JP2551961B2 - 溶接ガンを有するプレス装置 - Google Patents

溶接ガンを有するプレス装置

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JP2551961B2
JP2551961B2 JP63010033A JP1003388A JP2551961B2 JP 2551961 B2 JP2551961 B2 JP 2551961B2 JP 63010033 A JP63010033 A JP 63010033A JP 1003388 A JP1003388 A JP 1003388A JP 2551961 B2 JP2551961 B2 JP 2551961B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、上型と下型とからなる金型内で複数枚の素
材をそれぞれ位置決めしてプレス成型するとともにスポ
ット溶接も施せるようにした溶接ガンを有するプレス装
置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、インナープライスとアウタースライドとを
備えてなるダブルアクション型のプレス装置が知られて
いるが、この種のプレス装置は、例えば、アウタースラ
イドに装着された上型ブランクホルダー部にて素材の外
周部を押圧挾持した後に上記インナースライドに装着さ
れた上型パンチ部にて絞り成型を行うようになってい
る。(実開昭61−152337号公報参照)。通常は、1枚の
素材をプレス成型することで所望のプレス成型品を得て
いるが、2枚以上の素材を互いに位置決めした状態で同
一型内でプレス成型して所望のプレス成型品を得ること
がある。例えば、安全ベルトが装着されるピラー部がそ
の一つであるが、このピラー部において上記の安全ベル
トが装着される部位は強度が必要であるから板厚の厚い
素材が用いられる一方、その下部などはそれほど強固で
なくてもよいから板厚の薄い素材が用いられている。2
枚の素材を同一型内でプレス成型するには、第3図
(a)に示すように、まず、2枚の素材15・16を用意す
る。そして、同図(b)に示すように、これら2枚の素
材同士を予め仮スポット溶接して金型内で位置決めする
か、若しくは、位置決めピンにて互いの位置決めを行っ
た後、同図(c)に示すように、プレス成型を行う。そ
して、これらプレス成型済みの2枚の素材15・16をプレ
ス装置から取り外した後で本スポット溶接を行う。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、上述のごとく、プレス成型済みの素材をプ
レス装置から取り外した後で本溶接を行うのでは、作業
工程数が増加して製品の低価格化が図れないばかりか、
プレス成型と本溶接とを別々に行っているために製品精
度の向上も図れないという欠点を有していた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る溶接ガンを有するプレス装置は、上記の
問題点を解決するために、上型と下型とからなる金型内
で複数枚の素材をそれぞれ位置決めしてプレス成型する
ようにしたプレス装置において、上記の上型および下型
には上記複数枚の素材における互いの重なり部位を挟み
込むように一対の溶接ガンが対向配置に内蔵されてお
り、且つ、上記各溶接ガンには、上記素材のプレス成型
時に、スポット溶接に必要な上記素材に対する加圧力を
生じさせる付勢手段が設けられたことを特徴としてい
る。
〔作 用〕
上記の構成によれば、プレス成型時に上記の溶接ガン
に所定の電流を供給するだけで、上記素材のプレス成型
および素材同士のスポット溶接が同時に行える。これに
より、素材同士の仮溶接工程およびプレス成型後の本溶
接工程が削減でき、製造工程数が減少されて製品価格の
大幅低減が図れることになる。そのうえ、複数枚の素材
をそれぞれ位置決めした状態でプレス成型およびスポッ
ト溶接を同時に施すから、プレス成型品の精度向上にも
大きく寄与することができる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を第1図および第2図に基づいて説
明すれば、以下の通りである。
本発明に係るプレス装置において、第1図に示すよう
に、ボルスタプレート1上には下型3が固定状態に設け
られていて、この下型3上には上型2が載置され、この
上型2と下型3とによって金型4が構成されている。下
型3のほぼ中央部には絞り成型用凹部3aが形成されてお
り、且つ、その外周部にはブランクホールド部3bが形成
されている。一方、上型2は上記の絞り成型用凹部3aと
対応する上型パンチ部2aと、この上型パンチ部2aの外周
面に上下に摺動自在に嵌合されるとともに前記ブランク
ホールド部3bにとよって素材5および素材6を上下から
押圧挾持する上型ブランクホルダー部2bとで構成されて
いる。上型パンチ部2aはインナースライド7に、上型ブ
ランクホルダー部2bはアウタースライド8にそれぞれ固
定されている。これらインナースライド7とアウタース
ライド8とは互いに独立して駆動する所謂ダブルアクシ
ョンプレスに構成されており、上記の上型パンチ部2aお
よび上型ブランクホルダー部2bを別個に駆動させ得るよ
うになっている。
また、上型2および下型3にはその重量を軽減するた
めの肉抜部2c…,3c…がそれぞれ形成されており、所定
の肉抜部2c…内には溶接ガン装置9…が、所定の肉抜部
3c…内には溶接ガン装置10…がそれぞれ配設されてい
る。溶接ガン装置9は、第2図に示すように、ガイド筒
体9aと、このガイド筒体9aの内周面に摺接する摺動部9b
と、この摺動部9bによって上記ガイド筒体9a内を摺動す
る溶接ガン9cと、この溶接ガン9cを素材5に向けて付勢
して溶接ガン9cの先端部を素材5に圧接させ、5・6の
プレス成型時にスポット溶接に必要な上記素材5に対す
る加圧力を生じさせる付勢手段としてのコイルスプリン
グ9dと、上記溶接ガン9cに必要な電流を供給する電流供
給線9eとで構成されている。溶接ガン装置10も上記の溶
接ガン装置9と同様に、ガイド筒体10aと、摺動部10b
と、溶接ガン10cと、コイルスプリング10dと、電流供給
線10eとで構成されている。そして、一対をなす上記の
溶接ガン9c・10cは、前記の素材5・6を狭み込むよう
に対向配置に設けられており、且つ、肉抜部2c・3cから
外部に貫通する貫通穴2d・3dを介して素材5・6同士の
重なり部位にその先端部をそれぞれ位置させ得るように
なっている。
上記のプレス装置から成型品を得るには、素材5・6
を下型3上に位置決めして配置する。次に、プレス装置
を作動させると、まず、アウタースライド8が降下して
上型ブランクホルダー部2bが降下し、この上型ブランク
ホルダー部2bと前記ブランクホールド部3bとによって素
材5・6を上下から挾持する。このとき、上型ブランク
ホルダー部2b側の溶接ガン装置9…における各溶接ガン
9cの先端部は、コイルスプリング9dの付勢によって素材
5に圧接する一方、ブランクホールド部3b側の溶接ガン
装置10…における各溶接ガン10cの先端部はコイルスプ
リング10dの付勢によって素材6に圧接することにな
る。これにより、スポット溶接に必要な上記素材5・6
に対する加圧力が得られるとともに、上記コイルスプリ
ング9d・10dによる付勢力は互いに逆方向に働くので両
付勢力は相殺され、素材5・6の重なり部位には上記付
勢力による歪みは何ら生じない。
次に、インナースライド7が降下して上型パンチ部2a
が降下し素材5・6の絞り成型が行われることになる
が、このときも、上述と同様、上型パンチ部2a側の溶接
ガン装置9…における各溶接ガン9cの先端部は、コイル
スプリング9dの付勢によって素材5に圧接する一方、絞
り成型用凹部3a側の溶接ガン装置10…における各溶接ガ
ン10cの先端部はコイルスプリング10dの付勢によって素
材6に圧接することになる。これにより、スポット溶接
に必要な上記素材5・6に対する加圧力が得られるとと
もに、上記コイルスプリング9d・10dの付勢力が相殺さ
れることになるから、素材5・6の重なり部位には上記
付勢力による歪みは何ら生じない。
そして、上述のように、上型パンチ部2aおよび上型ブ
ランクホルダー部2bが共に降下して素材5・6の成型を
行っているときに、溶接ガン9c…,10c…間に電流を流し
てスポット溶接を行う。そして、上型パンチ部2aおよび
上型ブランクホルダー部2bの順にこれらを上昇させた後
に素材を取り出せば、スポット溶接済みのプレス成型品
が得られることになる。
このように、本発明の溶接ガンを有するプレス装置に
よれば、プレス成型時に上記の溶接ガン9c・10cに所定
の電流を供給するだけで、上記素材5・6のプレス成型
および素材5・6同士のスポット溶接が同時に行える。
これにより、素材5・6同士の仮溶接工程およびプレス
成型後の本溶接工程が削減でき、製造工程が簡略化され
て製品価格の大幅低減が図れることになる。そのうえ、
複数枚の素材5・6をそれぞれ位置決めした状態でプレ
ス成型およびスポット溶接が同時に行えるから、プレス
成型品の精度向上にも大きく寄与することができる。
なお、本実施例は、上型パンチ部2aおよび上型ブラン
クホルダー部2bが共に降下して素材5・6の成型を行っ
ているときに、スポット溶接を施したが、これに限ら
ず、上型ブランクホルダー部2bが降下して素材5・6を
押圧挾持した時点で、この押圧挾持した部位をまずスポ
ット溶接し、次いで、上型パンチ部2aが降下して絞り成
型を施した時点で、この絞り成型部位をスポット溶接す
るようにしてもよい。
〔発明の効果〕
本発明に係る溶接ガンを有するプレス装置は、以上の
ように、上型と下型とからなる金型内で複数枚の素材を
それぞれ位置決めしてプレス成型するようにしたプレス
装置において、上記の上型および下型には上記複数枚の
素材における互いの重なり部位を挟み込むように一対の
溶接ガンが対向配置に内蔵されており、且つ、上記各溶
接ガンには、上記素材のプレス成型時に、スポット溶接
に必要な上記素材に対する加圧力を生じさせる付勢手段
が設けられた構成である。
これにより、素材のプレス成型および素材同士のスポ
ット溶接が同時に施せることになり、工程数の削減が可
能となって製品価格の大幅低減が図れる。さらに、プレ
ス成型品の精度向上にも大きく寄与できるという効果も
併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を示すものであ
って、第1図は溶接ガンを有するプレス装置の要部の断
面図、第2図は第1図におけるX−X矢視拡大断面図、
第3図は従来例を示すものであって、同図(a)は2枚
の素材を示す斜視図、同図(b)は2枚の素材を仮スポ
ット溶接した状態を示す斜視図、同図(c)は2枚の素
材にプレス成型を施した状態を示す斜視図である。 2は上型、2aは上型パンチ部、2bは上型ブランクホルダ
ー部、3は下型、3aは絞り成型用凹部、3bはブランクホ
ールド部、4は金型、5・6は素材、9・10は溶接ガン
装置、9c・10cは溶接ガン、9d・10dはコイルスプリング
(付勢手段)である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上型と下型とからなる金型内で複数枚の素
    材をそれぞれ位置決めしてプレス成型するようにしたプ
    レス装置において、 上記の上型および下型には上記複数枚の素材における互
    いの重なり部位を挟み込むように一対の溶接ガンが対向
    配置に内蔵されており、且つ、上記各溶接ガンには、上
    記素材のプレス成型時に、スポット溶接に必要な上記素
    材に対する加圧力を生じさせる付勢手段が設けられたこ
    とを特徴とする溶接ガンを有するプレス装置。
JP63010033A 1988-01-20 1988-01-20 溶接ガンを有するプレス装置 Expired - Lifetime JP2551961B2 (ja)

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