JP2549964B2 - 内部欠陥の少ない鋼材の製造法 - Google Patents

内部欠陥の少ない鋼材の製造法

Info

Publication number
JP2549964B2
JP2549964B2 JP4032333A JP3233392A JP2549964B2 JP 2549964 B2 JP2549964 B2 JP 2549964B2 JP 4032333 A JP4032333 A JP 4032333A JP 3233392 A JP3233392 A JP 3233392A JP 2549964 B2 JP2549964 B2 JP 2549964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
steel
cooling
value
internal defects
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4032333A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05228502A (ja
Inventor
淳彦 吉江
泰光 尾上
崇史 藤田
政昭 藤岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP4032333A priority Critical patent/JP2549964B2/ja
Publication of JPH05228502A publication Critical patent/JPH05228502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2549964B2 publication Critical patent/JP2549964B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼板または鋼材の製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】鋼板または鋼材の内部に
欠陥があると強度、靭性が低下し不慮の事故につながる
恐れがある。この内部欠陥はポロシティー、ザク等凝固
時に生成するもので、その後の熱間圧延、鍛造等により
圧着する必要がある。これらの内部欠陥は鋼材のトータ
ル圧下率を増加させたり、1パスあたりの圧下率を大き
くとることにより低減する方向であることが知られてい
る。しかしこの方法では、鋳片厚と製品厚の比が小さい
場合や、圧延機の能力が小さい場合には十分に内部欠陥
を圧着することができずその効果に限界があるという欠
点があった。
【0003】一方、鋼板または鋼材を熱間圧延する際
に、表層部と中心部に変形抵抗差をつけて圧延すること
により、中心部まで圧下の効果がおよび、ポロシティー
の圧着や鋼材の強靭化に効果があることが知られてい
る。一般に同一の組成よりなる鋼板または鋼材の表層部
と中心部に変形抵抗差をつける方法としては鋼板または
鋼材の表層部と中心部に温度差をつけることが行われて
きた。こういった技術に特開昭61-82901号公報、特開平
1-57901号公報がある。しかし一般に、温度差を付与す
ることにより圧延反力が上昇するため過度の温度差を付
与するとかえって1パスあたりの圧下率が大きくとれ
ず、結果として内部欠陥が低減しない場合が多々あっ
た。上記両公報の発明とも、温度差とその後の圧延条件
との関係が明確ではなく、内部欠陥の圧着効果には限界
があり汎用的には内部欠陥の著しく少ない鋼材を製造で
きないという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来法の欠点を有利に排除しうる、冷却条件と圧延条件を
組み合わせた技術であり、その要旨とする所は次の通り
である。 (1)鋼材の圧延中に作用する鋼材中心部の静水圧応力
の最大値が6kgf/mm 以上となる圧延パスが少な
くとも1パス以上あることを特徴とする内部欠陥の少な
い鋼材の製造法。 (2)鋼を鋳造後そのままあるいは再加熱した後に、圧
延開始前あるいは圧延開始後に鋼板または鋼材を所定の
冷却速度で所定の時間冷却して鋼板の板厚方向に変形抵
抗差を付与し、引き続き圧延形状比が所定の値以上とな
るような圧延を行う製造法において、冷却開始温度、冷
却時間、冷却速度および圧延形状比が以下の不等式を満
たす範囲で設定される圧延パスが少なくとも1パス以上
あることを特徴とする内部欠陥の少ない鋼材の製造法。
ただし、不等式の右辺の値が冷却の有無(冷却速度cの
値)に関わらず負の値となる場合{T≦1100+2.
4(267−194.3/m)のとき}は冷却を行わな
くても良い。 t≧(T−1100)/c+2.4/c(194.3/
m−267.0){ただし、T>1100+2.4(2
67−194.3/m)のとき} ただし、T:冷却開始温度(℃)、m:圧延形状比、
t:冷却時間(S)、c:冷却速度(℃/S) m=2√R(h−h)/(h+h) ただし、R:ロール半径(mm)、h、h:入り側
および出側板厚(mm)。
【0005】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の根幹をなす技術思想は以下のとおりである。従来鋼
材中心部を強圧下する方法としては、鋼材のトータル圧
下率および1パスあたりの圧下率を増やすかまたは鋼材
の厚さ方向に故意に温度差をつけた状態で圧下を加える
ことにより、鋼材表層部を鋼材中心部より硬化せしめ鋼
材の厚さ方向の変形抵抗差を増大させることにより、鋼
材表層部を鋼材中心部より硬化せしめ鋼材の厚さ方向の
変形抵抗差を増大させることにより、鋼材中心部をより
強圧下する手法がとられてきた。しかしこの手法では、
前述のように、鋳片厚と製品厚の比が小さい場合や、圧
延機の能力が小さい場合には十分に内部欠陥を圧着する
ことができずその効果に限界があるという欠点があっ
た。しかるに、本発明者らは上記の限界を打破すること
を可能とする新しい事実を発見し、それをもとに鋼材中
心部を強圧下する方法を導いた。
【0006】一般に鋼材の内部欠陥を圧延により圧着す
るためには、内部欠陥に周囲に均一に圧縮応力が作用さ
せることが有効である。この圧縮応力は等方性であるほ
ど効果が大きく、静水圧応力が最も有効に内部欠陥を圧
着させる。熱間圧延中に作用する圧延応力中の静水圧応
力成分は鋼材の板厚、鋼材内部の温度分布および圧延条
件により変化し、適切な温度分布と圧延条件を組み合わ
せることにより、より高い静水圧応力を作用させること
ができる。実際の内部欠陥を圧着させるためにはこの静
水圧応力が大きい程有効である。このような新しい発見
に基づき、本発明者らは特許請求の範囲第1項および第2
項に示したような内部欠陥の無い鋼材の製造法を導い
た。以下に製造方法の限定理由を詳細に説明する。
【0007】特許請求の範囲第1項において、鋼材の圧
延中に作用する鋼材中心部の静水圧応力の最大値を6k
gf/mm 以上と限定したのは、図1に示すように、
静水圧応力の最大値が6kgf/mm を境として内部
欠陥が顕著に圧着されるためである。また特許請求の範
囲第2項は、上記のように適切な温度分布と圧延条件を
組み合わせることにより、より高い静水圧応力を作用さ
せ、内部欠陥の圧着を可能とする条件であり、具体的に
は種々の条件(冷却開始温度、冷却速度、冷却時間、圧
延時の板厚、圧下率、ロール半径について、後述(静水
圧応力成分の求め方)に示す剛塑性有限要素法を用いた
熱応力解析を行い、圧延中の鋼材中心部に作用する静水
圧応力の最大値が6kgf/mm 以上となる条件を求
めたものである。これを求めるにあたっては、図6に模
式的に示す剛塑性有限要素法で得られた静水圧応力の最
大値が6kgf/mm 以上となる条件を、圧延温度が
低く、冷却速度が大きく、圧延形状比が大きいほど静水
圧応力が増加するという定性的な結果に基づき簡易式と
して表した。もし、この条件を満たさない場合には、鋼
材の圧延中に鋼材中心部に作用する静水圧応力の最大値
が6kgf/mm 以上とならず内部欠陥の圧着が不十
分なものとなる。圧延途中の冷却は圧延材自体の温度を
低下させる効果と圧延材に温度分布を生じさせ、板圧方
向に変形抵抗差を生じさせる効果の相乗効果により鋼材
中心部に作用する静水圧応力を増加させる。従って、圧
延温度が特定の温度以下になる場合には圧延途中に特に
冷却を行わなくても鋼材中心部に作用する静水圧応力の
最大値が6kgf/mm 以上となり、内部欠陥は十分
圧着される。この条件は、冷却時間に関する条件式が冷
却速度に依存せず負または0となる場合に相当してお
り、具体的には、T≦1100+2.4(267−19
4.3/m)である。このときは冷却開始温度T(通
常、次パスの圧延噛み込み温度以上であって、冷却を実
施しようとする温度)からの温度上昇がない限り、既に
鋼材中心部の静水圧応力の最大値が6kgf/mm
上となる条件を満足しており、特に冷却を行わなくても
次パスでは鋼材中心部に作用する静水圧応力の最大値は
6kgf/mm 以上となり、内部欠陥は十分に圧着さ
れる。被圧延鋼材は、鋳造後直接圧延されても、鋳造後
温度が低下した後再加熱して圧延してもかまわない。ま
た鋼材の内部に温度分布を付与する時期は圧延開始前で
も圧延の途中でも、所定の静水圧応力が得られさえすれ
ば、同様の効果が得られる。冷却時間、冷却速度および
圧延形状比が以下の不等式を満たすように製造方法を限
定したのは、この条件を満たす限り、圧延中に鋼材中心
部に作用する静水圧応力の最大値が6kgf/mm
上となり内部欠陥の圧着に有効に作用するためである。
ただし、不等式の右辺の値が冷却の有無(冷却速度cの
値)に関わらず負の値となる場合{T≦1100+2.
4(267−194.3/m)のとき}は冷却を行わな
くても良い。 t≧(T−1100)/c+2.4/c(194.3/
m−267.0){ただし、T>1100+2.4(2
67−194.3/m)のとき} ただし、T:冷却開始温度(℃)、m:圧延形状比、
t:冷却時間(S)、c:冷却速度(℃/S) m=2√R(h−h)/(h+h) ただし、R:ロール半径(mm)、h、h:入り側
および出側板厚(mm)。
【0008】
【実施例】次に本発明を実施例にもとづいて詳細に説明
する。まず、表1に示す鋼種について表2、表3に示す
本発明方法および比較方法を適用した場合、表2、表3
に示したようなUSTによる欠陥テスト結果となっ
た。ここで、表2は請求項1に対する実施例で、表3は
請求項2に関する実施例である。何れの場合も、明らか
に本発明により鋼材中心部の内部欠陥が低減しており
本発明は有効である。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】(静水圧応力成分の求め方)圧延中に作用す
る鋼材中心部の静水圧応力は剛塑性有限要素法プログラ
ムを用いた計算により求めた。剛塑性有限要素法による
圧延ロールバイト内の応力計算に関しては多くの文献が
あるが本発明中の計算は文献(1)、(2)の方法に従った。 (1)森、島、小坂田:機会学会論文集、45-396(1979),p95
5 (2) 山田、濱渦、森、川並:塑性加工学会春季講演会前
刷集、(1986),p235,東京。 図2は、計算に用いた圧延ロールバイト内の要素分割の
例である。図3は図2のA部破線で囲まれた部分の拡大図
である。各要素につき圧延噛み込み時の温度、変形抵抗
を与えて剛塑性有限要素法により、圧延中に作用する応
力、歪みを計算した。変形抵抗は文献(3)、(4)の式を用
いた。 (3)志田:塑性と加工、9(1968)、p127 (4)志田:塑性と加工、10(1969)、p610 図4、図5は、計算例である。図4は圧延噛み込み時の板
厚方向の温度分布である。図5は、図中の圧延条件で圧
延した場合に板厚中心部に作用する圧延ロールバイト内
での静水圧応力成分の変化である。図5中に静水圧応力
成分の最大値を合わせて示した。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように、本発明を実施するこ
とによって鋼片中心部に内在するポロシティー等の欠陥
を著しく減少させることを可能とした鋼材を得ることを
提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延工程で鋼材中心部に作用する最大静水圧応
力を示す図。
【図2】計算に用いた圧延ロールバイト内の要素分割の
例を示す図。
【図3】図2のA部拡大図。
【図4】圧延噛み込み時の板厚方向の温度分布図。
【図5】ロールバイト内の静水圧応力の変化を示す図で
ある。ロ
【図6】剛塑性有限要素法で得られた静水圧応力の最大
値が6kgf/mm 以上となる条件を示す模式図であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 藤岡 政昭 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 昭57−149422(JP,A) 特開 昭60−56017(JP,A) 特公 昭53−12258(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材の圧延中に作用する鋼材中心部の静
    水圧応力の最大値が6kgf/mm 以上となる圧延パ
    スが少なくとも1パス以上あることを特徴とする内部欠
    陥の少ない鋼材の製造法。
  2. 【請求項2】 鋼を鋳造後そのままあるいは再加熱した
    後に、圧延開始前あるいは圧延開始後に鋼板または鋼材
    を所定の冷却速度で所定の時間冷却して鋼板の板厚方向
    に変形抵抗差を付与し、引き続き圧延形状比が所定の値
    以上となるような圧延を行う製造法において、冷却開始
    温度、冷却時間、冷却速度および圧延形状比が以下の不
    等式を満たす範囲で設定される圧延パスが少なくとも1
    パス以上あることを特徴とする内部欠陥の少ない鋼材の
    製造法。ただし、不等式の右辺の値が冷却の有無(冷却
    速度cの値)に関わらず負の値となる場合{T≦110
    0+2.4(267−194.3/m)のとき}は冷却
    行わなくても良い。t≧(T−1100)/c+2.
    4/c(194.3/m−267.0){ただし、T>
    1100+2.4(267−194.3/m)のとき} ただし、T:冷却開始温度(℃)、m:圧延形状比、
    t:冷却時間(S)、c:冷却速度(℃/S) m=2√R(h−h)/(h+h) ただし、R:ロール半径(mm)、h、h:入り側
    および出側板厚(mm)。
JP4032333A 1992-02-19 1992-02-19 内部欠陥の少ない鋼材の製造法 Expired - Lifetime JP2549964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4032333A JP2549964B2 (ja) 1992-02-19 1992-02-19 内部欠陥の少ない鋼材の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4032333A JP2549964B2 (ja) 1992-02-19 1992-02-19 内部欠陥の少ない鋼材の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05228502A JPH05228502A (ja) 1993-09-07
JP2549964B2 true JP2549964B2 (ja) 1996-10-30

Family

ID=12356026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4032333A Expired - Lifetime JP2549964B2 (ja) 1992-02-19 1992-02-19 内部欠陥の少ない鋼材の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2549964B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009090372A (ja) * 2008-11-12 2009-04-30 Nippon Light Metal Co Ltd アルミニウム合金厚板の製造方法
JP7020307B2 (ja) * 2018-06-13 2022-02-16 日本製鉄株式会社 圧延設備

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05228502A (ja) 1993-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5799527A (en) Method of producing a stainless steel sheet having excellent surface brightness
US3195991A (en) Production of composite metal strip suitable for the manufacture of bearings
US6374494B1 (en) Compound roll for thin cold rolled steel strip and method of manufacturing same
US2860409A (en) Solid-phase bonding of metals
JP2549964B2 (ja) 内部欠陥の少ない鋼材の製造法
US8448488B2 (en) Flat wire manufacturing method of manufacturing flat wire for ring gear
JP3528504B2 (ja) 極厚鋼板の製造方法
JP2022077516A (ja) 埋込式溝付けのインタロックの鋼-アルミニウム複合圧延材の製造方法
JPH06272763A (ja) 平線の製造方法およびオイルリング用サイドレール
JPH0810804A (ja) 厚板の圧延方法
JPH0214122B2 (ja)
JP3288220B2 (ja) 冷間タンデム圧延方法および冷間タンデム圧延機
RU2191645C1 (ru) Способ холодной прокатки низкоуглеродистой полосовой стали
JP2005200712A (ja) 残留応力を低減したatプレート用冷延鋼板及びその製造方法
JPS58192607A (ja) 厚鋼板の圧延方法
JP3259114B2 (ja) 表面性状に優れたステンレス鋼帯の冷間圧延方法
SU1696225A1 (ru) Способ изготовлени тонких биметаллических листов, полос и лент алюминий-медь
JP3217621B2 (ja) 表面粗度が小さく、かつ表層と中央層との硬さの差が少なく耐摩耗性に優れた熱延鋼板の製造方法
JP2000271623A (ja) 金属帯の冷間圧延方法
EP0310376B1 (en) Rolling process for clad steel
JPS6134482B2 (ja)
JPH086133B2 (ja) リベット用線材の製造方法
JP3360236B2 (ja) 磁気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0679722B2 (ja) 高珪素鉄板の圧延方法
JPH01228683A (ja) 金属板材の圧着圧延方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960604