JP2552598B2 - 回転継手 - Google Patents

回転継手

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JP2552598B2
JP2552598B2 JP3321271A JP32127191A JP2552598B2 JP 2552598 B2 JP2552598 B2 JP 2552598B2 JP 3321271 A JP3321271 A JP 3321271A JP 32127191 A JP32127191 A JP 32127191A JP 2552598 B2 JP2552598 B2 JP 2552598B2
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文男 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力軸と出力軸とを接
続する際、軸心の整合性に対する許容度を高めることが
でき、回転を正確に伝達できるようにした回転継手に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転継手において軸心の整合性に
対する許容度を高めることができるものとしては、各種
のフレキシブル継手が提案されている。これらのフレキ
シブル継手は、両端の円筒部に入力軸と出力軸をそれぞ
れ挿入し、ネジ、ピン、キーなどで固定し、中間部は、
フレキシブル性をもたすために、金属のコイルや可撓性
を有する合成樹脂の円筒で形成したものである。
【0003】また、このような回転機構においては、パ
ルスモータ、サーボモータなどの制御モータなどにより
回転角を制御する必要があるものも多い。これらの制御
モータには、制御信号と比例した回転動作、すなわち位
置ずれを生じないような磁気力を利用した保持機能が設
けられている。例えばパルスモータの場合、固定子と回
転子に回転角を小さくするための歯形が円周上に形成さ
れていて、固定子には2、4、5相などの複数のコイル
があって、このコイルに電流をパルス信号によって順次
切り換えて流し、パルス信号に応じて回転する磁界を作
り、永久磁石を有する回転子を所定角度ずつ回転させる
ようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フレキシブル継手では、フレキシブル性をもたすため、
中間部を金属のコイルや可撓性を有する合成樹脂等で形
成しているが、これらは強い回転トルクが加わると、ね
じれ等を発生して回転力の正確な伝達ができず、場合に
よっては破損する等の問題があった。このため、回転ト
ルクが大きい場合や、回転角の正確な制御が必要な場合
には適していなかった。
【0005】また、回転角を制御する場合、制御モータ
は、所定の回転角で正確に回転が停止することが要求さ
れるが、回転体には当然のことながら慣性力が残ってい
るので、この慣性力に打ち勝つ停止力が必要となる。し
かし、パルスモータの場合には、固定子と回転子との間
にギャップがあり、上記停止力は、磁気力のみに頼って
いる。したがって、高速回転させた場合など、慣性力が
磁気力よりも大きくなった場合には、位置ずれを生じや
すくなり、満足する精度が得られなくなる。また、停止
力を高めるために、電磁ブレーキを併用したモータも知
られているが、高速回転を直ちに停止させるためには、
相当なブレーキ力が必要とされ、ブレーキ機構の大型化
や、ブレーキに要するエネルギー消費も多くなる。
【0006】したがって、本発明の一つの目的は、フレ
キシブル継手であって、比較的大きな回転トルクが加わ
っても、回転力を正確に伝達することができ、破損する
ことのない回転継手を提供することにある。また、本発
明のもう一つの目的は、入力軸の回転停止力が小さくて
も、出力軸の慣性力を減衰させて所定の回転角度で停止
できるようにした回転継手を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、入力軸と出力軸とを同軸的に突き合わせ
て接続する回転継手において、前記入力軸の外周に装着
され、前記入力軸の先端方向に向けて複数段状に外径を
小さくされた入力側スリーブと、前記出力軸の外周に装
着され、前記出力軸の先端方向に向けて複数段状に外径
を小さくされた出力側スリーブと、前記入力側スリーブ
及び前記出力側スリーブの対応する外周にそれぞれ同心
的に装着され、中心から外径方向に向かって巻方向を交
互に変えられた複数のコイルばねと、前記入力軸がある
方向に回転し停止するとき、前記入力軸の回転角が前記
出力軸よりも大きい場合には、前記コイルばねの一方の
巻方向のものに巻き締め力を発生させ、前記出力軸の回
転角が前記入力軸よりも大きい場合には、前記コイルば
ねの他方の巻方向のものに巻き締め力を発生させるワン
ウェイクラッチ機構とを備えていることを特徴とする。
【0008】本発明の好ましい態様の一つにおいては、
前記複数のコイルばねは、それらの中間部内周がその内
側に位置する部材に対して所定の隙間を有する状態で装
着されており、前記巻き締め力が発生したとき、所定角
度回動した後に前記内側に位置する部材に密接して回転
力を伝達するようにされている。
【0009】本発明の好ましい態様のもう一つにおいて
は、前記複数のコイルばねは、それらの内周がその内側
に位置する部材に対して密接して装着されており、前記
巻き締め力が発生したとき、その回転力を直ちに伝達す
るようにされている。
【0010】本発明の更に好ましい態様においては、前
記入力側スリーブ及び前記出力側スリーブは、外径が変
化する段部で分離されたそれぞれ複数の円筒部材からな
り、各円筒部材は、噛み合い方向を交互に変えたワンウ
ェイクラッチを介して、前記入力軸又は前記出力軸に装
着されている。
【0011】本発明の更に他の好ましい態様において
は、前記入力側スリーブ及び前記出力側スリーブは、そ
れぞれ一体のものからなり、前記複数のコイルばねは、
ばねクラッチ作用をもたせて、前記入力側スリーブ及び
前記出力側スリーブに装着されている。
【0012】本発明の更に他の好ましい態様において
は、前記入力側スリーブの特定箇所に第1ギアが装着さ
れ、前記出力側スリーブの前記入力側スリーブの特定箇
所に対応する箇所に第2ギアが装着され、これらの第1
ギア及び第2ギアに対応して、それらの送り歯数を検出
する第1センサ及び第2センサが取付けられている。
【0013】
【作用】本発明の回転継手において、まず、複数のコイ
ルばねが、それらの中間部がその内側に位置する部材に
対して所定の隙間を有する状態で装着されている態様に
ついて、その作用を説明すると、今、入力軸がある方向
に回転するとき、入力軸に装着された入力側スリーブを
介して、一方の巻方向のコイルばね(以下、第1コイル
ばねとする)が巻き締められると仮定した場合、第1コ
イルばねがそれ以上縮径できないところまで巻き締めら
れると、入力軸に装着された入力側スリーブと、出力軸
に装着された出力側スリーブとが一体化して剛体とな
り、出力軸が入力軸と一体に回転する。このとき、入力
軸は、ワンウェイクラッチ機構の作用によって他方の巻
方向のコイルばね(以下、第2コイルばねとする)に対
して空回りし、第2コイルばねは、巻き締め作用も巻き
戻し作用も受けない。
【0014】この状態で入力軸の回転が停止すると、出
力軸は、慣性モーメントによって回転を続けようとす
る。その結果、ワンウェイクラッチ機構の作用によっ
て、今度は第2コイルばねが巻き締められ、第1コイル
ばねは巻き戻されることとなる。出力軸は、上記慣性モ
ーメントによって入力軸の回転停止角を越えても更に回
転するが、第2コイルばねがそれ以上縮径できないとこ
ろまで回転し、入力軸に装着された入力側スリーブと、
出力軸に装着された出力側スリーブとが一体化して剛体
となったとき、あるいは他方の巻方向のコイルばねの反
発力が出力軸に残った慣性モーメントより大きくなった
ときに回転を停止して、第2コイルばねの反発力によっ
て今度は逆方向に回転する。
【0015】その結果、第1コイルばねが再び巻き締め
られ、第2コイルばねは巻き戻される。そして、出力軸
の回転が入力軸の回転停止角を越えて戻りすぎると、今
度は第1コイルばねの反発力によって再び逆の方向に回
転する。こうして、入力軸が停止したときに出力軸側に
残っている慣性モーメントは、第1コイルばねと第2コ
イルばねの交互の巻き締め作用による反復振動となって
徐々に減衰され、最終的には入力軸の回転角に応じた正
確な回転位置で停止する。なお、この場合、第1コイル
ばねのばね常数と、第2コイルばねのばね常数とを異な
らせることにより、上記慣性モーメントの減衰効果をよ
り高めることができる。
【0016】このように、本発明の回転継手の一つの態
様によれば、入力軸を停止させたときに出力軸側に残っ
ている慣性モーメントを、第1コイルばねと第2コイル
ばねの交互の巻き締めによって減衰させることができる
ので、入力軸側の停止力が比較的小さくても位置ずれす
ることなく正確な位置で回転を停止させることができ
る。したがって、例えばパルスモータの駆動軸に、本発
明の回転継手を介して出力軸を接続することにより、回
転速度を高めても正確な位置で回転を停止させることが
可能となり、また、通常のブレーキ付きモータの駆動軸
に、本発明の回転継手を介して出力軸を接続することに
より、ブレーキ力が小さくても正確な位置で回転を停止
させることが可能となる。
【0017】次に、本発明の回転継手において、複数の
コイルばねがそれらの内側に位置する部材に対して密接
して装着されている態様について、その作用を説明する
と、まず、入力軸がある方向に回転すると、入力側スリ
ーブを介して、第1コイルばねに巻締め作用が働く。し
かし、第1コイルばねは、既にその内側に位置する部材
に対して密接して装着されているので、その回転力が直
ちに出力側スリーブに伝達され、入力軸と出力軸とが一
体化して回転する。
【0018】また、入力軸の回転が停止すると、出力軸
は、慣性モーメントによって回転を続けようとする。そ
の結果、ワンウェイクラッチ機構の作用によって、今度
は、第2コイルばねに巻締め作用が働く。しかし、前述
のように第2コイルばねは、その内側に位置する部材に
対して密接して装着され、それ以上巻き締めることがで
きない状態となっているので、その慣性モーメントが直
ちに入力軸側に伝達され、入力軸の停止力によって出力
軸が停止する。なお、入力軸がどちらに回転しても、同
様な結果となる。すなわち、入力軸と出力軸は、完全に
一体化して回転し停止する。
【0019】本発明の回転継手は、上記のように、それ
ぞれのコイルばねの内周に隙間を設けることによって、
回転を停止させたときの慣性モーメントを減衰させる機
能をもたせることもでき、あるいは、それぞれのコイル
ばねの内周を内側の部材に密接させることによって、通
常の継手と同様に入力軸の回転力及び停止力が直ちに出
力軸に伝達されるようにすることもできる。いずれの場
合においても、回転力及び停止力の伝達は、第1コイル
ばね及び第2コイルばねのいずれかが巻き締められるこ
とによりなされるので、比較的大きな回転トルクが加わ
っても、回転力を正確に伝達することができ、継手が破
損することも防止される。
【0020】また、本発明の回転継手は、入力側スリー
ブと出力側スリーブとの間を、複数のコイルばねで連結
した構造をなすので、入力軸と出力軸の軸心が正確に整
合していなくても、多少のずれは上記コイルばねによっ
て吸収されるので、軸心の整合性に対する許容度を高め
て、装置組み立て時におけるアライメントを容易にする
ことができる。
【0021】本発明において、第1コイルばね及び第2
コイルばねに巻締め力を発生させるワンウェイクラッチ
機構として、入力側スリーブ及び出力側スリーブを、外
径の変化する段部で分離した複数の円筒部材でそれぞれ
構成し、各円筒部材を、噛み合い方向を交互に変えたワ
ンウェイクラッチを介して、入力軸又は出力軸に装着し
た構造を採用した場合には、ワンウェイクラッチによる
バックラッシュのない回転伝達が可能となるとともに、
入力軸及び出力軸をワンウェイクラッチに挿入するだけ
で、軸の接合ができるという利点が得られる。
【0022】本発明において、第1コイルばね及び第2
コイルばねに巻締め力を発生させるワンウェイクラッチ
機構として、第1コイルばね及び第2コイルばねを、そ
れぞればねクラッチ作用をもたせて装着した構造を採用
した場合は、継手の構造が簡素化されるという利点が得
られる。しかし、ばねクラッチは、大きな回転トルクに
対して滑りを生じやすいことから、特に回転精度を要求
される場合は、上記ワンウェイクラッチを利用した構造
の方が好ましい。
【0023】本発明の好ましい態様において、入力側ス
リーブの特定箇所に第1ギアを装着し、出力側スリーブ
の上記と対応する箇所に第2ギアを装着し、これらの第
1ギア及び第2ギアに対応して、それらの送り歯数を検
出する第1センサ及び第2センサを取付けた場合には、
第1センサ及び第2センサによって対応するギアの送り
歯数を検出して入力軸と出力軸のそれぞれの回転角を求
めることができ、入力軸と出力軸の回転角のずれを確認
することができる。なお、この場合、ギアとは、外周に
センサによって検出できる突起を有するものであればよ
く、通常のギアの形状に限定されることなく、例えばよ
り鋭利な角を有する三角形状の多数の歯を外周に有する
ようなものであってもよい。
【0024】
【実施例】図1には、本発明による回転継手の一実施例
が示されている。
【0025】この回転継手11は、一対の支持板12、
13を平行に対置して、それらの間を複数の支柱14で
連結したフレームを有している。支持板12には、ブレ
ーキ付きモータ15が装着され、その駆動軸が本発明に
おける入力軸16を構成し、入力軸16は支持板12を
貫通してフレーム内に突出している。また、他方の支持
板13を貫通して、内周にベアリング17を有する軸受
スリーブ18が装着されており、この軸受スリーブ18
に出力軸19が挿通されている。そして、入力軸16と
出力軸19とは、それらの先端部を突き合わせるように
同軸的に配置されている。
【0026】入力軸16には、ワンウェイクラッチ20
を介して拡径円筒21が基部側に装着され、ワンウェイ
クラッチ22を介して縮径円筒23が先端側に装着され
ており、これらの拡径円筒21と縮径円筒23によって
本発明の入力側スリーブ24が構成されている。ワンウ
ェイクラッチ20は、入力軸16が拡径円筒21に対し
て相対的に図中矢印A方向に回転するときのみ噛み合
い、ワンウェイクラッチ22は、縮径円筒23が入力軸
16に対して相対的に矢印A方向に回転するときのみ噛
み合う。すなわち、ワンウェイクラッチ20、22は、
互いの噛み合い方向が逆になっている。
【0027】出力軸19には、ワンウェイクラッチ25
を介して拡径円筒26が基部側に装着され、ワンウェイ
クラッチ27を介して縮径円筒28が先端側に装着され
ており、これらの拡径円筒26と縮径円筒28によって
本発明の出力側スリーブ29が構成されている。ワンウ
ェイクラッチ25は、拡径円筒26が出力軸19に対し
て相対的に図中矢印A方向に回転するときのみ噛み合
い、ワンウェイクラッチ27は、出力軸19が縮径円筒
28に対して相対的に矢印A方向に回転するときのみ噛
み合う。すなわち、ワンウェイクラッチ25、27は、
互いの噛み合い方向が逆になっている。この結果、4つ
のワンウェイクラッチ20、22、25、27は、噛み
合い方向が交互に逆になるように配列されている。
【0028】入力側スリーブ24の拡径円筒21と、出
力側スリーブ29の拡径円筒26との間には、第1コイ
ルばね30が装着されている。この第1コイルばね30
は、出力軸19側(図中上方)から見て、拡径円筒21
が時計方向及び拡径円筒26が反時計方向に相対回転す
るとき巻き締められるようになっている。また、第1コ
イルばね30の内周には筒状スペーサ31が配置されて
おり、第1コイルばね30の内周と筒状スペーサ31の
外周との間に所定量の隙間が形成されるようになってい
る。なお、この筒状スペーサ31は、継手のフレキシブ
ル性を損なわないようにするため、中間部を分離された
2つの筒体で構成されている。この筒状スペーサ31の
更に内周において、入力側スリーブ24の縮径円筒23
と、出力側スリーブ29の縮径円筒28との間には、第
2コイルばね32が装着されている。この第2コイルば
ね32は、第1コイルばね30と反対方向巻きで、出力
軸19側から見て、縮径円筒23が反時計方向及び縮径
円筒28が時計方向に相対回転するとき巻き締められる
ようになっている。なお、縮径円筒23、28には、更
に縮径された部分23a、28aが形成されており、こ
の部分の外周と第2コイルばね32の内周との間に、所
定量の隙間が形成されるようになっている。また、この
実施例の場合、各コイルばね30、32は、それぞれの
両端部を対応する各円筒に固着されている。
【0029】次に、この回転継手を用いた場合の回転動
作について説明する。
【0030】モータ15の作動により入力軸16が図中
矢印A方向に回転し始めると、ワンウェイクラッチ20
は、その回転力を入力側スリーブ24の拡径円筒21に
伝達し、この拡径円筒21に固着された第1コイルばね
30の一端が矢印A方向に回転する。また、第1コイル
ばね30の他端は、出力側スリーブ29の拡径円筒26
に固着されているが、拡径円筒26は、ワンウェイクラ
ッチ25により出力軸19に噛み合うので、出力軸19
を回転させないと回転できない。この結果、第1コイル
ばね30がねじられて巻き締められ、筒状スペーサ31
の外周に密着してそれ以上巻き締めができなくなると、
入力軸16、入力側の拡径円筒21、出力側の拡径円筒
26及び出力軸19が一体化して回転する。なお、入力
軸16の回転に対してワンウェイクラッチ22は空転
し、入力側の縮径円筒23に回転力を伝達しないので、
第2コイルばね32に対する巻き締め又は巻き戻し力は
発生しない。
【0031】こうしてモータ15により入力軸16が所
定角度回転した後、ブレーキによって入力軸16が停止
すると、出力軸19は、慣性モーメントによって更に回
転を続けようとする。また、入力軸16が停止すると、
ワンウェイクラッチ20は空転して拡径円筒21の矢印
A方向の回転を許容する。更に、出力軸19が拡径円筒
26よりも速く回転すると、ワンウェイクラッチ25は
空転して拡径円筒26に回転力を伝達しない。この結
果、第1コイルばね30は、出力軸19の回転角度に比
例して巻き戻される。
【0032】一方、出力軸19が慣性モーメントによっ
て更に回転を続けると、ワンウェイクラッチ27を介し
て噛み合う出力側の縮径円筒28が回転し、第2コイル
ばね32の一端を同方向に回転させる。ところが、第2
コイルばね32の他端が固着された入力側の縮径円筒2
3は、ワンウェイクラッチ22により入力軸16に噛み
合うので、入力軸16が停止すると矢印A方向には回転
できない。この結果、第2コイルばね32にねじり力が
作用して、第2コイルばね32が巻き締められる。第2
コイルばね32が縮径円筒23、28の更に縮径された
部分23a、28aに密接すると、それ以上巻き締めが
できなくなり、出力軸19、縮径円筒28、23及び入
力軸16が一体化するため、出力軸19の図中矢印A方
向への回転は停止する。このとき、出力軸19は、入力
軸16の回転角度を越えて回転しすぎた位置にあるが、
上記のように第2コイルばね32が巻き締められている
ので、その反発力が作用して今度は逆方向に回転を始め
る。なお、第2コイルばね32の反発力が強い場合に
は、その反発力が出力軸19に残っていた慣性モーメン
トより大きくなったときに出力軸19の回転が停止し、
今度は逆方向に回転を始める。
【0033】出力軸19が逆方向に回転すると、ワンウ
ェイクラッチ25が噛み合って出力側の拡径円筒26を
同方向に回転させる。一方、入力側の拡径円筒21は、
ワンウェイクラッチ20が入力軸16に噛み合うことに
なるので回転することができない。その結果、第1コイ
ルばね30に再びねじり力が作用し、第1コイルばね3
0が巻き締められる。そして、第1コイルばね30の巻
き締めによる反発力が出力軸19の逆方向への回転モー
メントに勝ると、出力軸19は、再び反転して図中矢印
A方向に回転し、今度は再び第2コイルばね32が巻き
締められることになる。このように、入力軸16が停止
したとき、出力軸19側に残っていた慣性モーメント
は、第2コイルばね32と第1コイルばね30との交互
の巻き締め作用と、出力軸19の次第に振幅の小さくな
る揺動作用に変換されて徐々に減衰され、出力軸19
は、最終的に入力軸16に応じた回転角度で停止する。
この場合、第1コイルばね30と第2コイルばね32の
ばね常数を異ならせておくことにより、慣性モーメント
の減衰効果を高めることができる。
【0034】したがって、モータ15に付設されたブレ
ーキ力が小さくても、入力軸16を停止させたときに出
力軸19側に残っている慣性モーメントを、第2コイル
ばね32と第1コイルばね30によって減衰させ、出力
軸19を正確な位置で停止させることができる。また、
この回転継手11によれば、入力軸16と出力軸19
を、それぞれ対応するスリーブ24、29の各ワンウェ
イクラッチ20、22、25、27内に挿入するだけで
接続できる。更に、入力軸16と出力軸19の軸心が厳
密に一致していなくても、多少の軸心のずれは第1コイ
ルばね30と第2コイルばね32の変形によって吸収さ
れる。したがって、接続作業が比較的簡単になされる。
【0035】図2には、本発明による回転継手の別の実
施例が示されている。なお、以後、実質的に同一部分に
は同符合を付してその説明を省略することにする。
【0036】この回転継手41は、一対の支持板12、
13を平行に対置させ、それらの両側を側壁42、43
で連結したフレームを有している。支持板12には、モ
ータ15が装着され、その駆動軸、すなわち入力軸16
は、支持板12を貫通してフレーム内に突出している。
入力軸16には、噛み合い方向が逆の2つのワンウェイ
クラッチ44、45を介して、入力側スリーブ46が装
着されている。入力側スリーブ46は、上記ワンウェイ
クラッチ44、45が内周に設置された筒部47と、最
も外方に突出した第1ギア48と、次に外方に突出した
拡径部49と、この拡径部49より縮径された縮径部5
0とが、図中下方から順次連接された構造を有してい
る。入力側スリーブ46は、上記ワンウェイクラッチ4
4、45により、実質的に入力軸16と一体化して回転
する。
【0037】また、他方の支持板13には、前記実施例
と同様に軸受スリーブ18を介して出力軸19が挿通支
持されている。出力軸19には、噛み合い方向が逆の2
つのワンウェイクラッチ51、52を介して、多段状に
縮径された出力側スリーブ53が装着されている。出力
側スリーブ53は、最も外方に突出した第2ギア54
と、次に外方に突出した拡径部55と、最も縮径された
縮径部56とが、図中上方から順次連接された構造を有
している。更に、入力側スリーブ46と出力側スリーブ
53との間には、テーパ状のスペーサリング57が装着
されている。
【0038】入力側スリーブ46の拡径部49と、出力
側スリーブ53の拡径部55との間には、第1コイルば
ね30が装着されている。第1コイルばね30の内周に
は、前記実施例と同様に筒状スペーサ31が配置されて
いる。更に、入力側スリーブ46の縮径部50と、出力
側スリーブ53の縮径部56との間には、第2コイルば
ね32が装着されている。第2コイルばね32は、巻き
締められたとき、テーパ状のスペーサリング57の外周
に密着するようになっている。なお、前記実施例と同様
に、第1コイルばね30は、出力軸19側から見て拡径
部49が時計方向及び拡径部55が反時計方向に相対回
転するときねじられて巻き締められ、第2コイルばね3
2は、同じく出力軸19側から見て縮径部50が反時計
方向及び縮径部56が時計方向に相対回転するときねじ
られて巻き締められるようになっている。また、これら
のコイルばね30、32は、いわゆるスプリングクラッ
チ機能をもたせて各スリーブ46、53に装着されてお
り、スリーブ46、47が巻き締め方向に回転するとき
は巻き締められるが、巻き戻し方向に回転するときには
滑りを生じて空転するようになっている。
【0039】一方の側壁43には、第1ギア48に対応
した位置に第1センサ61が設置されており、第2ギア
54に対応した位置に第2センサ62が設置されてい
る。これらのセンサ61、62は、回転に伴って送られ
るギア48、54の歯数をカウントする。
【0040】次に、この回転継手を用いた場合の回転動
作について説明する。
【0041】モータ15が作動して入力軸16が図中矢
印A方向に回転し始めると、ワンウェイクラッチ44、
45の噛み合いによって、入力側スリーブ46が一体に
回転する。この結果、第1コイルばね30にねじり力が
作用し、第1コイルばね30が巻き締められる。第1コ
イルばね30が筒状スペーサ31の外周に密着してそれ
以上巻き締められなくなると、入力側スリーブ46と出
力側スリーブ53とが一体化し、入力軸16と同速度で
出力軸19が回転する。なお、回転の初期において、第
2コイルばね32は、巻き戻し方向にねじられることに
なるので、入力側スリーブ46との間で滑りを生じて空
転し、ねじり作用を受けない。
【0042】第1センサ61は、第1ギア48の送り歯
数を検出し、第2センサ62は、第2ギア54の送り歯
数を検出する。そして、入力軸16と出力軸19の回転
角をそれぞれ求めて、回転角のずれを確認することがで
きる。こうして、第1センサ61及び第2センサ62に
よって検出された回転角が所定の角度に達すると、モー
タ15に停止信号が送られる。そして、モータ15が停
止し、入力軸16が所定の回転角で停止する。
【0043】入力軸16が停止すると、ワンウェイクラ
ッチ44、45によって実質的に入力軸16と一体化さ
れた入力側スリーブ46も停止する。しかし、出力軸1
9と出力側スリーブ53は、残された慣性モーメントに
よって更に回転を続行する。このとき、第1コイルばね
30は、巻き戻され、スリーブ46、53との間で滑り
を生じて空転する。一方、第2コイルばね32は、入力
側スリーブ46と出力側スリーブ53との間で、ねじり
作用を受けて巻き締められる。第2コイルばね32がテ
ーパ状のスペーサリング57の外周に密着して、それ以
上巻き締められなくなり、入力側スリーブ46と出力側
スリーブ53とが一体化すると、あるいは第2コイルば
ね32の反発力が出力軸19の慣性モーメントよりも大
きくなると、入力軸16の停止力が作用して出力軸19
の回転が停止する。
【0044】しかし、第2コイルばね32が巻き締めら
れているので、その反発力によって出力軸19が反転し
て逆方向に回転する。その結果、第2コイルばね32
は、巻き戻され、スリーブ46、53との間で滑りを生
じて空転する。また、第1コイルばね30は、再びねじ
り作用を受けて巻き締められる。そして、第1コイルば
ね30の反発力が出力軸19の逆方向への回転モーメン
トに勝ると、出力軸19は、再び反転して図中矢印A方
向に回転し、今度は再び第2コイルばね32が巻き締め
られることになる。このように、入力軸16が停止した
とき、出力軸19側に残っていた慣性モーメントは、第
2コイルばね32と第1コイルばね30との交互の巻き
締め作用と、出力軸19の次第に振幅の小さくなる揺動
作用に変換されて徐々に減衰され、出力軸19は、最終
的に入力軸16に応じた回転角度で停止する。なお、第
2コイルばね32が巻き締められたとき、テーパ状のス
ペーサリング57に密着するので、巻き締められるに従
って反発力が強くなるような特性が付与され、出力軸1
9の反転を効果的にしている。
【0045】なお、上記各実施例及び以下に述べる実施
例において、第1コイルばね30と第2コイルばね32
は、予めある程度巻き締めた状態で装着してもよい。そ
れによって、第1コイルばね30と第2コイルばね32
のばね力のバランスがとれたところで出力軸19が停止
することとなり、出力軸19の停止位置をより確実に定
めることができる。
【0046】図3には、本発明による回転継手の更に別
の実施例が示されている。
【0047】この回転継手71は、図2に示す回転継手
のクラッチ機構を、図1に示す構造のものに変更したも
のである。
【0048】すなわち、入力側スリーブ74は、拡径円
筒73と縮径円筒72とに分割されており、出力側スリ
ーブ84は、拡径円筒83と縮径円筒82とに分割され
ている。拡径円筒73は、筒部76と、第1ギア77
と、拡径部78とが連接された形状をなし、その内周に
ワンウェイクラッチ20が取付けられている。ワンウェ
イクラッチ20は、入力軸16が拡径円筒73に対して
相対的に図中矢印A方向に回転するときのみ噛み合う。
また、拡径円筒73に隣接して配置された縮径円筒72
の内周には、ワンウェイクラッチ22が取付けられてお
り、ワンウェイクラッチ22は、縮径円筒72が入力軸
16に対して相対的に図中矢印A方向に回転するときの
み噛み合う。
【0049】同様にして、出力側スリーブ84の拡径円
筒83は、第2ギア87と、拡径部88とが連接された
形状をなし、その内周にワンウェイクラッチ25が取付
けられている。ワンウェイクラッチ25は、拡径円筒8
3が出力軸19に対して相対的に矢印A方向に回転する
ときのみ噛み合う。また、拡径円筒83に隣接して配置
された縮径円筒82の内周には、ワンウェイクラッチ2
7が取付けられており、ワンウェイクラッチ27は、出
力軸19が縮径円筒82に対して相対的に矢印A方向に
回転するときのみ噛み合う。したがって、軸方向に順次
配列されたワンウェイクラッチ20、22、27、25
は、交互に噛み合い方向が逆になるようにされている。
【0050】入力側スリーブ74と出力側スリーブ84
との間には、テーパ状のスペーサリング57が介在され
ている。また、入力側スリーブ74の拡径円筒73の拡
径部78と、出力側スリーブ84の拡径円筒83の拡径
部88との間には、第1コイルばね30が端部を固着し
た状態で装着されており、第1コイルばね30の内周側
には、筒状スペーサ31が配置されている。また、入力
側スリーブ74の縮径円筒72と、出力側スリーブ84
の縮径円筒82との間には、第2コイルばね32が端部
を固着した状態で装着されており、巻き締められるとテ
ーパ状のスペーサリング57の外周に密着するようにな
っている。
【0051】この回転継手を用いた場合の回転動作は、
基本的には図1に示した回転継手と同様になされるの
で、その概略を説明することにする。
【0052】モータ15の作動により入力軸16が図中
矢印A方向に回転すると、ワンウェイクラッチ20、2
0は、その回転力を拡径円筒73に伝達し、拡径円筒7
3に一端を固定された第1コイルばね30がねじられて
巻き締められ、筒状スペーサ31の外周に密着してそれ
以上巻き締めができなくなると、入力軸16、拡径円筒
73、拡径円筒83及び出力軸19が一体化して回転す
る。
【0053】そして、入力軸16が所定角度回転した
後、ブレーキによって回転を停止すると、出力軸19は
慣性モーメントによって更に回転を続けようとする。出
力軸19が回転すると、ワンウェイクラッチ27を介し
て噛み合う出力側スリーブ84の縮径円筒82が回転
し、第2コイルばね32にねじり力が作用して、第2コ
イルばね32が巻き締められる。
【0054】第2コイルばね32がスペーサリング57
の外周に密接し、それ以上巻き締めができなくなると、
出力軸19の回転は停止して、第2コイルばね32の反
発力によって、今度は逆方向に回転を始める。なお、ス
ペーサリング57がテーパ状をなすので、第2コイルば
ね32は、巻き締められるに従って反発力が強くなるよ
うな特性が付与され、出力軸19の反転を効果的にす
る。
【0055】以後、図1に示した実施例と同様に、出力
軸19は、次第に振幅が小さくなる揺動運動を行った
後、所定の回転角度で停止する。このように、入力軸1
6が停止したとき、出力軸19に残っていた慣性モーメ
ントを徐々に減衰させて、出力軸19を入力軸16に応
じた回転角度で停止させることができる。
【0056】図4には、本発明による回転継手の更に別
の実施例が示されている。
【0057】この回転継手91は、基本的には図1に示
した回転継手と同様な構造をなすものであるが、第1コ
イルばね30及び第2コイルばね32を、それらの内周
面側に隙間を設けずに内側の部材に密着した状態で装着
した点が異なっている。
【0058】すなわち、入力側スリーブ94は、拡径円
筒92と縮径円筒93の2つの円筒部材で構成されてお
り、出力側スリーブ104は、拡径円筒102と縮径円
筒103の2つの円筒部材で構成されている。これらの
各円筒92、93、103、102の内周には、図1に
示した実施例と同様に、噛み合い方向を交互に変えたワ
ンウェイクラッチ20、22、27、25が取付けられ
ている。入力側スリーブ94の拡径円筒92と、出力側
スリーブ104の拡径円筒102との間には、第1コイ
ルばね30が装着されている。また、入力側スリーブ9
4の縮径円筒93と、出力側スリーブ104の縮径円筒
103との間には、第2コイルばね32が装着されてい
る。そして、第2コイルばね32と第1コイルばね30
との間に筒状スペーサ108、109が軸方向に並んで
配置されており、第1コイルばね30は、これらの筒状
スペーサ108、109の外周に密着して装着されてい
る。また、第2コイルばね32は、入力側スリーブ94
の縮径円筒93及び出力側スリーブ104の縮径円筒9
3の外周に密着して装着されている。なお、フレーム等
の他の構成は、図1に示した実施例と同様である。
【0059】次に、この回転継手91を用いた場合の回
転動作について説明する。
【0060】図示しないモータの作動によって入力軸1
6が図中矢印A方向に回転すると、ワンウェイクラッチ
20が噛み合って入力側スリーブ94の拡径円筒92、
及びこの拡径円筒92に一端が固定されている第1コイ
ルばね30が同方向に回転する。このとき、第1コイル
ばね30の内周面は、筒状スペーサ108、109の外
周面に予め密着されているため、第1コイルばね30
は、それ以上巻き締められることができず、その回転力
を直ちに出力側スリーブ104の拡径円筒102に伝達
し、ワンウェイクラッチ25を介して出力軸19を一体
に回転させる。
【0061】この状態で入力軸16が停止すると、出力
軸19は、慣性モーメントにより回転を続けようとする
が、このとき、ワンウェイクラッチ27を介して、出力
側スリーブ104の縮径円筒103が同方向に回転しよ
うとする。このため、第2コイルばね32に巻き締め力
が作用することとなるが、第2コイルばね32は、入力
側スリーブ94の縮径円筒93と、出力側スリーブ10
4の縮径円筒103の外周に密着しているため、それ以
上巻き締められることができず、その慣性モーメント
が、ワンウェイクラッチ22を介して、入力軸16に伝
達される。すなわち、入力軸16の停止によって、出力
軸19に直ちに停止力が作用し、出力軸19は入力軸1
6と同時に停止する。
【0062】一方、入力軸16が上記とは逆の方向に回
転すると、ワンウェイクラッチ22を介して、入力側ス
リーブ94の縮径円筒93が同方向に回転し、この縮径
円筒93に一端を固定された第2コイルばね32に巻き
締め力が作用する。しかし、第2コイルばね32は、上
記のようにそれ以上巻き締めることができない状態で装
着されているので、その回転力が直ちに出力側スリーブ
104の縮径円筒103に伝達され、ワンウェイクラッ
チ27を介して出力軸19が回転する。
【0063】また、入力軸16が停止したときは、出力
軸19に残された慣性モーメントにより、ワンウェイク
ラッチ25及び出力側スリーブ104の拡径円筒102
を介して第1コイルばね30に巻き締め力が発生する
が、第1コイルばね30が上記のようにそれ以上巻き締
めることができない状態で装着されているので、入力側
スリーブ94の拡径円筒92とワンウェイクラッチ20
を介して、その慣性モーメントが入力軸16で受け止め
られ、出力軸19は停止する。
【0064】このように、図4の回転継手においては、
通常の継手と同じく、入力軸と出力軸とが一体に回転
し、かつ、停止する。しかし、この回転継手では、回転
力の伝達が、コイルばね30又は32の巻き締めによっ
てなされるので、大きな回転トルクの伝達にも適用する
ことができ、かつ、位置ずれを起こすことなく回転を正
確に伝達することができる。また、入力軸16をワンウ
ェイクラッチ20、22に挿入し、出力軸19をワンウ
ェイクラッチ25、27に挿入するだけで軸接合ができ
るので、組み付け作業を迅速に行うことができる。
【0065】図5には、本発明の回転継手の更に別の実
施例が示されている。
【0066】この回転継手111では、入力軸16の外
周に装着された入力側スリーブ120が、ワンウェイク
ラッチ112を介して装着された最も径の大きい第1ス
リーブ113と、ワンウェイクラッチ114を介して装
着された次に径の大きい第2スリーブ115と、ワンウ
ェイクラッチ116を介して装着された次に径の大きい
第3スリーブ117と、ワンウェイクラッチ118を介
して装着された最も径の小さい第4スリーブ119とで
構成されている。
【0067】また、出力軸19の外周に装着された出力
側スリーブ130が、ワンウェイクラッチ122を介し
て装着された最も径の大きい第1スリーブ123と、ワ
ンウェイクラッチ124を介して装着された次に径の大
きい第2スリーブ125と、ワンウェイクラッチ126
を介して装着された次に径の大きい第3スリーブ127
と、ワンウェイクラッチ128を介して装着された最も
径の小さい第4スリーブ129とで構成されている。
【0068】入力軸16側から出力軸19側に向けて順
次配列された各ワンウェイクラッチ112、114、1
16、118、128、126、124、122は、こ
の順序で交互に噛み合い方向を逆にされている。すなわ
ち、入力軸16及び出力軸19を内側、各スリーブ11
3、115、117、119、129、127、12
5、123を外側としたとき、ワンウェイクラッチ11
2、116、128、124は、内側が外側に対して矢
印B方向に相対的に回転するとき噛み合い、ワンウェイ
クラッチ114、118、126、122は、内側が外
側に対して矢印Bと反対方向に相対的に回転するとき噛
み合う。
【0069】第1スリーブ113、123の間には、第
1コイルばね131が装着され、第2スリーブ115、
125の間には、第2コイルばね132が装着され、第
3スリーブ117、127の間には、第3コイルばね1
33が装着され、第4スリーブ119、129の間に
は、第4コイルばね134が装着されている。同心状に
配置されたこれらのコイルばねのうち、第1コイルばね
131、第3コイルばね133は、出力軸19側から見
て、入力側スリーブ120が反時計方向及び出力側スリ
ーブ130が時計方向に相対回転するとき巻き締めら
れ、第2コイルばね132、第4コイルばね134は、
出力軸19側から見て、入力側スリーブ120が時計方
向及び出力側スリーブ130が反時計方向に相対回転す
るとき巻き締められるようになっている。すなわち、コ
イルばね131〜134は、内側から外側に向けて巻方
向が交互に逆になるようにされている。
【0070】第1コイルばね131の内側には、筒状ス
ペーサ135が所定間隙を設けて配置され、第2コイル
ばね132の内側には、筒状スペーサ136が所定間隙
を設けて配置され、第3コイルばね133の内側には筒
状スペーサ137が所定間隙を設けて配置され、第4コ
イルばね134の内側には第4スリーブ119、129
の縮径部が同じく所定間隙を設けて配置されている。な
お、各筒状スペーサ135、136、137は、入力側
と出力側とに別れるように中間部で2つに分離されてい
る。
【0071】したがって、この回転継手111において
は、入力軸16が図中矢印B方向に回転を始めると、ワ
ンウェイクラッチ112、116を介して入力側スリー
ブ120の第1スリーブ113及び第3スリーブ117
が同方向に回転し、第1コイルばね131、第3コイル
ばね133が巻き締められる。そして、第1コイルばね
131、第3コイルばね133が、対応する内側の筒状
スペーサ135、137に密接すると、それ以上巻き締
められることができなくなり、出力側スリーブ130の
第1スリーブ123、第3スリーブ127を介して、出
力軸19が一体に回転する。
【0072】この状態で、入力軸16が停止すると、出
力軸19は慣性モーメントにより更に回転を続行しよう
とするが、このときワンウェイクラッチ124、128
を介して出力側の第2スリーブ125、第4スリーブ1
29が同方向に回転し、今度は、第2コイルばね13
2、第4コイルばね134が巻き締められる。そして、
第2コイルばね132及び第4コイルばね134のばね
力が慣性モーメントに打ち勝つか、あるいは、第2コイ
ルばね132及び第4コイルばね134が、それらの内
側に位置する筒状スペーサ136及び第4スリーブ11
9、129の縮径部に密接すると、入力軸16の停止力
が作用して出力軸19のB方向への回転が止まるが、第
2コイルばね132及び第4コイルばね134の反発力
により、今度は矢印Bと反対方向に戻り回転をする。
【0073】すると、ワンウェイクラッチ122、12
6を介して第1スリーブ123、第3スリーブ127が
同方向に回転するため、第1コイルばね131、第3コ
イルばね133に巻き締め力が作用する。このような作
用によって、入力軸16が停止したとき出力軸19側に
残っていた慣性モーメントは、第2コイルばね132及
び第4コイルばね134と、第1コイルばね131及び
第3コイルばね133との交互の巻締め作用による出力
軸19の次第に振幅の小さくなる揺動運動に変換されて
徐々に減衰され、出力軸19は、最終的に入力軸16の
回転角に応じた所定の位置で停止する。この実施例で
は、上記のように、巻方向の異なる2つずつ(合計4
つ)のコイルばねを用いたことにより、回転トルクが高
い回転連結にも適用することができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入力軸と出力軸とを、巻き方向が異なる複数のコイルば
ねで連結し、回転方向がいずれであっても、ワンウェイ
クラッチ機構によって、いずれかのコイルばねが巻き締
められて、回転力の伝達がなされるようにしたので、継
手のフレキシビリティによって軸のアライメントを容易
にできるとともに、比較的大きな回転トルクがかかる場
合にも適用することができ、十分な強度及び耐久性を得
ることができる。また、入力側スリーブ及び出力側スリ
ーブの内周にワンウェイクラッチを配設した場合には、
入力軸及び出力軸を挿入するだけで軸接続ができるとい
う利点も得られる。
【0075】また、コイルばねを内側に配置された部材
との間に所定の隙間を有するように装着した場合には、
入力軸を停止させたとき、出力軸側に残った慣性モーメ
ントを、コイルばねの交互の巻き締め作用による出力軸
の次第に振幅の小さくなる揺動運動に変換させて減衰さ
せ、出力軸を入力軸に応じた回転角度で正確に停止させ
ることができる。したがって、入力軸の停止力が小さく
ても、出力軸を正確な位置に停止させることが可能とな
り、回転角を制御する必要性のある回転機構における停
止精度の改善や、停止機構の簡略化、停止エネルギーの
節約などを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転継手の一実施例を示す縦断面図で
ある。
【図2】本発明の回転継手の他の実施例を示す縦断面図
である。
【図3】本発明の回転継手の更に他の実施例を示す縦断
面図である。
【図4】本発明の回転継手の更に他の実施例を示す縦断
面図である。
【図5】本発明の回転継手の更に他の実施例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
11、41、71、91、111 回転継手 15 モータ 16 入力軸 19 出力軸 24、46、74、94、120 入力側スリーブ 29、53、84、104、130 出力側スリーブ 21、26、73、83、92、102 拡径円筒 23、28、72、82、93、103 縮径円筒 20、22、25、27、44、45、51、52 ワ
ンウェイクラッチ 30 第1コイルばね 32 第2コイルばね 48、77 第1ギア 54、87 第2ギア 61 第1センサ 62 第2センサ 108、109、135、136、137 筒状スペー
サ 131 第1コイルばね 132 第2コイルばね 133 第3コイルばね 134 第4コイルばね

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸と出力軸とを同軸的に突き合わせ
    て接続する回転継手において、 前記入力軸の外周に装着され、前記入力軸の先端方向に
    向けて複数段状に外径を小さくされた入力側スリーブ
    と、 前記出力軸の外周に装着され、前記出力軸の先端方向に
    向けて複数段状に外径を小さくされた出力側スリーブ
    と、 前記入力側スリーブ及び前記出力側スリーブの対応する
    外周にそれぞれ同心的に装着され、中心から外径方向に
    向かって巻方向を交互に変えられた複数のコイルばね
    と、 前記入力軸がある方向に回転し停止するとき、前記入力
    軸の回転角が前記出力軸よりも大きい場合には、前記コ
    イルばねの一方の巻方向のものに巻き締め力を発生さ
    せ、前記出力軸の回転角が前記入力軸よりも大きい場合
    には、前記コイルばねの他方の巻方向のものに巻き締め
    力を発生させるワンウェイクラッチ機構とを備えている
    ことを特徴とする回転継手。
  2. 【請求項2】 前記複数のコイルばねは、それらの中間
    部内周がその内側に位置する部材に対して所定の隙間を
    有する状態で装着されており、前記巻き締め力が発生し
    たとき、所定角度回動した後に前記内側に位置する部材
    に密接して回転力を伝達するようにされている請求項1
    記載の回転継手。
  3. 【請求項3】 前記複数のコイルばねは、それらの内周
    がその内側に位置する部材に対して密接して装着されて
    おり、前記巻き締め力が発生したとき、その回転力を直
    ちに伝達するようにされている請求項1記載の回転継
    手。
  4. 【請求項4】 前記入力側スリーブ及び前記出力側スリ
    ーブは、外径が変化する段部で分離されたそれぞれ複数
    の円筒部材からなり、各円筒部材は、噛み合い方向を交
    互に変えたワンウェイクラッチを介して、前記入力軸又
    は前記出力軸に装着されている請求項1〜3のいずれか
    1つに記載の回転継手。
  5. 【請求項5】 前記入力側スリーブ及び前記出力側スリ
    ーブは、それぞれ一体のものからなり、前記複数のコイ
    ルばねは、ばねクラッチ作用をもたせて、前記入力側ス
    リーブ及び前記出力側スリーブに装着されている請求項
    1〜3のいずれか1つに記載の回転継手。
  6. 【請求項6】 前記入力側スリーブの特定箇所に第1ギ
    アが装着され、前記出力側スリーブの前記入力側スリー
    ブの特定箇所に対応する箇所に第2ギアが装着され、こ
    れらの第1ギア及び第2ギアに対応して、それらの送り
    歯数を検出する第1センサ及び第2センサが取付けられ
    ている請求項1〜5のいずれか1つに記載の回転継手。
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JPH0544746A (ja) 1993-02-23

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