JP2563190Y2 - 連続鋳造用モールド - Google Patents

連続鋳造用モールド

Info

Publication number
JP2563190Y2
JP2563190Y2 JP1991071478U JP7147891U JP2563190Y2 JP 2563190 Y2 JP2563190 Y2 JP 2563190Y2 JP 1991071478 U JP1991071478 U JP 1991071478U JP 7147891 U JP7147891 U JP 7147891U JP 2563190 Y2 JP2563190 Y2 JP 2563190Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
fixed mold
slab
casting
movable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1991071478U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0524138U (ja
Inventor
泰三 清輔
二郎 嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP1991071478U priority Critical patent/JP2563190Y2/ja
Publication of JPH0524138U publication Critical patent/JPH0524138U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2563190Y2 publication Critical patent/JP2563190Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、鋼などの金属を連続鋳
造するために、供給される溶融金属を冷却・凝固させて
鋳片とするモールドに関するもので、特に鋳片を均一に
冷却するとともに、溶融金属を流出させない連続鋳造用
モールドに関するものである。
【0002】
【従来の技術および考案が解決しようとする課題】連続
鋳造はタンディッシュ(湯だめ)に貯留した溶融金属を
モールドに供給し、ここで冷却して少なくとも外周部は
凝固した鋳片を形成し、モールドの下流側に設けた引き
抜き装置で連続的に鋳片を引き抜くことによって行われ
る。この連続鋳造に用いるモールドは、一般的に鋳型を
筒状体に形成し、その外周壁を冷却(水冷が多い)する
ことにより、中空部に供給される溶融金属を凝固させて
鋳片とするもので、鋳型は所望する鋳片断面の形状・寸
法に応じた中空部を有する熱伝導性に優れた材料からな
り、鋳型の外側に冷却水ジャケットが設置され、鋳型の
外周壁に沿って冷却水が流通するように構成されてい
る。従って、溶融金属は、その熱を上記冷却水に奪われ
て冷却・凝固して鋳片となる。このようにして行われる
連続鋳造の鋳造方向(モールドの軸方向)は、鉛直に限
らず、水平または傾斜方向に設定されることがあり、中
空部断面も矩形・多角形・円など多岐にわたる。このモ
ールドを形態によって分類すると、以下に説明する2種
類に分かれる。
【0003】 (1) 筒状体を一体的に形成した筒状固定モールド 小断面鋳片(ビレット)を得るために鋳型を一体の円筒
または角筒とした、いわゆるチューブラモールドと称す
るものや、大断面の矩形鋳片(スラブやブルーム)を得
るために周方向に分割された複数個の鋳型要素を密着し
て組み合わせて筒状体にした、いわゆる組立モールドと
称するものがあるが、いずれも中空部の内周壁が連続す
る、閉じた断面を有しており、中空部の断面寸法が鋳造
中に変化しない固定鋳型として使用されるものである。
【0004】ところで、鋳片は凝固して冷却されるにつ
れて収縮し、断面寸法が小さくなるので、このような筒
状体を一体的に形成したモールドでは、鋳型と鋳片との
接触を維持するために下流側が小寸法となるように鋳型
の内周壁には適当なテーパーが形成される。しかし、鋳
片の収縮率は鋳造する金属の種類、鋳込温度、鋳造引抜
速度など多くの要因によって異なるため、単に鋳型内周
壁にテーパーを形成しただけでは鋳型内周壁と鋳片表面
との均一な接触を保つことは難しいので、この欠点を解
消するものとして、この筒状固定モールドを短くして、
下流側に次に説明する可動鋳型(アジャスタブルモール
ド)が設置されることが多い。
【0005】(2) 互いに分離独立した複数個の可動要素
によって筒状体を形成した可動鋳型(アジャスタブルモ
ールド) 半径方向に移動可能な複数の要素を筒状に配置したモー
ルドであって、アジャスタブルモールドとも呼ばれてい
るもので、中空部の断面寸法が鋳造中に変化する可動鋳
型として使用されるものである。この可動鋳型の各要素
は周方向に密着せずに離間して配置され、スプリングや
流体圧シリンダなどの付勢手段によって鋳片表面に押し
付けられる。そして、このような移動を可能ならしめる
ために、可動鋳型の各要素間には間隙があるので、溶融
金属の表面に適当な凝固層が形成された後の位置、すな
わち固定鋳型の下流側に設けられる。
【0006】上記したように、鋳片は冷却・凝固に伴っ
て収縮するが、この可動鋳型によれば、各鋳型要素が鋳
片表面に押し付けられるので、鋳片表面との接触が良好
となり、固定鋳型に比べて鋳片をより均一に冷却するこ
とが可能となる。
【0007】これら筒状固定モールドと可動鋳型を組み
合わせたものとしては、図9に示すような構成の水平連
続鋳造設備が公知である(例えば、特開平1−2187
41号参照)。そこで、本考案の理解を容易にするため
にその背景技術である図9の構成について説明する。
【0008】図において、1は溶鋼Mを貯留するタンデ
ィッシュで、このタンディッシュ1に筒状固定モールド
2が接続耐火物3、4を介して密閉接続され、この筒状
固定モールド2に後続して可動鋳型5、6が設置され、
この下流側に引き抜き用ロール7が設置されている。ま
ず、上記構成の水平連続鋳造設備による連続鋳造の概要
について説明すると、溶鋼Mはタンディッシュ1に供給
されて一旦ここに貯留された後、接続耐火物3、4を経
て筒状固定モールド2内に流入するが、筒状固定モール
ド2の内周壁に接触すると同時に、その接触面すなわち
溶鋼外周に凝固層SC を生成する。しかし、この凝固層
C の厚みは溶鋼径に比して小さいため、この部分での
鋳片の強度は十分でない。次いで、鋳片Sは可動鋳型
5、6により冷却されるにつれて凝固層SC の厚みは増
加し、可動鋳型6の出口付近の凝固層SC の厚みは10〜
50mmにも達しており、十分なる強度を有している。そし
て、この鋳片Sは下流側にある引き抜き用ロール7によ
って引き抜かれた後、切断装置で適当な寸法に切断され
る。
【0009】このように、溶鋼Mが固定または可動鋳型
で冷却されつつ最終的に所定形状の鋳片が形成されるも
のであるため、その冷却過程において鋳片を均一に冷却
し、鋳片の変形や割れが発生しないように、各鋳型の構
造には様々な工夫が施されている。そこで、さらに図9
の設備構成について説明する。図9に示したものは、円
形断面の鋳片を得るための設備であるため、筒状固定モ
ールド2は、その中空部の断面は冷却による鋳片の収縮
を見込んで鋳造方向に縮小したテーパーを持つ円筒状に
形成されている。筒状固定モールド2の外側には、冷却
水ジャケット8が設置され、冷却水ジャケット8より供
給される冷却水が筒状固定モールド2の外周壁に沿って
流通するようになっている。この筒状固定モールド2に
引き続いて設置されている可動鋳型5は、図10に示す
ように、円形中空部を囲む、合計4個の要素9a、9
b、9c、9dからなる。各要素9a、9b、9c、9
dは、各々銅合金製の冷却板10内面にカーボンライナ
ー11が装着されたものである。この冷却板10内に
は、冷却水が流通する複数のパイプ12が配設されてい
る。
【0010】図9において、13は冷却水入口、14は
冷却水出口である。可動鋳型5の長手方向(鋳造方向)
のほぼ中間位置の冷却板10の外側のプレート15に固
着した係合部材16にエアシリンダ17のロッド18の
端部が係着されており、エアシリンダ17の基端はモー
ルドフレーム19に螺着されている。また、可動鋳型5
の鋳造方向入出側付近には、可動鋳型5に固着された係
合部材20に連結部材21が連結され、該連結部材21
の他端の押さえ部材22とインサートプレート23との
間にはスプリング24が介装されてボルト25で締めつ
けられている。
【0011】また、可動鋳型6も、図10に示されたも
のと同様に、4つの要素9a、9b、9c、9dから構
成されており、長手方向ほぼ中間位置にはエアシリンダ
17と同様の構成のものが配設され、その基端はモール
ドフレーム19に螺着されている。また、可動鋳型6の
鋳造方向入出側付近の各々にも、上記と同様の構成の係
合部材20、連結部材21、押さえ部材22、スプリン
グ24、ボルト25が配設されている。
【0012】図11は可動鋳型の要素9a、9b、9
c、9dの内面中空部が矩形の場合を示し、この場合は
筒状固定モールド2の中空断面も矩形のものが使用され
る。
【0013】上記のように構成される連続鋳造設備を用
いて円形断面のビレットを製造する場合について以下に
説明する。
【0014】(筒状固定モールド内の鋳片の挙動) タンディッシュ1から筒状固定モールド2内に流入した
溶鋼Mは、筒状固定モールド2の内周壁に接して冷却さ
れ、外周に凝固層SC を生成する。そして、引き抜き用
ロール7による鋳片Sの引き抜きに応じて凝固層SC
厚みは徐々に増し、一方、凝固層SC の厚みがこのよう
に増すことによって鋳片の断面寸法は徐々に縮小する。
筒状固定モールド2は固定した鋳型であり、鋳片形状の
変化に追随するものではないが、その内面はこのように
鋳片断面寸法が減少することを考慮して、上流側から下
流側にかけて内周断面寸法が減少するようにテーパー状
に形成されている。しかし、鋳片の収縮率は多くの要因
によって変化するため、あらゆる場合において筒状固定
モールド2内周壁と鋳片との均一な接触を保つことは不
可能であり、筒状固定モールド2内周壁との接触部の一
部にギャップを生じて少し不均一な接触状態になり、あ
る程度偏冷却が進行する。その結果、筒状固定モールド
2出側の鋳片形状は僅かに変形したものとなる。
【0015】(可動鋳型5内の鋳片の挙動) 鋳片形状の変形の進行を防止するために鋳片断面周方向
に均一に冷却を行おうとするのが可動鋳型の役目であっ
て、各要素9a、9b、9c、9dをエアシリンダ17
によりスプリング24のバネ力に抗して縮径方向に押圧
し、鋳片形状にうまく沿うように各要素9a、9b、9
c、9dを追随させることにより、鋳片Sの広い範囲に
亘って可動鋳型5と鋳片Sとの接触を確保することがで
きる。そこで、下流側の引き抜き用ロール7によって鋳
片Sは引き抜かれつつ冷却板10によってほぼ均一に冷
却され、凝固層SC の厚みは下流側に向かって徐々に増
大し、これに呼応して鋳片Sの断面寸法は徐々に縮小す
る。
【0016】なお、本出願人はこの可動鋳型の機能を改
良したものとして、特願平2−338955号を出願し
た。この出願は『可動鋳型の入口を、その内径寸法を調
整可能に固定したもの』であって、入口内径寸法を調整
することにより鋳片の引き抜きがスムーズになるととも
に、各移動要素を入口を支点として縮径方向に押圧する
ことができるので、鋳片形状に対する各移動要素の追随
性がより改善されて、鋳片と可動鋳型とは略全面的に接
触し、鋳片Sに変形や割れが発生することなく均一に冷
却されるというものである。
【0017】(可動鋳型6内の鋳片の挙動) 可動鋳型5内で冷却された鋳片Sの凝固層SC の厚み
は、可動鋳型6の入側部分ではモールド全体の凝固層厚
さのほぼ半分程度になっており、十分な強度を有してい
る。従って、エアシリンダ17によってスプリング24
のバネ力に抗して可動鋳型6の各要素を縮径方向に押圧
すると、各要素9a、9b、9c、9dは略全面的に鋳
片Sの表面に接触し、鋳片Sと可動鋳型6とが片当たり
することはなく、下流側の引き抜き用ロール7による引
き抜きに応じて長手方向に均一に冷却されて、一定の割
合で断面寸法が減少し、筒状固定モールド2の入側断面
形状がほぼ相似的に収縮した形状のビレットを得ること
ができる。
【0018】以上の詳細な説明から明らかなように、鋳
片とモールドとの接触を改善するためにモールドを構成
する各要素が半径方向(図9のV方向)に移動する可動
鋳型、あるいは入口を支点として出口側が図9に示すR
方向に揺動する可動鋳型が提供され、または構成要素を
図10、図11のT方向に回転可能とした可動鋳型も知
られている。しかし、このような可動鋳型においては、
各構成要素が移動するものであるため、鋳造方向継ぎ目
部の筒状固定モールド2と可動鋳型との間の隙間C1
(図9参照)または周方向における各移動要素の間の隙
間C2 (図10、11参照)が不可避的に存在する。と
ころで、このような可動鋳型をもつ連続鋳造用モールド
では、鋳片表面の全周に凝固層が十分に生成していなけ
れば鋳片内部の溶融金属が流出するという、操業上の課
題を抱えている。すなわち、鋳造が円滑に行われている
間は、上流側の筒状固定モールドにおいて生成された凝
固層が外殻となって溶融金属を保護するので、上記した
ような隙間C1 、C2 が存在しても問題にならないが、
凝固層の生成が不十分であったり、凝固点温度近傍の熱
間強度が著しく低い金属を鋳造する場合、凝固層厚さが
薄い可動鋳型入口付近で可動鋳型の要素が鋳片に片当た
りすると、凝固層が破壊され、内部の溶融金属が流出
(ブレークアウト)する可能性がある。筒状固定モール
ド内あるいは可動鋳型入口付近でこのブレークアウトが
生じると、溶融金属が上記隙間C1 、C2に流入し、凝
固層の復旧が行われた後も地金が隙間に差し、鋳片の引
き抜きが不可能となるので以後鋳造が続行できなくな
る。
【0019】本考案はこのような従来の技術の有する問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、凝固
層が破壊されても溶融金属の流出や隙間への地金差しを
防止し、凝固層の復旧後、速やかに鋳造を再開できる連
続鋳造用モールドを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案の要旨は、タンディッシュに密閉接続された筒
状固定モールドと、該筒状固定モールドに後続して鋳造
断面周方向に複数の要素に分割され且つ鋳造断面半径方
向に移動可能に構成された可動鋳型とを同軸上に連設し
た連続鋳造用モールドにおいて、上記可動鋳型の筒状固
定モールド側の一部または可動鋳型全部を固定鋳型と交
換可能なようにこれら可動鋳型と固定鋳型のフレームを
共通にし、該固定鋳型と上記筒状固定モールドとの鋳造
方向継ぎ目部に間隙が存在しないように、上記固定鋳型
から延出した部材または上記固定鋳型の一部と固定モー
ルドとを螺合部材により螺着し、且つ上記螺合部材の締
めつけ力を調整するために介装した弾性部材の弾力を利
用して固定鋳型を筒状固定モールド側に弾性的に押圧す
る構造であることを特徴とする連続鋳造用モールドにあ
る。
【0021】
【作用】筒状固定モールドと固定鋳型との間には隙間が
存在しないので、筒状固定モールド内あるいは可動鋳型
入口付近で凝固層が破壊されても、溶融金属の流出や隙
間への地金差しを防止することができる。また、固定鋳
型と可動鋳型のフレームを共通にすることにより、鋳造
金属の種類に応じて両鋳型を適宜交換して使い分けるこ
とができるので、常に良好な鋳片を得ることができる。
また、固定鋳型は筒状固定モールド側に弾性部材の弾力
を利用して弾性的に押圧されるので、固定鋳型と筒状固
定モールドとの間に強大な押しつけ力が発生することは
なく、固定鋳型の損傷が抑制される。
【0022】
【実施例】以下に本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0023】(実施例1) 図1は、図9の可動鋳型5を固定鋳型26としたもの
で、図2あるいは図3に示すように、中空部を囲むカー
ボンライナ27、冷却板28が一体に組み立てられてお
り、周壁が連続しているので周方向の隙間C2 がなく、
また、図1に示すように、固定鋳型の入側の突出部材2
9と筒状固定モールド後端フランジ30とを、スプリン
グ31を介在させたボルト32で螺着することにより、
筒状固定モールド2と固定鋳型26とを密着したので、
鋳造方向継ぎ目部の隙間C1 も存在しない。従って、凝
固層SC が筒状固定モールド2内で破壊されても溶融金
属が流出することはない。この場合、筒状固定モールド
2に固定鋳型26のカーボンライナ27の前面が直接押
し付けられるので、この押し付け力を調整しないとカー
ボンライナが損傷する恐れがある。しかし、スプリング
31が介装されているのでボルト32の締結力は適度に
緩和され、カーボンライナ27が損傷することはない。
また、スプリング31が介装されているので、鋳造中の
熱による筒状固定モールド2の膨張、収縮(鋳造方向)
に追随し、鋳造方向継ぎ目部の隙間C1をなくすことが
可能となる。
【0024】(実施例2) 本実施例は周方向の隙間C2 がないことはもちろん、筒
状固定モールドと固定鋳型の鋳造方向継ぎ目部に隙間C
1 が存在しないようにするとともに(図4のA部参
照)、カーボンライナの入口先端部が熱収縮で移動しな
いような構造(図4のB部、図5のC部参照)としたも
のである。図5は図4のA部の拡大図であり、A部の構
造を図5および図4に基づいて説明すると、カーボンラ
イナ27と冷却板28とは螺子33により密着固定さ
れ、筒状固定モールド後端フランジ30と部材34が螺
着され、さらに部材35と部材34が螺着され、部材3
5に形成された凹部36には皿バネ37を介在させてボ
ルト38が螺合され、該ボルト38端面が冷却板28に
押し付けられている。従って、固定鋳型26は筒状固定
モールド2側へ、皿バネ37のバネ力により適度に緩和
されつつ押し付けられるので、鋳造中の熱による筒状固
定モールド2の膨張、収縮(鋳造方向)に追随し、筒状
固定モールド2と固定鋳型26の鋳造方向継ぎ目部に隙
間C1 が発生することはなく、しかもカーボンライナ2
7が損傷することはない。
【0025】ところで、カーボンライナ27は通常、冷
却板28に焼き嵌めあるいは螺着して固定されるが、カ
ーボンライナと銅製冷却板の熱膨張率の差および実質温
度の差により、鋳造中はカーボンライナは鋳造方向に膨
張し、鋳造後は冷却収縮するので、カーボンライナが規
定位置に存在しない場合がある。この場合、冷却板端面
とカーボンライナ端面との間に隙間が生じ、凝固層が破
壊された場合に溶融金属がこの隙間に侵入し、地金差し
が生じたときに鋳片の引き抜きが不可能になることがあ
る。そこで、カーボンライナ入口先端部を熱収縮で移動
しないような構造とすれば、鋳片の引き抜き不能という
事態に至ることがない。そのための構造が図4のA部を
拡大した図5のC部および図4のB部に示すものであ
る。図5のC部に示すように、カーボンライナ27と冷
却板28とは螺子33により螺着され、図4のB部に示
すように、部材39との間にスプリング40を介在させ
てボルト41を冷却板28に螺合し、しかも部材39の
端面の一部がカーボンライナ27に押し付けられている
ので、カーボンライナ27入口先端部が熱収縮で移動す
ることはない。
【0026】(実施例3) 本実施例3は図6〜図8より構成される。図6のD部の
構造をその拡大図である図7に基づいて説明すると、冷
却板28の筒状固定モールド2側には略十字状に横方向
の溝部42と縦方向の溝部43が凹設され、筒状固定モ
ールド2内には雌螺子部44が形成されている。筒状固
定モールド2と冷却板28とは、溝部42に装入されて
雌螺子部44に螺合する連結ボルト45により連結され
ている。また、連結ボルト45と溝部42底面との間に
はスプリング46が介装されている。連結ボルト45に
はテーパ状の孔部47が形成され、この孔部47のテー
パ面48に合致するテーパ面49を有するテーパ螺子5
0が溝部43内に装入されている。
【0027】さらに、図6に示すように、冷却板28に
接するスライドプレート51上にプレート52が立設さ
れ、該プレート52は2分割のガイドプレート53の一
方の部材53aに固着され、ガイドプレート53の他方
の部材53bは筒状固定モールド後端フランジ30に固
定されるとともにその突出片54が部材53aに嵌入さ
れている。さらに、部材53aと53bを貫通するボル
ト55によりガイドプレート53は筒状固定モールド後
端フランジ30に固定されている(図6のVIII−VIII矢
視断面である図8参照)。なお、図6のE部の構造は上
記した図4のB部の構造と同じであるので、説明は省略
する。
【0028】従って、周方向の隙間C2 がないことはも
ちろん、係る構成において、テーパ螺子50をねじ込ん
でそのテーパ面49を連結ボルト45のテーパ面48に
当接させると、連結ボルト45は図7の左方に押圧され
るので冷却板28はスライドプレート51をガイド面と
して左方に移動し、筒状固定モールド2とカーボンライ
ナ27の端面が密着する。その結果、鋳造方向継ぎ目部
に隙間C1 が存在することはない。また、スプリング4
6およびスプリング40により、カーボンライナ27の
押付力は適度に緩和されるので、カーボンライナが損傷
することはない。
【0029】なお、本出願では2段の可動鋳型5、6に
適用した場合について説明したが、1段のみ、或いは3
段以上の可動鋳型にも適用できることは言うまでもな
い。
【0030】
【考案の効果】本考案は上記のように構成されているの
で、以下の効果を奏する。
【0031】(1) 筒状固定モールドと固定鋳型との間に
隙間が存在しないので、凝固層が破壊されても溶融金属
の流出や地金差しがなく、凝固層の復旧後、速やかに鋳
造を再開することができる。
【0032】(2) 固定鋳型と可動鋳型のモールドフレー
ムを共通にすることにより、鋳造する金属の種類に応じ
て固定鋳型と可動鋳型を適宜交換して使い分けることが
できるので、常に良好な鋳片を得ることができる。
【0033】(3) 固定鋳型は筒状固定モールド側に弾性
部材の弾力を利用して弾性的に押圧されるので、固定鋳
型と筒状固定モールドとの間に強大な押しつけ力が発生
することはなく、固定鋳型の損傷が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の連続鋳造用モールドを用いた水平連続
鋳造設備の要部側断面図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】図2のモールドの中空部が矩形の場合を示す図
である。
【図4】本考案の連続鋳造用モールドの別の実施例を用
いた水平連続鋳造設備の要部側断面図である。
【図5】図4のA部の拡大図である。
【図6】本考案の連続鋳造用モールドのさらに別の実施
例を用いた水平連続鋳造設備の要部側断面図である。
【図7】図6のD部の拡大図である。
【図8】図6のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】従来の可動鋳型を用いた水平連続鋳造設備の要
部側断面図である。
【図10】図9のX−X矢視断面図である。
【図11】図10の可動鋳型の中空部が矩形の場合を示
す図である。
【符号の説明】
1…タンディッシュ 2…筒状固定モールド 6…可動鋳型 19…モールドフレーム 26…固定鋳型

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュに密閉接続された筒状固
    定モールドと、該筒状固定モールドに後続して鋳造断面
    周方向に複数の要素に分割され且つ鋳造断面半径方向に
    移動可能に構成された可動鋳型とを同軸上に連設した連
    続鋳造用モールドにおいて、上記可動鋳型の筒状固定モ
    ールド側の一部または可動鋳型全部を固定鋳型と交換可
    能なようにこれら可動鋳型と固定鋳型のフレームを共通
    にし、該固定鋳型と上記筒状固定モールドとの鋳造方向
    継ぎ目部に間隙が存在しないように、上記固定鋳型から
    延出した部材または上記固定鋳型の一部と固定モールド
    とを螺合部材により螺着し、且つ上記螺合部材の締めつ
    け力を調整するために介装した弾性部材の弾力を利用し
    て固定鋳型を筒状固定モールド側に弾性的に押圧する構
    造であることを特徴とする連続鋳造用モールド。
JP1991071478U 1991-09-05 1991-09-05 連続鋳造用モールド Expired - Lifetime JP2563190Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1991071478U JP2563190Y2 (ja) 1991-09-05 1991-09-05 連続鋳造用モールド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1991071478U JP2563190Y2 (ja) 1991-09-05 1991-09-05 連続鋳造用モールド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0524138U JPH0524138U (ja) 1993-03-30
JP2563190Y2 true JP2563190Y2 (ja) 1998-02-18

Family

ID=13461784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1991071478U Expired - Lifetime JP2563190Y2 (ja) 1991-09-05 1991-09-05 連続鋳造用モールド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2563190Y2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51120832A (en) * 1975-04-14 1976-10-22 Mozeru Jiyoo Automatic tee up apparatus for golf ball
JPH01181947A (ja) * 1988-01-12 1989-07-19 Kawasaki Heavy Ind Ltd 連続鋳造用モールド

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0524138U (ja) 1993-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6233047A (ja) 双ドラム式連続鋳造機
US4809768A (en) Cooling rolls for producing rapidly solidified metal strip sheets
US8985188B2 (en) Core pin for casting
KR950014484B1 (ko) 수평 연속 주조 설비용 가동 몰드(Adjustable mold)
JP2563190Y2 (ja) 連続鋳造用モールド
JP2000042690A (ja) 金属の連続鋳造用鋳型
KR100734793B1 (ko) 금속의 압탕 수직 연속 주조용 넓은 단면의 몰드
US4911226A (en) Method and apparatus for continuously casting strip steel
US2867018A (en) Continuous casting mold
US4368774A (en) Mould for the horizontal continuous casting of metals
JP3036302B2 (ja) 鋳造用鋳抜きピン
JP2982997B2 (ja) 金属管の水平連続鋳造方法及び水平連続鋳造機
JP2778658B2 (ja) ダイカストマシンの射出装置
JPH01218741A (ja) 連続鋳造用モールド
JPH0756107Y2 (ja) アジャスタブルモールド
JPS5937140B2 (ja) ホツトトツプ鋳造装置
JPH04200845A (ja) アジャスタブルモールド
JPH0713898Y2 (ja) 連続鋳造用モールド
JP2537666Y2 (ja) ダイカスト用スリーブ
JPH09225592A (ja) 角ビレット連続鋳造用チューブモールド
JPH02229651A (ja) 連続鋳造用複合鋳型
JPH07227664A (ja) ダイカスト鋳造装置
JPH08229638A (ja) 車両用ホイールの鋳型
JPH0234251A (ja) 連続鋳造用複合鋳型
JPH0137807Y2 (ja)