JP2561500B2 - ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法

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JP2561500B2 JP63000836A JP83688A JP2561500B2 JP 2561500 B2 JP2561500 B2 JP 2561500B2 JP 63000836 A JP63000836 A JP 63000836A JP 83688 A JP83688 A JP 83688A JP 2561500 B2 JP2561500 B2 JP 2561500B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製
造方法に関し、より詳しくは、農薬、医薬等を製造する
上で有用な中間体であるピリジン−2、3−ジカルボン
酸誘導体の製造方法に関する。
〈従来の技術及び発明が解決しようとする課題〉 ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体は、例えば、ヨ
ーロッパ特許出願公開公報0041623号に開示されるよう
な除草作用を有する2−(2−イミダゾリン−2−イ
ル)ピリジン−3−カルボン酸誘導体の中間体として有
用な化合物である。
従来、ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方
法としては、 アニリンとグリセリンとを濃硫酸およびニトロベン
ゼンで処理するスクラウプ(Skraup)反応により、キノ
リン類、キノリノール類を合成し、次いでキノリン類、
キノリノール類を硝酸酸化する方法(J.Chem.Soc.第443
3頁、1956年); α,β−不飽和ヒドラゾン化合物とマレイン酸化合
物とを不活性溶媒中で反応させて1−置換アミノ−1,4
−ジヒドロピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体を得た
後、得られた上記誘導体を加熱し、1位の置換アミノ基
を脱離させる方法(特開昭60-246369号公報); 1−置換アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロピリジン
−2,3−ジカルボン酸誘導体を酸処理および/または熱
処理して1,4−ジヒドロピリジン−2,3−ジカルボン酸誘
導体に変換し、次いで酸化する方法(特開昭61-47482号
公報); キノリンをルテニウム酸化物の存在下に、過剰の次
亜塩素酸塩で酸化する方法(特開昭61-212563号公報)
等が知られている。
また、ピリジンモノカルボン酸誘導体の合成法とし
て、アクロレイン、クロトンアルデヒド等のα,β−不
飽和アルデヒドとβ−アミノクロトン酸エチルとの縮
合、環化反応により生成する2−メチル−1,4−ジヒド
ロニコチン酸エチル類を混酸中で硝酸酸化する方法(J.
Org.Chem.Soc.第21巻、第800頁、1956年)が知られてい
る。
しかしながら、上記方法のうち、の方法によれば、
反応工程数が多いだけでなく、過激な反応条件である硝
酸酸化を必要とし、危険を伴うものである。また、ピリ
ジン−2,3−ジカルボン酸類は、酸性条件下での加熱に
より脱カルボキシル化反応を生じ易いので上記硝酸酸化
法によると収率が低く、しかも多量の酸性廃液が生じる
ので、ピリジン−2,3−ジカルボン酸類の工業的製造方
法としては適切でない。
上記およびの製造方法にあっては、反応工程数が
多いのでトータル収率が低いばかりか、高価な出発原料
を用いなければならない。また、中間体の置換アミノ基
の脱離工程を必要とするので収量が減少し、省資源の面
からも問題がある。従って、上記およびの製造方法
で、ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体を工業的に製
造することは困難である。
上記の製造方法では、酸化剤を大過剰に用いる必要
があると共に、多量の廃液が生ずるので廃液処理に費用
を要するという問題がある。
〈目的〉 本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、廉価
で容易に入手しうる出発原料を用い、反応が一工程で終
了しかつ高収率でピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体
を得ることができるピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導
体の製造方法を提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 上記の課題を解決すべくなされた、本発明のピリジン
ー2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法は、下記一般式
(1)で表されるピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体
を製造する方法において、 (式中、R1およびR3はそれぞれ、同一または異なっ
て、水素原子または低級アルキル基を示し、R2は水素
原子、低級アルキル基、またはフェニル環上にハロゲン
原子もしくは低級アルキル基を有することのあるフェニ
ル(低級)アルキル基を示し、R4およびR5はそれぞ
れ、同一または異なって、ヒドロキシ基または低級アル
コキシ基を示す) 下記一般式(2)で表される化合物、 (式中、R1、R2およびR3は前記に同じ) 下記一般式(3)で表される化合物、 (式中、R4およびR5は前記に同じ。Xはハロゲン原
子を示す。) およびアンモニアとを反応させるものである。
なお、上記一般式(3)の化合物において、該化合物
がケトエノール互変異性をとりえることは当業者に広く
知られている。本明細書においては、そのような互変異
性体を、便宜上、上記一般式(3)の構造式で表すもの
とする。
前記の各式において、R1、R2およびR3の低級アル
キル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等の炭素数1〜8の直
鎖または分岐鎖アルキル基が例示できる。
2のフェニル環上にハロゲン原子または低級アルキ
ル基を有することのあるフェニル(低級)アルキル基と
しては、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1−
フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニル
ブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシ
ル、2−メチル−3−フェニルプロピル、4−クロロベ
ンジル、3−フルオロベンジル、2−ブロモベンジル、
4−ヨードベンジル、2,4−ジクロロベンジル、2−
(2−フルオロフェニル)エチル、1−(3−ブロモフ
ェニル)エチル、3−(4−クロロフェニル)プロピ
ル、4−(2−クロロフェニル)ブチル、5−(4−ク
ロロフェニル)ペンチル、6−(4−ブロモフェニル)
ヘキシル、4−メチルベンジル、3−メチルベンジル、
4−エチルベンジル、4−イソプロピルベンジル、4−
ヘキシルベンジル、2−(4−メチルフェニル)エチ
ル、2−(4−プロピルフェニル)エチル、3−(4−
メチルフェニル)プロピル、3−(3−エチルフェニ
ル)プロピル、4−(4−メチルフェニル)ブチル、4
−(4−ブチルフェニル)ブチル、5−(2−メチルフ
ェニル)ペンチル、6−(4−ヘキシルフェニル)ヘキ
シル基等の、フェニル環上に置換基としてハロゲン原子
または炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖アルキル基を有
することのある、アルキル部分の炭素数が1〜6の直鎖
または分枝鎖アルキル基であるフェニルアルキル基を例
示することができる。
4およびR5の低級アルコキシ基としては、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、第3級ブトキシ、ペンチルオキシ、
ヘキシルオキシ基等の炭素数が1〜6の直鎖または分岐
鎖アルコキシ基が例示できる。
Xのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が
例示できる。
一般式(2)の化合物の具体例としては、例えば、ア
クロレイン、クロトンアルデヒド、2−ペンテナール、
4−メチル−2−ペンテナール、2−ヘキセナール、5
−メチル−2−ヘキセナール、2−ヘプテナール、2−
オクテナール、2−ノネナール、2−デセナール、2−
ウンデセナール、2−メチル−2−プロペナール、2−
エチル−2−プロペナール、2−プロピル−2−プロペ
ナール、2−イソプロピル−2−プロペナール、2−ブ
チル−2−プロペナール、2−ペンチル−2−プロペナ
ール、2−ヘキシル−2−プロペナール、2−ヘプチル
−2−プロペナール、2−オクチル−2−プロペナー
ル、2−ベンジル−2−プロペナール、2−β−フェネ
チル−2−プロペナール、2−(3−フェニルプロピ
ル)−2−プロペナール、2−(4−クロロベンジル)
−2−プロペナール、2−(4−ブロモベンジル)−2
−プロペナール、2−(4−メチルベンジル)−2−プ
ロペナール、2−(3−メチルベンジル)−2−プロペ
ナール、2−(4−エチルベンジル)−2−プロペナー
ル、2−(4−イソプロピルベンジル)−2−プロペナ
ール、2−メチル−2−ブテナール、2−エチル−2−
ブテナール、2−ベンジル−2−ブテナール、2−メチ
ル−2−ペンテナール、2−エチル−2−ペンテナー
ル、2−メチル−2−ヘキセナール、2−エチル−2−
ヘキセナール、2−メチル−2−ヘプテナール、2−エ
チル−2−ヘプテナール、2−メチル−2−オクテナー
ル、2−エチル−2−オクテナール、2−メチル−2−
ノネナール、2−エチル−2−ノネナール、2−メチル
−2−デセナール、2−エチル−2−デセナール、2−
メチル−2−ウンデセナール、2−エチル−2−ウンデ
セナール、2−ヘキシル−2−ウンデセナール、3−ブ
テン−2−オン、3−ベンジル−3−ブテン−2−オ
ン、3−(4−クロロベンジル)−3−ブテン−2−オ
ン、3−(4−メチルベンジル)−3−ブテン−2−オ
ン、1−ペンテン−3−オン、3−ペンテン−2−オ
ン、4−ヘキセン−3−オン、3−ヘキセン−2−オ
ン、3−ヘプテン−2−オン、4−ヘプテン−3−オ
ン、2−ヘプテン−4−オン、3−メチル−3−ブテン
−2−オン、3−エチル−3−ブテン−2−オン、2−
メチル−1−ペンテン−3−オン、2−エチル−1−ペ
ンテン−3−オン、4−エチル−4−ヘキセン−3−オ
ン等が例示できる。
一般式(3)の化合物の具体例としては、例えば、α
−クロロオキサル酢酸、α−ブロモオキサル酢酸、α−
クロロオキサル酢酸ジメチル、α−クロロオキサル酢酸
ジエチル、α−クロロオキサル酢酸ジプロピル、α−ク
ロロオキサル酢酸ジイソプロピル、α−クロロオキサル
酢酸ジブチル、α−クロロオキサル酢酸ジペンチル、α
−クロロオキサル酢酸ジヘキシル、α−クロロオキサル
酢酸メチルエチル、α−ブロモオキサル酢酸ジメチル、
α−ブロモオキサル酢酸ジエチル、α−ブロモオキサル
酢酸ジプロピル、α−ブロモオキサル酢酸ジイソプロピ
ル、α−ブロモオキサル酢酸ジブチル、α−ブロモオキ
サル酢酸ジペンチル、α−ブロモオキサル酢酸ジヘキシ
ル等が例示できる。
本発明の製造方法は、下記の反応工程式により示すこ
とができる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびXは前記と
同じ。) 上記の反応工程式において、一般式(2)の化合物、
一般式(3)の化合物およびアンモニアの反応は、無溶
媒または有機溶媒中で行われる。この反応に使用される
有機溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒であれ
ば、極性、非極性溶媒、プロトン性、非プロトン性溶媒
を問わず使用でき、例えば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロ
ゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン
等の芳香族炭化水素類;ジメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジベンジルエーテル等のエーテル
類;メチルアセテート、エチルアセテート等のエステル
類;ジメチルスルホキシ等のスルホキシド類、N,N−ジ
メチルホルムアミド等のカルボアミド類、ジメチルスル
ホン、スルホラン等のスルホン酸、ヘキサメチルリン酸
トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が例示できる。
上記有機溶媒は、二種またはそれ以上を混合して用いて
もよい。上記有機溶媒のうち、非プロトン性有機溶媒が
好ましい。
また、この反応は無溶媒にても行うことができ、無溶
媒法によれば、溶媒費および溶媒の回収、精製の費用等
が不要となるのでコストの低減を図ることができる。
一般式(2)の化合物、一般式(3)の化合物および
アンモニアとの反応温度は特に限定されず、種々の温度
で行なうことができ、例えば、20〜200℃の温度範囲、
特に、35〜130℃の温度範囲で行なうのが好ましい。ま
た該反応は大気圧下または加圧下で行われ、特に反応を
有利に進行させるためアンモニアの圧力が0〜3kg/c
m2、好ましくは0.3〜2.5kg/cm2の加圧条件で行なうのが
好ましい。反応時間は30分〜24時間、通常1〜10時間程
度で終了する。なお、一般式(2)の化合物と一般式
(3)の化合物との使用割合は適宜のモル比にて行なう
ことができ、例えば、一般式(3)の化合物に対して、
一般式(2)の化合物を0.8〜1.5倍モル量、特に、1.0
〜1.2倍モル量用いるのが好ましい。アンモニアは、一
般式(2)および一般式(3)の化合物に対して、通
常、過剰量用いられる。
また、上記反応において、目的化合物である上記一般
式(1)の化合物の収率を向上させるため、上記反応
は、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4−(N,N
−ジメチルアミノ)ピリジン、モルホリン、N−メチル
モルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5
(DBN),1,4−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7
(DBU)、1,8−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DAB
CO)等の第二級または第三級アミンの存在下に行なうの
が好ましい。
また、上記反応は、目的化合物を効率的に生成させる
ため、アンモニウム塩、例えば、炭酸アンモニウム、塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の存在下
に行なうのが好ましい。
上記第二級、第三級アミンおよびアンモニウム塩は、
適宜量用いることができるが、一般式(3)の化合物に
対して、0.05〜1.0倍モル量使用するのが好ましい。
この反応の好ましい態様としては、一般式(2)の化
合物と一般式(3)の化合物とを、アンモニア圧が0.3
〜2.5kg/cm2の条件下に、無溶媒または非プロトン性有
機溶媒中、70〜130℃の温度にて行うのが好ましく、さ
らに好ましくは、上記の条件に加えて、第二級アミンも
しくは第三級アミンおよび/またはアンモニウム塩を添
加して反応させるのがよい。
なお、一般式(2)および(3)の化合物は、公知で
あるか、または公知の方法により合成することができ、
例えば、一般式(3)の化合物はJ.of American Chemic
al Society,Vol.72,5221,(1950)に記載される方法に
より製造することができる。
上記一般式(1)の化合物のうち、R4および/また
はR5がヒドロキシ基であるカルボン酸化合物は、一般
式(1)の化合物においてR4および/またはR5がアル
コキシ基であるエステル化合物を加水分解することによ
っても得られる。上記加水分解反応は、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
を用いる慣用の方法で行なうことができるが、前記カル
ボン酸化合物が水に易溶であり分離精製工程が煩雑とな
るので、溶媒として水と共にベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロベンゼン等の水不溶性有機溶媒を用い、上
記の塩基性化合物の存在下に加水分解反応を行ない、加
水分解反応により生成した水層中のカルボン酸塩を20〜
60℃の温度にて、塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸等の鉱
酸にて酸析処理することにより、上記カルボン酸類を析
出させる方法が好ましい。上記の加水分解反応は、室温
〜150℃、好ましくは40〜100℃で行われ、通常1〜24時
間程度で終了する。
本発明の方法により得られたピリジン−2,3−ジカル
ボン酸誘導体は、農薬、医薬等の種々の化合物を合成す
る際の中間体、例えば、ヨーロッパ特許出願公開公報00
41623号に開示されるような除草剤として知られる2−
(2−イミダゾリン−2−イル)ピリジン−3−カルボ
ン酸誘導体の中間体として有用である。
〈実施例〉 以下に、参考例および実施例に基づき、本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
参考例1 トリエチルアミン塩酸塩21.9g(0.20モル)と37%ホ
ルマリン16.3g(0.201モル)との混合物に、20〜35℃に
てβ−フェニルプロピオンアルデヒド25g(0.183モル)
を滴下した。滴下終了後、110〜115℃で4時間反応させ
た。反応終了後、20℃まで冷却し、ジエチルエーテル10
0mlで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、溶媒を留去し、残渣を蒸留して71%の収率で2−
ベンジル−2−プロペナール(bp10:99〜101℃)を得
た。
IR(液膜): 3050〜2800,1680cm-1 NMR(CDCl3)ppm: 3.60(2H,s)、6.1(2H,d)、7,2(5H,m) 実施例1 還流冷却管を装着した1の4つ口フラスコにクロロ
ベンゼン350mlと2−エチル−2−プロペナール21.0g
(0.25モル)を加え、オイルバスにて昇温させた。内温
が88℃になったところで、乾燥したアンモニアガスを反
応系にバブリングさせながら、α−クロロオキサル酢酸
ジエチル44.5g(0.20モル)とクロロベンゼン250mlとの
混合溶液を滴下した。上記混合溶液の滴下は、内温88〜
94℃の範囲で40分を要して行なった。滴下終了後、内温
を115℃まで上昇させ、さらに4時間アンモニアガスを
吹込んだ。反応液を室温まで冷却した後、不溶物を濾別
し、濾液を濃縮し、残渣を蒸留することにより76.5%の
収率で5−エチル−2,3−ジエトキシカルボニルピリジ
ン(bp2:151〜152℃)を得た。
上記の反応を種々の溶媒を用いて行なった。溶媒の種
類および反応条件と、ガスクロマトグラフィー法により
定量した目的化合物の収率とを第1表に示す。
なお、上記で得られた5−エチル−2,3−ジエトキシ
カルボニルピリジンを、下記の方法で加水分解し、5−
エチルピリジン−2,3−ジカルボン酸を得た。
還流冷却管を装着した200mlの4つ口フラスコ中で、
トルエン50ml、5−エチル−2,3−ジエトキシカルボニ
ルピリジン10.3g(0.041モル)および水29mlを混合し、
窒素雰囲気下で激しく攪拌しながら48%水酸化ナトリウ
ム溶液21.9gを添加した後、3.5時間還流した。反応液を
室温まで冷却、静置して水層とトルエン層とに分液し
た。45℃〜55℃の温度にて水層を50%硫酸28.3gで酸析
し、20℃まで徐々に冷却して析出した白色結晶を濾過
し、冷水10mlで洗浄した。50℃〜60℃にて減圧乾燥し、
5−エチルピリジン−2,3−ジカルボン酸5.9gを得た。
この5−エチルピリジン−2,3−ジカルボン酸の融点
は、154℃〜156℃(分解)であった。また、得られた5
−エチルピリジン−2,3−ジカルボン酸をアセトン−n
−ヘキサン混合溶媒で再結晶したものの融点は、156.5
℃〜157.5℃(分解)であった。
実施例2 ガラス製オートクレーブ中で、トルエン120ml、α−
クロロオキサル酢酸ジエチル9.4g(0.042モル)および
2−エチル−2−プロペナール4.2g(0.05モル)を混合
し、アンモニア圧力を0.5kg/cm2に保ちながら、約30分
かけて内温を20℃から100℃に上昇させた。さらに100℃
で4時間反応した後、内容物を室温まで冷却し、不溶物
を濾別し、濾液をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、66.6%の収率で5−エチル−2,3−ジエトキシカ
ルボニルピリジンを得た。
上記の反応を種々の溶媒を用いて行なった。溶媒の種
類および反応条件と、目的化合物の収率とを第2表に示
す。
実施例3 ガラス製オートクレーブ中で、トルエン120ml、α−
クロロオキサル酢酸ジエチル9.4g(0.042モル)、2−
エチル−2−プロペナール4.2g(0.05モル)およびトリ
エチルアミン0.9g(0.009モル)を混合し、アンモニア
圧力を0.5kg/cm2に保ちながら、約30分かけて内温を20
℃から100℃に上昇し、さらに100℃で4時間反応した
後、内容物を室温まで冷却し、不溶物を濾別し、濾液を
ガスクロマトグラフィーで分析したところ、71%の収率
で5−エチル−2,3−ジエトキシカルボニルピリジンを
得た。
上記トリエチルアミンに代えて、それぞれジメチルア
ミン、ジフェニルアミン、酢酸アンモニウムおよび炭酸
アンモニウムをそれぞれ用い、上記と同様の反応を行な
ったところ、第3表に示されるように、上記と同様に良
好な収率で目的化合物が得られた。
実施例4 ガラス製オートクレーブ中で、トルエン360ml、α−
クロロオキサル酢酸ジエチル78.2g(0.351モル)および
2−メチル−2−プロペナール24.6g(0.351モル)を混
合し、反応容器を密閉した後、内温を90℃まで上昇させ
た。次いで、アンモニア圧力を1.5kg/cm2に保ちながら
内温を110℃まで上昇し、4.5時間反応させた。内容物を
室温まで冷却し、不溶物を濾別した。濾液を濃縮し、残
渣をウィドマーカラムを用いた蒸留に付して、5−メチ
ル−2,3−ジエトキシカルボニルピリジン(bp3.5:160〜
161℃)を48g(収率57.6%)得た。
上記α−クロロオキサル酢酸ジエチルに代えて、α−
ブロモオキサル酢酸ジエチルを用い、上記と同様に反応
させたところ、上記と同様に好収率で目的化合物が得ら
れた。
実施例5 ガラス製オートクレーブ中で、α−クロロオキサル酢
酸ジエチル69g(0.31モル)、2−エチル−2−プロペ
ナール33g(0.39モル)および酢酸アンモニウム4.8g
(0.06モル)を混合し、内温を110℃まで上昇させた
後、アンモニウム圧力0.5kg/cm2で1.5時間、1.5kg/cm2
で1.5時間および2.5kg/cm2で2時間反応させた。反応終
了後、室温まで冷却し、不溶物を除去した後、蒸留して
67%の収率で5−エチル−2,3−ジエトキシカルボニル
ピリジンを得た。
実施例6 ガラス製オートクレーブ中に、α−クロロオキサル酢
酸ジエチル37.6g(0.168モル)、2−エチル−2−ブテ
ナール19.6g(0.20モル)およびクロロベンゼン480mlの
混合液を仕込み、アンモニア圧力を0.5kg/cm2に保ちな
がら、約1時間かけて内温を35℃から105℃に上昇させ
た。さらに、105℃で3.5時間反応させた後、内容物を室
温まで冷却し、不溶物を濾別した。濾液を濃縮し、残渣
をウィドマーカラムを用いた蒸留に付して、5−エチル
−4−メチル−2,3−ジエトキシカルボニルピリジン(b
p2:158〜161℃)を6.6g得た。
実施例7 ガラス製オートクレーブ中に、α−ブロモオキサル酢
酸ジエチル25g(0.094モル)、2−ベンジル−2−プロ
ペナール16.4g(0.112モル)、酢酸アンモニウム1.5gお
よびトルエン200mlを混合し、内温を110℃まで上昇させ
た後、アンモニア圧力0.5kg/cm2で12.5時間反応させ
た。室温まで冷却した後、無水硫酸ナトリウム40gを加
え、1夜攪拌し固形物を濾別した。濾液を濃縮し、残渣
を蒸留して、5−ベンジル−2,3−ジエトキシカルボニ
ルピリジン(bp3:191〜194℃)を8g得た。
IR(液膜): 3000〜2800,1700cm-1 実施例8〜22 実施例6と同様にして、適当な出発原料を用いて、下
記一般式で示されるピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導
体を得た例を第4表に示す。
〈発明の効果〉 以上のように、本発明のピリジン−2,3−ジカルボン
酸誘導体の製造方法によれば、中間体を経ることなく一
工程で反応が終了し、高収率で目的物を得ることができ
る。また廉価で容易に入手しうる出発原料を用いること
ができると共に温和な条件下で反応が進行するので安全
であり、しかも廃液等の処理も容易であるので、ピリジ
ン−2,3−ジカルボン酸誘導体を工業的規模で製造する
ことができるという効果を奏する。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表されるピリジン−2,
    3−ジカルボン酸誘導体を製造する方法において、 (式中、R1およびR3はそれぞれ、同一または異なっ
    て、水素原子または低級アルキル基を示し、R2は水素
    原子、低級アルキル基、またはフェニル環上にハロゲン
    原子もしくは低級アルキル基を有することのあるフェニ
    ル(低級)アルキル基を示し、R4およびR5はそれぞ
    れ、同一または異なって、ヒドロキシ基または低級アル
    コキシ基を示す) 下記一般式(2)で表される化合物、 (式中、R1、R2およびR3は前記に同じ) 下記一般式(3)で表される化合物、 (式中、R4およびR5は前記に同じ。Xはハロゲン原子
    を示す。) およびアンモニアとを反応させることを特徴とするピリ
    ジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】反応温度が、20〜200℃である請求項1記
    載のピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】反応を加圧条件下で行う請求項2記載のピ
    リジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】反応を大気圧条件下で行う請求項2記載の
    ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】反応を無溶媒で行う請求項3記載のピリジ
    ン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】反応を、第二級アミンもしくは第三級アミ
    ンおよび/またはアンモニウム塩の存在下に行う請求項
    5記載のピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】反応を有機溶媒中で行う請求項3記載のピ
    リジン−2,3−ジカルボン酸化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】有機溶媒が非プロトン性溶媒である請求項
    7記載のピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】反応を、第二級アミンもしくは第三級アミ
    ンおよび/またはアンモニウム塩の存在下に行う請求項
    8記載のピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】反応を無溶媒で行う請求項4記載のピリ
    ジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法。
  11. 【請求項11】反応を有機溶媒中で行う請求項4記載の
    ピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製造方法。
  12. 【請求項12】反応を、非プトン性有機溶媒中、第二級
    アミンもしくは第三級アミンおよび/またはアンモニウ
    ム塩の存在下に行う請求項11記載のピリジン−2,3−ジ
    カルボン酸誘導体の製造方法。
  13. 【請求項13】一般式(1)で表される化合物のR1
    よびR3が水素原子であり、一般式(1)で表される化
    合物のR2が低級アルキル基、またはフェニル環上にハ
    ロゲン原子もしくは低級アルキル基を有することのある
    フェニル(低級)アルキル基である請求項3、5、6、
    7、8または9記載のピリジン−2,3−ジカルボン酸誘
    導体の製造方法。
  14. 【請求項14】一般式(1)で表される化合物のR1
    よびR3が水素原子であり、一般式(1)で表される化
    合物のR2が低級アルキル基、またはフェニル環上にハ
    ロゲン原子もしくは低級アルキル基を有することのある
    フェニル(低級)アルキル基である請求項4、10、11ま
    たは12記載のピリジン−2,3−ジカルボン酸誘導体の製
    造方法。
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