JP2552207B2 - 融雪屋根 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は経済的にして良好に融雪
を行い得る融雪屋根に係るものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら種々の融雪屋根が提案されているが未だ融雪を良好に
なし得ず且つコスト高である。

【０００３】本発明はこれまでの融雪屋根に比し、良好
な融雪が出来るとともに安価で経済的な融雪屋根を提供
するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。

【０００５】家屋１内に設けた熱源２を屋根裏３へ導入
し、該熱により傾斜屋根４上の積雪を融雪する融雪屋根
において、垂木５の表面に複数枚の方形状の屋根材６を
付設し、一の方形状の屋根材６に対して棟側に位置する
他の屋根材６の軒部側を屋根面直角方向に浮かせた状態
に保持して一の屋根材６の棟側縁部寄り表面と、他の屋
根材６の軒側縁部寄り裏面との間に空間７を設け、該空
間７に該空間７巾にほぼ等しく且つ屋根傾斜方向長さを
有し且つ下部側（屋根面側）ほど短く設定し且つ長さ方
向に小径の貫通長孔８を複数穿設した介在体12を設け、
該介在体12の貫通長孔８と垂木５で挟まれた空間と屋根
裏３とを連通せしめて通気路９を設け、最も棟に近い介
在体12を第一番目の介在体12とし、以下順に軒先側に向
かって第二番目の介在体12、・・・第ｎ番目の介在体12
とした場合、第一番目の介在体12が付設される屋根材６
の屋根傾斜方向長さを第二番目の介在体12、・・・第ｎ
番目の介在体12に比し、同等若しくは長く設定したこと
を特徴とする融雪屋根に係るものである。

【０００６】

【作用】熱源２の熱は屋根裏３へ導入され、垂木５で挟
まれた空間から介在体12の貫通長孔８を通過して、傾斜
屋根４上の積雪に内側から放熱され、融雪が行なわれ
る。

【０００７】貫通長孔８からの熱により貫通長孔８の近
傍にある積雪が融かされると、その棟側の積雪が滑動落
下し、この積雪の滑動落下の連続により屋根全体の融雪
が行なわれる。

【０００８】介在体12の貫通長孔８は径小であり且つ屋
根傾斜方向長さを有しており且つ下部側（屋根面側）ほ
ど短く設定されている為、外部からの風雨等が屋根裏３
に導入されることはない。

【０００９】屋根裏３の熱は屋根の最上部に最も集中し
易い為、屋根最上部位置の積雪が一番融けやすい。従っ
て、最上部位置の積雪が融け始めて軒側に滑動落下し、
貫通長孔８からの熱により直ちに融雪されるようになる
と最上部位置の積雪が非常に早く消失してしまい、その
消失ケ所から屋根裏３内の熱が放熱してしまう為、好ま
しくない。従って、第１図におけるa部分の長さは最上
部位置の積雪が消失してしまうことをできるだけ遅らせ
る為、可能な限り長く設計されている。

【００１０】

【実施例】図面は本発明の一実施例で、以下に説明す
る。

【００１１】図面の屋根材６は下から順に野地板,断熱
材としてのインシュレーションボート,アスファルトフ
ェルト,金属屋根板(ステンレス,鉄板等)の順で積層形成
したもので、釘等の適宜な手段により垂木５,支承材13
に止着する。外表面は金属屋根板のように積雪が滑り易
い素材のものを使用することが望ましい。もちろん屋根
材６は瓦でも良い。

【００１２】また、図面の介在体12はポリプロピレン樹
脂により成型したもので、ハニカム状に貫通長孔８が多
数散在穿設されている。この貫通長孔８の径は２〜３mm
程度が望ましい。

【００１３】この介在体12は、軒側に位置する屋根材６
の棟側縁部寄り表面と、棟側に位置する屋根材６の軒側
縁部寄り裏面との間の空間７に接着剤等の適宜な手段に
より止着固定される。

【００１４】また、この介在体９は第２図の拡大部分で
図示したように上部側の貫通長孔８を下部側（屋根面
側）の貫通長孔８より長く成形する。このようにするの
は、上部側の方が下部側より風雨の勢いが強く、屋根裏
３内への風雨の侵入が下部側より上部側の方が多いから
である。

【００１５】符号10は雪止めアングル材,11は頂面に網
を付設した枠体であり、積雪が貫通長孔８の開口部を閉
塞しないように、また、熱の接雪面積が増大するように
配慮している。

【００１６】屋根４上の積雪は貫通長孔８からの熱によ
り除々に融雪され、融雪した部分に棟側からの積雪が滑
動落下し、この繰り返しにより屋根全体の雪が融かされ
る。

【００１７】

【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、屋
根上の積雪を貫通長孔からの熱で融かして順次軒側へ滑
動落下させ、この積雪の滑動落下の連続により雪を常に
軒側へ移送して融かす非常に効率の良い融雪が可能とな
るとともに従来の屋根の形状とほとんど変わらない外形
状を呈する滑動落下融雪タイプの融雪屋根となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の説明図である。

【図２】本実施例の要部の一部を拡大した側断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 家屋 ２ 熱源 ３ 屋根裏 ４ 傾斜屋根 ５ 垂木 ６ 屋根材 ７ 空間 ８ 貫通長孔 ９ 通気路 12 介在体

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家屋１内に設けた熱源２を屋根裏３へ導
   入し、該熱により傾斜屋根４上の積雪を融雪する融雪屋
   根において、垂木５の表面に複数枚の方形状の屋根材６
   を付設し、一の方形状の屋根材６に対して棟側に位置す
   る他の屋根材６の軒部側を屋根面直角方向に浮かせた状
   態に保持して一の屋根材６の棟側縁部寄り表面と、他の
   屋根材６の軒側縁部寄り裏面との間に空間７を設け、該
   空間７に該空間７巾にほぼ等しく且つ屋根傾斜方向長さ
   を有し且つ下部側（屋根面側）ほど短く設定し且つ長さ
   方向に小径の貫通長孔８を複数穿設した介在体12を設
   け、該介在体12の貫通長孔８と垂木５で挟まれた空間と
   屋根裏３とを連通せしめて通気路９を設け、最も棟に近
   い介在体12を第一番目の介在体12とし、以下順に軒先側
   に向かって第二番目の介在体12、・・・第ｎ番目の介在
   体12とした場合、第一番目の介在体12が付設される屋根
   材６の屋根傾斜方向長さを第二番目の介在体12、・・・
   第ｎ番目の介在体12に比し、同等若しくは長く設定した
   ことを特徴とする融雪屋根。