JP2560213B2 - インスリノ−マで特異的に発現している遺伝子のdna - Google Patents

インスリノ−マで特異的に発現している遺伝子のdna

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新しい遺伝子に関するものである。さらに詳
しくは本発明はラツト、ハムスター及びヒトの各インス
リノーマで特異的に発現している新しい遺伝子、並びに
そのコードたん白質に関するものである。
従来ヒトおよびヒト以外の動物のインスリノーマで特
異的に発現している遺伝子のDNA塩基配列は全く見出さ
れておらず、したがつて、その遺伝子産物(コードたん
白質)についても、全く知見がない。インスリン発生細
胞の産生、腫瘍(インスリノーマ)化、再生、増殖につ
いての機構も解明されておらず、したがつて、インスリ
ン発生細胞の腫瘍化を知る診断法もまだ開発されていな
いのが現状である。
本発明者は、インスリン生合成の調節機構の解明、及
び簡便なインスリノーマの診断法を開発すべく種々研究
した結果、ストレプトゾトシン−ニコチン酸アミド、あ
るいはアロキサン−ニコチン酸アミドで誘発したラツト
インスリノーマで特異的に発現している新遺伝子の全塩
基配列(487塩基)を相補的DNA(cDNA)ライブラリーよ
り決定し、それをrig(at nsulinoma ene)と命
名した。またその新遺伝子のコードたん白質の全アミノ
酸配列(145個のアミノ酸)を推定することに成功し
た。
本発明は、かかる知見に基づくものである。これを詳
細に説明すると、rigは、後掲第1図にみられるように
正常な膵臓のランゲルハンス島や再生増殖ランゲルハン
ス島B細胞では殆んど発現していないことから、B細胞
のインスリノーマ増殖に密接に関与している可能性が考
えられた。更に研究を重ねた結果、BKウイルスで誘発し
たハムスターインスリノーマ、及び手術摘出したヒトイ
ンスリノーマにおいて、rigの塩基配列に酷似した新遺
伝子が見出された。すなわち、ハムスターインスリノー
マ、及びヒトインスリノーマのcDNAライブラリーから分
離した各新遺伝子は、ラツトインスリノーマから分離し
たrigと塩基配列で90%以上一致し、コードされている
アミノ酸の配列では100%一致していた。このアミノ酸
配列を有するたん白質は、分子量17,040でシグナルペプ
チドを含まず塩基性アミノ酸に富み、ニユクリアロケイ
シヨンシグナルペプチドと類似の構造を有していた。
本発明の研究の背景について述べると下記のごとくで
ある。すなわち、実質的に糖尿病を発症させる物質とし
てアロキサンとストレプトゾトシンが知られており、最
近になりこれらの物質は、極めて短時間にランゲルハン
ス島DNAを損傷し、断片化することが見い出されてい
る。アロキサンによるDNAの切断は活性酸素、ハイドロ
キシラジカル(OH゜)によるものと考えられており、ス
トレプトゾトシンのDNA切断作用はDNAのアルキル化に起
因するものと考えられている。真核細胞では、DNAが損
傷されるとこれを修復するために、核クロマチンに存在
するポリアデノシン2リン酸(ポリADP)リボース合成
酵素が活性化されることが考えられる。ランゲルハンス
島細胞核のポリADPリボース合成酵素は、DNA切断の時間
経過とほぼ同様の経過で著しく活性化され、この酵素の
基質であるニコチン酸アミドアデニンジニユクレオチド
(NAD)がランゲルハンス島内でほとんど消費され、プ
ロインスリン合成も著しく低下する。一方、ランゲスハ
ンス島B細胞の腫瘍化の機構としては、上述の一連の機
構において、ニコチン酸アミドなどのポリADPリボース
合成酵素阻害物質で、この酵素活性を制御すると、NAD
量の低下、プロインスリン合成の低下は阻止され、DNA
切断の修復は遅延する。このようなDNA切断修復の遅延
は、遺伝子の構造変化の可能性を高め、ガン遺伝子、増
殖因子の遺伝子の構造変化が起つてB細胞が腫瘍化する
ものと考えられる。
インスリン依存性糖尿病発生の場合には、B細胞のDN
Aが損傷を受けると、元来B細胞は***、増殖をしにく
い分化した細胞であることから、DNA損傷それ自体が直
ちにB細胞の生存に致命的な結果をもたらすというより
は、損傷されたDNAを修復しようとする自滅応答により
B細胞が壊死し、プロインスリン合成が低下するものと
考えられる。一方、ポリADPリボース合成酵素阻害物質
は、この自滅応答を阻止しB細胞のNAD量は保たれ、B
細胞は壊死から免れるが、DNA修復異常からB細胞が腫
瘍化する可能性が考えられる。すなわち、細胞機構を犠
牲にしてまでも遺伝情報であるDNAを正常に修復しよう
とする応答がインスリン依存性糖尿病の発症の方向であ
り、遺伝子(DNA)の若干の修復異常は残したまま細胞
機能をそのまま維持してB細胞が行き続けようとするこ
とがインスリノーマ発生の方向ではないかと推定され
る。
本発明により、第3図に記載されたアミノ酸配列を有
する新たん白質が提供される。
また、本発明により、上記の新たん白質のアミノ酸配
列をコードしているDNA塩基配列を有するDNAが提供され
る。
上記のDNA塩基配列としては、第3図に示されるヒト
インスリノーマ、ラツトインスリノーマおよびハムスタ
ーインスリノーマでそれぞれ特異的に発現している遺伝
子のDNA塩基配列があげられる。
さらに、本発明により、上記DNAから転写されるmRNA
が提供される。
これらの新たん白質および上記のDNA塩基配列を有す
るDNAならびに上記のmRNAは、インスリノーマないし膵
臓癌の診断など膵臓疾患の医薬上の目的に極めて有用に
用いることができる。
以下、実施例により本発明の具体化を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 (a) mRNAの調製 任意に飼育した体重150〜200gの雄ウイスターラツト
を用いストレプトゾトシン−ニコチン酸アミド併用投与
あるいはアロキサン−ニコチン酸アミド併用投与によ
り、インスリノーマを誘発し、ランゲルハンス島をMol.
Cell.Biochem.37,43−61(1981)に記載のコラゲナーゼ
消化法により得た。再生ランゲルハンス島はDiabetes 3
3,401−404(1984)に記載のYonemuraらの方法により調
製した。これらのランゲルハンス島から、Biochemistr
y,18,5294−5299(1979)に記載のChirgwinらの方法に
従つてそれぞれRNAを抽出した。これらのRNAからProc.N
atl.Acad.Sci.USA,69,1408−1412(1972)に記載のAviv
らの方法に従つて、オリゴ(dT)−セルロースカラムク
ロマトグラフイーによりポリ(A)+RNAを分離した。
(b) cDNAの調製 前記(a)で得られたストレプトゾシン−ニコチン酸
アミドで誘発したインスリノーマからのポリ(A)+RNA
(2μg)を鋳型としてMol.Cell.Biol.,161−170(1
982)に記載のOkayama−Berg法によりcDNAを調製した。
次にそのcDNAをJ.Biol.Chem.261,6156−6159(1986)に
記載のYamamotoらの方法に従いEscherichia Coli K12の
DH1株に形質転換し、170,000個の形質転換細胞、cDNAラ
イブラリーを調製した。なお、ハムスターインスリノー
マはBKウイルスで誘発し、ヒトインスリノーマは手術摘
出したものを用い同様にcDNAライブラリーを調製した。
(c) ノーザンブロツトハイブリダイゼーシヨン 前記(b)で得られたcDNAライブラリーからデイフア
レンシアルスクリーニングのため約5,000クローンをBio
chem.Biophys.Res.Commun.132,885−891(1985)に記載
のOhsawaらの方法に従い25μgの前記(a)で得られた
RNAを1.1Mホルムアルデヒドを含む1.5%(w/v)アガロ
ースゲル上で電気泳動した後、ニトロセルロースフイル
ターに転写した。次に、このフイルターを80℃で2時間
熱処理し、後記の実施例3で得られた32P−Pst I−Nae
I DNAフラグメントとハイブリダイズさせオートラジオ
グラフイを行つた(第1図参照)。
(d) DNA塩基配列決定 Methods Enzymol.101,20−78(1983)に記載のMessin
gのジデオキシ・チエーン・ターミネイシヨン法により
決定した。すなわち、ラツトインスリノーマにおいて増
加しているmRNAに対応するクローン化したcDNAを制限酵
素により切断したものと制限酵素で切断したM13フアー
ジDNAとをT4 DNAリガーゼで処理することにより、cDNA
のベクターへの結合を行い、組換え体フアージ2本鎖DN
Aを調製した。次に塩化カルシウム処理した宿主菌にリ
ガーゼ処理したベクターDNAを加えることによりトラン
スフエクシヨン(DNA感染)を行い、X−gal(5−ブロ
モ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシ
ド)溶液を含む寒天プレート上で培養し、感染菌を選び
出す。このようにして得られた感染菌のフアージを増殖
させ、ポリエチレングリコール処理することにより組換
え体フアージ1本鎖DNAを調製した。この組換え体フア
ージ1本鎖DNAを鋳型として、クローニング部位に隣接
したフアージDNAの領域と相補的なプライマーをアニー
リングさせるために55℃で5分間加熱した後、37℃に30
分間放置する。次にアニーリング処理した反応液に〔α
32P〕dcTP,DNAポリメラーゼI Klenow酵素溶液を加え
混和後、4本のチユーブに分注し、それぞれに4種のデ
オキシヌクレオチドと1種の2′,3′−ジデオキシヌク
レオチドを混合した後、相補鎖伸長反応を行う。2′,
3′−ジデオキシヌクレオチドが取り込まれた位置でDNA
鎖の伸長が停止する。次に、この相補鎖伸長反応を停止
後、ポリアクリルアミドゲル(6%または8%)に重層
し、電気泳動にけ、ついでオートラジオグラフイーを行
い塩基配列を解読することにより、ラツトインスリノー
マにおいて増加しているmRNAに対応するクローン化した
cDNAの塩基配列を決定した。
実施例2 後記の実施例3で得られたPst I−Nae I DNAフラグメ
ントを前記実施例1(a)で得られたRNAとハイブリダ
イズした(0.7Kベース)。そのRNAは、第1図に示され
ているように明らかに正常ランゲルハンス島(レーン
1)においてよりもストプトゾトシン−ニコチン酸アミ
ド誘発インスリノーマ(レーン2〜4)において非常に
高いレベルで存在していた。同様にアロキサン−ニコチ
ン酸アミド誘発インスリノーマ(レーン5〜7)におい
ても0.7KベースのRNA量は増加していた。一方、再生ラ
ンゲルハンス島(レーン8)、未処理ラツトの肝臓(レ
ーン9)、腎臓(レーン10)、脳(レーン11)、ストレ
プトゾトシン−ニコチン酸アミド併用投与した腫瘍形成
ラツトの肝臓(レーン12)、アロキサン−ニコチン酸ア
ミド併用投与した用形成ラツトの肝臓(レーン13)、に
おいては、0.7KベースのRNA量は低かつた。また、デー
タは示していないがBKウイルスで誘発したハムスターイ
ンスリノーマや手術摘出したヒトインスリノーマにおい
て0.7KベースのRNA量は増加していたが、胃硬性癌、胸
部侵入管癌、甲状腺乳頭腺癌のような他のヒト腫瘍にお
いては0.7KベースRNA量は低かつた。
実施例3 実施例1(b)で得られた170,000クローンの形質転
換細胞cDNAライブラリーから約5,000クローンをデイフ
アレンシヤルスクリーニングのためにニトロセルロース
フイルター上に転写した。その一組のフイルターはプラ
イマーとしてオリゴ(dT)と32P−dcTPを用いてインス
リノーマのポリ(A)+RNAから逆転写して調製した32P
−cDNAとハイブリダイズした。他の一組のフイルターは
正常ランゲルハンス島からのポリ(A)+RNAから上記イ
ンスリノーマの場合と同様に調製した32P−cDNAとハイ
ブリダイズした。5,000クローンのデイフアレンシヤル
スクリーニングで1個のクローンの割合でインスリノー
マからの32P−cDNAと特異的にハイブリダイズした。プ
ラスミドDNAを上記特異クローンから分離し、Pst IとNa
e Iで切り出した。第2図に示したように421塩基対(ヒ
トの場合は430塩基対)を持つPst I−Nae I DNAフラグ
メントをニツクトランスレーシヨン法により32P−dcTP
で標識し、ラツトインスリノーマの特異的相応mRNAの水
準測定のプローブとした。
実施例4 ラツトインスリノーマにおいて増加しているmRNAに対
応するクローン化したcDNAの塩基配列を決定した。第3
図に示すように、そのcDNAは487個(ヒト及びハムスタ
ーの場合は各々498個、485個)のヌクレオチドとポリ
(A)より成り、1つの大きな読み取り枠を持ち、ヌク
レオチド1−3番目のATGが開始コドンで、ヌクレオチ
ド436−438番目のTAGが停止コドンであるという仮定の
もとに145個のアミノ酸(分子量17,000)から成るたん
白質をコードしていた。メチオニンコドン周辺の塩基配
列CCAAGATGGは、多くの真核細胞のmRNA特徴的な開始配
列によく一致していた。塩基配列から推定されたたん白
質はアミノ酸残基61−68番目に推定上のnuclear locati
onシグナルを持つ非常に塩基性のたん白質(アルギニン
とリジン31残基に対してグルタミン酸とアスパラギン酸
14残基)であつた。そしてシグナルペプチドに特徴的な
疎水性アミノ酸集団は存在しなかつた。これらの結果
は、そのたん白質がDNAのような核内酸性巨大分子と相
互に作用しているかもしれないことを示している。正常
ランゲルハンス島における弱いハイブリダイゼーシヨン
シグナルは、正常細胞中の低いmRNAレベル(第1図レー
ン1)或いは、腫瘍と正常細胞間のmRNAの構造上の違い
によるものとされる。J.Biol.Chem.261,6156−6159(19
86)に記載のYamamotoらの方法に従つて調製したラツト
膵臓ランゲルハンス島cDNAライブラリーから正常cDNAを
分離し、その塩基配列が決定された。この塩基配列はイ
ンスリノーマのものと一致していることが見い出され
た。このことはノーザンブロツトハイブリダイゼーシヨ
ン(第1図)で観察されたバンドの強度の違いは、もつ
ぱら腫瘍と正常細胞におけるmRNA量の違いによるもので
あることを示している。上記の如くして特徴づけられた
cDNAの塩基配列、及び推定されるアミノ酸配列と、Euro
pean Molecular Biology Laboratory(Heidel−berg),
Gen Bank(Cambridge,MA),及びNational Biomedical
Research Foundation(Washington,D.C.)の核酸及びた
ん白質のデータバンクに蓄えられている他の遺伝子、及
びたん白質との関連をProc.Natl.Acad.Sci.USA,80,726
−730(1983)に記載のWilburらのrapid similarity se
arch algorithmにより調べた。その結果、cDNAのヌクレ
オチド残基99−174とラツトc−mosの3′末端部分(ヌ
クレオチド残基1070−1145)との間にわずかに相同性
(52%)があつたけれどもこのcDNAに一致、或いは強い
相同性を有する遺伝子、及び遺伝子産物は存在しなかつ
た。
rigと命名した全く新しい遺伝子がストレプトゾトシ
ン−ニコチン酸アミド誘発インスリノーマとアロキサン
−ニコチン酸アミド誘発インスリノーマの両方におい
て、見出された。ストレプトゾトシンやアロキサンは、
化学構造ばかりでなく、DNA鎖損傷の様式においても異
なつている。ストレプトゾトシン、或いはアロキサンに
より誘発されるインスリノーマの研究は、rigの活性化
が膵臓B細胞腫瘍化の一般的な特徴であるかもしれない
ことを示している。実際に、rigは、Experientia 36,18
7−188(1980)に記載のYamamotoらの方法でBKウイルス
を用いて誘発したハムスターインスリノーマや手術摘出
されたヒトインスリノーマにおいて活性化されていた。
第3図で明らかなようにハムスターインスリノーマ及び
ヒトインスリノーマの各cDNAライブラリーから分離した
各新遺伝子は、ラツトインスリノーマから分離したrig
と塩基配列で各々92%、91%、コードしている145個の
アミノ酸列では100%一致していた。しかし、胃硬性
癌、胸部侵入管癌、及び甲状腺乳頭腺癌のような他のヒ
ト腫瘍においては、rigは、特異的には発現が見られな
かつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はラツトインスリノーマで増加しているmRNAのノ
ーザンブロツト法によるオートラジオグラフである。す
なわち、25μgのRNAを1.5%(w/v)アガロースゲル上
で電気泳動後、ニトロセルロースフイルター上に転写し
て行つたもので、レーン1はランゲルハンス島からのRN
A、レーン2〜4はストレプトゾトシン−ニコチン酸ア
ミド併用投与による誘発インスリノーマからのRNA、レ
ーン5〜7はアロキサン−ニコチン酸アミド併用投与に
よる誘発インスリノーマからのRNA、レーン8は再生ラ
ンゲルハンス島からのRNA、レーン9〜11は未処理ラツ
トの肝臓、腎臓及び脳からのそれぞれのRNA、レーン1
2、13はストレプトゾトシン−ニコチン酸アミド、ある
いはアロキサン−ニコチン酸アミドの併用投与したイン
スリノーマ形成ラツト肝臓からのRNAを示すものであ
る。矢印は試料ゲル上の28S、18S及び4SのRNAの泳動位
置を示す。 第2図はラツト、ハムスター及びヒトの各インスリノー
マで特異的に発現している遺伝子のDNA塩基配列決定法
を示すものである。右側の各数値はヌクレオチド数を、
各括弧内数値は制限酵素切断部位の5′端のヌクレオチ
ド数を、太い実線は読み取り枠を、白抜き部分はポリA
を、矢印は塩基配列決定法の初めと方向及び範囲を示し
ている。 第3図(その1)および(その2)は、ラツト、ハムス
ター及びヒトの各インスリノーマで特異的に増加してい
ることが認められたmRNAに相当するクローン化されたcD
NAの塩基配列ならびにそれから推定されたアミノ酸配列
である。各配列は、便宜上、第3図(その1)と同(そ
の2)に分けられているが、一連のものである。ヌクレ
オチドは5′から3′方向へ番号をつけ最初のメチオニ
ンをコードしているATGから始まつている。推定アミノ
酸配列は塩基配列の上に示してあり、アミノ酸残基はメ
チオニンを1として始まる番号を付してある。アンダー
ラインはポリアデニル化シグナル(AATAAA)を、星印
は、ラツトの上記cDNAの塩基配列を基準にしてそれと異
つたハムスター及びヒトのcDNAの塩基配列部分に付され
ている。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のアミノ酸配列を有するたん白質をコ
    ードしているDNA塩基配列を有するDNA。
  2. 【請求項2】前記DNA塩基配列がヒトインスリノーマで
    特異的に発現している下記のものである特許請求の範囲
    第1項記載のDNA。
  3. 【請求項3】前記DNA塩基配列がラットインスリノーマ
    で特異的に発現している下記のものである特許請求の範
    囲第1項記載のDNA。
  4. 【請求項4】前記DNA塩基配列がハムスターインスリノ
    ーマで特異的に発現している下記のものである特許請求
    の範囲第1項記載のDNA。
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