JP2557864B2 - 成型用積層体シ−トとその製造方法 - Google Patents

成型用積層体シ−トとその製造方法

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JP2557864B2
JP2557864B2 JP61308796A JP30879686A JP2557864B2 JP 2557864 B2 JP2557864 B2 JP 2557864B2 JP 61308796 A JP61308796 A JP 61308796A JP 30879686 A JP30879686 A JP 30879686A JP 2557864 B2 JP2557864 B2 JP 2557864B2
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岩崎  博文
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、少なくとも一方の表面が表面の平滑な不織
シートと樹脂シートから成る成型用積層体シートに関す
る。更に詳しくは、少なくとも一方の表面が平均粗度70
μ以下の平滑な表面を有する半延伸ポリエステル系長繊
維不織シートと熱可塑性樹脂シートを積層体にした熱成
型性に優れた積層体シート及びその製造方法に関する。
かかる積層体シートは、印刷適性、装飾性、耐熱性、
断熱性、クッション性などを有し、食品、化粧箱などの
トレー、自動車内装材、壁装材等の成型用基材として活
用される。
〔従来の技術〕
熱可塑性シート状物を成型して成型品として用いるこ
とが知られている。その際の成型方法として押型を用い
たプレス法、真空成型法あるいは圧空成型法等が用いら
れる。プレス法は一般に雄型,雌型を用いなければなら
ず生産速度も遅く非能率的である。一方真空成型法ある
いは圧空成型法は簡便な装置で能率良く加工できるとい
う利点はあるが通気性の少ない熱可塑性シート状物を用
いることが必要となる。
かかる観点から従来熱可塑性樹脂シートが成型材料と
して広く利用されている。しかし、熱可塑性樹脂シート
は印刷適性、装飾性、耐熱性、断熱性などに劣る。これ
らの欠点を改善する為に、公知の不織シートと樹脂シー
トを積層体として成型材料に利用されている。この場
合、重要なことは、不織シートが成型加工時の応力で繊
維組織がずれて地割れが生じないことである。地割れが
発生すると表面の耐摩耗性が低下し毛羽立ち易くなる。
又、地割れが生じると成型物の美感を著しく低下させ
る。一方、地割れを防止しようとして、繊維組織を繊維
同志の熱融着、或いは、接着剤で固定化してしまうと成
型加工の時、外力を加えても伸びにくくなり、深い凹凸
形状、複雑な形状の成型加工が難しくなる。
前記欠点を改善する方法として、加熱下の外力に対し
て、伸び易い半延伸ポリエステル系繊維不織シートを利
用しようとしたものが特公昭56−39254に開示されてい
る。しかし、この方法は、前記半延伸糸と延伸糸との複
合、又は積層した不織シートであるため成型加工性は多
少改善されるが地割れを完全に防止することは出来な
い。又、上記半延伸糸のみの不織シートを使用したもの
が特公昭55−7432に開示されている。しかし、単に半延
伸繊維を利用するだけでは種々問題が生じ実用であると
はいえない。例えば、公知の半延伸繊維は、加熱すると
収縮する性質がある為、樹脂シートとの積層加工、及び
成型加工時に、熱収縮性を防止する対策が必要であり、
四方をクランプすることなどの対策がとられる。従って
不織シートと樹脂シートとの積層体シートを、成型材料
に用いる場合には、成型加工性に優れていること、即
ち、広い温度範囲にわたって、深い凹凸の成型、或は複
雑な形状の成型が可能であること、及び、成型品の保型
性に優れていること、即ち、成型品が外力で容易に型く
ずれし難く、形状が加熱等によって収縮又は、変形する
ことが少ないことなどが要望される。
又、成型材料に用いられる積層体シートは、成型後の
実用特性が優れていることも必要である。ここでいう実
用特性とは、小さな文字、記号等も鮮明に印刷できるよ
うに表面が円滑であって印刷適性が優れていること、少
なくとも一端面が不織シートから成る為、外観が繊維調
となり、触感、意匠性などの装飾性が優れていること、
180℃〜220℃の加熱雰囲気中でも使用可能な耐熱性があ
ること、断熱性、などが要望される。
しかしながら前述のような性能を有する成型用積層体
シートは現在出現していない。
本発明者等は、前述の要求特性を満足すべく鋭意検討
の結果、半延伸ポリエステル系長繊維ウエブを限定条件
下で熱処理して得られた不織シートと、熱可塑性樹脂シ
ートとの積層体が、成型加工性、成型品の保型性、及び
実用特性に優れていることを見い出して本発明に到達し
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、前述公知の半延伸糸を利用した不織
シートと樹脂シートとの積層体がもつ欠点を改善し、成
型加工性、成型品の保型性、及び、印刷適性、加飾性、
耐熱性、断熱性などの実用特性に優れていると共にあら
ゆる成型方法を適用できる積層体及びその製造方法を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の目的は、結晶化度指数が15%以上45%以下の
ポリエステル系長繊維から成る不織シートと、熱可塑性
シート(但し、ポリエステル樹脂を除く)との積層体シ
ートであって、沸水収縮率が10%以下、120℃での破断
伸度が100%以上、120℃での30%伸長応力が70kg/cm2
下であり、且つ前記不織シートが実質的に均一な繊維密
度からなり不織シート表面の平均粗度が100μ以下であ
ることを特徴とする成型用積層体シートによって達成さ
れる。
又、前記積層体シートは、破断伸度が100%以上、複
屈折率が0.01〜0.07のポリエステル系長繊維から成る不
織ウエブを形成するステップ;該ウエブをエンボスロー
ルを用いて部分熱圧着率3〜50%で熱圧着するステップ
と;水分を含ませた前記熱圧着後のシートを表面温度が
繊維の二次転移点よりも30℃以上で繊維の融点よりも60
℃以下の加熱ドラムとエンドレスフェルトとの間に両面
からはさんで面積縮小を抑制して熱処理して前記シート
表面を平滑な不織シートにするステップと;前記表面が
平滑な不織シートと熱可塑性樹脂シート(但し、ポリエ
ステル樹脂を除く)〔以下、熱可塑樹脂シートは同様の
意味で用いる)を積層するステップとを含んで成ること
を特徴とする沸水収縮率が10%以下、120℃での破断伸
度が100%以上及び120℃での30%伸長応力が70kg/cm2
下である成型用積層体シートの製造方法を用いることに
よって製造することができる。
本発明に用いられる不織シートとしては、本発明と同
一の出願人が特願昭61−121238号報で提案している不織
シート、すなわちポリエステル系半延伸長繊維不織ウエ
ブをエンボスロールで部分熱圧着を行なう第1ステップ
と、次いで、面積縮小を抑制できるよう両側からはさん
で熱処理する第2ステップとから成ることを特徴とする
不織シートを用いるとよい。
本発明の成型用積層体シートは、かくして得た前記不
織シートと熱可塑性樹脂シートを積層して得られる。
本発明で用いられるポリエステル系半延伸糸を製造す
るポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、又
は、エチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるも
のを主体とした共重合ポリエステルであり、二次転移温
度が室温以上で実質的に非晶性の半延伸糸が安定して製
造出来、又加熱処理により結晶化させることができるポ
リマーを用いるとよい。特に、ポリエチレンテレフタレ
ートが熱成型加工性、成型品の耐熱性、強度などで本発
明の目的に優れた結果をもたらす。
尚、本発明の目的を損わない範囲で、他の繊維例え
ば、ポリオレフィン、ポリアミド、などの繊維を混合し
てもよい。
繊維の繊度は、30デニール以下、好ましくは0.5〜10
デニールである。
本発明に用いる不織シートの目付は、30〜600g/m2
好ましく用いられる。
以下、本発明に用いられる不織シートについて詳細に
説明する。
本発明に用いられる不織シートは、公知のスパンボン
ド法などにより紡糸速度1600〜4000m/分で、破断伸度10
0%以上、複屈折率0.01〜0.07の半延伸ポリエステル系
長繊維ウエブを部分熱圧着する第1ステップを行う。即
ち、該ウエブを、二次転移点以上、二次転移点+30℃以
下の表面温度で、部分熱圧着率3〜50%、部分熱圧着用
突起部が実質的に均一に分布しているエンボスロール
(好ましくは1個当りの大きさが1〜5mm2、隣接する
距離が1〜10mm)で部分熱圧着する。
エンボス加工の圧力は、5〜90kg/cmで行われる。こ
の第1ステップを終えた前記不織シートは、沸水収縮率
が10%以上を有し、物性は低く、且つ、表面が毛羽立ち
易い。かかる不織シートは本発明の目的には直接使用す
ることはできない。
この第1ステップを行わないで、第2ステップを行う
と、前記ウエブの固定化がなされていない為に、繊維が
収縮を起こしつつ移動して不織シート中の繊維分散が悪
くなり、目付変動率が20%以上で低目付では、部分的に
穴が生じるという現象が表われ、本発明の目的には、適
合しない。
次いで、下記の第2ステップを行う。即ち、加熱ドラ
ムとこれに接したエンドレスフェルトとから成る通常の
フェルトカレンダーを用いて行う。ドラムの表面温度
を、二次転移点+30℃以上、融点−60℃以下にし、前記
第1ステップの不織シートにスプレー、ロール転写など
によって、水分を付与させた後、フェルトカレンダーを
通して、熱処理を行って本発明に用いられる不織シート
が得られる。この第2ステップによって得られた不織シ
ートは、結晶化度指数が15〜45%、好ましくは20〜40%
の繊維からなり、沸水収縮率が10%以下、120℃の破断
伸度が100%以上で、120℃の30%伸長応力が50kg/cm2
下、平均みかけ密度が0.25〜0.60g/cm3、少なくとも一
方の表面の平均粗度が100μ以下である。前記結晶化度
指数は、成型時の温度での熱劣化を防止し、成型を容易
ならしめる他、成型品の変形防止、寸法安定性をはかる
上で必要である。結晶化度指数が15%未満の場合は成型
時の温度において不織シートの劣化、変色、金型への融
着が起こる。45%を越えると深い凹凸の成型、複雑な形
状の成型が困難となる。
この不織シートは、平滑表面を有し、和紙に類似した
外観品位で、グラビラ印刷、活版印刷等で、小さな文
字、記号を印刷しても、鮮明に行うことができた。更
に、表面は、耐摩耗性が改善され毛羽立ちにくいものと
なり、型紙に似た硬さ、剛性を有するものとなった。
本発明の成型用積層体シートは、前記第2ステップの
熱処理を終えた不織シートと、熱可塑性樹脂シートとを
公知の方法、例えば、押し出しラミネート、接着剤を用
いたラミネート、或いは、超音波等による部分熱融着ラ
ミネートにより積層体として得られる。
本発明の目的の一つは、成型品の脱プラスチックのイ
メージをもたせる装飾性の向上である。
このため、本発明の積層体シートは、成型加工の際、
樹脂シート面が内側に、不織シートが外側になるように
することが好ましい。
このために、本発明の積層体シートを構成する不織シ
ートと、熱可塑性樹脂シートとの重量比は0.1〜20が好
ましく用いられる。
尚、本発明で用いられる熱可塑性樹脂シートとは、ポ
リエチレン、部分架橋ポリエチレン、ポリスチレン、ゴ
ム変性ポリスチレン、アクリルニトリル−スチレン共重
合体、メタアクリル酸メチル−スチレン共重合体、アク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、ポリアミ
ド、ビニリデン系樹脂からなるものであり、これらの単
体、異種複合体、或いは、これらの発泡体を含むもので
ある。
かくして得られた本発明の積層体シートは、公知の成
型加工方法、例えば、真空成型、圧空成型、凹凸金型に
よるプレス成型、押し出し成型などの方法で、適宜積層
体シートの予熱等を施して行うことが出来る。尚、この
時本発明の積層体シートは剥離しないことが好ましい。
本発明の積層体シートは、沸水収縮率が10%以下であ
る、この点は、成型加工時の加熱、或は、それに先立つ
予熱時に、積層シートが収縮変形を起し、成型品に歪が
発生することを防ぎ、良好な品位の成型品を得る上で必
要である。
又、120℃での破断伸度と120℃での30%伸長応力は、
成型加工時の変形の難易、型へのなじみなど成型加工性
に直接関連し、優れた成型加工性を得るには、破断伸度
が100%以上、30%伸長応力が70kg/cm2以下であること
が、深い凹凸の形状、及び複雑な形状の成型加工に必要
である。
更に、成型品の使用時の型くずれ、寸法安定性等の保
型性に係ることは使用温度での伸長応力が大きいことが
望ましい。
本発明の積層体シートの加飾性を向上させるために、
熱可塑性樹脂シートをラミネートする前に不織シートの
平滑な表面に印刷加工を行なうことが好ましい。不織シ
ートの平均粗度が100μ以下であるため、表面が平滑で
良好な印刷適性を有しており、小さな文字・記号などの
印刷しても極めて鮮明に印刷できる。
平均粗度が小さいことは、平滑な表面を表わす。平均
粗度が100μ以上になると凹凸が目立ち、印刷適性が悪
くなり、表面の加飾性も良くない。
本発明の成型性積層体シートの沸水収縮率120℃の破
断伸度および120℃の30%伸長応力の値は前述のように
不織シート自体の対応特性の好ましい値と同一である。
これは熱可塑性樹脂シートは成型加工の行われる加熱条
件下において不織シートよりも可塑化されやすいためで
あり、熱可塑性樹脂シートは積層シートの通気性を小さ
くする機能は果すが、前記加熱条件下では前記特性に関
してはほとんど寄与しないことに帰因する。
なお前述のように熱可塑性樹脂シートは可塑化されや
すい。すなわち熱的モジュラスが低い。したがって熱可
塑性樹脂シート単独で成型加工を行うと部分的に伸長さ
れる場合があり、均一な成型加工ができない。本発明に
よる複合された積層体シートでは、不織シート自体の熱
的モジュラスが熱可塑性樹脂シートより高いために、全
体が均一に伸びて成型することができるという特徴を有
する。一方本発明による積層体シートでは熱可塑性樹脂
シートが用いられているので通気性が小さくなり、不織
シート単体の成型加工では用いることが困難であった真
空成型や圧空成型を用いることができる。又積層体シー
トは不織シートによって保型性が付与されることになる
ので、熱可塑性樹脂シート単体で成型品を作る場合に比
し薄いもの、例えば厚さ100μ以下のシートを用いるこ
とができる。
このようにして得られた本発明による成型性積層体シ
ートを、成型加工に用いることによって、これまで得ら
れていない表面が繊維調の外観と触感を有し、且つ、印
刷によって美感を呈する等の装飾性、耐熱性、断熱性な
どに優れた成型品が得られる。
〔実施例〕
以下本発明を実施例をあげて具体的に説明する。尚、
実施例に記載した特性の定義及び測定方法を以下に示
す。
◎平均みかけ密度(JIS−L−1096に準ずる) 目付を試験片20cm×20cmから測定し、厚みをダイヤル
ゲージ(測定子直径10mmφ、質量80g)で測定して単位
容積当りの重量を求めて表わす。
◎複屈折率 白色光下で偏光顕微鏡ベレックスコンペンセーターを
用いて複屈折率(Δn)を測定する。
◎強伸度(JIS−L−1096に準ずる) 島津製作所製Auto Graph DSS−2000型万能引張試験機
により把握長10cm、引張速度20cm/分で雰囲気温度を各
々変えて測定して求める。
30%伸長応力は、30%伸長時の強度を試料の断面積で
除した値で表わす。
但し、単糸の場合、初荷重0.1g/dで行なう。
◎通気性(JIS−L−1096に準ずる) フラジュール試験機を用いて測定する。
◎耐摩耗性 タテ20cm×ヨコ3cmの試験片を摩擦試験機II型(学振
型)を用いて荷重500gで100往復摩擦させた後、試験片
の外観変化を下記の判定基準に照らして判定し、耐摩耗
性の目安とした。
(判定基準) A級:まったく毛羽立ちがない。
B級:少し毛羽立ちがあるが目立ない。
C級:毛羽立ちが目立つ。
◎平均粗度 (株)東京精密のサーフコム表面粗さ、輪郭形測定機
200B(JIS−B−0651−76による測定機)を用いて試料
の表面の粗度を測定し、その最大ピーク値、最小ピーク
値をチャートからそれぞれ求め、その平均値の差を平均
粗度という。
◎沸水収縮率(不織シート) 試料25cm×25cmにタテ、ヨコ各々20cmの位置にマーキ
ングして沸水に5分間浸漬した後、取出して、試料の寸
法変化を測り、収縮率をN=5の平均値で示す。
◎結晶化度指数 赤道方向のX線回折強度を赤道反射法により、結晶化
度指数を求める。
X線回折強度は理学電機社製X線発生装置(RU−200P
L)とゴニオメーター(SG−9R)、計量管には、シンチ
レーションカウンター、計数部には波高分析器を用い、
ニッケルフィルターで単色化したCu・Kα線(波長=1.
5418A)で測定する。繊維試料の繊維軸がX線回折面に
対して垂直となるようにアルミニウム製サンプルホルダ
ーにセットする。この時、試料の厚みは、0.5m/m位にな
るようにセットする。30kV、80mAでX線発生量を運転
し、スキャニング速度1°/分、チャート速度10mm/
分、タイムコンスタント1秒、ダイバージェンススリッ
ト1/2°、レシーピングスリット0.3m/m、スキャッタリ
ングスリット1/2°において2θが35°から7°まで回
折強度を記録する。記録計のフルスケールは、回折強度
曲線がスケール内にはいるように設定する。ポリエチレ
ンテレフタレート繊維は一般に赤道線の回折角2θ=17
°〜26°の範囲に3つの主要な反射を有する〔低角度側
(100)(010)(110)面〕。第1図にポリエチレンテ
レフタレート繊維のX線回折強度曲線の一例を示す。
(図中aが結晶部、bが非晶部を表わす。) 結晶化度指数は、得られたX線回折強度曲線より、2
θ=7°と2θ=35の間にある回折強度曲線間を直線で
結びベースラインとする。第1図のように2θ=20°付
近の谷を頂点とし、底角側及び、高角側のすそにそって
直線で結び結晶部と非晶部に分離し、次式に従って面積
法で求める。
◎目付変動率 シートのフィラメント分布の均一性を示す目安であり
幅25mm、長さ100mmの大きさに30ケ所よりサンプリング
し、各サンプリングの重量を測定して によって求める。
なおこの目付変動率が20%より小さければフィラメン
ト分布の均一性が優れていると言える。
◎熱劣化 105℃熱風乾燥機中で300時間放置した後、引張試験を
行い、破断伸度を測定する。105℃の曝露前後の破断伸
度から、伸度保持率を求めて表わす。
◎引裂強力(JIS L−1096に準ずる) 試験片5cm×15cmをタテ、ヨコ方向それぞれ取り前記
引張試験機を用いて求める。(シングルタング法)。
実施例−1 孔径0.25mm、孔数1000個の矩型紡糸口金を用いて、吐
出量850g/minで、固有粘度0.75のポリエチレンテレフタ
レートを溶融温度290℃で紡出し、紡糸口金直下800mmの
位置にある牽引用エアーサッカーのエア圧力を変えて、
紡糸速度2000m/分、2500m/分、3000m/分で金網コンベア
上に長繊維ウエブ(目付150g/m2)として取出した。得
られたウエブを構成する繊維の物性を第1表に示す。
比較例として、紡糸速度1200m/分と5200m/分の長繊維
ウエブを採取し、第1表に併記した。
第1表の特性を有する各繊維ウエブを、エンボスロー
ルの凸部の単位面積が2m2、圧着面積率24%、上下ロー
ル温度80℃、線圧20kg/cmに設定した一対のエンボスロ
ールで部分熱圧着をし第1ステップの不織シートを得、
この特性を第2表に示す。次いで、第1ステップの不織
シートにスプレー法により、3重量%の水分を均一に付
着させドラム直径1800mmのフェルトカレンダーを用いて
温度130℃、加工速度15m/分の条件下で熱処理を行な
い、第2ステップの不織シートを得、この特性を第3表
に示す。
第2表の結果から、第1ステップの不織シートは、沸
水収縮率が大きく、又、物理的特性も低く、本発明の目
的とする不織シートとしては用いることができない。
第3表の結果から、第2ステップの不織シートは、沸
水収縮率が小さく120℃の破断伸度が100%以上と高い伸
展性を有し、且つ、120℃の30%伸長応力が50kg/cm2
下と低く、成型加工性の良い事、又、常温付近の使用温
度に於いては、高い伸長応力を示し、成型加工によって
得られた成型品の保型性が優れていることが判った。更
に、平均粗度が100μ以下と表面が非常に平滑であり、
耐摩耗性、熱劣化の良好であることが判った。
一方、比較例実験No.は、未延伸糸から成る不織シ
ートである為、脆く、伸展性、熱劣化などに劣り成型加
工材料として全く適性のないものであり、フェルトカレ
ンダーのドラムに融着により、シートがロールにとられ
るなどの工程上きわめて問題が多いものであった。
又、比較例実験No.は、延伸度の高い糸から成る為
に、120℃の30%伸長応力が大きく、且つ破断伸度が小
さく、成型加工性に乏しい不織シートであった。
実施例−2 第1表に示した実施例実験No.の繊維から成るウエ
ブを、実施例1と同様に、第1ステップと第2ステップ
の熱処理を行ない、目付変動率を測定したところ18%で
あり、目付斑が目立たない良好な外観品位の不織シート
が得られた。
一方、比較として、同じ繊維ウエブを用いて、第1ス
テップの部分熱圧着を省略して、直接第2ステップの熱
処理を行なった場合、目付変動率が53%となり、目付斑
がかなり目立ち外観品位の極めて悪いものであった。
実施例3 25μのポリアミドシートと30μのアルミ箔を、50μの
ポリプロピレンシートを間に挟んで積層した。この積層
されたシートのポリアミドシート面に、実施例1の第3
表、実験No.の不織シートを積層し、接合した。接合
は、いずれも、常温反応型ウレタン接着剤(武田薬品工
業製、2液反応タイプ)を用いた。得られた積層体シー
トを温度180℃に加熱し、縦10cm×横10cm×深さ3cm直方
体形状凹凸金型で成型加工を行った。但し、成型加工
は、不織シートが外側になるようにする。
次いで、成型品を、温度180℃、30分間オーブンレン
ジ中で加熱して成型品の加熱前後の寸法変化、変形状態
を見たが、寸法変化、変形共に無視できる程度であっ
た。又、取り出す時、手で十分取り出すことができた。
以上の結果、本発明の積層体シートは、成型加工性、
成型品の保型性、耐熱性が優れていることが証明され
た。
〔発明の効果〕
本発明の成型性積層体シートは、広い成型加工温度範
囲に於いて、熱収縮が小さく伸び易く、室温付近の温度
に於いては、適当な剛性を有している、ポリエステル系
長繊維不織シートと熱可塑性樹脂シートとの積層体であ
るため深い凹凸の形状、複雑な形状の成型加工が可能で
あり、且つ、成型品の保型性が優れている。更に、表面
の印刷適性、脱プラスチックイメージの装飾性、耐熱
性、断熱性などが優れている為に従来多く使用されてい
る成型プラスチックの代替品として広く使用でき、又、
従来にない機能を持つ為に、汎用プラスチックでは問題
があった分野へも展開可能である。例えば、食品、化粧
箱等の各種トレー、自動車内装材、壁装材、包装材など
の成型材料として広く活用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶化度指数が15〜45%のポリエステル系
    長繊維から成る不織シートと、熱可塑性樹脂シート(但
    し、ポリエステル樹脂シートを除く)との積層体シート
    であって、該積層体シートの沸水収縮率が10%以下、12
    0℃での破断伸度が100%以上、120℃での30%伸長応力
    が70Kg/cm2以下であり、且つ前記不織シートが平均みか
    け密度が0.25〜0.60g/cm3であって、その表面の平均粗
    度が100μ以下であることを特徴とする成形用積層シー
    ト。
  2. 【請求項2】不織シートと熱可塑性樹脂シートとの重量
    比が0.1〜20の範囲であることを特徴とする特許請求の
    範囲1項記載の成形用積層シート。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂シートが単層又は異種多層か
    らなるフィルムあるいはその組合わせからなる特許請求
    の範囲1項記載の成形用積層シート。
  4. 【請求項4】破断伸度が100%以上、複屈折率が0.01〜
    0.07のポリエステル系長繊維から成る長繊維ウエブを形
    成するステップ;前記ウエブをエンボスロールを用いて
    部分熱圧着率3〜50%で熱圧着するステップ;該熱圧着
    シートに水分を含ませた前記熱圧着後のシートを表面温
    度が繊維の二次転移点よりも30℃以上で繊維の融点より
    60℃以下の加熱ドラムとエンドレスベルトとの間に両面
    からはさんで面積縮小を抑制して熱処理して、結晶化度
    指数が15〜45%の繊維からなり、平均みかけ密度が0.25
    〜0.60g/cm3、表面粗度が100μ以下の表面平滑な不織シ
    ートを形成するステップ;及び前記の表面平滑な不織シ
    ートと熱可塑性樹脂シート(但し、ポリエステル樹脂シ
    ートを除く)とを積層するステップを含んで成ることを
    特徴とする沸水収縮率が10%以下、120℃での破断伸度
    が100%以上及び120℃での30%伸長応力が70kg/cm2以下
    である成形用積層シートの製造方法。
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