JP2554242Y2

JP2554242Y2 - 氷垂直搬送装置の水平搬氷部構造

Info

Publication number: JP2554242Y2
Application number: JP1405591U
Authority: JP
Inventors: 利枝北埜; 隆志渡邊
Original assignee: Hoshizaki Electric Co Ltd
Current assignee: Hoshizaki Electric Co Ltd
Priority date: 1991-03-12
Filing date: 1991-03-12
Publication date: 1997-11-17
Anticipated expiration: 2006-03-12
Also published as: JPH04110355U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、製氷機で製氷されたほ
ぼ均一形状の氷の搬送に適する垂直搬送装置に関し、特
にその水平搬氷部の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動製氷機にあっては、貯氷庫の
前面に氷取り出しのための前面扉が設けられ、この前面
扉を開けて貯氷庫の氷を取り出していた。取り出し作業
はスコップを用いて行うが、前面扉の位置によっては、
取り出し作業は作業者にとってかなりの負担になる。

【０００３】そのため、貯氷庫に氷の垂直搬送装置を設
け、貯氷庫内の氷をその上部に形成された取出口より取
り出すことが提案されていた。その場合、取出口への氷
の搬送にはコンベア装置（実開昭４７−２６１６２号公
報）や、バケットエレベータ（実開昭４８−７７７４２
号公報）が用いられていた。また、製氷機以外において
も用いられる、砕氷された氷などの一般の氷の垂直搬送
装置としては、スクリユー式搬送装置（実開昭５６−１
３０６７５号公報）や２本の無端搬送部材に多数のレイ
キ手段を取り付けた砕氷供給装置（特公昭６０−１１７
９２号公報）が知られている。

【０００４】しかし、従来のコンベアを利用するコンベ
ア装置にあっては、垂直に搬送することが困難で多大の
面積を必要とし、バケットやレーキ手段を２本の無端搬
送チェーンに取り付けたものにあっては、バケットを無
端搬送チエーンより突出させる分のスペースを必要と
し、製氷機の貯氷庫のような狭い場所に配置するのが困
難であるばかりでなく、貯氷量によって搬送量が異なる
と共に、放出口の設定位置が無端搬送チェーンの反転位
置に限定されるという問題点があった。また、スクリュ
ー式の搬送装置では、スクリュー軸とその軸を囲む筒と
の間に氷を噛んで故障の原因となり易く、また、氷の形
状を損なうという問題点があった。

【０００５】上述の問題点を解消するために、本出願人
は、狭いスペースにも容易に配置することができ、且つ
貯氷量の多少に拘わらずほぼ一定量の搬送を行いうる氷
の垂直搬送装置を提供することを目的として、一対の無
端帯間に多数の横バーを所定間隔で取り付けてなる無端
搬送部材を水平搬氷部及び垂直搬氷部を通って循環走行
させる氷垂直搬送装置を実願平１ー１４２０４０号（実
開平３ー８２３０８号公報参照）、同２ー１１８０３７
号（実開平４ー７５８２９号公報参照）等として先に出
願した。この氷垂直搬送装置においては、氷は、水平搬
氷部において隣接する横バー間に収容され、無端搬送部
材の駆動により横バーに押されて水平搬氷部から垂直搬
氷部に運ばれ、同垂直搬氷部に沿って上動し、上方の放
出部から放出されるようになっている。

【０００６】図５は上述した氷垂直搬送装置の代表的な
例を示すもので、水平搬氷部Ａ、垂直搬氷部Ｂ及び氷放
出部Ｃからなり、氷は、水平搬氷部Ａにおいて氷垂直搬
送装置上に積載され、垂直搬氷部Ｂで上方に運び上げら
れ、放出部Ｃにおいて氷垂直搬送装置から放出される。
２本の平行な無端帯は、ステンレス製又は合成樹脂製の
周知のタイミングベルトもしくはエンドレスチェーン
３、３であり、これ等のチェーン３、３間には所定の等
間隔で多数の横バー１２、１２・・・が装架されてい
る。

【０００７】水平搬氷部Ａにおいては、多数の横バー１
２、１２・・・で画成される空間内には、水平な固定案
内部１がその上側に位置する横バー１２、１２・・・が
搬送される氷の最長辺の約１／２〜２／３の間隔、即ち
各横バー１２、１２間の間隔の約１／２〜２／３の間隔
を置いて配置されている。この水平な固定案内部１の両
側部には、チェーン３、３を案内するために、非吸水性
でかつ自己潤滑性の性質を有する材料からなるガイドレ
ール２、２が装着されている。

【０００８】水平搬氷部Ａの一方の端部には、図示しな
い軸受によつてその軸６ａを支持されたスプロケット
６、６が配設され、同スプロケット６、６がチェーン
３、３を案内している。水平搬氷部Ａの他方の端部に
は、上側を走行するチェーン３、３のためのガイドスプ
ロケット７、７及び下側を走行するチェーン３、３のた
めのガイドスプロケット９、９が配設され、該スプロケ
ット７、７及び９、９が水平搬氷部Ａから垂直搬氷部Ｂ
へと或はその逆にチェーン３、３を案内している。ガイ
ドスプロケット７、７及び９、９もスプロケット６、６
もステンレス又は合成樹脂で製造され、それ等の軸７
ａ、７ａ及び９ａ、９ａは図示しない軸受によって支持
されている。

【０００９】スプロケット７、７及び９、９が設置され
ている部分における固定案内部４は、ガイドスプロケッ
ト７、７の外周と等しい円弧で９０°曲折されて曲折部
を構成し、垂直な固定案内部５へと続いている。尚、水
平固定案内部１のガイドレール２、２は、曲折部４を経
て垂直固定案内部５へと延びている。

【００１０】垂直搬氷部Ｂの端部には、チェーン３、３
駆動用スプロケット８、８が配設され、その軸８ａは継
手１０を介してモータ１１と接続している。駆動用スプ
ロケット８、８もまた他のスプロケットと同様に、ステ
ンレス又は合成樹脂でつくられ、その軸８ａは図示しな
い軸受によって支持されている。

【００１１】また、放出部Ｃにおいては、スプロケット
７、７のほぼ垂直に上方の位置に別のスプロケット７
Ａ、７Ａを回転可能に配置すると共に、更に別のスプロ
ケット８Ａ、８Ａをスプロケット８、８とほぼ同一高さ
ではあるが、前記スプロケット７Ａ、７Ａよりは高く且
つ同スプロケット７Ａ、７Ａよりもスプロケット８、８
から離間した位置に回転可能に配置し、スプロケット
７、７を出たチェーン３、３がスプロケット７Ａ、８Ａ
をそれぞれ経由してスプロケツト８に達するように張架
する。固定案内部５の先端部の下方に氷の放出空間が形
成される。

【００１２】図６は、水平搬氷部Ａの縦断面図で、１６
は横バー１２をチェーン３に取り付けるための取付具で
あり、１７はガイドレール２、２を固定案内部１に取り
付けるための取付具であり、また、１８は氷垂直搬送装
置用のステンレス製又は合成樹脂製カバーである。

【００１３】

【考案が解決しようとする課題】図６から分かるよう
に、先行技術の水平搬氷部Ａでは、カバー１８の内側部
１８ａは、横バー１２の若干上で終端しているため、横
バー１２の両端部近傍においては、固定案内台１と横バ
ー１２との間に相当な大きさの隙間１９が空いていた。
水平搬氷部Ａ上に載置されている角氷１３の上には、図
示はしないが、別の角氷が多数乗っているために、図示
の角氷１３は、上から押される力を受けて、側方の隙間
１９に向かって移動しようとする。

【００１４】貯氷庫内にある角氷は、製氷機から供給さ
れた直後なら図６に示すような比較的に整った形状を有
し、しかも氷垂直搬送装置の設計に際して考慮された標
準の大きさを有するので、図６に示すような角氷１３が
上述した隙間１９に入ることはないが、角氷は、貯氷庫
内に長く貯留されているうちに、上述した力や温度変化
等のために砕片となったり、溶けて小片となり、異形氷
が発生する。

【００１５】かかる異形氷１３’は、標準の角氷１３よ
りも小さいために、図７から諒解されるように、隙間１
９に入り込んで、横バー１２の走行の妨げとなって氷の
搬送に支障をきたしたり、異音発生の原因となってい
た。また、正常な大きさ及び形状の角氷であっても、そ
れが傾斜して固定案内台１上に乗っていると、隙間１９
側の角氷の上側角部が隙間１９に入り込み、同様の問題
を生じることが分かった。

【００１６】従って、本考案の目的は、異形氷が発生し
ても、また、正常な角氷が傾斜して載置されても、それ
により搬氷に支障をきたしたり、異音が発生することの
ない氷垂直搬送装置の水平搬氷部を提供することであ
る。

【００１７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本考案によると、循環走行可能に支持された無端帯
と、同無端帯に、その循環走行路に沿って所定間隔で互
いに離間し、装着された多数の横バーとからなる無端搬
送部材を少なくとも水平搬氷部及び垂直搬氷部を通って
循環走行させる氷垂直搬送装置において、水平搬氷部
は、横バーにより押されて垂直搬氷部に向かって走行す
る角氷を下方から支持する固定案内台と、水平搬氷部に
おける横バーの両端部及び無端帯を上方から覆う一対の
遮蔽カバーとを有し、該一対の遮蔽カバーの各々と固定
案内台との間に、横バーの端部近傍に位置するように、
一対の遮蔽カバーの間隔よりも狭い間隔で一対の隙間閉
塞部材を設けている。

【００１８】

【作用】無端搬送部材を駆動することにより、無端帯と
そこに装着された横バーとは水平搬氷部を経由して垂直
搬氷部に向かって走行する。水平搬氷部においては、固
定案内台上に角氷が乗っており、それを横バーが押して
垂直搬氷部に運ぶ。

【００１９】水平搬氷部では、一対の遮蔽カバーが横バ
ーの両端部の走行路を上から遮蔽しており、また、一対
の隙間閉塞部材が固定案内台と各遮蔽カバーとの間の隙
間を閉塞している。そのため、異形氷が発生しても、そ
れが固定案内台と遮蔽カバーとの間に食い込んで異音発
生の原因となったり、横バーの走行を妨害したりするこ
とがない。しかも、隙間閉塞部材の間隔は遮蔽カバーの
間隔よりも狭い。そのため、正常な大きさ及び形状の角
氷が斜めに傾いて固定案内台上に乗っても、その角部が
隙間に入り込むこともない。

【００２０】

【実施例】次に、本考案の好適な実施例について添付図
面を参照して詳細に説明するが、図中、同一符号は同一
又は対応部分を示すものとする。尚、本考案の水平搬氷
部構造は例えば図５に示したような氷垂直搬送装置に実
施しうるが、本考案は水平搬氷部構造に関するものであ
るから、氷垂直搬送装置のその他の部分は、例えば放出
部を上向きに傾斜させるなど図５に示した以外に様々に
変形することが可能であるから、本考案の水平搬氷部構
造の実施は図５に示した形式の氷垂直搬送装置に限定さ
れるものではない。

【００２１】図１は、本考案による水平搬氷部Ａの第１
実施例を示す縦断面図で、これは先行技術の図６に相当
している。図１において、１６は横バー１２を無端帯で
あるチェーン３に取り付けるための取付具であり、ガイ
ドレール２、２は図示を省略した取付具によって固定案
内部１に互いに離間して取り付けられており、また、１
８は氷垂直搬送装置用のステンレス製又は合成樹脂製の
一対の遮蔽カバーである。同遮蔽カバー１８の内側部１
８ａは、横バー１２の若干上で終端しており、それ等の
間には、横方向に所定数の正常な角氷１３（製氷機から
供給された時の形状及び大きさに近いか或は実質的に相
当する角氷）をちょうど収容しうるような幅Ｗ₂の空間
がある。

【００２２】上述した遮蔽カバー１８の各内側部１８ａ
に対向して、該内側部１８ａとの間に横バー１２の端部
１２ａの走行を許容する間隙を残して、断面Ｌ字形の隙
間閉塞部材もしくは隙間閉塞板２０が固定案内台１から
上方に延びている。この隙間閉塞部材２０は、それが設
けられていなければ存在する隙間１９を閉塞する。両隙
間閉塞部材２０の垂直部２０ａ間の幅Ｗ₁ は、図示のよ
うに遮蔽カバー１８間の幅Ｗ₂よりも若干狭い。

【００２３】尚、実施例とは逆に、幅Ｗ₁が幅Ｗ₂よりも
図２に示すように広い場合、遮蔽カバー１８の内側部１
８ａが隙間閉塞部材２０の垂直部２０ａよりも内側に位
置するようになるため、正常な角氷１３が傾斜して固定
案内台１上に乗ると、その下側角部から上方に延びる角
氷辺１３ａの上端にある上側角部が内側部１８ａと垂直
部２０ａとの間に入り込み、横バー１２の走行を妨害し
たり異音発生の原因となったりする。従って、幅Ｗ₁
は、内側部１８ａの下端と隙間閉塞部材２０の垂直部２
０ａの上端との間の水平方向の幅Ｗ₃ で示す部分から図
示しない屑氷がチェーン３側に入り込まない程度に、幅
Ｗ₂ よりも若干狭くなければならない。また、内側部１
８ａの下端と隙間閉塞部材２０の垂直部２０ａの上端と
の間の垂直方向の幅Ｗ₄ は、この幅の部分を横バー１２
が走行しうる程度に狭いことが好ましい。

【００２４】更に、水平搬氷部Ａは貯氷庫（図示せず）
の底部上に載置されるため、水平搬氷部Ａにより貯氷庫
の底部が損傷を受けないように、遮蔽カバー１８の垂直
脚部１８ｂは下端で内側に水平に屈曲して水平部１８ｃ
を形成しており、この水平部１８ｃで貯氷庫の底部上に
載置されるようになっている。

【００２５】図３及び図４は、本考案の第２、第３実施
例をそれぞれ示す図１に相当する図である。第１実施例
とは異なる部分について説明すると、図３においては、
横バー１２の端部を固定案内台１の近傍まで延びるＵ字
形の棒部材２１によりチェーン３に結合すると共に、遮
蔽カバー１８の内側部１８ａ’をＵ字形の棒部材２１に
より囲まれる空間内に固定案内台１近くまで延入させ
て、実質的に隙間を無くしている。従って、この実施例
では内側部１８ａ’は隙間閉塞部材として機能してい
る。尚、遮蔽カバー１８の垂直脚部１８ｂの下端は外側
に水平に屈曲して水平部１８ｃを形成している。

【００２６】図４においては、遮蔽カバー１８には内側
部が設けられておらず、その代わりに、ほぼＬ形の隙間
閉塞部材２０が、横バー１２の走行を許容する程度の隙
間を遮蔽カバー１８の上側水平部１８ｄとの間に残し
て、可能な限り上方に延びている。尚、この実施例で
は、貯氷庫底部の損傷を防止するため、ゴムもしくはプ
ラスチックのように弾性を有することが好ましいキャッ
プ２２が遮蔽カバー１８の垂直部１８ｂの下端と固定案
内台１の垂直部１ａの下端とに図示のように嵌合してい
る。

【００２７】

【考案の効果】本考案によると、水平搬氷部は、一対の
遮蔽カバーの各々と固定案内台との間に、横バーの端部
近傍に位置するように、一対の遮蔽カバーの間隔よりも
狭い間隔で一対の隙間閉塞部材を設けているので、圧力
や温度の変化を受けて正常な大きさ及び形状の角氷が小
片や砕片となって異形氷が発生しても、かかる異形氷は
隙間閉塞部材により阻止されて無端帯側に入ることがな
く、また、正常な角氷が傾斜して固定案内台上に乗って
もその上側角部が隙間に入ることがない。これにより、
バランスを崩して落下しようとしている氷が引っ掛かっ
たまま垂直搬氷部へ搬送されることはない（即ち正常な
角氷は整列して横バー間に収容される）ため、異音が発
生したり、無端帯もしくは横バーの走行に支障が生ずる
ような事態を回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による水平搬氷部の第１実施例を示す縦
断面図。

【図２】本考案による水平搬氷部の効果について説明す
るための縦断面図。

【図３】本考案による水平搬氷部の第２実施例を示す縦
断面図。

【図４】本考案による水平搬氷部の第３実施例を示す縦
断面図。

【図５】先行技術の氷垂直搬送装置を示す斜視図。

【図６】図５に示した氷垂直搬送装置の水平搬氷部の縦
断面図。

【図７】図６に示した水平搬氷部構造の問題点を説明す
る縦断面図。

【符号の説明】

Ａ水平搬氷部Ｂ垂直搬氷部１固定案内台３チェーン（無端帯）１２横バー１３角氷１８遮蔽カバー１８ａ’ 遮蔽カバーの内側部（隙間閉塞部材）１９隙間２０隙間閉塞部材

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】循環走行可能に支持された無端帯と、同
無端帯に、その循環走行路に沿って所定間隔で互いに離
間し、装着された多数の横バーとからなる無端搬送部材
を少なくとも水平搬氷部及び垂直搬氷部を通って循環走
行させる氷垂直搬送装置において、前記水平搬氷部は、
前記横バーにより押されて前記垂直搬氷部に向かって走
行する角氷を下方から支持する固定案内台と、前記水平
搬氷部における前記横バーの両端部及び前記無端帯を上
方から覆う一対の遮蔽カバーとを有し、該一対の遮蔽カ
バーの各々と前記固定案内台との間に、前記横バーの端
部近傍に位置するように、前記一対の遮蔽カバーの間隔
よりも狭い間隔で一対の隙間閉塞部材を設けてなる氷垂
直搬送装置の水平搬氷部構造。