JP2560579Y2

JP2560579Y2 - 記録計

Info

Publication number: JP2560579Y2
Application number: JP4125792U
Authority: JP
Inventors: 光伸佐藤; 利和紫桃
Original assignee: Chino Corp
Current assignee: Chino Corp
Priority date: 1992-06-16
Filing date: 1992-06-16
Publication date: 1998-01-26
Anticipated expiration: 2007-06-16
Also published as: JPH062144U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、入力信号に対応して記
録紙上に印字等の記録を行う記録計に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は、従来の記録計を示す斜視図であ
る。図において、記録ヘッド５１は摺動軸５６，案内軸
５７に沿って図示せぬ駆動機構により移動自在であり、
記録ヘッド５１の下部に設けられるプラテン５８上の記
録紙５９に、印字等の記録動作を行わせる。

【０００３】記録ヘッド５１は、摺動軸５６および案内
軸５７間に横架されたキャリッジ５２と、このキャリッ
ジ５２の前方に取り付けられたヘッド５３と、キャリッ
ジ５２およびヘッド５３の上面に突設されたリボン巻取
部５４と、リボン巻取部５４に横方向から着脱自在なリ
ボンカセット５５とから構成される。

【０００４】ヘッド５３の底面には、記録紙５９の送り
方向と直交する方向に複数本の打点ピン６０が並んで配
設されている。リボンカセット５５には、打点ピン６０
の個数に対応する複数色の色エリアからなる無端状のイ
ンクリボン６３が収容されている。このインクリボン６
３の一部は、打点ピン６０の直下位置において、記録紙
５９の送り方向と同一方向に渡って表出し張設されてい
る。このインクリボン６３は、リボン巻取部５４により
一方向に巻き取られる。リボン巻取部５４内には、イン
クリボン６３を回送するためのモータおよびギヤから成
る駆動機構が内蔵されている。

【０００５】上記構成の記録計では、記録紙５９の送り
方向が時間軸とされ、幅方向が入力信号のゼロ点、およ
びスパン長を含む有効記録幅とされている。また、イン
クリボン６３の各色は、例えば入力信号の各チャンネル
に対応して使用される。したがって、入力信号に応じた
位置までキャリッジ５２が記録紙５９の送り方向と直交
する方向に移動し停止した後、チャンネルに対応した打
点ピン６０のいずれかが選択的に突出し、対応したイン
クリボン６３の色で記録紙５９上に打点記録される。そ
して、インクリボン６３は、打点記録後にリボン巻取部
５４の駆動力で所定量回送される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
記録計では、リボンカセット５５内のインクリボン６３
の巻き取りに専用のリボン巻取部５４を設けるため、モ
ータの駆動用電力が必要でありコスト高となっていた。
さらに、キャリッジ５２上にリボン巻取部５４が設けら
れ、一体で移動する構成であるため、キャリッジ５２の
重量が重くなりキャリッジ５２駆動用のモータが大型化
するとともに、キャリッジ５２の移動動作を高速化でき
なかった。

【０００７】本考案は、上記問題点に鑑みて成されたも
のであり、インクリボンを電力を用いずに簡単な構成で
巻き取ることができ、ヘッドを含む可動部としてのキャ
リッジを小型軽量化できる記録計を提供することを目的
としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案の記録計は、入力信号に対応して記録紙１７
上の幅方向に移動自在なキャリッジ６に設けられた記録
機構６ｃにより記録を行う記録計において、前記記録機
構６ｃおよび前記記録紙１７間に渡り一部が設けられ、
複数色の色エリア１４ａ〜１４ｆを有するインクリボン
１４を収容したリボンカセット１３と、前記キャリッジ
６の記録機構６ｃに対し前記リボンカセット１３を移動
させることにより、前記インクリボン１４の色エリア１
４ａ〜１４ｆを選択自在なリボン移動機構１５と、前記
記録計の装置本体に固定され、螺合溝３２ａが形成され
た固定片部３２と、前記リボンカセット１３のインクリ
ボン１４を巻回する巻取り軸３０ａに連結され、前記螺
合溝３２ａに螺合自在な螺合ねじ３０ｃを有し、該螺合
ねじ３０ｃの回転により前記インクリボン１４を一方向
にのみ巻回する一方向クラッチ軸３０とを具備すること
を特徴としている。

【０００９】

【作用】上記構成によれば、入力信号に対応してキャリ
ッジ６が移動し、記録紙１７上に記録機構６により印字
等の記録がなされる。記録の際には、リボン移動機構１
５によりインクリボン１４が移動してこのインクリボン
１４の色エリア１４ａ〜１４ｆの任意の色が選択され、
この色による記録がなされる。そして、インクリボン１
４が移動すると、一方向クラッチ軸３０の螺合ねじ３０
ｃが固定の螺合溝３２ａに螺合状態で差し込まれ続ける
状態でこの一方向クラッチ軸３０は、インクリボン１４
を一方向に巻き取る。尚、螺合ねじ３０ｃが螺合溝３２
ａから外れる方向にインクリボン１４が移動し続ける状
態において一方向クラッチ軸３０はインクリボン１４を
巻き取らず、このインクリボン１４は常に一方向にのみ
巻き取られることになる。

【００１０】

【実施例】図１は、本考案の記録計を示す正面図、図２
は、図１のＡ−Ａ線側断面図である。左右一対の側板
１，１には、それぞれプーリ２が回転自在に設けられ、
これらプーリ２，２間には、繰り糸３が張架されてい
る。この繰り糸３は、キャリッジモータ４の駆動プーリ
４ａに周回されている。また、側板１，１間には、案内
軸５が連架され、この案内軸５にはキャリッジ６の基端
部が軸支されている。また、繰り糸３の一部は固定具６
ａによりキャリッジ６に固定されている。したがってキ
ャリッジモータ４の駆動により、キャリッジ６は案内軸
５に沿って側板１，１間をスライド自在である。

【００１１】キャリッジ６内部には、電磁コイルとアマ
チュアから成るピン打点機構６ｃが内蔵されており、キ
ャリッジ６先端部には打点ピン６ｂが下方に突出形成さ
れている。そして、電磁コイルの通電によりアマチュア
の先端部は、打点ピン６ｂを下方に突出させるようにな
っている。なお、打点ピン６ｂは、バネ部材により復帰
する。

【００１２】次に、リボン移動機構１５について説明す
る。このリボン移動機構１５は、後述するリボンカセッ
ト１３のインクリボン１４を打点ピン６ｂに対し移動さ
せ、記録紙１７上に色変えした打点記録を行うための機
構である。側板１，１には、直線状のガイドレール７，
７が設けられており、このガイドレール７，７は、リボ
ンホルダ８両側部から後部に水平状に設けられたレール
９を摺動自在に保持している。このレール９の下部に
は、ラック溝９ａが連続的に形成されている。

【００１３】また、一方の側板１には、レール９のラッ
ク溝９ａと歯合するギヤ歯１０ａを有するピニオン１０
が回転自在に軸支されている。ピニオン１０外周には、
減速歯１０ｂが形成され、この減速歯１０ｂはリボンモ
ータ１１の駆動歯車１１ａに歯合されている。また、他
方の側板１には、レール９のラック溝９ａと歯合するピ
ニオン１２が軸支されている。これにより、リボンホル
ダ８は、リボンモータ１１の駆動により、所定の減速比
で図２中矢印で示す前後方向に水平移動自在である。こ
のリボンモータ１１は、後述するインクリボン１４の色
エリア１４ａ〜１４ｆの幅に対応したピッチでこのイン
クリボン１４をスライド、位置決めされる。

【００１４】リボンホルダ８は、前記キャリッジ６の移
動方向に沿って設けられており、リボンカセット１３を
着脱自在に保持する。リボンカセット１３は、複数色を
有する無端状のインクリボン１４を収容するものであ
り、この実施例では、記録計が６チャンネルの入力を有
し、図２に示す如く各チャンネル別に対応した１４ａ〜
１４ｆまでの６色の色エリアを有する構成とされてい
る。また、記録計前方から後方に向かって順にチャンネ
ル１〜６まで並んでいる。このインクリボン１４は、リ
ボンカセット１３の両側部において、下方に突出形成さ
れたガイド部１３ａ，１３ｂの下端間に一部が表出し張
設されている。そして、インクリボン１４は、リボンホ
ルダ８に取り付けられた状態で前記キャリッジ６先端部
の打点ピン６ｂ直下に位置する。

【００１５】また、リボンカセット１３の後方には、イ
ンクリボン１４を送るための一方向クラッチ軸３０が突
出している。この一方向クラッチ軸３０は、図３の拡大
図に示す如く、リボンカセット１３のインクリボン１４
の巻取り軸３０ａと、この巻取り軸３０ａに一端が接続
されて一方向に巻回されたコイルバネ３０ｂと、このコ
イルバネ３０ｂの他端に接続された螺合ねじ３０ｃとか
ら成る。尚、この螺合ねじ３０ｃは、ねじ溝の間隔が荒
く、スロープが緩やかなものを用いることが望ましい。

【００１６】記録計の装置本体に固定された固定片部３
２には、螺合ねじ３０ｃに対応したねじ穴３２ａが形成
されており、リボンホルダ８が装置後方にスライドする
ことにより螺合ねじ３０ｃがねじ穴３２ａに螺合する。
これら、螺合ねじ３０ｃとねじ穴３２ａとは僅かな間隔
Ｌを隔てて近接しており、例えば、リボンホルダ８が装
置の後方に移動する状態で常に螺合状態とされ、装置の
最前方に位置する状態で螺合が解除された構成とする間
隔に設定される。また螺合ねじ３０ｃとねじ穴３２ａ
とが、常に螺合状態であっても良い他、リボンホルダ８
が装置の後方に移動する途中位置から互いに螺合するよ
う構成することもできる。これらは、螺合ねじ３０ｃと
ねじ穴３２ａとの間隔Ｌ、および螺合ねじ３０ｃの長さ
によって自由に設定できる。

【００１７】この一方向クラッチ軸３０は、螺合ネジ３
０ｃがねじ穴３２ａに螺合し、ＣＣＷ方向に回転すると
き、コイルバネ３０ｂが締まり、螺合ネジ３０ｃと共に
巻取り軸３０ａが回転してインクリボン１４が巻き取ら
れる。また、ねじ穴３２ａから螺合ねじ３０ｃが外れる
ときこの螺合ねじ３０ｃは、ＣＷ方向に回転してコイル
バネ３０ｂが開き、巻取り軸３０ａは回転しない。

【００１８】装置の下方には、チャート架台１６が設け
られ、このチャート架台１６において、打点ピン６ｂ，
インクリボン１４の直下には、プラテン１６ａが回動自
在に設けられており、記録紙１７を一定のチャートスピ
ードで前方に送り出す。この記録紙１７は、装置の幅方
向が入力信号の有効記録幅とされ、送り出し方向が時間
軸とされている。

【００１９】次に、上記構成による動作を説明する。６
ＣＨある各入力信号は、順次記録計内部に取り込まれ、
各ＣＨ毎に記録紙１７上に打点記録する。例えばＣＨ１
の入力信号を記録する際には、この信号値に対応する箇
所までキャリッジ６が記録紙１７の幅方向に移動する。

【００２０】同時にリボンモータ１１が駆動制御され、
このＣＨ１に対応したインクリボン１４の色エリア１４
ａが打点ピン６ｂの直下位置となる予め定められた所定
距離ガイドレール９に沿ってスライドする。尚、リボン
移動機構１５により常時リボンカセット１３は水平状態
で支持されており、移動後にリボンモータ１１を停止で
き、発熱、消費電力を低減化できる。この後、キャリッ
ジ６内部の打点機構６ｃが作動することにより打点ピン
６ｂが突出し、記録紙１７上に第１の色エリア１４ａに
より打点記録される。

【００２１】ところで、順次６ＣＨ分の打点記録がなさ
れる途中で、リボンホルダ８がリボン移動機構１５によ
り装置の後方に移動する際には、一方向クラッチ軸３０
の螺合ねじ３０ｃがＣＣＷ方向に回転し、コイルバネ３
０ｂを介して巻取り軸３０ａが同様にＣＣＷ方向に回転
する。これにより、インクリボン１４が一方向に巻回さ
れて打点ピン６ｂで押圧されるインクリボン１４の位置
が可変される。ところで、リボンホルダ８が装置の前方
に移動する際には、一方向クラッチ軸３０の螺合ねじ３
０ｃがＣＷ方向に回転するが、コイルバネ３０ｂは開く
ため、巻取り軸３０ａは回転せずインクリボン１４が逆
方向に巻回されることがない。これにより、インクリボ
ン１４は常に一方向にのみ巻回することができる。

【００２２】そして、６ＣＨ分の打点記録がなされる都
度、プラテン１６ａは所定角度回転され、記録紙１７を
チャートスピードに従って所定量送り出す。

【００２３】以上説明した実施例では、リボンカセット
１３背部に上記一方向クラッチ軸３０が設けられた構成
としたが、他、図４に示す如く、リボンホルダ８に一方
向クラッチ軸４０を設ける構成としてもよい。この場
合、リボンカセット１３のリボン巻取用の軸１３ｂ端部
を偏平状等に形成して回り止めするとともに、リボンホ
ルダ８側に設けられた巻取り軸４０ａにはこの軸１３ｂ
に嵌合する径で偏平状の嵌合溝４０ａｂを形成してお
く。その他、コイルバネ４０ｂ、螺合軸４０ｃについて
は前述の構成と同一である。これにより、リボンカセッ
ト１３の構成を簡単化できる。

【００２４】また、上述した実施例では、リボンホルダ
８にリボンカセット１３が着脱自在な構成としたが、他
にリボンホルダ８を設けずリボンカセット１３後方にラ
ック溝９ａを有するレール９を設ける構成としても良
く、この場合においても上述した実施例と同様の作用効
果を得ることができる。尚、この構成の場合、一方向ク
ラッチ軸３０をリボンカセット１３に設ける。尚、一方
向クラッチ軸３０の代わりに、一方向クラッチを有する
ギヤ機構で構成することもでき、この場合においても上
記同様の作用効果を得られる。

【００２５】

【考案の効果】本考案の記録計によれば、一方向クラッ
チ軸がインクリボンの巻取り軸に連結され、リボン移動
機構によりリボンカセットが移動して記録の色を変える
際に一方向クラッチ軸の螺合ねじが固定の螺合溝に螺合
する構成であるため、同時にリボンカセットのインクリ
ボンを一方向にのみ順次巻き取ることができる。これに
より、インクリボンの巻き取りのための特別なモータを
必要とせず、キャリッジを小型、軽量化でき、機構の簡
素化および低コスト化を図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の記録計を示す正面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線側断面図。

【図３】一方向クラッチ軸を示す斜視図。

【図４】本考案の他の構成例を示す図。

【図５】従来の記録計を示す斜視図。

【符号の説明】

６…キャリッジ、６ｂ…打点ピン、８…リボンホルダ、
１１…リボンモータ、１３…リボンカセット、１４…イ
ンクリボン、１４ａ〜１４ｆ…色エリア、１５…リボン
移動機構、１６ａ…プラテン、１７…記録紙。３０，４
０…一方向クラッチ軸、３０ａ巻取り軸、３０ｂコイル
バネ、３０ｃ螺合ねじ。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】入力信号に対応して記録紙（１７）上の
幅方向に移動自在なキャリッジ（６）に設けられた記録
機構（６ｃ）により記録を行う記録計において、前記記録機構および前記記録紙間に渡り一部が設けら
れ、複数色の色エリア（１４ａ〜１４ｆ）を有するイン
クリボン（１４）を収容したリボンカセット（１３）
と、前記キャリッジの記録機構に対し前記リボンカセットを
移動させることにより、前記インクリボンの色エリアを
選択自在なリボン移動機構（１５）と、前記記録計の装置本体に固定され、螺合溝（３２ａ）が
形成された固定片部（３２）と、前記リボンカセットのインクリボンを巻回する巻取り軸
（３０ａ）に連結され、前記螺合溝に螺合自在な螺合ね
じ（３０ｃ）を有し、該螺合ねじの回転により前記イン
クリボンを一方向にのみ巻回する一方向クラッチ軸（３
０）と、を具備することを特徴とする記録計。