の大小に応
じてここでの出力値を(2)式(シグモンド変換)で計
算する。
Yj(2)=1/(1−e-Zj(2)) …(2) (2)式の計算内容は第7図のような非線形変換であ
るが、線形変換を適用しても同等の効果がえられる。計
算値Yj(2)は、さらに出力層へ送られ、出力層でも同
様の計算を実行する。
次に、ニューラルネットでの計算方法の概要について
説明する。前述した変数値Yi(1)は第5図の入力層71
0に入力され、この信号値は中間層720のニューロン素子
モデルに出力される。中間層720のニューロン素子モデ
ルではこれら出力値Yi(1)と重み係数Wij(2←1)
との積和Zj(2)を(1)式で計算し、この大小に応じ
て出力層730への出力値Yj(2)を(2)式で決定す
る。同様にして、中間層720の出力値Yj(2)はさらに
中間層(第2層)720と出力層(第3層)730との重み係
数Wij(3←2)との積和Zj(3)を(3)式で計算す
る。
ここで、Yi(2):中間層(第2層)の値、Wji(3
←2):中間層(第2層)のi番目の変数からの出力層
(第3層)のj番目のニューロン素子モデルへの重み係
数、Zj(3):出力層(第3層)のj番目のニューロン
素子モデルへの入力総和値である。
さらに、Zj(3)の大小に応じて出力層730への出力
値Yj(3)を(4)式で計算する。
Yj(3)=1/(1−e-Zj(3)) …(4) このようにして、出力層の計算値Yj(3)が得られ
る。Yj(3)は本実施例でDF3(t)*,DF4(t)*で
あり、*はニューラルネットの出力信号を表す。
ニューラルネットでの学習手段を説明する。まず、比
較層740で出力層730の信号740Sと教師信号層750の教師
信号750Sとを比較する。例えば、出力信号730SであるDF
4(t)*と教師信号750SであるDF4(t)との大小が各
々比較される。両者の誤差が小さくなるように、重み係
数Wji(3←2)及びWji(2←1)の大きさを修正す
る。この修正を用いて再度(1)−(4)式の計算を実
行し新たなDF4(t)*値を得る。この繰返しにより誤
差があらかじめ決められた値以下になるまで続ける。最
初は重み係数は乱数の発生によりランダムに与えるの
で、誤差は大きいが、出力信号値は次第に教師信号値に
近づく。この時、(1)−(4)式において値が変更さ
れるのは重み係数値Wjiだけであるから、学習結果はWji
値の分布に反映していくことに注意されたい。なお、予
測工程ではこのWji値を用いる。
このように誤差を修正していく方法は誤差逆伝搬法と
よばれ、Rumelhartらによって考案された前記公知技術
を利用する。この学習方法は公知であるが、本発明は特
に、異なる複数時刻(t=t1,t2,t3,…tq)の履歴パタ
ーンデータ群をメンバーシップ値に変換後繰返し学習さ
せる。この時、教師信号がアナロゲ値であることに特に
注意されたい。この結果、オペレータの過去の経験に匹
敵するパターン把握能力がニューラルネットの各重み係
数Wjiに蓄積記憶され、オペレータの過去の経験学習と
同等の作用を持たせるようにした。
複数時刻t=t1,t2,t3,…tqにおける履歴パターンデ
ータ群の学習方法を以下に説明する。複数の履歴パター
ンデータ群は時刻tを任意に変えて学習する。この日
t1,t2,t3,…tqはオペレータが選択する場合と、自動的
に選択する場合とがあり、以下に両者を説明する。
オペレータが選択する場合とは、後で運転に反映させ
たいと考えるような、変数値Y1〜Ynの代表的なパターン
や後日参考にしたい異常時のパターンである。オペレー
タによる時刻の設定は交信手段46を介してマンマシン会
話により行う。例えば、1月の代表的パターンから12月
の代表的なパターンまで12パターンを各々学習する。特
に、代表的な流入水質の時に、最終沈殿池16の計測器16
Mで計測した処理水質(浮遊物質濃度,有機物濃度な
ど)が良好な(基準を最低満たしている)時のパターン
を学習する。つまり、処理が良好な時にはどのような操
作が行なわれたかを学習する。なお、異常時のみを選択
的に学習することができることは言うまでもない。異常
時学習は異常診断に好適である。
他方、自動的に行う場合には、事前にデータ列の統計
解析を行う。すなわち、統計解析により最も発生頻度が
高いパターンを求めて正常時の代表例とみなしてこれを
学習させ、一方で、発生頻度が低い場合を異常時のパタ
ーンの代表例とみなしてこれらを学習させる。なお、第
1図の実施例ではニューラルネットはひとつであるが、
正常時用ニューラルネットと異常時用ニューラルネット
とに分けて適用すればさらに効果的である。
次に、ファジィルール獲得工程73では71S1と71S2に基
づいて前記間のファジィルールを記号または言
葉に変換する。入力層710に設定する変数iと出力層730
に設定する変数jとに関するルールの確信度を(5)式
で計算する。なお、(5)式は数学的な解析により独自
に導かれた。
ここで、Ijiは確信度、mは中間層のニューロン素子
モデル数。
(5)式の決算は、入力層から出力層にいたるすべて
の経路の重み係数の積分をとる計算である。i番目の入
力とj番目の出力との関係を表すルールは、Ijiの確信
度に対応してそのルールが成立する。入力層と出力層と
の全ての組み合わせについてIjiを計算し、結果をファ
ジィルール候補として日本語に変換する。例えば、 [ファジィルール候補]:「i番目の入力値が大であれ
ばj番目の出力値は確信度Ijiで大きい。」 この変換は確信度Ijiが大きいルールから順に出力
し、次に示すように組み合わせたルール候補に変換する
こともできる。
[ファジィルール候補]:「i番目の入力値が大で、か
つk番目の入力値も大であればj番目の出力値は確信度
=(Iji+Ijk)/2で大きい。」 ファジィルール診断工程74では、ファジィルール獲得
工程73で得たファジィルール候補をオペレータ101と交
信手段46からの指示により妥当性を判定し、妥当と判断
された前記ファジィルール候補はファジィルールベース
60Aに記憶し、そうでないルールはファジィルール候補
ベース60Bに記憶する。一旦、ファジィルール候補ベー
ス60Bに記憶されたファジィルール候補でも複数回起こ
る場合には、生起回数をカウントして所定回数(例えば
2回)を越えたら、交信手段46によりオペレータ101に
再度問い合わせ、ファジィルール診断工程74を繰り返
す。
本実施例のファジィルールベースとしては、どのよう
な外乱、プロセス状態量の時、どのような評価量
となり、結果としてプロセスをどう操作すればよいか
という関係が得られる。
ファジィ推論機構61はファジィルールベース60Aとフ
ァジィルールベース60Cとを受けて推論を実行し、運転
制御工程75に信号61Sを出力する。ファジィルールベー
ス60Cはオペレータ101に対し従来手法であるインタビュ
ーによって予め獲得したプロダクションルールあるいは
ファジィルールを記憶しておき必要に応じて補助的に利
用する。ファジィ推論機構61はルールに基づく前向きま
たは後向き推論を実行する。
次に、予測用ニューラルネット72による予測工程を説
明する。予測用ニューラルネット72の構成を第8図に示
す。第1図に示したように、予測用ニューラルネット72
では学習用ニューラルネット71での学習結果、すなわ
ち、重み係数値Wji(3←2)及びWji(2←1)の値を
信号71S1と71S2として受ける。なお、第1図では学習用
ニューラルネット71と予測用ニューラルネット72とは処
理フローの説明のために別々に記載されているが、同一
のニューラルネットを用いて良いことは勿論である。
次に、予測用ニューラルネット72の動作を第8図を用
いて説明する。第8図に示すように、予測用ニューラル
ネット72は学習用ニューラルネット71から比較層740と
教師層750を除いた構成である。予測用ニューラルネッ
ト72では、前記に対応して、未知の前記を予測
するものである。このために、まず入力層710に入力層
パターンとして、t=0を基準に設定した変数値Yj(DF
1(0),DF2(0))と、t=−1,−2,…を基準に設定
した変数値Yi(DF1(i)〜DF4(i),i=−1,−2,…)
を入力層710に入力する。この変数値Yiは第8図に示す
ように、(1)現時点で既知の、(2)過去(t=
−1,−2,…)における〜である。これらは全て実績
値あるいは既知のデータであることに注意されたい。こ
れらの値に基づいて前述の(1)−(4)式の計算を実
行し、未知のプロセス状態評価量(処理水質)DF3
(0)*とプロセス操作量(返送/余剰汚泥量,曝気
空気量)DF4(0)*とを出力層730に出力する。前記
については交信手段46にガイダンス表示し、について
は制御信号72Sを運転制御工程75に出力する。
続いて運転制御工程75を以下に説明する。運転制御工
程75では、DF5(0)*の信号72Sとファジィ推論機構61
の信号61Sとを受けて、まず両者の整合性を調べる。信
号72Sが61Sと矛盾しなければ、プロセス操作量の目標値
として信号75Sを余剰汚泥ポンプ16C、返送汚泥ポンプ16
C1、ブロワー17、制御バルブ17A,17Bなどに出力する。
逆に矛盾すれば交信手段46を通してオペレータ101に報
知し、修正を加える。なお、制御頻度は本実施例では1
時間毎であるが、この時間単位は任意に設定できる。勿
論、時間間隔が小さければ予測制度は向上する。設定し
た時間間隔(本実施例で1時間)が長いために短い時間
(例えば1分間)の塩素注入量を予測できない場合に
は、数学的な補間により予測する。同時に、目標値(予
測結果)の注入量目標値信号75Sを交信手段46に表示
し、必要に応じてオペレータ101の選択により実際の操
作を補正する。
なお、本発明を下水処理プロセスを実施例に説明した
が、一般のプロセスに適用できることはいうまでもな
い。
〔発明の効果〕
本発明の効果について以下に述べる。一般のプロセス
も同様であるが、下水処理場の従来の制御方法は、多量
のデータ解析、オペレータへのインタビューによるファ
ジィルール獲得、さらには推論ルールの作成、追加、修
正、削除、改良などに多くの労力を要していた。また従
来の方法では、獲得するファジィルールは特定の人の主
観的判断に依存していた。しかし、本発明では、過去の
実績データからファジィルールを自動獲得し、かつ、ニ
ューラルネットの予測により運転ガイダンス及び制御を
行ない得る。したがって、本発明を適用すれば、より少
ない労力で、オペレータが実施している「実績と前例に
即した、しかしあいまいな運転」を工学的に容易に行な
うことができる。また学習を随時行なうことが可能であ
るので、状況の変化に迅速に追随して学習しかつ制御す
ることができる。
特に、本発明では、流入水の物理的・化学的・生物
的特性、プロセス状態量、プロセス状態評価量、
プロセス操作量に着目し、過去のに基づいてプロ
セス評価量とプロセス操作量を予測することができる
ので、オペレータと同等の操作を行ない得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の構成図、第2図は履歴パター
ンデータファイル詳細を示す説明図、第3図はメンバー
シップ変換工程を表す説明図、第4図は学習パターンの
説明図、第5図はニューラルネットの構成図、第6図は
ニューロン素子モデルを示す説明図、第7図はニューロ
ン素子モデルでの信号変換を示す特性図、第8図は予測
工程を説明する説明図である。 9……最初沈殿池、15……曝気層、16……最終沈殿池、
17……ブロワー、16C1……返送汚泥ポンプ、16C2……余
剰ポンプ、9M,15M,16M……計測器、46……交信手段、10
1……オペレータ、71F……履歴パターンデータファイ
ル、69……メンバーシップ変換工程、71……学習用ニュ
ーラルネット、72……予測用ニューラルネット、73……
ファジィルール獲得工程、74……ファジィルール診断工
程、75……運転制御工程、61……ファジィ推論機構、71
0……入力層、720……中間層、730……出力層、740……
比較層、750……教師層、701……ニューロン素子モデ
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢萩 捷夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 松崎 晴美 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 依田 幹雄 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 金子 智則 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (56)参考文献 特開 平1−224804(JP,A) 特開 昭62−274301(JP,A) 特開 平2−178704(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力層と少なくとも1層の中間層及び出力
    層を有する階層構造の神経回路モデルの学習によりファ
    ジィルールを獲得する知識獲得方法であって、 プロセスの過去の任意の時刻tにおける計測値とそれよ
    り過去にさかのぼって複数時点での計測値と操作量をメ
    ンバーシップ値に変換して前記入力層に入力し、 プロセスの前記時刻tにおける操作量をメンバーシップ
    値に変換して教師信号値とし、 前記出力層からの出力値と教師信号値との差が小さくな
    るように重み係数の大きさを修正することにより入力値
    と教師信号値との関係を学習し、 学習済みの前記神経回路モデルの入力層から中間層に至
    る重み係数と中間層から出力層に至る重み係数とに基づ
    いて入力信号と教師信号との間の知識をファジィルール
    として獲得することを特徴とする知識獲得方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の前記ファジィルールを利
    用してプロセス運転を支援または制御することを特徴と
    するプロセス運転支援方法。
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