JP2564322Y2 - ユニットシャワールーム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、腰湯槽と洗い場とを隣
接して有し、ワンルームマンション等占有面積が制限さ
れた構築物内に設置されるユニットシャワールームに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、此種ユニットシャワールームには
一半部を平面視矩形状の腰湯槽、他半部を洗い場とし、
且つ洗い場にシャワー吐水具を付設すると共に、腰湯槽
にスパウトやシャワー吐水具を付設して、洗い場でのシ
ャワー吐水具の利用と、腰湯槽内で湯に浸りながらでの
シャワー吐水具の利用を可能にしたものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、このユニッ
トシャワールームは平面視で奥行寸法800 ｍｍ、横幅寸
法1600ｍｍ程度の広さの制限された専用スペース内を、
その横幅寸法を奥行寸法に２分するように配設した腰湯
槽と、洗い場とで略半分に区分してある。斯様なユニッ
トシャワールームでは腰湯槽に給湯するスパウトと、同
腰湯槽で使用するシャワー吐水具と、洗い場で使用する
シャワー吐水具が個別に洗い場スペース、腰湯スペース
に各々突設するため、小スペース化する有効スペースが
より狭小化してしまい、邪魔になることも相俟って使用
勝手が悪くなるばかりでなく、設備コストの高騰を招い
てしまう。また、腰湯槽でシャワー浴だけを単に楽しめ
るようにしただけでは腰湯槽に漬かったリラックス姿勢
で打たせ湯等を楽しむようなことができない問題がある
他、洗い場スペースを縮減せずに更に腰湯スペースを大
きく確保して使用勝手を向上するに際して工夫を要す
る。

【０００４】本考案は上記従来事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とする処は、腰湯槽の使用勝手を向上
し、更に洗い場スペース、腰湯スペースを最大限に広く
確保し、洗い場でのシャワー浴、腰湯槽でのシャワー
浴、沐浴、腰湯槽への給湯が行えるユニットシャワール
ームを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、請求項１は床パンの一半部を平
面視略矩形状の腰湯槽とし、他半部を洗い場としたユニ
ットシャワールームにおいて、上記洗い場の側壁部分
を、シャワー吐水具を掛脱可能に備えたパネルで構成
し、上記腰湯槽上の側壁部分に、上記シャワー吐水具を
掛脱可能とするシャワー掛止具を装設し、前記シャワー
掛止具は、スライドバーと、そのスライドバーで昇降動
可能に支持されたシャワーハンガーとを備えていること
を要旨とする。請求項２は請求項１記載の腰湯槽はシャ
ワー掛止具のある側壁側で且つ洗い場 側に腰掛け部を有
していることを要旨とする。請求項３は請求項２記載の
腰掛け部は床パンの一半部を平面視で横断する対角線と
一致するように腰湯槽の槽部を配置することで残置され
る洗い場側の槽部上縁面で構成されていることを要旨と
する。請求項４は請求項１乃至３いずれか１項記載のシ
ャワー吐水具は、整流吐水、スプレー吐水、泡沫吐水を
得ることができるものであることを要旨とする。

【０００６】

【作用】上記技術的手段によれば、下記の作用がある。 （請求項１）本ユニットシャワールームは１個のシャワ
ー吐水具の単なる移動及び掛止で、腰湯槽への給湯、腰
湯槽でのシャワー浴、洗い場でのシャワー浴を遂行させ
る。そして、腰湯槽を使用する時に個人差の身長に対応
でき、高さ設定や向きの設定によってシャワー水の勢い
を調整したり、シャワー水の吐水方向の可変も可能とす
る。 （請求項２）本ユニットシャワールームは腰湯槽、洗い
場スペースの他に腰掛け部に腰を掛けてのシャワー浴を
遂行させる。 （請求項３）本ユニットシャワールームは腰湯槽を床パ
ンの一半部の範囲内で最大限に長く確保しながら腰掛け
部を形成する。 （請求項４）本ユニットシャワールームは入浴者の好
み、腰湯槽への給湯等に適合する吐水が１個のシャワー
吐水具で行える。

【０００７】

【考案の効果】本考案は以上のように、腰湯槽への給
湯、腰湯槽でのシャワー浴、洗い場でのシャワー浴の全
てを１個のシャワー吐水具で可能にしているから、制限
された内部スペースが最大限に広く確保される。従っ
て、突出物（スパウトやもう一つのシャワー吐水具）に
よってシャワー浴や入槽が邪魔されることがなく、スペ
ース的に制限されたユニットシャワールームでありなが
らゆったりとした使用感が楽しめる。しかも、腰湯槽を
使用する時に個人差の身長に対応でき、高さ設定や向き
の設 定によってシャワー水の勢いを調整したり、シャワ
ー水の吐水方向の可変も可能となるので、寝そべった姿
勢で筋肉痛等の部位を局部的にマッサージすることや打
たせ湯等を楽しむことができ、各個人の利用用途に対応
することができる。 その上、腰掛け部を設けた場合には
洗い場で洗ったり、腰湯槽に浸る入浴の他にその腰掛け
部に腰を掛けてのシャワー浴が行え、スペース的に余裕
のないユニットシャワールームでありながら様々なシャ
ワー浴スタイルが楽しめる。また、床パンの一半部を平
面視で横断する対角線と一致するように腰湯槽の槽部を
配置したから、制限のあるスペースの中でゆったりとし
た腰湯槽でのシャワー浴を可能ににした上で腰掛け部に
腰を掛けてのシャワー浴が行え、商品価値が多大であ
る。その上、シャワー吐水具が、整流吐水、スプレー吐
水、泡末吐水の内、２種類以上の吐水が得られるもので
あるから、体調に合わせたシャワー浴の満喫と腰湯槽へ
の給湯時の打音による騒音問題を防止でき、利便であ
る。

【０００８】

【実施例】次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１乃至図５は本実施例のユニットシャワールー
ムを示している。

【０００９】ユニットシャワールームＡは床パン（後述
では洗い場付き腰湯槽と称す）１の周縁に形成されてい
る壁載せ面１ａに壁パネル２ａ…類からなる側壁２を周
設すると共に、その側壁２の上部開放部を天井壁14で被
蓋した奥行寸法を800 ｍｍ、横幅寸法を1600ｍｍ程度と
する平面視横長矩形状を呈するものであり、その洗い場
付き腰湯槽１は、横幅寸法を800 ｍｍとする平面視矩形
状の腰湯槽１ｂと横幅寸法を700 ｍｍとする平面視同じ
く矩形状の洗い場１ｃとに区分してある。

【００１０】また、このユニットシャワールームＡは図
２に示すように、一般居室Ｂ等に隣設して設置してな
り、壁パネルにおいてその一般居室Ｂと腰湯槽１ｂとの
隔壁となる長辺側の側壁２ー１部分に、内部からその一
般居室Ｂが見通せるガラス窓２ｂを建築壁を貫通して壁
パネルとして組み込み、且つ洗い場１ｃに臨む短辺側の
側壁２ー２の出入り口に、面材を両面ミラー２ｃ’とし
た折戸２ｃまたは框戸を、壁パネルとして組み込んでい
る。

【００１１】ガラス窓２ｂは図２や図４に示すように、
入浴中にテレビＣ等を視聴するようにして、よりリラッ
クスした状態でシャワー浴が行えるようにする。尚、ガ
ラス窓２ｂの面材を内部からのみ外部（一般居室）が見
えるマジックミラーで構成しても構わない。また、この
ガラス窓２ｂの面材は図２で明確なように、他の壁パネ
ルと異なって若干傾斜状にしてある。ユニットシャワー
ルームＡが小型であるが故に側壁２が完全な平面視矩形
体の場合、シャワー音が同一方向に反響し、更に助長さ
れてユニットシャワールームＡ内が非常にうるさくな
る、これを防止する為に、その面材でシャワー音の反響
方向を変化させ反響音相互が干渉し合い消音できるよう
にする。無論、他の壁パネル２ａも若干傾斜状にしてそ
の反響音の相互干渉がより効率化されるようにしても任
意である。

【００１２】上記折戸２ｃの面材を両面ミラー２ｃ’で
構成すると、鏡体を側壁等に付設した場合のように、擦
過傷の原因やコストの高騰の原因になる鏡体固定金具を
使用しないで済むメリットがある。また、折戸２ｃの面
材を両面ミラー２ｃ’にすると、その面材が側壁２とほ
ぼ同等高さであることを要因として大きな両面ミラー２
ｃ’を無理なく取着できる。

【００１３】腰湯槽１ｂは図２に示すように、槽部１ｂ
ー１の長手中心線Ｘを槽部上縁面１ｂー２の対角線Ｙと
一致もしくはほぼ一致させている。詳細には図２におい
て、一般居室Ｂに隣設しない長辺側の側壁部２−３のそ
の腰湯槽１ｂ側コーナーに近接する槽部上縁面１ｂ’−
２と、一般居室Ｂに隣設する長辺側の側壁部２−１の中
途部位に位置して上記槽部上縁面１ｂ’−２と斜めに対
向する槽部上縁面部１ｂ”−２とを通過する対角線Ｙに
長手中心線Ｘを一致もしくはほぼ一致させて槽部１ｂ−
１を配設している。

【００１４】これにより槽部１ｂ−１は平面視楕円形で
ありながら略900 ｍｍ程度の長さまで延長され、その前
記槽部上縁面１ｂ’−２側の背凭れ部分を若干幅広にし
ている。

【００１５】腰湯槽１ｂには前記のように槽部１ｂ−１
が、長手中心線Ｘを槽部上縁面１ｂ−２の対角線Ｙと一
致もしくはほぼ一致して配設されたことで、上記側壁部
２−１側中途部の槽部上縁面１ｂ”’−２部分からその
槽部１ｂ−１が排除されてその槽部上縁面１ｂ”’−２
部分に、広い面積の腰掛け部３が形成されることにな
る。

【００１６】この腰掛け部３は図２に示すようにエプロ
ン面３ａの一半部を斜辺とする平面視三角形状を呈し、
その下部空間を利用して収容部３ｂが凹設されており、
この腰掛け部３側の洗い場１ｃコーナーの側壁部分を鏡
付きパネル４で構成している。

【００１７】この鏡付きパネル４は図１乃至図３に示す
ように、平面視で洗い場１ｃの中央部方向に向く傾斜状
とされ、他の壁パネル２ａと同様な接続手段でもってそ
の壁パネル２ａと一緒に組立まれて側壁２の一部を構成
している。

【００１８】また、鏡付きパネル４は腰湯槽１ｂ側の一
半部部分に設けたシャワー掛止具（シャワーハンガー）
５に、方向変換可能で且つ掛脱可能にシャワー吐水具
（シャワーヘッド）６を掛止し、他半部に扉部を鏡体７
ａとする収容部７を凹設して洗い場１ｃで立ったまま及
び前記腰掛け部３に座ったままの双方の姿勢でシャワー
浴（打たせ湯を含む）を行えるようにしている。この鏡
付きパネル４において、符号８と９は各々湯水混合ハン
ドルと湯温調節ハンドルである（図１）。

【００１９】一方、前記腰湯槽１ｂ上の側壁部２−３部
分には、スライドバー10ａとそのスライドバー10ａで昇
降動可能に支持されたシャワーハンガー10ｂとからなる
シャワー掛止具10が装設されており、前記鏡付きパネル
４のシャワー掛止具５に掛止されているシャワー吐水具
６を、接続ホース11のたるみ長さを利用して移し替える
ことで、腰湯槽１ｂ内でシャワー浴が楽しめるようにし
てある（図１）。

【００２０】シャワー吐水具（シャワーヘッド）６は、
整流吐水、スプレー吐水が切り替え操作で切り替え可能
にしてものや泡末吐水、スプレー吐水が切り替え操作で
切り替え可能もの、更には整流吐水、スプレー吐水、泡
末吐水が切り替え操作で切り替え可能になっている周知
構造のものである。

【００２１】符号12、13は照明装置であり、この照明装
置12、13は、図１、４に示すように、洗い場１ｃ真上の
天井壁14部分に設けた蛍光灯、腰湯槽１ｂの槽部１ｂ−
１真上の天井壁14部分に設けたダウンライトであり、所
望の側壁部に配設したスイッチ（図示せず）の操作で選
択的に点灯できるようにしてある。尚、符号15は点検
蓋、16は換気グリルである。

【００２２】次に図５に示す本実施例ユニットシャワー
ルームの使用方法について説明する。 図５（イ）は、洗い場１ｃに立ったままでシャワー浴を
楽しんでいる通常時を示している。 図５（ロ）は、腰掛け部３に腰掛けた姿勢でシャワー浴
を楽しんでいる場合を示し、足元がおぼつかない朝の目
覚め時等に有効である。 図５（ハ）は、腰湯槽１ｂに15ｃｍ程度深さの湯を張
り、その中に足元を浸しながら腰掛け部３に腰を掛けた
姿勢でシャワー浴を楽しんでいる場合を示し、シャワー
水だけでは足元が冷えてしまう冬季等に有効である。 図５（ニ）は、腰湯槽１ｂ全域に湯を張って腰までつか
って沐浴を楽しんでいる場合を示し、体の芯から温まり
たい時に有効である。この場合には、テレビＣ等を前記
ガラス窓２ｂを介して視聴しながらシャワー浴（打たせ
湯を含む）を楽しむことができ、よりリラックスしてシ
ャワー浴を行う時に有効である。 図５（ホ）は、腰掛け部３で、入槽前または入槽後にく
つろいでいる場合を示している。このように、図５に示
す５通りの使用方法を自由に楽しむことができる。

【００２３】また、本実施例では朝忙しく簡単にシャワ
ー浴を行う場合には、洗い場１ｃ真上の蛍光灯12で目覚
めを促し、夜、腰湯槽１ｂに浸かってリラックスしたの
んびりとした雰囲気で打たせ湯等を楽しむ場合には、腰
湯槽１ｂ真上のダウンライト13で落ち着いた使用感を満
喫することもできる。

【００２４】上述する本実施例の特長は、前記するよう
に利用者の好み、状態、時間帯等に合わせて色々な利用
方法が自由に採用できること、洗い場１ｃを利用する場
合と、腰湯槽１ｂを利用する場合とで照度を可変できる
ことである。

【図面の簡単な説明】

【図１】横断平面図。

【図２】図１の（２）−（２）線断面図。

【図３】図２の（３）−（３）線断面図。

【図４】図２の（４）−（４）線断面図。

【図５】色々な入浴方法（使用方法）を示す概略図。

【符号の説明】

１ ：床パン １ｂ ：腰湯槽 １ｃ ：洗い場 ４ ：鏡付
きパネル ６ ：シャワー吐水具 ５、10 ：シャワ
ー掛止具 Ａ ：ユニットシャワールーム 10ａ：スライ
ドバー 10ｂ：シャワーハンガー

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床パンの一半部を平面視略矩形状の腰湯
   槽とし、他半部を洗い場としたユニットシャワールーム
   において、上記洗い場の側壁部分を、シャワー吐水具を
   掛脱可能に備えたパネルで構成し、上記腰湯槽上の側壁
   部分に、上記シャワー吐水具を掛脱可能とするシャワー
   掛止具を装設し、前記シャワー掛止具は、スライドバー
   と、そのスライドバーで昇降動可能に支持されたシャワ
   ーハンガーとを備えていることを特徴とするユニットシ
   ャワールーム。
2. 【請求項２】 前記腰湯槽はシャワー掛止具のある側壁
   側で且つ洗い場側に腰掛け部を有していることを特徴と
   する請求項１記載のユニットシャワールーム。
3. 【請求項３】 前記腰掛け部は床パンの一半部を平面視
   で横断する対角線と一致するように腰湯槽の槽部を配置
   することで残置される洗い場側の槽部上縁面で構成され
   ていることを特徴とする請求項２記載のユニットシャワ
   ールーム。
4. 【請求項４】 前記シャワー吐水具は、整流吐水、スプ
   レー吐水、泡沫吐水を得ることができるものであること
   を特徴とする請求項１乃至３いずれか１項記載のユニッ
   トシャワールーム。